チャイナマーケットにて

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8月20日 火曜日
【アメリカ】 オクラホマ



photo:01



バスは一面の荒野の中を走っていく。
窓の外、遮るもののない地平線から赤く丸いものが頭をのぞかせる。

まるで平坦なステージの下から、何かの登場人物が現れるように、さりげなく、でもこれ以上ない存在感。

それが日の出という自然の摂理であることを忘れさせるような、わざとらしいほどの演出くささがある。

でもやっぱり、胸が熱くなるほどの美しさだ。

静かなバスの中、思わずトムの歌を口ずさんだ。

photo:02




君の頬を伝うまで
涙なんて見たことがなかった
メロディを聞くまで
歌なんてもの知らなかった
遠くに行くまで
故郷というものを知らなかった
一晩中眠らずにいるまで
朝というものを知らなかった




サンディエゴにも行けたら行こうかな。









疲れた体でバスからヨロヨロと降りた。

photo:03




2回目の乗り換え。

12時間の移動で体がバキバキになってしまっている。


バスの中ではボケの黒人たちがアホみたいに大騒ぎしてて、周りや運転手からも、いい加減にしねーと警察に突き出すぞコラァ!!って怒られてるのに、やってみろやー!!アヘヘヘー!!ヒョッホーー!!と騒ぎ立て、スマホで大音量でヒップホップを流し、バスの中なのにハーレムが出来上がっており、全然眠れなかった。





そんな眠れてない体に、登ったばかりの太陽が降り注ぐ。

広野の中の寂れたガソリンスタンドと小さな商店。
カウボーイが店員の女の子と喋っている。

photo:04



何気無い光景だけど、まるで映画の中に紛れ込んだようで、俳優を気取ってみたくなる。

photo:05



photo:06





ヒューストンを出た時は満席だったバスもここまできてガラガラになった。

座席を贅沢に使って爆睡してるうちにバスはオクラホマ州のオクラホマシティーに到着した。


ヒューストンに比べてビルが少なく、スカスカの町にギラギラした太陽が降り注いでいる。






photo:07



あー、頭がボンヤリする。
バスに乗るとやっぱり体力を消耗してしまう。

でもだからと言って休むわけにはいかない。
今日も歌わないと。




photo:08



まずはマクドナルドに行き、Googleマックを駆使してオクラホマの町について調べてみる。


と、とことん田舎ですね………

衛星写真でダウンタウンの風景を見てみても緑と空き地ばかりで人が集まるようなところが見当たらない。

建物がある市域はほんのわずかで、少し町を離れると、ローハイドしか流れてない荒野が広がるばかり。



はいオワッタ(´Д` )



こうなったらスーパーマーケット路上しかない。

マクドナルドを出て、2.5km先にあるスーパーマーケットを目指す。





photo:09




もう汗がザーザー流れてくる。
そしてそれを熱風がすぐに乾かしてくるので、肌に塩の粒が付着する。

割れたアスファルトの隙間から雑草がはえ、廃墟の建物が道路沿いに並んでいる。


日陰を見つけては休み、また数十m歩いては休む。



「ハァハァ………オクラホマの名物ってなんだろうね………」


「ハァハァ………さぁ…オクラとかじゃない…?」




ところで小学生の時に友達と下校してて、ジャンケンで負けたやつが全員のランドセルを持つっていうゲームしてなかった?


「よし、やろうか。」


総重量100kg。

まずカッピーが勝ち抜けた。


「いいいいやったああああ!!!!」



ユージン君と俺の勝負。


「いいかい、あんたは今………下り坂なんだ!!」


岸部露伴とジャンケン小僧の勝負……とまではいかないけど、ジャンケンポン。








ユージン君が負ける。


photo:10



「ぬぐぉぉぉおおおお………」



「いひゃあぁぁぁぁああああひゃっひゃっひゃーーー!!!!」


「おひょひょひょひょーーーーー!!!!」


何もない町外れで、涙が出るくらい大笑いするアジア人たち。


10mくらい進みました。

ちなみにみんな仲良しです。

photo:11












カッピーがメンフィスで買った新しいキャリーバッグがわずか1週間でぶち壊れてしまい、すでにタイヤがなくなり地面を引きずっている状態。

だいたい俺たち歩きすぎなんだよな………

そして俺がつい3日ほど前に買ったキャリーバッグのタイヤもゴムが裂け始めている。

安物買いの銭失いとはこのことですね。
旅のグッズはそれなりに良い物を買いましょう。










息も絶え絶え、スーパーマーケットに到着。


「もうダメだ!!もう新しいバッグ買ってくる!!!」


そう言ってカッピーは荷物を置いてバッグ屋さんを探しに出かけて行った。

残った俺とユージン君。

とにかくまずは歌おう。

スーパーの端っこのほうで、ギターを鳴らす。


そしてわずか3曲目でストップがかかってしまった。

ああああ(´Д` )
この田舎でスーパーマーケットで止められたらもう歌う場所ねえぞ(´Д` )






いや、まだやる場所はある。
ここからもう少し先にもう1軒スーパーマーケットがある。


ユージン君を残して次のお店に向かった。










たどり着いたお店は中国人経営のアジアンマーケットだった。

ちょいとビビりながらもギターを取り出して歌った。

photo:12




すぐに警備員さんが出てきた。

オワッタ………



「お金を足元に出したらいけない。見せないようしな。」


そう言ってウィンクして戻って行った。

よっしゃ!!やれる!!






