ミユキさん、バイバイ

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4月27日 土曜日
【フランス】 パリ







気持ち悪い………


ゆうべも飲みすぎた………



ビール、ワイン、さらに日本酒まで。


連日の浴びるような宴で肝臓ボロボロだ。



ご飯はナナちゃんの栄養バランスばっちりのご飯が美味すぎて毎晩お腹はち切れそうなほど食べている。


この旅で1番食生活が充実しているよ。
お金全然出してないのに………






いつまでも居たい。でもそういうわけにはいかない。


伊藤さんは優しい人だ。
お願いすればまだまだ泊まらせてくれるだろう。


でも、この日に出ますって言って送別会までやってもらったのに、ダラダラと延ばすようなことはできない。

この天国からも、そろそろ出なければいけない。








と、その前に1人会わなければいけない人がいる。


みゆきさんも一緒に行こうよと誘って家を出た。










photo:01



地下鉄に乗りオペラ地区へ。



パリの地下鉄の中はパフォーマーたちのステージ。

ギターやバイオリンなど、楽器を持って電車に乗り込んできた人が、まず大きな声で挨拶をする。


お耳汚しを失礼します!



みたいな感じで。

そして演奏開始。
人々は無反応で誰もパフォーマーに視線を向けない。


電車の中に響く音楽。


ちょうど2駅、電車が進む間だけの短い演奏。


計算された尺の演奏が終わると、電車の中をチップを要求して回り、降りて行く。

降りると同時に別のパフォーマーが楽器を持って電車に乗り込んできて、また挨拶。




途切れることのないライブが繰り広げられるパリの地下鉄は、路上パフォーマーのブロードウェイだ。

photo:09











オペラで地下鉄を降り、そこから水がピチョンピチョンもってそうなボロボロの古い地下通路を通り、RERっていうパリの昔の想像させるような電車に乗り換える。

photo:02














みなさんアメ村って知ってる?


アメリカ村って言って、大阪の中心地にある若者のエリアのことなんだけど、まぁ東京でいう渋谷とか原宿みたいな感じのとこ。


古着屋さんとかストリート系の服屋さん、オシャレなバー、クラブがひしめき、黒人の売人がうろついてるような、刺激的な地区。


まぁ田舎からやって来た若者はみんなそこに行くようなちょっとした憧れの場所であり、観光名所と言ってもいい。





なんと、今日これから会うことになっている人とは、このアメ村作った人なのだそう。



アメ村を作った。


ってどういうこと?





ことの発端は数十年前にさかのぼる。

かつてヨーロッパやアメリカに住んでいた日本人のヒッピーやアーティストたちが日本に帰ってきて、彼らがカリフォルニアやヨーロッパのようなイカした町を作ろうぜと、大阪の何もない住宅地に一軒のサーフショップを作ったのがアメ村の始まりらしい。


俺たちの親世代が若者だった時代、このサーフショップに行くことが最先端のオシャレであり、ステータスだったのだそう。


20人くらいのメンバーで始めたこのコミュニティ。


街づくりに徹底的にこだわり、たこ焼き~!!みたいな下品な看板なんかは絶対に出さず、あくまで欧米のクールな雰囲気を再現しようと、新しい店舗を出す時なんかはオーディションのようなこともやってイメージを壊さないかどうか審査までやっていたそう。


だから当時のアメ村にはイカしたお店しかなく、センスのある若者ばかりの集まる誰もが憧れるエリアだったそう。







時代は流れ、今のアメ村はどうだろう。

特殊な地域であることには今も変わりはないが、きっと昔はもっとこだわり尽くされたところだったんだろうな。



そんな歴史なんてつゆしらず、大阪丸出し!!みたいなど派手な看板のたこ焼き屋さんでたこ焼き食べてたなぁ。








とまぁ、その創始メンバーの中の1人であった彼の名前は小玉さん。

そんなイカした若者時代を持つ小玉さんとは一体どんな人だろう。



大阪のパティシエさん、植松さんの紹介なのだが、まだメールでしかやりとりしたことない。


緊張しながら待ち合わせの駅に到着した。











みゆきさんとは一旦ここで別れる。

俺が小玉さんと会っている間、みゆきさんにはこの街の観光をしてもらって、1時間半後くらいに駅に戻ってこようと約束した。









改札を出て、さぁー、小玉さんはどこだー………


ヒッピーみたいな長い髪の毛なのかなー………



眼光鋭い気難しい人かなー………











「あ、金丸ちゃん?どうもどうも、小玉です。」



声をかけてきてくれたのは、以外にも、と言ったら失礼か。

とてもサッパリとした上品でオシャレな服に身を包んだ小柄なおじさんだった。



「よし、うちに行こうか。助手席に乗って。」





うーん!!緊張する!!!!









