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7月25日 木曜日
【アメリカ】 ダーハム





目を覚ますとヨシキさんはもう仕事に出かけていた。

カッピーとユージン君はまだ寝転がって爆睡している。


静かな部屋の中、日記を書く。





人とずっと一緒にいると、なかなか日記に費やす時間を取りにくくなる。

カッピーとユージン君は気の許せる、すべてを見せられるメンバーではあるけども、一応団体行動だ。

それぞれがそれぞれに役割を持ち、補い合い、助け合わないといけない。

日記にかまけて2人に甘えっきりではいけない。


うまく時間をやりくりしないとな。






昨日買ってきた食材でお昼ご飯を作り、腹ごしらえしてから部屋を出た。


俺は昨日のショッピングモールにバスキングの許可を取れるかダメもとでトライしてみる。

カッピーたちは、ここから10kmほど離れたところにあるチャペルヒルという田舎町を攻めてみるそう。
ヨシキさんの話では大学のある町で、たくさんの学生がいるそうなのだが、ただ気になるのは今は夏休み中ということ。

どうなるかわからないけど、とりあえずこの辺りでは1番稼げそうな町ではあるみたい。



バス停でカッピーたちと別れ俺はショッピングモールへ。

健闘を祈る。

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かなり巨大なこのモール。

だいたいこんな立派なモールだったら、それなりに名前のある人でもライブしに来るだろうし、正式なイベントでなければ許可なんてまず降りないだろうなぁ。

ましてやただのバスキングだからなぁ。


いやいや、もしかしたら好意的に許可をもらえるかもしれない。

興味を持ってもらって、メイン広場のスペースでやらせてもらえるかもしれない。


とにかくトライだ。

photo:02












インフォメーションで事務所の場所を聞き、通路の奥にあるプライベートオフィスのドアを開ける。


中から受付の女の人が出てきた。





よし!!あくまで自然に!!
あくまで爽やかに!!

俺の超フレンドリー笑顔全開で交渉開始!!



「あ、あ、あの、あ、あの、僕は日本から旅してるシンガーなんですけど、建物の外で演奏をさせてもらいたいんです。許可は取れますでしょうか?」


「無理よ。ごめんなさい、そういったストリートパフォーマンスは受け付けていないの。」









(´Д` )



小汚い格好でいきなりやってきて表で歌を歌わせてくれとかやっぱり無茶だったか…………









広大な駐車場の中をトボトボと歩いた。


マジか………

ショッピングモールがダメだったら、もはや田舎町でやれるところなんてないぞ?

これからずっと稼げないまま進まないといけないのか?




ちょっと絶望的になりながら、高速道路みたいな一般道を歩いていると、向こうのほうにスーパーマーケットが見えた。

これまた郊外の大きなスーパー。


フラフラ歩いて行き、スーパーの正面入り口の横に立ってギターを取り出した。


もういいや、やっちまえ。

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あがり、115ドル。

大フィーバーした。

お金が絶え間無く入っていく。





スーパーは人の生活に欠かせない場所、そして誰もが日常的に通っている場所。

なんの変哲もない、ただ今夜の献立は何にしようかな?と買うものを選ぶ時間。


そんな平凡なスーパーという空間に紛れ込んだ1人のフォークギター弾き。


誰もがカートを押す足を止めてニコニコしながら聴いてくれる。

もちろんここはすでに南部。

お客さんの大半は黒人。

でもみんなお金を入れてくれる。

店員さんも入れてくれる。

photo:07








そして嬉しいことがもうひとつ。

いつものようにおじさんから曲のリクエストをされた。

まぁたいがいビートルズかジョニー・キャッシュかピンクフロイドあたりなんだけど、







ガース・ブルックスきたー。


どカントリーきたー。





「ヘイ、兄ちゃん、ウィリー・ネルソンはできるかい?」



そうだよ。
俺はすでにカントリーミュージックの聖地に足を踏み入れてるんだ!!


ここから先にある町々では、それこそ通りのコーナーごとにアコギを弾いてるおっさんが立っているらしく、オクラホマまで行けばカウボーイミュージアムなんていう刺激的すぎる博物館まであるそう。


岩手の鬼博物館なみにそそられる!!



「旅してるのかい。泊まるとこはあるのかい?」


「もし泊まるところがないならウチに来ないかい?」


今日は夜にヨシキさんと約束があったので2時間くらいしか出来なかったのに、その間に4人にお泊まりのお誘いを受けてしまった。


そして115ドルのあがり。


たくさんの人とお話しし、明日ランチに行きましょうと女の人に誘ってもらったりの最高の路上ができた。



スーパーマーケットすげえ!!

もうストリートミュージシャンじゃなくてスーパーマーケットミュージシャンになろうかな!!








