成都を満喫します

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8月20日 水曜日
【中国】 成都






★九寨溝

中国で1番有名な観光地。透き通ったエメラルドグリーンの水に倒木が沈んでいる光景はこの世のものとは思えない美しさらしい。

でも入場料とても高い。




★黄龍

九寨溝の近くにあるトルコのパムッカレみたいな場所。
石灰の白い段々のプールに青い水が張っておりこの世のものとは思えない美しさだという。

でも入場料とても高い。





★峨眉山

中国の水墨画らしい仙人の住む山で、この世のものとは思えない美しさだという。

でもめんどくさい。





★パンダ動物園

成都はパンダの故郷。パンダがこの世のものとは思えないほど可愛いという。

でも日本でも見られる。





★火鍋、麻婆豆腐、担々麺

いわずと知れた四川料理。この世のものとは思えない辛さだという。

でも下痢でレイジングストームが発動する。





★麻美ゆまちゃん

この世のものとは思えない気持ちよさだという。

でも彼女がいる。









成都は外国人旅行者にとって中国の中国らしさをこれでもかと堪能できる街。

外国人バックパッカーの数もとても多い。

成都に来たなら、中国に来たなら全て堪能すべき場所のオンパレードだけどそんな時間も金もないです。

今日は20日。
香港から台湾へのフライトは26日。

そして所持金9千円。



ひょおおおおおおおおおおお!!!!!!!チベット楽しかったああああああああああああ!!!!!!!!









はい、歌いましょう。

そして歌を聴いてくれた女の子とイチャイチャしましょう。

みなさん、成都は美人の街だと知っていましたか?
やはり辛いものは美肌に関係があるのでしょうか。

歌って可愛い女の子と仲良くなって一緒に火鍋食べて盛り上がったところで麻雀でもやって身ぐるみ剥がされて捨てられるパターンですね。

伊達に坊や哲読んでねぇぞ!!


芸人なら芸人らしく芸で勝負したらどうだい?