これまたオシャレな小玉さんのお家に到着。


「お蕎麦ゆでてあげるよ。この前まで日本帰っとって持って帰って来たんやわ。」


小玉さんもまたアーティストさんだと聞いていたので、個性の強い気難しい人物を想像していたのだが、そんなことはない。


とても物腰の柔らかい笑顔の柔和な、そして大阪人らしいユーモラスなおじさんだった。

photo:03





「エグザイルやったっけ?もうあいつら見たら殴ったろうかいなって思うわー。」



先日まで日本で個展を開いてらっしゃった小玉さんは現代彫刻のアーティスト。


鉄を使ったモニュメントを制作されており、今回の個展は東北での災害を支援する形のものだったそう。


いくつか写真をみせてもらったが、どの作品も洗練された中に強い感情が込められているのが伝わる。

実物だともっと存在感があるんだろうな。


昨日ルーブルで嫌ってほどお固い人物彫刻ばっかり見てきたので、こうしたコンテンポラリーな作品がとても感情を揺さぶる。






「今回も一応アメリカ村に行ってきたけど、まぁもう変わってもうたなぁ。あのころの面影は全然ないなぁ。」



そう寂しそうに言う小玉さん。


今でもまだ6人ほどの創始メンバーがアメリカ村でお店をやっているそうだが、時代の流れには逆らえなかったのかな。


土産物屋とか、たこ焼き屋とか、今のアメリカ村にアメリカやヨーロッパを感じる部分があるだろうか。


俺自身、なぜアメリカ村なの?ってネーミングがずっと謎だったくらいだもん。






今小玉さんは、パリを拠点に創作活動をしている。

今でこそ都会的なオシャレな人だが、若いころは世界中を旅し、サーフィンをし、ヒッピーの生活をしていた人。



時間がなくてあまり喋れなかったけど、とても魅力的な人だった。



歴史のある男ってのはカッコいいもんだ。












photo:04



小玉さんに駅まで送ってもらい、ミユキさんを探す。


1時間半後くらいに会おうと言っていたのに、すでに16時前。2時間半も経っている。


急いで駅前へ。








が、駅前の広場にも、駅舎の中にもミユキさんの姿はなかった。

どこを探し回っても見当たらない。





えー………もしかして待ちきれなくて帰ってしまったのか?





いやいや、それをやったら俺がいつまでも駅で待ち続けなければいけなくなる。




でもどこにもいない。




ミユキさんはケータイを持っていない。
連絡のとりようがない。







俺も帰るか?


でもそれをやってすれ違いだったら、ミユキさんが待ち続けることになる。




あー!!もうどうしよう!!






ひたすら駅でミユキさんを待つが、一向に現れない。




もう帰ろうか………

きっとミユキさんも帰ってるはずだよ………


そうだよな………











ミユキさんがそんなことするか?

