彼女からのメール

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2月8日 土曜日
【エクアドル】 テナ






「なんか……足が痛いな………うわっ、気持ち悪……」


なんだかふくらはぎと膝が痛痒くてズボンをまくり上げてみる。


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そこには真っ赤に腫れた虫刺されの痕のようなものが、ふたつできていた。

そうだ、ここ昨日あの巨大アリに噛まれたところだ。

それにしても大きな赤い部分。
そして中心部は固く腫れている。




その足を見たみんなが驚いて、急いでリーナを呼んできた。

俺の前に座りこんで真剣に足を触るリーナ。


「これは多分大丈夫よ。熱はない?ないなら大丈夫。明日診て腫れが引いてればなんともないわ。」


生まれからずっとジャングルで生きてきたリーナが言うなら間違いはない。


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リーナが虫刺されのクリームを塗ってくれた。

乱暴にゴシゴシとではなく、ゆっくりとしなやかな指づかいで。

そのいたわるような優しい手の力がとても気持ち良かった。

肌の温もりは、俺たちが同じ人間だということを1番確かに教えてくれる。






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そんなリーナが教えてくれる。

サンペドロの精製には15時間ほどの時間がかかるそう。

まずサンペドロサボテンをカットし、エキスを抽出しやすい部分を取り分け、それを鍋で12時間煮込む。

充分にエキスが出たところでミキサーにかけてドロドロの液体を作り、それをさらに煮込むというわけだ。

ネズミの尻尾や、亀の手とかの魔術に必要なものはとりあえずいらないみたい。


パウロという男前のエクアドル人、そして世界中を旅している謎のどヒッピーのロドリゴという男2人も急遽参戦することになり、今回のデコデコデコリンメンバーは8人となった。


あ、おでこの眼鏡でデコデコデコリンという子供向けの番組を知らないですか?

いつもおでこに眼鏡をかけている1人の少年がその眼鏡を実際に目にかけるとテーブルや木など様々なものとお話が出来るようになるという画期的な番組です。

掛け声は、おでこの眼鏡でデコデコデコリンー!!です。


サンペドロを飲むと、おでこの眼鏡が降りてきて植物や雲、水、虫など、様々なものの気持ちが分かるようになるそうです。


「やぁ、お花さん、どうして君はそんなに綺麗なの?ニコリ。」


「うるせぇ、だまれ早漏。」


って言われたらヘコみます。






サンペドロを飲んだら、次の日は体がだるくて動けなくなるそうなので今日はキチンと仕事に行って食料をゲットしておかないといけない。

ヘロニモたちは精製の準備をするということなので、マリアンナと2人でギターを持って仕事に出かけた。









と、その前に行かないといけない場所がある。

随分遅くなってしまったけど歯医者さんに行ってとれた銀歯をはめてもらわないと。


マリアンナたちに行こう行こうと急かしてもなかなかタイミングが合わず、こんなに遅くなってしまった。

早いとこ終わらせてしまわないと。





リーナに教えてもらった病院に到着。
古びた建物だけど、たくさんの人がベンチに座っている。

テナはこのナポ県の県庁所在地なので、田舎ではあるがちゃんと病院はある。
田舎の設備に若干の不安はあるけれど、そんなに大きな処置でもないだろうから大丈夫だろう。


俺と同じでもう少し治療するところが残っているマリアンナが受け付けで話しをしてくれる。

そしてすぐに渋い顔をして振り返った。


「フミ、ノー、ドクトル、ノーオイ。」


どうやら今日は歯医者さんがいないみたいで歯の治療ができないとのことだった。



もう………マジかよ………

早く終わらせてしまいたいのに………


受け付けのお姉さんの話では、月曜日に俺たちが泊まっているリーナの集落に出張で歯医者さんがやってくるとのこと。

仕方ないが月曜まで待つか。







気を取り直してセントロへ向かい、いつものようにレストランを回っていく。

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のだが、ギターの弦がいい加減古くなりすぎていて3軒に1本のスピードで切れまくってしまう。