はい、歌います。








photo:01



というわけでまずは成都駅へ向かいました。

photo:02




成都から香港への直通電車ってあるのかな。めちゃ遠いけど。
多分1万円くらいするんだろなぁ。


多分あるやろと地下鉄に乗って駅に到着。
人でごった返す中、窓口に並んで聞いてみた。

photo:03






午前9時20分発
料金、硬座が224元。3800円。
移動時間31時間。




即購入。


あさってのやつ買いました。

正式には香港のすぐ隣にある広州という街までの電車です。
広州からなら香港はすぐです。





安いですね。
セルタから成都までのバスの値段とほぼ同じです。
その15倍くらいの距離なのに。

なんか天座っていうシート無しのチケットもあったみたいだけど無難に硬座にしときました。
31時間席無しはさすがに怖いです。
お尻が。



あ、書き忘れたけど今朝、宿でトイレに行く時にトイレのドアを開けた瞬間、僕のお尻のドアも決壊して未曾有の大災害が発生しました。

これでパンツが2枚お陀仏しました。

泣きたいです。







photo:04



とにかくノーパンだけどチケットもゲットしたので気持ちも少し楽になりました。
観光しちゃおうかなぁ、という余裕も出てきます。

大都会のコンクリートまみれの街を歩いているとところどころに観光地らしきお寺とかがあるんですけど、やっぱりどこも立派で行ってみたくなる。

んー、どうしよう。



成都には杜甫の草庵とかもあります。
詩聖、杜甫です。

やっぱり詩を書く人間として神の足跡に触れてみるべきではないかと思ったんですが、入場料が千円するので財布がトホホになるのでやめました。

杜甫でトホホ。









「オオオオラアアアアアアアアアアアアアアアア!!!!なに見てんだコノヤラアアアアア!!!!!!見せモンじゃねぇぞああああああんん!?!?」


「な、なんですか、僕あなたのこと見たりしてません!やめてください!!……」


「見てただろうが九州男児なめんなよこの野郎!!ふざけた顔しやがってぶっ殺すぞテメー!!!」


「ちょっと、か、勘弁してください………九州男児なめてすみませんでした………」


「よーし分かった。100元で勘弁してやる。」


「え?そ、そんなお金持ってません………」


「嘘つけこの野郎!!目が泳いでんだよテメー!!」


「ほ、本当もう許してください……ごめんなさい………」


「ダメだ。いくら持ってる?持ってるだけでいいから出せ。飛べ。」









photo:05



photo:06




よし、パンダクリアー。










パンダからカツアゲしたお金で麻婆豆腐を食べに行きました。

ここです。

photo:07



陳麻婆豆腐というお店。超有名店です。

そうです、麻婆豆腐はこのお店が発祥なのです。

陳婆さんという人が作ったらしいです。

下痢でチンが使い物になってないのにチンさんの麻婆豆腐を食べるってわけですね。全然冴えてないです。







photo:08



おお………なかなか高級そうなお店ですね………

やっぱ観光客とかいっぱい来るだろうしブランド値段になってるのかな…………


とビビっていたら、麻婆豆腐12元でした。
200円。
そこらへんの食堂より安い。





僕は麻婆豆腐が大好きです。
中華料理店に行ったらたいがい麻婆豆腐を注文します。
当たり外れありますが、コクのあるピリ辛の麻婆丼とか最高です。

今までだと青森の竜飛崎のちょい下にある町の国道沿いにあった小さな食堂の麻婆豆腐がウルトラ美味かったの覚えてます。


photo:09



麻婆豆腐が来ました。
鉄板でグツグツ沸騰していますね。

ま、こういう有名店の名物ってだいたいそんなに大したことないんですよね。
あの竜飛崎の麻婆豆腐の方が100倍美味いよどうせ。

あの大将元気にしてるかなハウアッ!!!








photo:10



う、う、うますぎる…………

竜飛崎さようなら………



なんだこのコクと旨味………
口に入れた瞬間、肉のエキスと豆腐の口触りが見事に絡み合い、そこからジワジワと辛さがのぼってきて山椒の香りがブワリと鼻を抜ける。



あ!!辛い!!ダメこれ!!
で、でも止まらない!!
止まらないよおおおおお!!!

うますぎるうううう!!!!











この日から2日間、お尻が常軌を逸した状態になったのは言うまでもないです。




でもいいです。マジで感動的に美味かったから。
超自慢したいもん。麻婆豆腐発祥のお店で麻婆豆腐食べたって。


いや、本当うまかったー………

今思い出してもヨダレ出てくるなぁ。

今度行ったらまた食べよう。
その時は山椒抜きにしてくださいって言おう。四川から出て行けって言われるかな。










えーっと、チンタラしてないで歌わないと。

photo:11



photo:12




街の賑やかなほうに向かって歩いていくと、ビルの間にかなりデカイ歩行者専用のショッピングストリートを発見。

人で溢れかえっており、ヨーロッパを思い出す綺麗で静かな通りだ。

オシャレな洋服店、ファストフードのお店、レストラン、カフェ、デパート、中央広場、脇道もどこまでもホコ天ストリート。
まさに路上にうってつけ!!






