ブルガリア人のクリスマスの過ごし方

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12月25日 火曜日
【ブルガリア】
ソフィア ~ プロブディフ







凍てつく寒さ。

野犬との格闘。


最低のクリスマスですね!!!

なかなかないよね!!こんなクリスマス!!






ゆうべは野犬のやつら、忍び足で東屋の中まで入ってきやがって、寝袋で寝ている俺の真横でいきなり吠えるという、そう簡単に経験できないサプライズまでしてくれました。

心臓飛び出るくらいビックリさせてもらいましたよ。


いらねぇー。誕生日だからってそんなサプライズいらねぇー。




おかげで今日もほぼ眠れずに寝袋から出ましたよ!!
ううー、顔が凍りつく!!



うわ、寝袋が凍ってる!!


すげー、バキバキになってるよ。








荷物を片づけて歩き始めると、周りの木々の下で野犬たちが眠っていたので、まぁやることはひとつですよね。






おらあああああああ!!!!!
こ、ころ、ころ、ころ、ころ、ころ、殺すぞおおおお!!!!???!?





キャイーン!!





叩き起こされて逃げ惑う野犬たち。

復讐完了。



まぁ野犬たちも可哀想なやつらだよな。
どうせ、大きくなりすぎた、とか吠えるから、とか産まれすぎた、とかで飼い主に捨てられてしまったやつらなんだろう。

しかし、ほっときゃいつかは人間を噛む。
野犬の回収・保護は行政の大事な仕事のひとつだな。








photo:02


そんな殺伐とした素敵な今日はクリスマスですね。
キリストが産まれた日。
決して、ポケットの中あの娘に贈ろうとしたゴールデンリングを握りしめながらひと気のない空港でニューヨーク行きの飛行機を見上げるための夜ではない。
わかる?!




ブルガリアはオルトドクス、キリスト教の一派の国なので、おそらくなにかやってるだろうと、市内で1番大きいアレクサンドルネフスキー教会に行ってみた。







あ、なんか行列できてる。



まだ8時。

とりあえず俺も列に加わる。
photo:01



爺さん婆さんばっかりだな。





するとドンドン人が増え、俺の後ろに長蛇の列が出来上がった。

まだまだ増えていく人たち。


大晦日の初詣的な雰囲気。


白い息を吐きながら、ゆっくりゆっくりと前に進んでいく。










待ち続けること1時間。

もうちょっとで堂内に入れる、というところで神父さんがやってきて、俺の前で列を遮った。

ここまでです、みたいなこと言ってる。



うそおおあおおおお!???!

こんなに待ったのに???!!




すると、裏手に回ってくれ、と言っている。

いきなりダッシュする爺さん婆さん。



お、お、お、そんなに機敏に動けたの?!(´Д` )





荷物を抱えて急ぐ俺をごぼう抜きしていく老人たちのおかげで、裏手の入口に着いたころには最後尾。

しかもみんな我先に入りたがっており、俺の前にガンガン割り込んでくる。



いいよいいよ。
今日はクリスマスだからね。
穏やかでいないとね。
隣人を愛しましょうね。
ババアに弾き飛ばされる。

こ、この、バ……いや、穏やかに。



おじさんが話しかけてきた。


「今日は1年で1番大きなセレモニーなのだよ。」


やっぱりクリスマスだもんね。
教祖が産まれた日。





しばらくしてドアが開いた。
雪崩れ込む老人たち。

いやあああああああ!!!
ギターが蹴られ放題いいいい!!!!


どこの国も爺さん婆さんはマナーが悪いです。









堂内に入ると、人で溢れかえっていた。
みな独特な匂いのついた黄色い蝋燭を燭台に立て、祈りを捧げている。
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う、うおー…………
神聖さが半端じゃない…………
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荷物を端っこの暗がりに隠して、人ごみをかき分けて中央に進んだ。

外から続いていた長い行列の1番先頭では、人々がキリストを抱いたマリア像のシンボルの前で祈っていた。
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十字を切り、首を垂れ、そしてシンボルに手を触れ、ガラスに口づけをしている。






俺も真似て十字を切った。




いつも心がけていること。

信仰心がなくとも、挨拶はしなくてはいけない。

昔、仏教のお坊さんに、お寺に入ったら仏様に手をあわせなさいと言われた。
信仰心とは関係なく、これは挨拶なのだよ、と。

人に会ったら挨拶をするでしょう?
仏様は生きているのだから、挨拶をしなければいけないよと言われ、それからは必ず手をあわせるようにしてきた。
天邪鬼な俺は納得のいかないことはしない主義だけど、あの時のお坊さんの説明はとても分かりやすく、受け入れやすいものだった。



だから今、イスラム教のモスクに行けば床に額をつけて祈るし、キリスト教ならば十字を切る。

違和感はぬぐえないけど、やらなければいけないことと思っている。
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ここでお偉いさんたちの登場!!!
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うおおお!!すげえ!!
あれですか!?賢者ですか!?
ファイナルファンタジーですよね!?


