何も出来ない自分へ

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12月23日 月曜日
【コロンビア】 メデジン






朝から曇り空。

でも今日は歌いに行かないと。


話では24日は祝日になり、人々は家にこもって家族と時間を過ごすらしく、街はゴーストタウンになるんだそう。

なので今日は絶対に外せない。




なにより、このクリスマスという浮かれた空気が、何かをしなさい、有意義な時間を過ごしなさいと無理やり背中を押してくる。


なにかやらなきゃいけないような、そんな焦りを感じる。


無駄に過ごしたらいけない。
だってクリスマスなんだもん。









バスに乗って近場のスーパーマーケットの前にやってきた。
明日からの休日に備えてたくさんの人が買い物に来ている。

街はいたるところにクリスマスの飾りつけが施され、浮き足立っている。

俺もその一員にならなきゃ。











スーパーの入り口でギターを構えた。

みんな何だろう?と足を止める。

そしてまだ構えてるだけなのにお金が入った。


いける。
いけるぞ。



向こうから警察が歩いてきた。
あ、ヤバイ………

しかし笑顔で挨拶してきただけで去って行った。

よし!!










…………が、しかしやっぱりお店のセキュリティが来て止められてしまった。


やっぱりか………





でも諦めんぞ。
少し離れたところなら大丈夫かもしれない。

向こうのカーブの先なら敷地の外に出るのできっと何も言われないはず。

ギターを片づけて歩こうとした時だった。







曇天模様だった空から急に土砂降りの雨が降り出した。

軒下に駆け込む。

雨はどんどん勢いを増し、道路に水たまりができた。






なんなんだよ…………

なんなんだよチクショウ………

せっかくバス代を払ってここまで来たのに無駄足だなんて………






ずっと待ち続けた。

大粒の雨がアスファルトを叩き、しぶきがズボンの裾にかかる。


止んでくれよ。

頼むから歌わせてくれよ。


メデジンに入ってから全然歌えてないんだよ。
稼げなかったら南米から出られないんだよ。

頼むよ…………


焦りと、やるせなさと、悲しさが胸に滲む。









歌えないのなら他にやることはある。
やらなければいけないことは分かっている。


旅に出てから、オリジナル曲がまだあまり出来ていない。

自分への猜疑心と失望に気づかないようにするのはとても辛いこと。




俺はきっともっとやれる。
捨てたもんじゃない。
今まで作ってきた歌は、誰にだって自慢できるものだと思っている。

これからもきっといい曲を作れる。



でももしかしたら、もしかしたらここら辺が限界かもしれない。

ずっとずっと、そんな葛藤と戦い続けてやってきた。


誰だってそう。

諦める言い訳は、自分に言い聞かせるごまかしでしかない。


俺はきっともっとやれる。

自分に言い聞かせるようにつぶやく。


軒下に立ち尽くし、ずっと雨を見つめていた。












バスに乗ってカオリさんの家の近くのフードエリアにやってきた。

ここなら屋根があるし、もしかしたら歌えるかもしれない。


photo:01



と思ったんだけど、ここも雨のためにお店の椅子が通路に並んでおり、歌えるスペースがなかった。

雨は相変わらず降り続いている。


もう時間を浪費するという罪悪感でさえ、水たまりに沈んでしまった。






雨の中歩いた。
冷たい雨が服を濡らす。

虚しさに支配されながら家に戻った。












部屋の中、ギターを爪弾いて曲作り。

サキちゃんが何も言わずにコップに入れたお茶を俺の前に置いてくれた。


その優しさがたまらなかった。

悔しかった。









夕方になるとケータ君たちも帰ってきて、みんなで料理。
今日は鍋をしようとみんなで言っていた。

photo:02




日本人たちと囲む鍋。楽しい会話。
嬉しくてたまらないはずなのに、冗談のひとつも言えない。

それでもみんなの暖かさが、この虚しさを癒してくれる。








「あ、金丸さん、ちょっとタバコ買いに行きたいから一緒に来てくれないですか?」


ご飯を食べ終わり、後片付けも終わってひと息ついた時にサキちゃんが言った。

タバコはアパートの外の酒屋で売っている。


この時間に女の子の1人歩きはいけないので一緒について行った。



「ちょっと寒いですね。」


サキちゃんが腕をさすりながら言う。

さすがの赤道に近いコロンビアでも夜と朝は少し冷える。

それでも日本の秋くらいの風だ。

夜風が優しく吹いて、髪の毛をなでる。


ようやく遠い昔を思い出させてくれる季節になったのかな。
俺も少しは成長できたかな。


あいつに胸を張って旅してるよと言えるかな。

ずっと前に住んでたアパート。
もうあそこにはきっと誰かが住んでいる。












タバコを買って部屋に戻る。

ドアを開けると明かりが消えていた。


あれ?




「ハッピーバースデートゥーユー、バースデートゥーユー、」





部屋の中に歌が響いた。

テーブルの上にロウソクのついたケーキがあった。





なんだよ、

チクショウ、


チクショウ、



日付け変わってんじゃねぇか。
24日だよ。



「金丸さんー!!おめでとうございますー!」


「おめでとうー!!」



やめてくれよ、泣きそうだよ。

こんな情けない俺なのに。

祝ってもらう資格なんてないよ。




みんなありがとう。
頑張るよ。
今のままじゃダメだ。


胸はって旅してるって言えるようにならなきゃ。

photo:03








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