なのだが………




他にバスカーがゼロですね。
露店もいなければ物乞いもいない。
治安維持で規制されてるの丸出し。



えーっと……まぁとりあえず……トライしてみないとわからないよねー………


もしかしたらやらせてもらえるかもしれないし………


よーし、頑張るぞ。




そしてギター取り出してチューニングを始めて2弦目のところで警備員登場。

素晴らしいスピード。




ま、まぁそうですよね、こんなど真ん中のメインストリートはさすがにマズイですよね。

よし、ちょっと中心部を外れた歩道橋でやってみようかな。


タバコに火をつけてギターを取り出してチューニングを始めてタバコを半分吸い終わる前に警備員登場。

マジか………




ていうかよく見たら警備員の数が尋常じゃない。
青いシャツに赤い腕章をした人たちがうじゃうじゃいる。

ど、どこならやっていいんだ………






photo:13



それからも何ヶ所か試すが、全部1曲目以内に警備員が飛んできてストップ。

人々の反応はすごい。

あっという間に人だかりが出来上がってみんな笑顔で聴いてくれる。

しかしお客さんたちが財布を取り出してそろそろお金が入り始めるというタイミングで警備員がやってきて追い払ってしまう。

マジか………成都厳しすぎるぞ………







公園ならどうだろうと、今度は天府広場という街の中心にある場所へ。

広々とした公園の中にたくさんの人たちがのんびりと歩いており、そこらへんで物売りがオモチャを売っている。

お、こりゃいけるんじゃないか?とすぐに演奏開始。


が、やはり人だかりが出来上がってお金が入るところで警備員登場。

もうどうすりゃいいんだよ………

すると警備員のおじさんが中国語で向こうの方を指差した。



「パンダパンダタンタンメン。」



何やらこの地下にある広場ならやっていいと言ってるみたいだ。

そういうことならと、すぐに階段を下りて公園の地下に入って行くと、そこにはショッピングモールがあり真ん中にとてもいい雰囲気の広場があった。



なにこれ、めちゃ完璧やん。
めちゃ稼げるやん。

え?俺ここで歌っていいの?

警備員がそう言ったもんな。

よーし、やらせてもらいますよ。



ギターを鳴らして演奏を開始すると2秒ですごい人だかりが出来上がった。
1曲目が終わると拍手が起こり、すでに足元のギターケースには100元近いお金が。


1曲で1500円て。
成都やばいくらい稼げるし。

うおおお!!!こりゃ3万くらいいっちまうぞ!!








はい警備員登場。
うん、わかります。
すぐに消えますね。


はぁ………マジで歌うところないよ………








するとそこに1人の小柄なおじさんが話しかけてきた。


「あ、日本人ですか?もし良かったらこのショッピングモールの中にステージがあるんですけどそこで歌ってもらってもいいですよ。」


日本語ペラペラのおじさん。
なにやらこのモールの職員さんらしく、是非ともステージで歌ってくれとのこと。

それは願ったり叶ったり。

やらせてください!とおじさんに着いてモールの奥へと歩いていく。

すると人通りがほとんどない裏手のスペースにポツンと簡易的なステージがあった。

photo:14




「若い才能のある人たちを応援するためのステージです。中国の色んなミュージシャンがここで演奏しています。ここで歌ってください。お金はプレゼントを販売してください。」



プレゼント?

なんのことだろ?と思ったらおじさんはオフィスから大きな袋を持ってきた。

袋の中には子供向けのキャラクターがデザインされた定期券入れと馬のぬいぐるみが入っていた。

どうやらお金を直接得るのはまずいみたいで、こうした小物を買ってもらって応援してもらうという形をとらないといけないみたい。

なるほど。






というわけでセッティング。


えーっと、マイク無しですか。

館内放送で音楽がなかなかの音量で流れていて混ざり合って全然聞こえない。

そしてバックヤードみたいな閑散としたスペースなので人が通らない。

さらに警備員さんたちがわらわらとポールを持ってきてステージの周りを囲んでお客さんをステージから遠ざけてしまう。
ただでさえ音が小さいのに。




極めつけはプレゼントたち。


俺の前に並べられた謎の定期入れと馬のぬいぐるみ。


この世界一周をしている日本人はこの謎の定期入れと馬のぬいぐるみを売りながら58ヶ国も旅してきてのかすげぇ………って逆にそんな風になってる。

いや、ここはせめて馬じゃなくてパンダにしてくれ!!
そういうことじゃねぇか。




とにかく職員のおじさんは俺のために最善を尽くそうとしてくれている。その気持ちはとても嬉しい。
やれるだけやってみようと思いっきり声を上げた。











photo:15



photo:16



人はポツポツ足を止めてくれるが歌を聴いて写真を撮って去って行くだけ。
誰も馬を買ってくれない。

俺も声を張りすぎて喉が枯れてきた。


そんな状況を見かねたおじさんがマイクを持ってきてくれたり水を持ってきてくれたりするが、状況はそこまで変わらない。

俺が中国語を喋れたら、謎の定期入れと馬の真意を観客に伝えることもできるがそうもいかず、お客さんたちは誰も馬を手にとらない。



しまいにはもういいですと結局ギターケースを観客の前に置いてバスキング形式になり、入れてくれた人に定期入れをあげるという形に。

そ、それならもうさっきの広場でやらせてもらえないですか……?






