なにがなんでも諦めない心

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7月13日 土曜日
【アメリカ】 フィラデルフィア ~ ニューヨーク







フィラデルフィアでピンと来た方は相当なマニアでございます。

今ニヤリとされてることと思います(^-^)/


そうです、僕のワガママとは…………












熱狂の夜、そのままのテンションで夜通しかっ飛ばしてやってきたのはニューヨークから南に2時間ほど走ったところにある街、フィラデルフィア。


夜明け前の都会は白くかすみ、街路樹が静かに並んでいる。


「さあー………みんな着いたよー…………」



いつもパワフルな敏腕マネージャーてっちゃんも、さすがに一晩中の運転で疲れ果てている。


「よーし………や、やろうか………」


「よし………や………やろ………」



「……………」



「……………」




全員撃沈。

車の中でそのままみんな気絶。
















「はっ!!!」


目が覚めると、すでに11時になっていた。

せっかく早朝に始めようと夜通しかっ飛ばしてきたのに(´Д` )


仕方ない、早く始めよう。

photo:01








photo:02



はい、ここがどこかお分かりでしょうか?

何この階段、で終わる人は人生損しています。








僕には師匠がいます。

どんな大きな壁にも、どんな困難にも、不屈の精神で立ち向かう強い心を身をもって教えてくれる男です。


そして、1人の女を一途に想い続け一生をかけて守る、本物の愛をも教えてくれます。

今まで何度、師匠の生き方に励まされてきたことか。



諦めた時が負けた時。

ずっとそう自分に言い聞かせてきた。

俺の心から尊敬する師匠。









ロッキー。

photo:03



見て、このお父さんの嬉しそうな顔と息子たちのつまらなそうな顔(´Д` )







もう1からファイナルまで何回見たかわからない(^-^)/

大好きな大好きな映画!!!



そのロケ地がここ!!!


この階段を駆け上がるシーンは、ロッキー映画に100パーセント欠かせない最重要ロケ地。


貧しい、田舎町のゴロツキをやっていたロッキーが、打ち込めるものを見つけ、こんなクズみたいな自分でも輝ける場所があるのかもしれない、と、ガムシャラに、雲を掴むように、トレーニングしたフィラデルフィアの街。


この階段を駆け上がり、ロッキーは明け方の街を眺め、朝もやの中に希望を見つけた。

不安を打ち消すように両手を突き上げ、アポロという強敵に勝った時の予行練習をした。

俺ならやれる。

湧き上がる若い情熱。

なんだってやれそうな気がする!!


あの力強い若さ、無防備な心がほとばしる最高のシーン。



そしてファイナルでもまたロッキーはここを登った。

やり残したことを取り戻すために。


あああああ!!!!ロッキー!!!

俺も負けねえ!!!

どんなに無様でもいい!!

どんな高い壁にぶち当たっても、正面から挑んでやる!!

勝ち負けなんて関係ない!!
心の中にあるものを全て吐き出すまで、チャレンジすることから逃げたりするもんか!!

エイドリアアアアアァァァァンンン!!!!









すみません、少し熱くなってしまいました。

ロッキーを語ると止まらなくなるもので。


というわけで、このフィラデルフィア美術館前の階段はロッキーファンにとって、不屈の魂の象徴であるわけです。


ちなみに、ここは観光名所となっており、ロッキーステップという愛称で親しまれています。

隣にはロッキーがいます。

photo:05





僕がここに来た理由はただひとつ。

あのシーンを撮影することはいめちゃ観光客!!


いいもん!!こればっかりはミーハーな観光客でいいもん!!

ロッキーだけは譲れねぇ!!!







えーっと、観光客めちゃくちゃいます。


みんなロッキーやってます。

下から階段を駆け上がって、頂上でわーいってはしゃいでます。

微笑ましいです。


地元の人のランニングコースにもなってるみたいです。




そんな、たくさんの人たちで賑わう中、カメラとアンプを運んできて階段にスタンバイです。

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何度も実際の映像を見て、カメラ割りを確認していきます。


そして、スピーカーでロッキーの音楽を流しながらタイミングをはかります。


「イエーイ!!ロッキー!!」


「サンキュー!!ヒョーーウ!!」


ロッキーのテーマが流れると、階段にいる人たちはみんな興奮し始めます。


アジア人がわざわざスピーカーを持ってきて、ロッキーのテーマを流してるという画が面白くてしょうがない。








さぁ!!撮影開始!!