いや………しないよな。







パリの郊外。
まったく知らない小さな町。

あてもなく歩いた。

photo:05





もしかしたらどこかのカフェにいるかもしれない。

もしかしたらどこかの雑貨屋さんにいるかもしれない。





これまでずっと一緒に旅した俺たち。

初めて会ったのがスペイン南部のフェリーターミナル。


その後に小さな港町。


さらにポルトガルのささかな食堂で偶然隣同士になり、その後路上で俺たちは初めて声をかわした。



これまで何度となく、奇跡的な引き合わせがあって俺たちは旅を始めた。


だから、なんとなくまた会えるような気がした。










photo:06



フラフラと町の中を歩いていたら、向こうのほうから見覚えのある服の人が歩いてきた。



ほーらね、やっぱり。



「あ、もう終わったのー?早かったね。」


俺の焦りなんかつゆしらず、ミユキさんはあっけらかんとそう言った。














電車に乗ってオペラ地区へ。

もう一度ラーメン食べたい!!という俺のワガママで、この前行ったヒグマへ。

ラーメンと焼きそばを注文。

photo:07



photo:08




美味しいね、と交換し合いながら食べた。










最後にミユキさんの日記を見せてもらった。

大好きなこのイラスト。

photo:10



ミユキさんの優しい性格がにじみ出ていて、見てるだけで和んでしまう。










photo:11



地下鉄の駅へ。

俺はこれから伊藤一家のとこへ戻り、荷物をまとめて出発する。

ミユキさんは泊まっている宿に戻る。


ここがお別れの場所。







色んなことがあったなぁ。

色んな無茶したなぁ。

思いがけない展開の連続で、目まぐるしい日々だったよね、ミユキさん。



ヒッチハイクも、キャンプも、路上も、地元の人の家へのお泊まりも、一緒に料理したのも、バスの中でこっそりビール飲んだのも、最高に楽しい日々だったよ。


いっぱい笑ってくれてありがとう。
いっぱい褒めてくれてありがとう。







話すことがありすぎる2人旅の別れの場所にするには、パリの地下鉄は本数が多すぎる。


3分もせずに電車がホームにやってきた。


電車に乗り込む。


手をつなぐ間もなくドアが閉まる。



窓ごしに手を振るミユキさんの目が赤くなっている。

必死に涙をこらえていた。


泣き虫のミユキさんが一生懸命我慢していた。



電車はすぐに発車して、ミユキさんは人ごみの中に消えた。


ラブインベインが浮かんだ。






電車が駅を離れる
電車の後ろにふたつのライト
電車が駅を離れる
電車の後ろにふたつのライト
青いライトがお前で
赤いのがおいらさ



バイバイ、ミユキさん。
またどっかで会おうね。




















もうすっかり通いなれたマリエクリエの駅から歩き、伊藤一家に帰ってきた。


ナナちゃんがいつものように料理を作っている。
今日もたくさんのお客さんがいる。




寝室にあがり、広げていた荷物をまとめた。

そこにカッピーがやってきた。



「本当に行く?もう20時だし、バス見つかるかな。」


「まぁ大丈夫やろ。なんとかなるよ。(まだいてええええええ(´Д` ))」


「うん、伊藤さんも、昨日送別会って形でケジメをつけたんだからそこはキチンとしないとねって言ってるからね。」



さすがは親分。
とことん甘えさせてくれる人ではあるが、男のケジメにはうるさい昔気質。

カッコ悪いとこは見せられない。

荷物をまとめてリビングに降りた。



ナナちゃんの最後のご飯をご馳走になり、みんなに挨拶。



「まぁ、元気でやれや。日本に帰ったらウチに寄れよ。」


最後まで笑顔の伊藤親分。
男の生き様、見せていただきました。


こんな野良犬の面倒見てくださって、感謝のしようがありません。

ありがとうございました。




ナナちゃん、カッピー、最高の出会いをありがとう。

エジプトでの出会いからこんな大きな展開になるなんて、ホントわかんねーもんだなぁ。

またどっかで会おうね。












ていうか………

もしかしたら、またすぐに会うかもしれないけどね(^-^)/

いつになるかはまだ内緒にしときます。


大島さん、公演の成功を心から願っています!!!



















地下鉄を乗り継いで、3番線の最終駅へ。


地下通路を歩いてユーロラインのバスターミナルにやってきた。


ここから次の町に向かおう。




行く先は………


んー、ランスってとこにしてみるか。

何があるか全然わからないけど、ルクセンブルクへの通り道だ。


値段はいくらくらいかな。
20ユーロくらいかな。



「満席だよ。」


「え………そ、そうですか。じゃ、じゃあ、メス行きはありますか?」


「満席、満席。」


「じゃ、じゃ、じゃあ、アミアン行きは………」


「ムッシュ、今夜はもうオランダ行きしかないよ。明日の朝、また来るんだね。」











はい、終了。


まぁ仕方ないか。
すでに22時半。

明日の朝に出直すか。





ターミナルを出ると、冷たい風がビュウと吹いた。

さ、寒い!!


もう5月だぞ!?



寒風吹きすさぶ夜の街をさまよい歩く。


どっかにいい寝床はないかな。




店の全て閉まった寝静まった街。


なにしてるのかわからないけど、フラフラ歩いている黒人の姿が目立つ。

危ない臭いが外灯のしじまに漂う。





そ、そういえば、フランスに入った時、家に泊めてくれたホンソワが、パリでは19区、20区には行くなって言ってたな。

黒人、アラブ人が多くてマジ危険だからって。


iPhoneで地図を見てみた。







20区のど真ん中にいますね。



ヤベエヤベエヤベエ



早くひと気のないとこに隠れないと。

公園の暗がりに逃げこむ。


ここならいいかな、と腰を降ろそうとすると、隣のベンチの影から黒人がむくりと起き上がった。


いそいそと立ち去る。






そこら辺の暗がり、すべてに黒人が潜んでいるような気がして怖くて明るいマンションの下に逃げ込んだ。













マンションの真ん中の芝生の上で寝袋にくるまった。


ゴロンと横になると、頭上にそびえるマンションの窓。

冷たい風が寝袋から浸透してきて足を冷やす。





あー、こ、こんなことなら恥を忍んで伊藤親分にもう1泊って言えばよかったか…………


いやいや、ダサい思いをすることを考えたらこれくらいなんてことないさ。





これからまた1人ぼっちだな。



ミユキさんがいれば、こんな夜でも大丈夫だよねって励まし合えるんだけどなぁ。

ミユキさん、ちゃんと元気でやっていけるかな。

またすぐ泣くんだろうなぁ。

出会ってしまうと、温もりを覚えてしまうと、こんな寒さがこたえるなぁ。


あの賑やかだった日々から、一気に夜の片隅か。




俺は元気だよ。


さ、また旅しようか。










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