地獄のパナマ出国 後編

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船はサンブラス諸島の島々に立ち寄りながら進んでいく。

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人を下ろし、人を乗せ、次の島へ。



草でできた家の間から、カラフルで特徴的な民族衣装を着こんだ少数民族の人々が見える。


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裸で走り回り、海に飛び込む子供たち。

海の中で暮らす人々が、俺たちを珍しい生き物を見ようにジロジロと見てくる。

そうだよな。
島民と魚くらいしか見たことのない人々だろうしな。

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こんな島で暮らしてみたいと思う。


世界に出る前、まだ日本にいる頃から、世界を旅する自分の姿をいつも想像していた。



険しい雪山を登る自分。
シルクロードの僻地をポンチョを巻いて歩く自分。
ヨーロッパの片田舎のバーで歌う自分。



そしてそんなイメージの中でいつも欠かさずあったものがある。

エメラルドグリーンに透き通った海の上、木をくり抜いたような舟で地元の人と銛で魚を獲っている自分。

それこそが俺の世界旅の大きなイメージだった。


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今俺はまさにそこにいる。


ここでしばらく暮らして、文明とかけ離れた海と生きる人々の魂を感じてみたい。

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なんて自由で、美しいんだろうと思える。
きっと夜になったら、信じられないような星空が広がるんだろうな。


広大な暗闇。
どこまでも広がる漆黒の海。

人間の無力さを感じたとき、ようやく地球に生きている本当の実感を得られるのかもしれないな。



自然に抱かれて生きることの美しさ。

カリブの海は輝いている。

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さらに2時間。

幻想の海を駆け抜け、小舟は名もなき小さな島に着いた。

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降りて行く人々。






あれ?ここが終点?


しかしそうではなく、ここで船を乗り換えろと言う。

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急かされるまま、慌てて飛び移った次の船がヤバかった。





さっきまでの漁船よりもさらに小さい、冗談としかいいようのない小舟。
もう、壁が低すぎて手をのばしたら海面に触れられる状況。

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え?マジで!?マジで!?


と思ってるうちにエンジンがかけられ沖へ出発する小舟。

乗客は俺たち4人と地元の人3人。


あの大型液晶テレビを運んでる黒人のオッさんも乗っている。


こんな小型の舟で行くのかよ!!と焦って気が気じゃない様子のオッさん。



うん、輸送手段、間違いすぎです。




おそらく家族に託されたであろう大型液晶テレビを買ってくるという一大ミッションを遂行しているオッさん。


家族の喜ぶ顔を見るために、荒れ狂う海を越えて小舟でテレビを運ぶとかドラマチックす……………








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ビッッッシャアアアアアアアア!!!!!!

ジャバアアアアアアイアアウアアアアアアア!!!!!!!





波をかぶってテレビびしょ濡れ。

キレるオッさん。



ふ、不憫すぎる(´Д` )

不憫すぎるよオッさん(´Д` )








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もう地獄。なにこの財宝探しに行く系の海。


壁が低すぎて、もはや海面スレスレの高さで走る小舟。



辺り一面の水平線、荒れ狂う波、翻弄される1枚の落ち葉のような俺たちの舟。

うねる波の隙間に見えるのは、次の波。

海逆巻きすぎ(´Д` )






「もういやだああああああ!!!!帰りたいよおおおおお!!!!!」


「ぎゃああああああああ!!!!!!死ぬううううううう!!!!!」




あ!!!横波が来て船が傾いた!!

ひっくり返りそうになる!!


壁が海面より沈んで、ものすごい勢いで水がナオコちゃんを直撃。



「あへあへへ~、もうパンツまでびしょ濡れだぎゃー、楽しくなってきただらー。ヤバトン食べたいだやー。」



ナオコちゃん、崩壊。

全員ズタボロ。


テレビのオッさん、キレすぎ。

もうテレビのダンボール、濡れまくりで泣きそうになってるところに容赦なく波が打ちつける。

可哀想すぎる(´Д` )











さらに2時間。

地獄の漂流。



その果てに、ついにジャングルの陸地に小さな集落が見えてきた。

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周りには人が立ち入ることが許されないような広大な密林地帯。

本当に船でしかたどり着くことの出来ない地なんだな。

ここがパナマ側の国境の村、プエルトオバルディアだ。









ガザガザガザ、と波打ち際に乗り上げた船。
ズボンのまま海に降り、荷物を陸に運んで行く。

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テレビも無事、陸にあげられた。


…………ん?…………トロール?



