ステーブチャーチ巡り

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8月14日 火曜日


静寂の谷に朝が訪れる。
静かな湖面を、滑るように船がこちらに向かってくる。
この小さな渡し船の値段は36クラウン。

フィヨルドの真ん中、そそり立つ山々の下を落ち葉のように渡って行く。
photo:01



対岸の町に着き、のんびり歩きながらヒッチハイク。
今日の目的地はこれまたど田舎のボルグンという集落にある教会。これがまたかなりヤバイらしい。
しかしたどり着くまでに複雑な道を経由した上、また渡し船に乗ってさらに奥地へ……ってヒッチハイクではかなり厳しいコース。
まぁ、やれるだけやってみようと親指を立てる。
photo:02





って1台目で止まった!!!

うおー!ラッキー!!
ここんところ1時間待ちが普通だったからな。

運転手さんは静かに優しくしゃべるにこやかなおじさん。


「ボルグンの教会?いいですよ。一緒に行きましょうか。私も用事がありますので。」


うおーーーー!!!!!

奇跡としかいいようがない!!

このあたりの教会はステーブチャーチと呼ばれる特殊なもののようで貴重な文化遺産ということでボランティア組織が維持・管理を行っているらしい。
おとといヒッチで乗せてもらったおじさんもそうだったのだが、この柔らかい笑顔のおじさんもその組織のメンバーらしいのだ。
ちなみに、知らなかったのだが、昨日訪れたウルネスのステーブチャーチは世界遺産だったようで、さっき船で渡ったフィヨルドも、西海岸フィヨルド群、みたいなくくりで世界遺産に登録されているようだ。

「他にも素晴らしいステーブチャーチがこのあたりにはたくさん現存してるんだよ。行ってみたい?どうせ私も行かないといけないからね。」

ニコニコしながら話すおじさん。
おじさんと1日、教会巡り決定。


ソグンダルの町にある博物館におじさんのオフィスがあり、そこに立ち寄ったりしながら、おじさんオススメのカウパンゲルの町のステーブチャーチへ。

photo:03


うおー!!
ここもすげー!!
ちなみにステーブチャーチってのは建物の造りからきてる名前みたい。複雑な木組によって建てられているんだけど、それを支える支柱のことをステーブって言うみたい。
この工法の教会は1130年~1350年の間に建てられたもので、ペストが流行して建設は終わりを告げたみたい。
かつてはヨーロッパ中にあったみたいだけど、今ではノルウェーにしか残ってなく、しかも28カ所しかないんだって。
このカウパンゲルのステーブチャーチは1150年に建てられたもの。
世界遺産に登録されているウルネスの教会は1130年に作られたんだそうだ。

すべての教会の中に入ることができるのだけど、やっぱり有料。
ウルネスが60クラウン。
カウパンゲルが50クラウン。

おじさんが言うには、この2つが内部見学オススメの教会らしい。
というわけでカウパンゲルの中へ入ってみた。

薄暗い内部。田舎の教会なので席も少なく、狭い。
明りとりの小窓が天井近くにあるだけで、かなり暗い。浮かび上がるかすんだ壁の絵。古い木の臭い。
神秘は人が作るものだ。
これは入るべきだな。
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それからもおじさんと一緒にドライブ。
フィヨルドに突き当たり、車ごと次の渡し船に乗船。慣れた感じで手続きするおじさん。
乗用車が36クラウンだったかな。安い!というと、なぜなら僕はフィヨルドパスを買ってるからねと笑う。
40パーセントオフなんだって。
photo:05



対岸に渡ってすぐの町、レルダルにやってきた。
ここにはおじさんが管理するペンションがある。おじさんが仕事をしている間、俺は町の散策。

周りを高い高い岩山に囲まれた谷底にあるこの町。かつては古い街道が通っていたようで、町並みもレトロな日本の宿場町といった風情。
というか西部劇の町並みって感じだな。
いや、ほんとこの辺りは中世にタイムスリップしたような風景だ。
photo:06



仕事を終えたおじさんと、今日のメイン、ボルガンの教会へ。
今にも石が転げ落ちてきて潰されそうな険しい岩山の足元を進んで行く。
こんな場所だからトンネルも多い。どれも8kmとかそんな長距離トンネルだ。

しばらくして脇道に入り、数軒の民家がポツポツと見える小さな集落に入る。
そしてその集落のはずれ、何もない田舎の緑の中に、ボルガンのステーブチャーチはあった。


もう声をあげずにはいられなかった。

photo:07


黒い、不思議な形をした、まるで生き物みたいなその生々しい姿。
何段にも重なっている複雑な屋根の先には見たことのない飾りがのびている。
長い年月のせいか、多少ゆがみ、不恰好な姿がさらに強烈なインパクトとなって迫ってくる。
こいつはすげえ!!!!

これは1180年に建てられたもので、入場は75クラウンと少し高めだが、近くのビジターセンターにある博物館との共通券なのでお得。
そのあまりにも個性的な姿で、どのステーブチャーチよりも観光客が多い。

勇んで教会の敷地に入ろうとしたら、係員の兄ちゃんに止められる。園内に入るだけでもチケットがいるみたい。
マジかー、75クラウンはちょっと高いなーと思っていると、そこに彼のケータイに電話がかかってきた。
何やら話している。
電話を切ると、彼はすごい勢いで、すみませんでした!!と謝ってきて、日本のかたっスね!!これ日本語のパンフレットッス!!急に腰が低くなった。
きっとあのおじさんの仕業だろうな。かなり偉い人なのかな。
おかげでこの後、ビジターセンターでコーヒーとホットケーキにもありつけた。おじさんありがとう!!


いやー、これはすごいわ。
深い山々に閉ざされた何もないこの地に、ひっそりと立ち尽くす奇妙な教会。

フィヨルドも自然もすごいけど、このソグネエリアのステーブチャーチ群を見ずしてノルウェーは語れない。間違いなく。

北欧の歴史の生き証人だ。
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今日はこれ以上ヒッチハイクはやめときますというと、ヨンおじさんはレンダルの町に戻りながらいろんな名所に立ち寄ってくれる。

シャケの飛び跳ねる美しい渓流、雪解けの滝、そして彼の友人の家に寄って古い建物の見学まで。

なんて一日だ。
というか毎日が驚きと感謝の連続。


夜10時。谷間の町に夕陽が差しこみ、岩山を雄大に染め上げる。
ノルウェー南部、ファンタジーの世界だ。
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