下痢で何度もステージとトイレを不自然な動きで往復しながら歌っていく。

ようやく気の利いた女の子が、これらのプレゼントの売り上げは旅の資金になります、という旨の文章を紙に書いて置いてくれ、その途端みんな馬を買ってくれ始めた。


馬の代金の他にこれはチップよ、と20元紙幣を置いてくれたりと、ようやくお客さんたちもバスキングを理解してくれたところでワイヤレスマイクのバッテリーが切れてライブ終了。


バタバタだったけど、最後で結構定期入れが売れて100元ほどになった。

警備員に怒られて歌えないよりかははるかにマシだ。


職員のおじさんはもっと稼がせてあげられなかったことに申し訳なさそうにしていたが、充分だ。
俺の力不足が1番の理由です。


おじさん、ありがとうございました。
こんな場所で歌う機会を与えてくれて、そのお気持ちがとても嬉しかったです。

photo:18













photo:17



天府広場に上るとすっかり夜になっており、さっきまでの高層ビルがピカピカと光り輝いていた。
人々はみんな楽しそうに歩いている。

このままじゃ帰らんぞ。

photo:19



さっきのショッピングストリートに行くと、たくさんの人で埋め尽くされて夜の賑わいに溢れていた。

綺麗な都会の洗練された街並みに心が落ち着く。

とりあえず晩飯食べて気合い入れようかな。

やっぱり四川だから四川料理だよね!!!






というわけでイトーヨーカ堂があったのでフードコートでトンカツ見つけてウオラァ!!トンカツがあるぞこの野郎!!ってなったけど千円もするので泣きながら隣のラーメン屋さんでラーメン餃子セットを食べました。
450円。

photo:20



旨すぎる。
味が優しすぎる。
やっぱり日本の食べ物が体に馴染む。










あれだけ警備員に注意されてどうしてまだ路上を諦めていないかというと、昼に怒られた時に警備員にどこでなら歌えますかと尋ねると、彼は22時以降ならやってもいいよと教えてくれたから。

大理や麗江のように、やはり中国の路上は警備員が仕事を終えて帰った後の夜が勝負ってわけだ。

ならば1番いい場所でかましてやろうじゃねぇかとショッピングストリートのど真ん中の広場で22時を待つ。

人通りは増す一方。

早く22時になれ。








が、22時を過ぎても警備員たちは俄然やる気マンマンでトランシーバーを持って巡回を続けている。

22時半になっても帰る気配はなく、23時を過ぎてショップが閉まって人通りが減ってきてもまだグルグル見回りをしている。



だ、ダメじゃねぇか………

全然ガセネタだよ………




photo:21



結局あちこち歩き回ってみたが警備員だらけ。
たまにバスキングを敢行してるやつを見かけたが、一瞬で警備員に止められていた。

こりゃダメだ。
ここまで厳しい街初めてかもしれない。
いい意味でめちゃくちゃ治安維持が徹底されてるな。

綺麗だけど面白みに欠ける街だよ。


今日はここまでにしとくか。

photo:22












不完全燃焼でモヤモヤしていたけど、帰りにセブンイレブンを見つけて一気にテンションが上がった。

いや、セブンイレブンなら今までも外国にはたまにあった。

でもこの中国のセブンイレブンはクオリティが違った。




まず店内に入るとブワッとおでんの匂いがした。
もう一瞬で日本のコンビニを思い出した。

お弁当あるわオニギリあるわ日本のカップラーメンあるわ。


日本食に飢えまくっていたところにこれは天国でしかない!!!