とりあえず灼熱のお昼にこの階段を10回は駆け上がりました。

死ぬかと思いました。



アジア人が本気でロッキーやってるのを、アメリカ人がみんな微笑みながら見ていました。










階段のシーンを撮り終えたら、今度はイタリアンマーケット。

スラム街になっている汚いイタリアンマーケットをランニングするロッキー。

そのロッキーに地元の果物屋がリンゴを投げるシーンは、ロッキーが有名になる前からでもいかに人々に愛されていたかがわかる大事なシーン。



「このスラム街の場所ってどこだろうね。」


「あ、調べてるから大丈夫だよ。もうすぐ着くから。」



敏腕マネージャー、てっちゃん。

常に俺たちの望むことの3手は先読みしている(´Д` )





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フィラデルフィアの街中にある現在のイタリアンマーケットは、映画の中みたいにゴミだらけでドラム缶で火が焚かれていたりといった危ない雰囲気は一切なく、とても綺麗に整備されていた。

そうだよなあ、40年くらい前の映画だもんなぁ。

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アメリカも昔はすごい荒れてたんだろうな。

歴史を感じる。

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そのイタリアンマーケットで、車を運転しながら並走しての撮影。

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「ヘイ!!ロッキー!!」


嬉しいことにただランニングしてるだけでロッキーのことだと理解してくれる人たち。

まぁ、みんな同じようなことするんだろうな。

リンゴを投げてくれる人はいなかったけどね。

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「えーっと、次はどこのシーンかな。この石橋ってどこなんだろ?」


「これはわかんないねー。」


「あ、もうそこ向かってるから。大丈夫だよ。」



だからてっちゃん、あんた敏腕すぎだよ(^-^)/






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photo:14



その後も、川沿いのシーンなど、ある程度のカットを撮影。

よし!!
あとはいつものカッピーの編集技術でチョイチョイとやれば、あの感動的なシーンを再現できるぞ!!


ロッキーの撮影。
この旅でも5本指に入るやりたかったこと。

くだらないと言えばいいさ!!


人がくだらないと言おうが、取るに足らないものだと言おうが、俺にとっては大きな夢だったんだもん。

世界一周だって同じようなもんさ。

大半の人からしたらとんでもなくくだらないもので、世界を一周したからってお金がもらえるわけでもなく、特別な資格が手に入るわけでもなく、ただ人生の貴重な時間を浪費して、何かを始められるほどの大金をばらまいて、ドキドキするような冒険をするだけのこと。


キャリアがすべてという気風の日本において、こんなことやってるやつなんて世にも稀な放蕩者だよ。



でも、自分の楽しみとは、人に選んでもらうものではなく、与えてもらうものなんかではない。

楽しいと、自分が思ったことをやらなきゃ。


人はすぐに分析したり、評価したがる。

そして、自分ができないことをやろうとしてるやつを批判する。

だって自分が出来ないから。


でもそれも、ある程度の壁まで乗り越えれば誰も何も言わなくなるもんだ。


お前みたいなゴロツキがチャンピオンになんかなれるわけねぇ。


でもロッキーはなった。




諦めない心。

人生を己の目で見、楽しむこと。

人がくだらないと言おうが、胸を張ってやりたいことをやろう!!


エイドリアアアアァァァァァンンン!!!













すみません、少し熱くなってしまいました。

というわけでロッキーの撮影を終えたらすぐに車に乗り込んでニューヨークへ向かいます。

photo:15



photo:16





えええ?!

ロッキーのためだけのフィラデルフィア!?


