シンガポール人は嘘がない

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5月31日 土曜日
【シンガポール】 シンガポール





目を覚ますがやはりイクゾー君はチャンギに帰ってきていなかった。

いくら金が全てなくなったからといって一晩中歌ってたわけでもあるまいに………



まさかマジでマリーナベイサンズの上から飛び降りたりしてないよな。翼をください歌いながら。

あいつに限ってそれはないはずだけど、何かあったことには違いないはず。野垂れ死にしてないかな。


iPadの充電切れてるはずだからメールもないし。

ショックのあまり髪の毛全部抜けてんじゃねぇかな。



まぁあいつのことだから這いつくばってでも生き延びてるはずだ。

俺は俺でやるべきことをやろう。












風邪は依然悪いまま。顔の奥の痛みはズキズキと締め付けるようだ。

こいつは風邪なのかな。頼むから早く良くなってくれよ………





フラフラしながらもギターと荷物を抱えて電車に乗り込み向かったのはタンピネスの駅。

この前みんなで来てお買い物をした場所にまたやってきたのは、風邪でボーッとしていて無くしてしまった帽子を再度買うため。

あれお気に入りだからな。





「あー、フミ君ー、久しぶりー。」


人混みでごった返すタンピネスのショッピングモールの入り口で待ち合わせをしていたのは、先日まで泊まらせていただいていたエミさん。

仕事で忙しいエミさんだけど、俺が明日シンガポールを出てしまうので最後にご飯を食べに行きましょうと話していたのだ。


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一緒にフードコートの日本食屋さんでカツ丼とカツカレーなんていう最高のご飯。
でも頭が痛くてなかなか食べられない。食欲はあるんだけどな………



「本当に大丈夫!?わかった、もう今夜はうちに泊まって!!」


「いや、大丈夫。またシェアメイトと険悪になってエミさんに迷惑かけたくないです。」


「そんなこと気にしないで!!病人だって説明すればみんなわかってくれるから。だからお願い、ベッドでゆっくりして!!」



そう言って薬局からパナドールという薬を買ってきてくれたエミさん。
とても良く効く薬なんだそう。

エミさんの家には2人ルームシェアのシェアメイトがいて、この前もうそろそろ出て行ってもらってと言われて出てきたところだ。
1ミリも仲良くなれなかった彼らとまた会うのは気まずすぎるし、エミさんにも迷惑がかかる。

さすがにもう行くことはできない。



「わかった!!じゃあホテル取るから。ホテルに泊まって!!」


「大丈夫!!本当に大丈夫だから!!もう良くなってきてるから!!」


「お願い。ねぇお願いだから。イクゾー君と一緒に泊まって。」


「イクゾー君、お金全て失って今どこにいるか行方不明なんだ。」


「え!?えええ!?大丈夫なの!?」




2人して心配かけまくってごめんなさい…………
でも本当に俺たち全然大丈夫だから心配しないでイクゾー君行方不明だけど。



本当に何かあったら必ず連絡してね………というエミさんと一緒に電車に乗り、街へと向かう。
エミさん、ありがとうございます。大好きです。









途中で別れて俺が向かったのは、シンガポール初日に見つけたドビーゴートの大きな建物の前。

やっぱりここが1番いいかな。

よく見たらこの大きな建物、アートスクールだったようで、そういえば周りをたくさんのオシャレな若者が歩いてると思ったんだよ。
絵画、芝居、カメラ、音楽、いろんなジャンルの学生がここに集結してるみたい。


そして階段にはこんな文字まで書いてあるし。

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気合いが入る。

ここで止められること100%ない。

頭は痛いが今日が最後のシンガポール。やれだけやってやる。













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もうすごい。

すごい勢いでお金が入る。


常に周りの椅子に座って歌を聴いてくれる人たち。

子供可愛い。全員可愛い。男も可愛い。ムスリム可愛い。

別にお金くれるから愛しく見えるわけではなくて、彼らの嘘のないまぶしい笑顔が心を鷲掴みにしてくる。

マジで嘘がない。
シンガポール人、可愛い。

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歌っていると、アートスクールの中からたくさんの生徒たちが出てきて、すぐ横でわいわいと何かの展示を始めた。

