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22時半の夕焼け

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7月4日 水曜日

広大な原野のただ中を走り抜ける電車。
空に続く草原の地平線。
ここはシベリア鉄道の中。


それにしても、

狭い……。
狭すぎる………

photo:02



シベリア鉄道の3等寝台にはプライバシーなどかけらもない。
膝を突き合わせる近さでおばさんと娘さんが座っている。
怪訝そうな目でチラチラ見てくる娘さん。
なんかヒソヒソ話してるけど聞こえてるけどね!
聞こえてるけどわかんないけどね!

俺は二段ベッドの下段なんだけど、下段はみんなの共有ベンチとしても使うので、それぞれがベッドに戻らないと俺は横になれない。
しかも上段にのぼるはしごがないのでみんな下段のベッドを踏み台にして新体操みたいな動きで上によじ登っている。

ちなみに電車内の設備としては、

★トイレ有り(無料、臭い)
★お湯有り(無料)
★喫煙スペース有り
★シャワーなし
★洗面所なし(トイレの水道で洗え)
★電源有り
★軽食・飲み物の販売有り
★プライバシーなし
★ついでに金もなし


そんな不思議な状況の中、なんだ?このアジア人は?みたいな感じで空気のごとく誰も話しかけてこないので、俺も空気に徹していたんだけど、1人の可愛い女の子が話しかけてきてから一気に壁が決壊。みんな気になってたんだよな。

アルチョン
「フゥミ!ピー!ピー!」

パシャ
「シガリョータ!」

ぬるいビール片手に言葉の教え合いからスタート。
身振り手振りで内容を伝えて、それをノートに書いてもらう。
この身振り手振りってのがもどかしくてしょうがない。
最初に話しかけてくれた可愛い女の子、アライサに可愛いいと伝えたいのだが、
「かわいい」
ってどうやって伝えればいいんだ?
プリティとかキュートとか言ってもそのレベルの英語でさえ理解してくんない。

文武
「あーかわいいかわいいねー(^_^)」

小さい子供をなでるジェスチャーをしてみるが、子供のことを言ってると思われる。あー!もう!

しかしこのもどかしさが楽しく、周りも巻きこんでビールとウォッカ飲みまくりで、俺もすっかり慣れて上半身裸で電車の中をウロウロ。
てか1人くらいアジア人いてくれよな。



photo:03



ウラジオストクよりもさらに日が沈むのが遅くなった。
22時半の夕焼けが空を真っ赤に燃やしている。
時間の感覚が狂うな。
赤く染まる荒野を走り抜ける列車。
その中には可愛い赤ちゃんを抱いたお母さん、紅茶を飲みながら本を読んでる老人、ケータイばっかいじってる若い女の子。

人間はどこにでも行けると感じた。



photo:01



ちなみにこの写真は、写真撮るからエロい格好してよとお願いしたものではない。
目のやり場に困るよね!
アライサ、かわいい!
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