ゴキゲンで家に帰っていると、ちょうど仕事帰りのヨシキさんが通りかかって乗せてもらった。


「マジですか!?そんなに良かったんですね!!いやー、嬉しいなぁ。サザンホスピタリティって言うんですよ。南部の田舎の優しさのこと。」


もちろん北部の人たちも優しかった。
ニューヨーカーにホスピタリティがないとは言わないけど、でもやっぱり田舎の人の優しさってのは、心を芯から温めてくれる。


日本でもそうだよな。
東京に冷たさを感じて、九州で人との触れ合いに感動するようなもの。

それをアメリカという広大な国で実感できてすごく嬉しい。


サザンホスピタリティ、いい言葉だなぁ。









「いやー、嬉しいっすわー。実は僕も今日いい事があったんですよー。」


若干興奮しながら話すヨシキさん。


「今日、すごい大物からメッセージもらったんですよ。ウータングクランって知ってます?やばいっすわー。返事なんて書いたらいいんだろ……」



前にも書いたけど、ヨシキさんはヒップホップのビートメーカー。

ビートってのはラッパーがラップを乗っける音楽のこと。

ヨシキさんは日本の有名な映画の主題歌にも使われるくらいの腕キキだけど、彼は専属のラッパーがいるわけではなく、フリーで様々なラッパーにビートを提供している。


アメリカではツイッターやFacebookを通してラッパーがビートの募集を呼びかけるというのが一般的に行われているらしく、そこにプロ・アマを問わず様々なトラックメーカーがそのラッパーの趣向にあわせたビートを送る。


ローカルなラッパーならばそれなりにしか集まらないだろうが、有名どころだったらそれこそ世界中から素材が押し寄せるはず。


今回ヨシキさんに返事をくれたのは、俺は知らないけど世界的に有名なウータングクランというラッパー。


運ももちろんある。
でもヨシキさんはその返事を実力で勝ち取ったのだ。



「いやー、金丸さんの奇跡を呼ぶ力、分けてもらいましたよー。マジでなんて返事返したらいいかわかんねー。」


笑顔で髪をクシャクシャと乱すヨシキさん。

もちろん、返事をもらったというだけで、正式に採用されるかどうかはまだわからない。
でも本人からメールがきただけですごい!!



俺も北米初の100ドル超えを叩き出したし、もう今夜は祝杯だ!!!


いや、毎日飲んでるけどね!!












あ、忘れてた。

カッピーとユージン君たちの首尾はどうなっただろう?

まぁあの2人なら場所さえミスらなければ結構稼げるはず。

でもチャペルヒルは厳しいかもなぁ。







カッピーたちはまだ頑張ってるみたいなので、ヨシキさんと彼のお友達のカップルと4人で晩ご飯へ。

目の前でスーパーイチャイチャしてるとこを見せつけられながら美味しいピザをいただいた。

photo:08








「ここからナッシュビルに向かうなら、途中にあるアッシュビルにも必ず立ち寄らないといけないわよ!!アッシュビルは音楽の町なの。特にカントリー。そこらじゅうにギターを弾いて歌ってるバスカーがいるわ。大きな街だけじゃなくて、アメリカには個性的な小さな町がたくさんあるから楽しんでね。」



今日も路上をしててアッシュビルの名前を聞いた。

カントリーの聖地、ナッシュビルに近づくにつれ、どんどん本物のアメリカの顔が見えてきたようだ。



ミシシッピならもちろんニューオリンズ。
テキサスならオースティン。



アメリカ音楽漬けの旅はまだまだこれからといった様相だ。











家に帰ってビールを飲んでいたら、23時近くになってカッピーたちが帰ってきた。

浮かねぇ顔してる。


「どうだった?」


「いやー、全然ダメだったよー。26ドル。バス代と晩飯代を引いたら2ドルだよ。」


「マジかー。」


「もう暇なホームレスがどんどん集まってきて取り囲まれてさー、誰もお金入れない、楽器触ってくる、もうひどかったよ。そっちは?」


「115ドル。」


「マジで!!?よし、あがりは3等分だったよね。1人40ドルかー。」


「お前ら2ドルしか稼いでねぇじゃねぇか!!」




とにかく、突破口こじ開けてやったぞ。

スーパーマーケットはいける。

そんな場所で?ってカッピーたちは驚いてる。
確かに俺も驚いてる。

ヨーロッパでは、路上といえば文字通り路上だ。
ショッピングストリートの街角で歌ってきた。
それになんの不満もなかった。
完璧なまでにステージが用意されていた。



しかし北米に入ってから、道は狭く、車が引っ切りなしに行き交い、パフォーマーはみんなスピーカーを使い、とても生音のギターと歌では太刀打ちできない状態が続いていた。


しかしそれでもやり続けてきた。
自分の演奏が活きる場所、
自分の雰囲気を引き出せる場所、

それを探しながら悪戦苦闘してきたけど、今北米に入って2ヶ月経ち、自分が路上パフォーマーとしてたくましくなり、環境に適応した選球眼が身についてきたとふと実感する。


スーパーマーケットの前で歌う?

確かに日本でお遍路をしていた時は、ど田舎のスーパーの前で白装束を着て歌ったりしていたけど、それはまた別のシチュエーション。


今いるのは海外だ。
そんなことしていいのか?と思うよな、普通。

いやー、たくましくなったな。




大笑いしながら、今夜はサザンホスピタリティに乾杯。








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