アメリカの素顔

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8月27日 火曜日
【アメリカ】 モニュメントバレー ~ ラスベガス





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車を降りた。
ひやりとした空気が岩山の肌を伝わって漂っている。

静寂のみがそこにある。



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ゆうべは夜中だったので、ここがどんな景色だったのか何も見えなかった。

そこには一面の荒野が広がっていた。

ゆうべ足に刺さったトゲトゲの植物が地面に散らばっており、そのイバラに雨露がキラキラと光っている。

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まるでビルのようなサイズの巨大な岩がゴロンゴロンと転がっており、はるか向こうの雲の切れ間に、絵で描いたような断崖絶壁が広がっていた空に続いている。

その荘厳さは、どこまでも神々しい。大袈裟でもなくまるで神話の中の出来事のよう。

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ファイナルファンタジーの果てしない旅路の途中みたいだ。

吟遊詩人3人に、お姫様のパーティー。
いや遊び人3人か。
なんならスッピンか。
せめて玉ねぎ剣士で(´Д` )

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しばらくしてテントがガサガサと動いて、中から眠そうな顔をしたカッピーとユージン君が出てきた。

可憐なお嬢様であるネコ娘ちゃんにはおそらく初めてであろう車中泊をやらせてしまったわけだけど、さすがに若いだけあって一晩経っても顔は瑞々しくて綺麗な肌だ。


みんなでしばらくその壮大な景色の前にたたずみ、荷物を片付けて車に乗り込んだ。

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遠く、雲の切れ間に天空に伸びるかのような異様な柱がそびえたっているのが見える。

夢の中の光景みたいに現実味のないスケールの柱が、地平線に立っている。

とりあえずそちらのほうに向かってみることにした。

カッピーの土手に突っ込みそうな切り返しで車の向きを変えて、車を走らせた。

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そして、見つけたよ。

これがモニュメントバレーだ!!!!!!

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すげえとしか言えねぇ。

まるで巨人の手みたいな岩が大地からにょきりと指を立てている。

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それが広大な地平線にまばらに散らばり、陽炎に霞んでいる。

もう今まで見てきた自然というものがいかに地味だったことか。


地球ってこんなにも壮大な造形を作り上げてしまうんだ。

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そして何より、昨日の雷雨と濃霧が嘘みたいな青空!!

乾いた風がどこまでも吹き抜けていく。

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はい、モニュメントバレーに来たら必ず撮ろうと思っていた写真がこれ。


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元ネタがわかった人には………

何もプレゼントはないですけどね(^-^)/



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空に続くようなどこまでも続く一本道。
果てしない旅路にふさわしい道。


憧れてたなぁ。
こんな道をギター抱えてトボトボと歩き、孤独に酔いしれたいと思い描いていた。

砂埃にまみれて、トラックの荷台に乗って、ハーモニカを吹いて。

今ようやく、その憧れのど真ん中だ。



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テントを乾かすカッピー。








「フミくーん、そろそろ行くよー。」


孤独な旅もいいけど、今の俺には気の合う仲間がいる。

あの頃は仲間がいる旅を想像はしなかったけど、今は最高に楽しめているぞ。










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グランドキャニオン、モニュメントバレー、さらにはセドナとかなんだかんだ。

この辺りには大規模な自然の景観が残り、どこに行っても目ん玉飛び出るような光景を楽しむことができる。

国定公園や州立公園に指定された素晴らしい自然遺産がちょうどグルリと丸く連なっているので、このあたりの観光ルートをグランドサークルと言うそうだ。


全部回ろうと思ったら3日~4日は必要なところ。
でも俺たちにそんな時間はない。
今夜にはラスベガスに戻らないといけない。





そんな俺たちが次に選んだ場所は、美しい曲線の造形美が見所のアンテロープキャニオン。

いびつな洞窟の中、太陽の光が頭上の穴から差し込み、赤く染まるその神秘的な光景は是非見るべきだとアメリカでお世話になった人たちが口を揃えてオススメしていた。


写真を見る限り、雄大な大自然であるグランドキャニオンやモニュメントバレーとは対象的に、繊細で緻密な自然の芸術を堪能できそうな場所だ。










昨日と同じように、下調べもまったくしていないまま、なんとなくこっちだろう、というヤマ勘で車を走らせること2時間半ほど。


ページという小さな町の近くにやってきた。


「えー?この辺りやと?」


「そのはずだよ。多分。」


「多分そうだよね。」


広大な原野の中にそそり立つ何かの工場の煙突から、もくもくと煙が立ち上っている。

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アンテロープ、と書かれた看板を発見。
進んでいくとゲートが見えた。