大喜びでおでんとチーズケーキと500mlのアサヒスーパードライを買った。
25元。たったの400円。


そして宿で晩餐。贅沢すぎる晩餐。

おでんのダイコンがあまりに美味くて泣きそうになった。

photo:23









なんだかこの高いビルばっかりで、堅苦しくて、なんでも揃ってる快適な街が日本のように思える。

きんちゃくを食べてスーパードライをあおると、もう日本はすぐそこなんだなとギクリとした。

ここから香港、台湾、韓国と近づけばさらに日本になっていくんだろうな。

昨日も日記で書いた国境付近での文化の混ざり合い。
こうして母国のそれを外国から感じると、なんとも不思議な気分だ。


日本ってどんな国なんだろうな。

今初めて日本をひとつの国として見られるようになったのかな。


明日も頑張ろう。

今日のあがりは210元。3500円。







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風情ある飲み屋街

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8月21日 木曜日
【中国】 成都





所持金8千円。

香港には行けるし、台湾行きのチケットも持っている。




しかし………台湾出国のチケットがない…………




photo:02




もう嫌だーこのシステム………
今までどれだけこのルールに悩まされてきたか。


国は自国で不法に滞在する者を増やしたくないので、キチンと出国する意思と証拠を持った者しか入国させたくない。

なのでイミグレーションではたいてい出国チケットの確認をされる。
ないと入国拒否を食らう可能性がある。

そのため航空会社も、チケットがあっても出国するためのチケットがなければ飛行機に乗せてくれない。

万が一イミグレーションで入国拒否をされた場合、元いた国に航空会社が責任持って戻さないといけないからだ。

そんな無駄なことしたくないので、航空会社は入国拒否をされる可能性のあるやつは初めから飛行機に搭乗させてくれないってわけだ。





このチェックは国によってめちゃくちゃ厳しいところもあれば、全くのノーチェックの国もある。

アメリカとかイギリスなんかは100%必要だ。

そして台湾もまた必要な国らしいんだよなぁ。



正確に出国する期日が決まってるならちゃんとチケットを買ってしまえばいいけど、バッグパッカーってのはあんまり先が読めない人たち。

もしその国を気に入ったら気ままに過ごしたいもの。

しかし出国チケットを買ってしまえば、どんなに面白いことがあったとしてもその日程をずらすことはできない。





そんなバッグパッカーがよく使う手はふたつ。



ひとつ目はテキトーに近隣への最安のチケットを買って捨ててしまうこと。
隣国とかなら安ければ5千円~6千円で買えるのでそんなに痛くない。



もうひとつがダミーチケット。
アメリカン航空のインターネットサイトでキャンセル無料のチケットを買って入国後にキャンセルをかましたり、外国人検査官が日本語を読めないのをいいことに日本語翻訳した保留ページをプリントアウトして見せるという豪胆な人もいる。

たまにバレるらしいけど。





今まで何度このチケット問題で頭を悩ませてきたことか。
そしてクレジットカードがあったらどれほど楽だったことか………
今の時代、インターネットで予約すればほぼ全てのチケットが割安になる。
旅行代理店も悪くはないけど。



今回の台湾出国のチケットも旅行代理店で買わないといけない。

行き先はもちろん韓国。最後の国。

台湾を何日とるか考えないとな。

香港に着いたらすぐに買わないといけないんだけど、残念ながら金はない。
香港に着いて2日以内に金を稼ぎ出してソッコーで旅行代理店で買う。

値段は希望を込めて2万円てとこか。


なんとかなるかな………

いや、なんとかしないと台湾に飛べない。


2日以内に2万円を稼いで確実にチケットを買う。
雨でダメだったー、は通用しない。

香港稼げる……よな?










まぁ今はこの四川を思いっきり堪能しないとな。

よーし、それじゃあ美味しい美味しい四川料理を食いまくるぞおおおおおおお!!!!!!!








photo:01



脇目もふらずにセブンイレブンに行ってカツカレー食べました。


う、うめぇ、美味いよー。
ただのコンビニのカツカレーなのにものすごく体にしみるよー。
優しい味だー。


もう辛くて油を直飲みするような料理は勘弁です。

値段は17元。290円。










さて、今日ももちろん路上に出るけども昨日やった街の中心部は外そう。

人はどこにでもいる。無理して警備員だらけのショッピングエリアでやることもない。



釣り人の気分で地図を睨みつけ人の歩いていそうな場所をシミュレーションし、最初にやってきてのは四川大学と病院が並ぶポイント。




photo:03



予想的中でバス停と地下鉄の駅の周辺にはすごい数の人通り。

入れ食い状態。

よっしゃ行くぞー!!