アート的なディスプレイでパネルを階段に散りばめていく。

人々は足を止め、見入っている。




と、今度は俺の後ろの方に通行人の視線が集まっていることに気づいた。

振り返ると、そこにはたくましい体をした欧米人の集団がおり、ビデオを構えながら何かやっている。

そして1人の男がいきなり階段に向かってローラースケートで走り出した。

階段の手前でジャンプすると、スチールの手すりに飛び乗り、すごい勢いで10メートルはある歩道まで一気に滑り降りた。

見事着地が成功すると、通行人から大きな拍手と歓声が起こった。

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アートの展示、ギター弾き語り、ローラースケート、

この小さな階段広場に3つのアクションが綺麗に収まっていた。
どれもお互いを邪魔せず、引き立たせあってるようだった。







頭は痛い。体もだるいが集中して歌う。
痛みが逆に意識を研ぎ澄ますようで、不思議と細部まで見えてくる。

このまま行けるところまで行ってやろうと、他の雑音が聞こえなくなるくらい集中して歌った。



やがてローラースケートの兄ちゃんたちは警備員に怒られて去っていき、パネル展示の生徒たちもみんな俺のところに来てお喋りして帰っていった。



1人でもくもくと歌った。
自分に歌うように。



俺が歌?俺は歌を歌っている?

俺に歌が似合うか?それがこの俺のやるべきことなのか?

たまに驚く。

俺は歌を歌っている。
歌なんてもんを歌っているんだ。







あぁ、お腹空いたな。
やめよう。


3時間やってあがりは354ドル。











「ハーイフミ、ここでやってたんですね。」


顔を上げるとそこにはチューさんがニコニコしながら立っていた。


「わー!!チューさん来てくれたんですね!!」


「やることも終わりましたからね。ご飯行きますか?」


「行きましょう!!」


もうすっかりチューさんと仲良くなって、とても自然に会話が弾む。

チューさんにしても、この前のジェイクにしても、今日声をかけてくれた笑顔の人々も、みんな心から接してくれる。

正面から向き合える。

ああ、シンガポール最高だ。
もうすっかりこの国の虜だ。







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チューさんに着いてバスに乗り、リトルインディアというインド人地域へ。

へー、ここがリトルインディアかーと思いながらバスを降りた瞬間、むわっとカレーの匂いとかウケる。

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マジでインド人しかいない。

鼻ヒゲはやしすぎじゃないのかな………カレーつかないのかな………



綺麗なシンガポールの中にあって、いきなり雑然とゴミゴミした雰囲気に変わり、これがインドかっていう味わいはあるけども、どうせもうすぐ本物のインドに行くんだ。


本物のインド、すごいんだろうなぁ………
バカじゃないの……?って何回言うかなぁ……

楽しみだ。

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ラベンダーの駅近くにあるホーカーに行き、生まれた時から職人です、みたいな顔をしたおっちゃんの作るエビヌードルを食べた。

美味えええ!!!!
なにこれ美味えええ!!!!

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チューさんはワンタンヌードル。
どちらもとてもポピュラーなシンガポールのご飯だ。

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「チューさん、僕三国志が好きです。曹操とか劉備とか呂布とか。」