そうです、ロッキーさえやったらフィラデルフィアには何の用もありません。



今日の夕方に、てっちゃんがニューヨークで人と会う約束をしている。

それまでに戻らないといけない。




ボストンからフィラデルフィアに行き、またニューヨーク戻って………


マジでたぶん、ポールマッカートニーのツアーより忙しいです。






ブログランキングの熱心な読者さんならご存知だと思いますが、柔道着を着て世界一周をしているぐっさんという方がいます。

素晴らしい写真を撮る方ですよね。


このぐっさんと会う約束をしているてっちゃん。

てっちゃんは本当に旅人内で顔が広い。


あと無職旅というブログをされている方とも一緒に落ち合うとのこと。




このぐっさん。
旅人男女数人でアメリカをレンタカーで縦断してきたみたいなんだけど、このグループの中に、あのブログの「大人の夏休み」の方もいるんですね。


エロいのでいつも楽しみにしてるブログです。


あの大人の夏休みがニューヨークに来てる!!!

なんか旅人集結してる!!



「俺は会いに行くけど、みんなどうするー?ぐっさんは面白くていい人だよ。ブログ見る限り女の子たちも可愛いし。」


「んー、いいかな。」


「うん、いいや。」


「そんな可愛い子たちとアメリカ縦断とか羨ましすぎてムカつくからいいかな。」


「オッパイ触りたいな。」


「切実だね…………」







悲しすぎる男たちが向かったのは、オシャレなバッグパッカーたちが行くようなオシャレな日本人宿ではなく、とんでもない危ないお化け屋敷でした。




「えーっと、ここを右かなー。」


カッピーがネットのかなりマニアなサイトで発見した今日の宿。

photo:17





場所はブルックリン。

ニューヨークの中でも絶対に行ったらいけない場所と言われる危険地域。


1人10ドル。

ニューヨークの相場はドミトリーで30ドル。

安すぎる。怪しすぎる。




でもアホな俺たちは何も考えずにブルックリンに入る。






とりあえず街を歩いてる人、全員黒人。

閉まってるお店、多すぎ。

廃墟も多すぎ。


ニューヨークなのに、ここだけ発展途上国の雰囲気。


映画で見るような危ないアパートの前に黒人たちがヒップホップかけながらたむろしている。








そんなヤバい空気ぷんぷんの通りに、これまたひときわボロいアパートにやってきた。

こ、これが宿?




「あー、どうもー、いらっしゃいー。クニですー。へー、バスキング旅してるんだー。カッコいいねー。」


そこにやってきたのは、どっからどう見てもツワモノ以外の何者でもでもない雰囲気をまとった兄さん。

日本人だ。


「じゃあ、部屋案内するねー。あ、玄関ちゃんと閉めて。ヤバいやつら勝手に入ってくるから。」



そのヤバい奴というところを詳しく説明してもらいたい(´Д` )




photo:18



外見のボロさに驚いていたけど、中に入るとさらにボロボロ。

踏み抜いてしまいそうな階段の途中にいくつか部屋がある。

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「えーっと、ここにはレゲエのDJ、向こうの部屋には画家が住んでるよ。このアパートは俺たちしか住んでないから。」



ムワリと熱気がこもり、傾いた夕日が差し込む部屋の中で扇風機がブーンと回っている。


汚いキッチンでは、壁や食器をゴキブリがはっている。


建て付けの悪いドア、外れそうなドアノブ、洗面所の蛇口もグラグラととれそうになってる。



まるで映画でマフィアがシャブを袋詰めしているみたいな雰囲気のアパートだ。







しかし、







これは、雰囲気、ではなかった。




屋上に上がるとこれまたボロボロで、いろんなものが散乱し、周りの建物を見渡せた。


「あ、ここの道路向かいのアパート、ギャングがたくさん住んでるからあまりジロジロ見ないでね。あと道路も覗いたらダメだから。あいつら平気で撃ってくるから。」






えーっと………



撃つ、とはアレのことですよね………




「ついこの前も道路を挟んでギャングたちが銃撃戦してたから。下の建物の窓、割れてたでしょ。子どもとかも遊びで撃ってくるから気をつけてね。」







な、なるほど………





「夜はとにかく外に出ないでね。ここから駅までの道で何人も銃で襲われてるから。あ、あと向こうの団地。あそこはマフィアの巣窟だから、夜行ったら絶対に帰ってこれないからホントに行かないでね。」