一瞬で人だかりが出来てバンバンお金が入っていく。
警備員は来ない!!
ここは手薄なのか!!







5曲目で警備員登場。
もう……ショッピングエリアはわかるけど、こんな場所でもダメなのか……?

photo:04



今度は地下鉄駅の入り口の階段下。

ちょいちょい入っていくお金。
いい感じ!!









10曲目で警備員。





ふぅ、こりゃダメだ。もっと街の外れまで行こう。


人の反応は最高なんだよなぁ。
みんなすぐに足を止めてくれるし、お金離れもいい。

みんな珍しいことに興味しんしんだし、音楽を楽しんでくれている。

しかし警備員がすぐに止めてしまう。



中国は規制の厳しい国だ。
FacebookやGoogleもそうだし、様々な若者のカルチャーが抑え込まれている。

この国に住んでる欧米人も、中国はアートを潰してしまうのよと言っていた。


成都はこんなにも綺麗で清潔感のある街だけど、規制規制でカタッ苦しくて、どこか無機質に感じてしまう。

活気がないっていうか人間味が薄いっていうか。
まぁそこに安心感を感じるってとこもあるんだけど。



ちなみに昆明を回ってきた人から聞いた話では、昆明はバスカーだらけだったそう。
地方都市レベルならイケるみたい。

もっと時間があったら名もなき町をガンガン攻めてみたかったな。

photo:05












それからも何度か試すがことごとく警備員が現れ止められてしまい、げんなりしながら歩いていたら大きな川に出た。

おだやかな川の両側にはスモッグにけむった高層ビルがズゴンズゴンそびえ立っている。

photo:06




本当にすぐそこのビルでさえ霞んでみえるほどで、遠くの方のビルはほとんど姿が消されてしまっている。

中国の大都市の大気汚染はひどいものだと聞いていたが、これほどのものとは思わなかった。
まるで霧雨でも降ってるみたいにどんよりと淀んでいる。

せっかくの綺麗な街が陰湿な空気に充満している。

チベットの透き通った冷たい風が夢の中の風景だったみたいだ。


標高が下がったことで体は確かに楽になったが、この淀んだ空気を吸ってるのは気分がいいものではない。

photo:07










疲れた体でとぼとぼと川沿いを歩いた。

向こうのほうに宮殿のような建物が川に架かっているのが見えた。
引き寄せられて向かって行くと、川沿いの細い道になにか派手な看板が並んでいるのが見える。

photo:08



歩を進めて行くと、どうやらそれらはパブやバーの看板だった。
柳の木が並ぶ川沿いに、古い家屋を改装した風情ある飲み屋街が広がっていた。

へー、こりゃ趣のあるネオン街だな。

疲れきってはいたが夜まで待ってみようとベンチに座って日記を書いた。









photo:09



photo:10



パブやバーの看板が漢字で表記されており、日本の飲み屋街を思い出すその雰囲気に懐かしさがわいてくる。
日本中の飲み屋街を流しで回っている時、知らない町の路地裏にスナックの看板が集まっているのを見つけるのが大好きだった。


ネオン街ってのはどこか秘密の場所のように隠れた細い路地に固まっていたりする。

縁のない人には縁のない場所。
でもそこで夜に生きる人たちもたくさんいる。

日のあたらない夜の町には無数の人間ドラマがあり、高校生のころからその怪しい空気に魅せられていた。

湿った路地裏から聞こえてくるおじさんの演歌の声はなんとも物悲しい響きがあるものだ。

photo:11













すると、どこからか演歌のメロディが聞こえてきた。

あれ?こんなとこで演歌?