「サンコクシ?なんですかそれは?」


「えーっと……こうやって書きます。三国志。」


「あー、サンコウ。どうして知ってるんですか?」


「だって三国志は日本ですごく有名ですよ。漫画でもゲームでもテレビでも、三国志をテーマにしたものはたくさんあります。」


「へー、そうなんですか!!日本で中国の歴史が有名なんですね。知らなかったです。曹操は目をつぶらないで眠った、っていう伝説があるんですよ。」


「他にも学校では漢文の読み方を勉強したりします。日本はとても中国に影響されてますからね。」




俺がどうしてこんなに中国に惹かれているのか、気づいた時には行きたくてたまらなかった。

世界一周に出る前から、中国は必ず行きたい国のひとつだった。
というか最も楽しみにしていた国かもしれない。

仏教や、様々な文化が中国から流れ込み、都の作り方や民族の統制の仕方など、日本は中国を模範にして国を築いた。

今でこそ完全に違う国ではあるけども、俺が今こうして書いている漢字も元は中国から来たもの。

日本のルーツを知りたいのか、それともカンフーや気功術や、様々な東洋の謎に彩られた神秘に触れたいのか。



うまく言えないけど、行く前からこんなに楽しみになっている国は今までなかったかもしれない。

きっとまだ見ぬ新しい世界があるはず。



「チューさん、僕は中国が好きです。みんなこのシンガポールの中国人みたいに優しいんですか?」


「そうですね。みんなここの人たちと変わりませんね。優しいですよ。」


「僕が中国で歌っても大丈夫ですか?日本人だからって石を投げられたりしないですか?」


「ないとは思いますが、もしかしたらあるかもしれないです。特にナンチンとかでは。」



ナンチン?………あぁ、南京か。

そうだよな、色んな歴史があるよな。
アホな顔してのほほんとは出来ないよな。

でも必ずやってやる。











ご飯を食べ終わって空港へと戻る。

今日も着いてきてくれたチューさんとお喋りしながら寝床へ行くと、


そこには全てを失った男がいた。ぬか漬けみたいな顔をして。

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「あ、ど、どうも……イクゾーさん、お久しぶりです………」


「金丸さん、どうして来てくれなかったんですか?マジきつかったっすよ………」


「いやーあの……チューさんとご飯行く約束してて……Wi-Fiが切れちゃって………」


「チューさんチョイスですか。」


「だってイクゾー君ならなんとかなるだろうと思って………」


「僕ゆうべマジでキツかったんですよ…………全てを失ってさらに金丸さんに見捨てられてどうしようと思ってたらバッグの中から14リンギ見つけて。ギターとってチャイナタウンとクラークキーに歌いに行ったんすけど、マジで4ドルしか稼げなくて。4ドルですよ?えぇ?なんで!?ですよ。飯食えないし。」



歌い終わってからとにかくチャンギに戻ろうと4ドルで電車に乗ったはいいが、乗り換えのタナメラで終電が終わり、6kmくらいなので歩こうと夜中の道をトボトボ歩いていたら、道が高速道路になって歩けなくなって、1人で笑ってたらしい。なんだこれ?あはは~って。




もうそれ以上話さないで!!

涙が止まらない!!




「なんかもう、はははって笑えてきちゃって。横に公園があったんで腹筋とかする機械の上で寝ました。いやー、辛かったなぁ。駅でエスカレーターに乗ったら服が巻き込まれて後少しで俺引きずり込まれるところだったんですよ。ろくなことなかったです。金丸さんはこの2日何してたんですか?」


「え……ぼ、僕はチューさんとご飯食べて夜景みたりして、今朝はエミさんとデートして354ドル稼いで、またチューさんと美味しいご飯食べてきたって感じ……かな。エビラーメン、美味しかったよ?」


「もう全っ然意味わかんねーっす。全っ然意味わかんねーっす。」



大笑いしながら3人でお喋り。
チューさんは本当にただのいい人で、イクゾー君とも色んな話をしている。

まだ英語全然わからないイクゾー君だけど、単語は増えてきてるみたいだ。



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23時になり、チューさんもそろそろ帰ることに。



「アイウイッシュユーオールザベスト。ハブアセーフジャーニー。」


「オーイエス、サンキュー。」


ニヤリと笑って親指を立てるイクゾー君。そしてチューさんはバスに乗って帰って行った。


「チューさんただのいい人ですね。ところでジャーニーってどういう意味ですか?」


そんな話をしながらベンチに寝床を作り横になる。






さぁ、明日はアジア2ヶ国目のマレーシアに突入だ。







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