わ、わかられるりれ…………わかりましれりるられ。





ここは宿というか、アパートの空いてる部屋を安い金額で貸してる部屋貸しスタイルのもの。


ベッドがひとつだけ置いてあるだけの簡素な部屋だけど、野宿に比べたらシャワーもキッチンもWi-Fiもある。

充分だ。

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「鍵はこれ。部屋に行くまでに4つ鍵があるけど、なるべくかけてね。ヤバいやつ入ってくるから。あと草が欲しかったら隣のビルで買えるから言ってね。」





は、はい………わかりました………





荷物を部屋に入れ込み、てっちゃんは約束してたぐっさんと無職旅さんに会いにマンハッタンへ。

帰ってくるのは夜中になるとのこと…………

てっちゃん、生きて帰ってきてくれ…………








それからみんなでお買い物。


暗くなってきた街角にたむろしている黒人の人たちがジロジロ見てくる。

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近くのスーパーに行くだけで、マジで怖え。

ライオンの檻の中歩いてるみたいだ。






ビビりながらスーパーに行く前に駅へ寄る。


そこには黒人に囲まれて、ヒヨコみたいになってる山梨県民、オサダ君がいた。


「ちょ、マジシャレにならないですよ。今ここで黒人たちが喧嘩してたんですから。」


みんな歩く足取りも競歩みたいなスピードでスーパーへ。

もう黒人しかいません。

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商品のポテトチップスを勝手に食べちゃダメ!!

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モラル!!








買い物を済ませ、夜中の墓場を肝試ししてるくらいのビビり具合でダッシュで宿に戻る。



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みんなでビールを飲みながら料理をしていたら、ビートボクサーのウィリアムが入ってきた。


「ウィリアム、ここって本当に危険なの?」


「うん?別に気をつけていればたいしたことないさ。」


「銃は撃ったりしてる?」


「エブリウィークエンドだよ。」




ひょ!!
今日土曜日ですから(´Д` )




「正しいのジャンケンの仕方知ってるか?」


「グーチョキパーでしょ?ロック、シザー、ペーパー。」


「違う。もう1個あるんだよ。」


「なに?」


「ロック、シザー、ペーパー、シュートさ。」


そう言って指をピストルの形にしてニヤリと笑うウィリアムはピストルを3丁持ってます。
笑えません。


ウィリアムは元コメディアンだそうです。
笑えません。





「あ、天井のビニールは気にしないでね。これないと天井が落ちてくるからさ。」


クニさんがにこやかに話してきます。

photo:27




いつ天井の瓦礫に潰されるかわからないというものすごく必要ないスリルに包まれたキッチン。

ちょっとした遊園地のアトラクションみたいなキッチンで作ったカレーが信じられないくらい美味い。

photo:28




「ここは、面白い人いっぱい来るよ。ミュージシャンもバスカーも。みんなでこの屋上で音ガンガン出してパーティーやるんだ。1ヶ月くらい滞在すればいろいろ紹介できるんだけどなー。」


すごくフレンドリーでにこやかなクニさん。
すでに様々なしがらみを捨て去って、自由な人生を送っているのがわかるオーラをまとっている。

すでにアメリカには2年住んでおり、さらに3年滞在した後にアフリカに渡り、世界中の国で生活しながら気ままに生きていくんだそう。


もはや旅人という枠にはあてはまらない。

地球人ってやつだ。

そして彼の友達にはそういうレールってやつが完全に取っ払われた人がたくさんいるようだ。




「いやー、ケーズとかムーンパレスとか行ってる場合じゃないですね。」


「ああー、普通の旅行者はまず来ないからねー。でも面白いやつばっかりだよ。」




1泊10ドルで垣間見られるニューヨークの素顔とスリル。


さすがは世界イチの大都市。

人種のるつぼとは、ただ単に国籍やレイスのことではなく、こうした様々な人生観を持った人間の集合でもあるということだ。

それを楽しめるか、上辺を眺めるだけで終わるか。




アメリカは歴史のない薄っぺらい国。

でも、それこそがこの国の魅力なのかもしれないな。


ロッキーもイタリアの種馬だからね!!









あ、そうそう、ロッキーのビデオですが、少々本気で作っておりまして、もう少し撮影と編集に時間がかかりそうです。

出来上がり次第、フミロッキーを公開したいと思います。


カッピー、ユージン君、てっちゃん、

付き合ってくれてありがとね。









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