そっからフィーバー。
中国人、ベトナム人、ラオス人、色んなアジア人の方たちが足を止め、歌を聴いてくださる。

20ドル札が入り、さらに肉まんの差し入れまで。


アジア人の笑顔って、やっぱり和むなぁ。



あ、日本人の人も買い物来てましたけど、日本語の歌に振り向きもしませんでしたね。
こっちを思いっきり意識してるくせに。

日本人はシャイです。


2時間歌ってあがりは68ドル。








歌い終わって店内でお買い物。
今までで1番日本食材の品揃えが充実してた。

photo:13



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でもやっぱり日本の商品は高いね。
どん兵衛とか4ドル以上する。


店員さんも優しかったし、ここいいお店だっな。


ヨーロッパのアジア人よりも、北米のアジア人のほうがフレンドリーな人の割り合いが多いのはどうしてだろう。
あんなに中国人の無愛想さにいつもムカついてたけど、アメリカの中国人はみんな本当に優しい笑顔だ。










カップラーメンをゲットして、最初のスーパーに戻ると、ユージン君が晩ご飯を買っていた。


隣のガソリンスタンドの前にあるバス停に行くと、タバコをくわえたカッピーがいた。
カッピーがタバコなんて珍しいな。
普段まったく吸わないのに。

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「3時間も歩いてバッグ探し回ったけどどこにもなくてさ!!フン!!やってやんねぇよ、チクショウ。この市バスももう終わりだから歩かないといけないし!!」


やさぐれてる(´Д` )

カッピーがぐれちまった(´Д` )



どうやら近場のモールから何から手当たり次第に回ったけど、どこにもバッグが売ってなくて、結局何もできずに帰ってきたんだそう。

おかげでバスキングも出来ず、収穫のない1日になってしまった。



「もういい!!もうラスベガス行こう!!とっとと行こう!!よし、明日の朝のバスでいいね!!決まり!!」


カッピーが不良になった(´Д` )








というわけで、ここから先にある荒野の中の町、アマリロやアルバカーキは全部ぶっ飛ばすことに決定。

どうせスーパー田舎だからバスキングは期待できない。
それなら無駄な日にちを使わずにラスベガスで確実にバスキングしたほうが稼げるだろう。





ここからラスベガスまでのバス代は24時間の移動で150ドル。

手持ちが足りない。
とりあえずカード決済なので、ベガスで返してくれればいいよとカッピー。

カッピーごめんね。








日がくれて暗くなったオクラホマの町。
21時をすぎるとぱったりと車の交通がなくなった。
さすがは田舎だ。




それからまた根性で重い荷物を引きずって歩き、マクドナルドに到着。
しかしマクドナルドも22時で閉店という田舎っぷり。


仕方なく駐車場でWi-Fiを拾っていると、どこからともなく黒人の兄ちゃんたちが集まってきた。


上半身裸で、くしを髪の毛にぶっさし、携帯で柄の悪いヒップホップを流しながら俺たちの周りにやってきた。

危険はないだろうが、めんどくせーな。


「ヘイヘイヘイー、ワッツアップメーン!?こんなとこでなにしてんだー?!」


「忙しいんだわ、ほっといて。」



冷たくあしらうカッピー。


ヒィ!!カッピーがヤンキーになってる(´Д` )




危ないので俺がちょいとフォローして話していると、他にもドンドン集まってきたので、さすがに危ないかなとグレイハウンドに逃げることに。

photo:16





「じゃあ、俺たち行くよ。」


「あ、ちょ、ちょっと待ってくれよブロー。Facebookで友達になろうぜ。俺、アメリカの全ステイトのやつと繋がりたいと思ってんだ。この町はクソさ。なんにもねー、クソ退屈な町さ。でも俺はここから出たことがねーんだ。」


夜の駐車場、外灯に照らされる兄ちゃんの体は真っ黒で、よく表情が読み取れないけど、少し寂しげな顔をしたと思った。


いつか彼らもここを飛び出すだろう。
何か漠然とした、でも今という状況を変えるために。

人生は一度きりだもん。


この言葉を日本人はどれだけ安易に使えることだろう。
彼らにその言葉を言おうとしたけど、飲み込んだ。

みんなみんなカゴの鳥だ。











バスターミナルに着いた。
数人の人たちがバス待ちをしている。


「チクショー、あの角のやつどかねーかなぁ。あそこにコンセントあるのによー。くそー、こうなったらベガスで散財してやる!!」


今日のカッピーは不良でした。






ターミナルの中は静まり返っている。
眠そうな顔をした人たちが数人、ベンチでウトウトしている。


夢の街に向かうバスもまた、自由に見えるだけのただの鳥かごだ。









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