あれ!?トロールウウウウウウウウウウウ!!!!!!!


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トロールも瀕死の重症………





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「か、金丸さん………や……やっと着きましたね………今までで1番きつい移動だった………」


「うん………もう二度と船乗りたくないね………」

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何もない海辺。
いくつかの小舟がロープでつながれ、廃虚が風にさらされている。

この世の果てのような、忘れられた地。


海辺にイミグレーションがあった。
警察がおり、パスポートを渡す。

土嚢が積み上げられ、まるで戦争中の壕の中みたいなものものしい雰囲気。


パスポートチェックの後は、荷物全開けからの警察犬によるドラッグチェック。

やはりパナマ~コロンビア間はドラッグ関係が厳しそう。

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「よし、チェックは終わりだ。これからどこに行く?」


「コロンビアです。」


「でももう17時だからイミグレーションは閉まる。今夜はこの村にとまって明日出発しなさい。」




こ、こんな僻地の村に泊まるのか………
宿なんてあるのか?





そして心配なのは船の手配。

俺たちはすでにパナマシティーでコロンビアまで行く代金を払っている。
ここから国境を越えた次の村、カプルガナまでの代金だ。


今日はまだ船頭も理解していたけど、日付けが変わって明日になり別の船頭が来たらどうだろう。


もう払ってる?そんなこと聞いてないな、知らないから今俺に払え。って言われる可能性は大いにあり得る。


しかしイミグレーションが閉まってるのならば今日は進むことはできない。


ここまで乗ってきた船の船頭に、明日は何時に来てくれるのか、なんて名前の船頭が来るのか、ちゃんとカプルガナまでのお金は払っている、ということを念を押しておいた。

不安は残るけどこれくらいしかできないな。

道がない以上、船が来なかったらこの村を離れることは一生できない。
まるで海に捕らわれた囚人だ。









そして村の中に入っていくと、何人かの囚人がいた。

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荒れ果てた民家、割れまくりの地面、小さなレストランやパン屋さん。

野良犬が道の真ん中で寝ており、子供たちがキャーキャーと走り回っていた。

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空き地に吹き渡る風。
潮騒が公園の遊具を優しくなでる。

こんな場所でも人々の暮らしがある。
こんな閉ざされた場所なのに。






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ホテルはすぐに見つかった。
というかこんな小さな集落なので、必要なものはすべて小ぢんまりと揃っている。

お婆ちゃんが1人でいるボロボロの宿。
4人部屋で1人5ドル。
パナマシティーでの宿代を考えたらものすごく安い。

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部屋はまぁ見事なまでに陰湿な空気で、灯りが18時からしかつかず不気味な湿気に満ちている。
まぁ5ドルだからな。


とにかく今は一刻も早くこの潮をかぶって、塩をふきまくった体をどうにかしたい。
顔がザラザラと塩にまみれている。
服もべちゃべちゃだし、気持ち悪すぎる。

荷物を置いてすぐに海辺に向かった。









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服を脱ぎ捨てて海に飛び込んだ。

透き通った海水。

ぬるい水に体をまかせてプカプカと浮いてみた。


ジャングルと潮騒だけがそこにあった。



誰も俺を知らない。
この地の果てで、海に抱かれて、インターネットなんてもののない場所にいると、人間から獣に近づくようなとんでもない開放感がある。





月が雲にかすみ、朧に光り始める。

ああ、今以外の別の人生への憧れは、いまだ胸を焦がす遠い望郷に似て。











宿のシャワーはもちろん冷水で、ドラム缶の中の水をすくって体にかける。


女の子たちは人生初だ!!と喜んでいる。
いや、喜んではいないか。



暗くなった村のはじっこ、海辺の空き地に食堂があった。
夜風に吹き飛ばされてしまいそうな小さなあばら家。

そこで魚の塩焼きを食べた。

とても美味しかった。

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なんて幻想的な夜だろう。

1日中、いつ転覆するかわからないような船に揺られていたので、身体中が緊張していたようで、筋肉がこわばっている。

安堵に力が抜けて行く。


潮騒は空を飛ぶ風切り羽のように。




ああ………拷問の1日だったけど、

その果てには楽園が待っていた。

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あああああああ!!!!!!

明日も船嫌だあああああ!!!!!!







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