向こうの方から微かに、でも確かに聞こえてくる。

不思議に思って、音のするほうに歩いてみた。







photo:12



川に架かっている宮殿がライトアップされ、近代的なビルと一緒に夜空に浮かび上がる。

ネオン街の看板に明かりがともされ、けばけばしい色彩が通りに並ぶ。



音楽が次第に近づいてきて、ようやく気付いた。

それは演歌に似てはいたが、中国の伝統音楽だった。

そして音の出どころは川沿いにある広場だった。



photo:13



日の沈んだ暗い広場の中でたくさんの人たちがその中国の音楽に合わせて踊りを踊っていた。

ゆるやかな、柔らかい旋律に合わせて、なめらかに体を動かす人々。


拳法なのか健康体操かわからないが、それはよく中国の映像で見る光景だった。

薄暗い広場は外灯に照らされ、人々の影が哀愁を帯びたメロディに重なって形を変える。





その時、この大都市を面白みのない街だと思っていたさっきまでの感覚が180度ひっくり返った。

なんて芳醇で、人間の匂いのする街なんだろうと思った。

人間の神秘と何気ない生活がとても密着していて、自然だった。


街あかりがポタポタと川に落ちて、いつまでも踊りに魅了されていた。









飲み屋街に人通りが増してきた頃、タイミングよくパラパラと雨が降りだしすぐに勢いよく地面を濡らし出した。

広場にいた人たちは蜘蛛の子を散らすように帰っていく。

ああ、ここなら確実に歌えたのにな。
成都はとことん路上の相性が良くなかったみたいだ。




ギターを抱えて急ぎ足で宿に向かった。
夜21時のアスファルトは鈍く光り、ネオンがまたたいていた。



今日のあがりは224元。3700円。







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中国の電車はこんな感じ

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8月22日 金曜日
【中国】 成都 ~ 電車の中





お腹の調子がいいような気がする。

ぐるぐるぐるぐる鳴ってはいるが、下痢の音とは少し違っていてオナラがたくさん出る。
これすごいこと。


これまで1ヶ月、ずっとオナラが出来なかった。
間違いなく下痢と一緒に出てしまうから。
立ちションもできなかった。

なにかお腹に変化が訪れている。




この数日の日本食のおかげのような気がする。
ゆうべもセブンイレブンでお弁当を食べた。
今まで薬とか乳製品とか果物とか、病院以外のことはたいがい試した。
でも全く回復する兆しはなく、本当に辛い1ヶ月半だった………



そうだよ……足りなかったのは日本食だった………
お腹に優しいさっぱりした料理だよ………


今日から香港への長距離移動に備えてセブンイレブンで大量に食料を買い込んだ。

photo:01



カップラーメンとオニギリとネスカフェのコーヒー。
全部お湯で作れる。

中国はどこでもお湯が手に入る。マジでお湯がなければ生きていけない人々なので、もちろん電車の中にも蛇口が設置されている。
お湯文化最高。


さぁ、香港までぶっ飛ばすぞ。







雨の降りしきる朝の街を歩き地下鉄に乗って成都の北駅へ。

メインステーションの北駅はすごい人ごみで、相変わらず敷地の入り口、駅舎の入り口、ホームの入り口に厳重なチェックゲートがあり、エックス線の荷物チェックまである。

それらをくぐってプラットホームへ行くと電車が待ち構えており、寝台車両の前を過ぎて座席車両に入った。

座席車両の中はたくさんの人でごった返しており、すでにほぼ全ての席が埋まっていた。

チケットのシートナンバーを見ながら座席を探しだし、なんとかこれから30時間ともにする席を確保。

荷物を棚に放り込み、ふうと一息ついた。





中国の電車のクラスは5つある。

硬座
軟座
硬臥
軟臥


読んで字の通り、硬いシートと柔らかいシートの座りか寝台だ。

30時間の移動なので寝台にするか迷ったが値段が2千円くらい変わってくるので節約。

これまでも30時間超えのボロバス移動なんて何度もあった。
硬いシートっていっても耐えられるだろう。


ちなみにこのさらに下に天座っていう座席なしのチケットがある。
立ちっぱなし、もしくは車両の連結部分で地べたに座るってやつだ。

すでにこの車両の連結部分にも、最底辺の民が地べたスペースを確保して座り込んでいた。


電車が走り出す。長い移動の始まり。







photo:02



この電車は香港までは行かない。香港の隣町の広州までだ。
そこから電車を乗り換えて向かうことになるので実質移動は明日いっぱいかかりそうだ。


香港は同じ中国ではあるが、イミグレーションがあったり通貨が違ったりと特殊なエリアになっている。
嬉しいのは香港ではFacebookやGoogleなどのインターネットの規制がない。同じ中国なのに不思議なもんだ。