車1台につき15ドルの入園料と書いてある。
グランドキャニオンが25ドルだったのでこれくらいならとゲートをくぐった。









そしてなんもない行き止まりだった。

ここは谷間に流れる川を巡る観光船の発着場で、それ以外は何もない場所だった。

観光船の料金は1人26ドル。

絶対ここじゃないよねと、歩く地球の歩き方、てっちゃんに電話をかけてみる。


「えー?そこ入ったの?違うよー。アンテロープはねー、そこから20分くらい~~号線を戻って~~号線を右に曲がったところのゲートから入るんだよ。でもゆうべ雨だったでしゅょ?もしかしたら増水して入場制限がかかってるかもしれないから入れないかもね。だったらそこから~~号線を南に下って15分くらいのところにすごく綺麗なところがあるからそこの方がオススメかな。あとページから北に2時間くらいのところにあるブレイスキャニオンもいいんじゃないかな。グランドキャニオンに戻る道はがけ崩れとかで閉鎖されてるかもしれないからうんたらかんたら………」



この男の頭の中には世界中の情報と地図が寸分の狂いもなく入ってるんじゃないだろうか?

さすがは歩く地球の歩き方。



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というわけでクソ無駄に15ドル払って船の発着場を見ただけでゲートをくぐり、外に出た。

何ヶ所か周りにアンテロープの入り口らしきものがあったが、どうやらやはり昨日の豪雨で鉄砲水が発生したらしく、閉鎖されているようだった。


みなさん、情報はキチンと集めて周りましょう。
ていうか運悪すぎる(´Д` )








仕方なくここからすぐ近くにあるてっちゃんオススメの場所、ホースシュー、馬のひずめと呼ばれる場所に向かうことに。

ここが良かった。






ページの町から10分ほど南にある駐車場にやってきた。
たくさんの車が止まっており、人気の場所なんだということがわかる。

そして日本人もめちゃくちゃ多い。

ニューヨーク以来だな、こんなにたくさんの日本人見たの。






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寂しい原野の中の道をたくさんの観光客がゾロゾロと歩いている。

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次第にものすごい景色が見えてくる。

遠くはるかな断崖絶壁が霞み、この世のものとは思えないような様相だ。
もう見ていて遠近感がおかしくなりそう。

そして……。









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「…………ハンパじゃねぇ。」


「………これはハンパじゃないね………」


全員でポカンと立ち尽くすのみ。
なんだこのスケールは。


コロラド川の流れが数万年の月日をかけて少しずつ大地を削りながら崖を作り、この馬のひずめのような湾曲の断崖を形成した。


めまいがする。
そして絶句。

今までの人生で見た最大の自然の遺物だ。
唖然とするしか術はない。

最近回った観光地で1番時間をかけて眺めていた。
ていうか動けなかったな。





「フミくん、3人で写真撮ろうよ。俺たち3人の写真って全然ないじゃん。」


いきなりカッピーがそんな気持ち悪いことを言ってきた。
何似合わないこと言ってんだよ。

ほんと、俺もそう思ってたとこだよ。







アメリカ放浪のハイライト。

この3人でここまで来れてよかったよ。
ていうかこの2人じゃなかったらここまで来れなかったと思う。


まだ終わりじゃない。
旅はこれからも続いていくんだ。

photo:28














グランドキャニオンに向け快調に走る。
時間も夕暮れ時にあわせてバッチリだ。

これなら余裕を持ってグランドキャニオンを回って、夕日に赤く染まる渓谷を見られるぞ、と思っていたら、





突然、道にブロックが現れた。

時速120kmからの急ブレーキ!!


photo:29





「うわあぁぁぁぁぁぁあああ!!!!」


「ひぃいいいいいいいい!!!!!」


「きゃあああぁぁぁぁあああ!!!」



かろうじてコンクリートブロックにクラッシュをまぬがれた。

なんだよこれ………
道が閉鎖されてやがる………

てっちゃんが言ってた言葉を思い出す。


そうかこのあたりは観光地とはいっても辺境の地だ。
道路整備などはなかなか充実していない。

それに昨日の大雨で土砂崩れでも起きたのかもしれない。



てことは別の道!?

この辺りはろくに道がないので、別のルートで行こうと思ったら凄まじいくらい遠回りしないといけない。
またモニュメントバレーの近くまで戻らないといけない!!


やべえ。
グランドキャニオンの夕日に間に合わねぇ。
ていうか今夜23時に車を返却しないといけないのに、それにはもはや絶対間に合わない。



「やべぇ!!急ぐぞ!!」


急ハンドル、急発進で元来た道を爆走するカッピー!!