俺はいつもギターのヘッド部分から弦の余り部分をぴょんぴょん伸ばしているんだけど、あれは切れた弦を再生するためのもの。

余り部分をカットせずに残しておいたら最低でも3回は弦を再生することができる。

毎回新品の弦に張り替えないで済む旅人の知恵。


でももう全ての弦を何回も再生して使っているので、余り部分がなくなってきている。


そしてついに1番切れやすい3弦が切れてしまい、弦の長さが足りなくなってしまった。



どうしよう………

マリアンナも心配そうな顔をしている。
彼女はいつもギターなしのアカペラでバスキングしてるので、別に1本くらい弦がなくてもいいわよ!!って言ってくるけど、やっぱりそれは許せん。




別に日本だったらすぐ買ってもいい。
1セット300円も出せば弦を買える。

でもエクアドルは楽器がものすごく高い。
見たこともない中国製のやつが1セット千円近くする。

バラ売りでも170円とか。





考えた末、弦の長さが足りないなら3弦を2弦のペグに巻きつければいいんだというギター弾きにあるまじき荒技で再生完了。

音に遜色なし。

よし、レッツゴー。





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それからも弦を再生しながらレストランを周り、最後に市場に行ってハーメルンの笛吹きみたいに子供たちをゾロゾロ引き連れて歌い歩き、大量の野菜やお米や調味料をゲット。

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これでしばらくはみんなの食料になるぞ。

あがりは40ドル。

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「もう少ししたら私はヘロニモと別れるわ。」


仕事を終えて歩いているとマリアンナが言った。

あと2ヶ月くらいでアルゼンチンに帰るという。
でもヘロニモはまだしばらくは旅を続けるそう。


「ちょっと疲れたわ。毎日少しずつお金を稼いで節約しながら旅をするの。アルゼンチンに帰りたい。ヘロニモとは終わりじゃないけど7ヶ月ずーっと一緒だったからね、何ヶ月も離れたら、難しいかも。」


2人はこの旅の中で出会った。
そして恋人になってからずっと片時も離れずに一緒にいたわけだから離れ離れがどうなるのかわからないんだろう。

この前出会ったフランス人も言ってた。
フランスの女の子は10日もほっといたら他の誰かと恋してしまうよ!!って。


そういえば最近Wi-Fiがなかなか手に入らなくて日本で待ってる彼女に連絡してない。

彼女は日本人だから大丈夫、なんてのは男の勝手な妄想だよな。


マリアンナにちょっと待ってもらってWi-Fiスポットに行って彼女にメールした。


するとすぐに返事が来た。



「久しぶり!!来月東京でカッピー、ユージン君、ショーゴ君と会うことになったよ!!ミユキさんも!!」



何いいいいいいいいいいいいいい!!!!!!!!!!

なんだその楽しすぎるメンバーは!!!!

この旅の中で仲良くなったメンバー大集合じゃねぇか!!!


うおおお………参加したい………



カッピーたち!!俺がいかに彼女を愛しても3分の1も伝わってないか伝えておいてね!!




ちょっとほっとしてそれから野菜を担いでタクシーに乗ってリーナに家に帰った。














「やった~!!食料が来たぞ~!!」


家に到着すると、袋の中の野菜を見て大喜びするみんな。

そしてすぐに料理を作ってくれる。

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調味料と言ったら塩くらいしかないので、野菜の旨味がたまらない。









そしていつもの焚き火場所を見てみると、大量のまきの上に大きな鍋が置かれていた。

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こいつがサンペドロか!!

まだ火にかけて間もないみたいで、鍋の中のお湯はそれほど濁っていなかった。

これから夜中にかけて火を絶やさず煮込み続けなければいけない。

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夕闇がジャングルを包み始める頃、黄昏の寂しさが胸をさす。

白い空が落とす草木の影が濃くなって行く。

人生に対する心もとなさが風に乗って吹きつけ、ふとどうしらいいのかわからなくなる。









若さと思い出をくべて、火を燃やし続ける。

火が俺たちの影を揺らす。

笑い声が、風に書いた文章みたいに散らばる。


薄暮のしじまに浮かぶ影絵のように、頼りなく。


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