余裕でケアルガあたり使えそうな風格を漂わせた神父さんたちが、カーテンの奥から出てきた。
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すげえ。
絶対ホイミ使える。
あ、ドラクエかそれ。どっちでもいい!!
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年季の入った爺さん神父は、すごい装飾の王冠みたいな帽子をかぶっており、マントも派手派手。
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きっとこの世界ではとんでもない偉い人なんだろうな。


まだ子供みたいな若い神父さんもいるけど、おそらく数多くいる候補の中から選ばれしエリートってところなんだろう。





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目の前で繰り広げられる、おとぎの世界。

鳴り響く荘厳な賛美歌。

人々はうやうやしくひざまずく。
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やがて神父さんがワインとパンを配り始めると、みながそれに群がった。
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人は赦すことを学ばなければいけない。


いやいや、これは世界中で行われている当たり前の儀式だよ。
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人間の罪を背負い死んだ、キリストという偉大なスケープゴートを偲ぶ日なんだよ。

きっと君は来ないひとりぼっちのクリスマスイブとか言ってる場合じゃないよ。










教会を出ると、とても清々しかった。

堂内での出来事が夢の中のことだったかのように、街が俗っぽく見えた。

この俗な世界で、愛することを、赦すことを学ばないとな。








それからマクドナルドでWi-Fiを繋いでいると、いつものように子供が寄ってきて、これ買って、これ買って、と木の枝を差し出してきた。


お、早速隣人愛の実践ですか!!
情に訴える作戦だね!!

今の俺みたいな気分になってる人々にたかるという、稼ぎどきなわけだね!!


買わねぇけどね。

でも買わないけどね!!

ていうかそれ何?
なんかよくわからない木の枝を売りつけようとしているけど、それどうするの?



お金ないんだ、と言っても、ひたすら買って買ってーと、その木の枝でバンバン体を叩いてくる。

それでも無視してると、ドンドン子供の数が増えてきて、最終的に3人の子供たちに囲まれて、木の枝で体をバタバタ叩かれる。



買って買ってー

バタバタ、バタバタ、

ねぇねぇー
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今日も路上。
クリスマスの街に歌声を響かせた。

みな、お金を置いてくれる時に、メリークリスマス、と笑顔で言ってくれる。


今日はクリスマス。
誰もが幸せになるべき日。


あがりは32レフ。
17ユーロ。










ここから一気にトルコのイスタンブールまで行ってしまってもいいをだけど、せっかくブルガリアは好印象な国。


世界遺産も豊富にある。


トルコに入る前に1ヶ所くらい観光しよう。



そこで選んだのが、カザンラクという小さな町にあるという遺跡。

他の世界遺産は、どこもド田舎のほうまで行かないとないようだ。

ここならそこまでルートを外れずに行ける。







バスターミナルに向かい、まずはブルガリア中部の都市、プロブディフ行きのバスを探す。

そこからカザンラク行きが出てるはずだ。


プロブディフは国内2番目の都市。
さっき路上をやってる時に、ブルガリアに来たならプロブディフには行かなければいけないって言ってたんだよな。




ていうか、ターミナルの中には小さな民間のバス会社が乱立していて、どれがいいのかわからない。
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選べねー。
1番安いやつなんて調べるのめんどくせー。







手っ取り早く普通に国営のやつを購入。

プロブディフ行き、14レフ。700円。



バイバイ、ソフィア。
海外で初めて誕生日を迎えた記念すべき街。








綺麗でWi-Fiまでついてるバスに乗り、高速を走り、あっという間にプロブディフに到着。

ブルガリア、文明国。




夜の町をトボトボ歩いて、中心部に向かうと、パッと住宅が開けメインストリートが伸びた。



photo:20


おー、こ、こりゃいいやん。

なにこれ、路上をやるためにあるような街じゃないかい。

綺麗なイルミネーション、マクドナルド、この時間なのにたくさんの人が歩いている。

まるで両手を広げて歓迎してくれてるみたいだよ。






今夜もいい街にたどり着いた。
明日はいい出会いがあるかな。

今夜は0℃くらい。全然寒くない。



街の中の公園にテントを張った。




バッグの中から紙袋を取り出した。

昼間に路上でもらったこの紙袋。

何が入ってるかな?と開けると、中にはショートケーキが入っていた。


なんて素敵なクリスマスプレゼントだ。





ああ、いい夜だな。
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