ブウウウウウン!!
ブウウウウウン!!


白線踏みすぎ!!


「か、カッピー!!もうちょっとスピード落として!!頼む!!」


「大丈夫!!俺の夢はシューマッハになることだああああああ!!!!」


嘘つけ!!!


猛スピードで荒野の中を疾走する車。

いやああああああああああああああああ!!!!!!!!











シューマッハ並みのスピードでグーグルマップのナビの予測時間を30分くらい短縮して、奇跡的に夕暮れギリギリでグランドキャニオンに到着!!

駐車場に車を止めてダッシュでシャトルバスに飛び乗り、奥地に向かう!!


夕日はドンドン沈んでいく。
空の雲が赤く染まる。
バスの中は夕日のグランドキャニオンを見るための観光客でいっぱい。
みんな気持ちばかりがはやるが、バスはマイペースにゆっくりゆっくりと進んでいく。


「ハーイ、ガイズ。バスはここまでよー。夕日が見たいならこの先まで行くと間に合わないからここで楽しんでねー。」


仕方なくブルーラインの終着点でバスを降り、展望台へ向かった。








photo:30




広い広い空。

吹き抜ける風。

当たり前の自然。


では人間は自然ではないのか?

いやいや、俺もまた、万能なる自然の一部。

眼下に広がるとてつもない岩山の連なり。

深くえぐれた谷間の壮大さよ。

絶壁の岩肌が赤く染め上げられて、地球が生きていることを実感させてくれる。

地球が46億年間、存在していることを身を持って教えている。


photo:31






ふと牧水の詩が浮かぶ。


幾山河 越えさりゆかば 寂しさの
果てなむ国ぞ 今日も旅する



そういえば自然遺産ってあんまり見て来なかったからなー。
どちらかといえば人間の足跡が感じられる遺跡が好きなので、そんなに回ってこなかったけど、南北アメリカ大陸は手つかずの雄大な自然の宝庫だ。

ここから先は地球の息吹を感じまくってやるぞ。

過去の人間の足跡、そして地球の記憶、どちらも、今、この瞬間を生きていることの奇跡を教えてくれる。
この瞬間に、ここにいることを、永遠の存在のように思える。


どうせ一陣の風のような命。
ふわりと吹いて、どこにともなく消えていく。
地球の記憶に還るだけだ。


この命を精一杯楽しもう。














「オラアアアアアアアアアア!!!!!あと2時間半で帰るぞおおおおおお!!!!チンタラ走ってんじゃねぇぞこのトラック!!」


カッピー頼むからもっとゆっくり行こう!!
この命を、この命をおおおおおおお!!!!


「23時に返さないと追加料金とられるかもしれねぇ!!ユージン!!次はどっちカーブ!!??」


「あへえええええええ!!!!右にゆっくりカーブ!!そのあと左にきつめのカーブだからもっとゆっくりいいいいいいああああ!!!」


「きゃああああああああああ!!!!!このダラズーーー!!!」


ドギュン!!

ギュルギュルギュル!!!



減速なしで高速の分岐に突入してハンドルをとられて3回ケツを振りながらなんとか態勢を立て直す!!



「ぎゃあああああああああああ!!!!!!怖ええええええええええええ!!!!!!!てっちゃん呼んでくれえええええええ!!!てっちゃんの運転がいいよおおおおおお!!!!」












photo:32



ラスベガスに到着した頃には全員げっそりと放心状態。

怖かった………

カッピーにハンドルを握らせたらいけない………

でもなんだかんだで、初心者だというのに、昨日今日と豪雨と濃霧の中を30時間運転したカッピーが1番疲れ切ってるんだけどね。

カッピー、お疲れ様。ありがとうね。
でもシューマッハになるという夢は頼むから諦めてね。



ちなみに今回のグランドサークル巡り。
車を2日間レンタルして色々周って、ガソリン代、入園料、全部合わせて4人で割ると、1人68ドル。

ラスベガスからのツアーバスはグランドキャニオンのみで100ドルとかするので、まぁお得です。

死にたくなければ運転は上手な人を見つけましょう。












今夜がラスベガス最後の夜。
コロナで乾杯して、1ドルだけスロットをした。

さすがはグランドキャニオンパワー。
1ドルが10ドルになった。


「わー!!すごいすごい!!私も勝ちたいけぇ!!」


ネコ娘ちゃん、結構熱くなるタイプだな。
みんな疲労困憊なのに、ジェットコースターより怖い運転の後なので、妙にテンションが高くて眠くならない。

そのまま4時くらいまでコロナを飲んで色んな話をした。

いやー、アメリカはデカイわ!!








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