イマイチ香港ってとこがどういうところかよくわからない。まるで別の国のようだけどれっきとした中国の一部。


自由な街なのでおそらく路上もできる。バスカーの間では香港は稼げる街として有名だ。

あのカジノアイランドのマカオもすぐ近くにあるし、本当なら1週間くらいとりたいところだけど残念ながら2日だけしかない。

お腹の調子も良くなってきているし、どっかで野宿かましながら2日で稼いで、旅行代理店で台湾から韓国の飛行機チケットを買う。

失敗は許されない。
何がなんでもやりきってやる。








photo:03



電車の中はまぁ賑やかなもので、ワイワイガヤガヤと話し声が溢れている。

中国人はとにかく声がデカイ。
大げさじゃなく車両の端から端まで聞こえる大声で叫ぶように話すのでまぁうるさい。

小さな子供たちも遠足気分でテンションが上がりまくっており、裸足でバタバタ走り回りながらギャアアアアアア!!!!と叫びまくっている。

photo:04



photo:05




泣きわめく赤ちゃん、
スマホで音楽をかける若者たち、
パソコンでドラえもんを見てる家族、


さらにさらに、そこに輪をかけるのが車内の売り子さんたち。

南米やインドみたいに列車に乗り込んでくる個人の売り子ではなく、日本みたいに車掌さんがお菓子や飲み物を満載したカートを押してやってくる。

ジュースー!!サラミー!!とか中国語で声を上げて車両を行ったり来たりする。

他にもご飯とおかずをたくさん乗せた調理カートがやってきてお弁当を詰めてくれるサービスは長距離移動にはありがたい。



極めつけは実演販売。

いきなり車両の真ん中で流暢に売り口上を並べ始める車掌さん。


「お立ち寄り!!ここに取りいだしたりまするは小さな小さなポーチ!!ポケットサイズのこのポーチを開けてみると、さぁご覧あれ!!毛抜き、ハサミなどが入ったジェントルマンの身だしなみキットだどうだこの野郎!!これであなたも若い女の子にモテモテ!!」


そこらへんのテレビの販売員顔負けのべシャリで次々と商品の紹介をしていく車掌さん。

笑顔で陽気な声を出し、車内にお客さんたちの笑い声が響き、ここはもう彼らのオンステージだ。


速乾タオル、ベルト、財布、オモチャ、ケータイの予備バッテリー、歯ブラシ、


電車の中というシチュエーションを考慮したチョイスなので面白いように売れていく。
南米のバスの物売りみたいに窓のサッシを売ってきたりしない。

photo:06



カップラーメンや中華料理の美味しそうな匂いが立ちこめ、テキ屋の粋な売り向上が響き渡り、子供はかけまわり大人は大声で笑い、もう電車の中がさながら縁日の賑わいだ。

ここまで来ると公共の場でケータイで話したらいけないとか、そんなレベルの問題ではなくなる。


このお祭りを楽しむのが正しい過ごし方。

さすがにお酒は販売してないけどね。







そんな大騒ぎの車内ではすぐに周りの席の人たちと仲良くなれ、みんながタバコを差し出してきて一服しようぜと誘ってくれる。

車両の連結部分に行くとおっさんたちがもくもくと煙をあげている。

お湯を入れてコーヒーを飲みながらタバコを吸うことができるのは長い移動においてはだいぶストレス削減になるな。





しかし足元は痰の海。






カアアアアアアアアア!!!





ぷへえっ!!




床に痰が投下される。
これだけはどうしても慣れん………


中国人が外国で嫌われてる理由のひとつはそこらじゅうで痰を吐き散らかすというところもあるんじゃないだろうか。













祭りの後の静けさが訪れたのは23時を過ぎたころだった。

みんなシートに座って目をつぶっている。

photo:07



騒ぎ疲れた子供たちもみんな大人しくなった。

さぁ、俺も疲れた。寝よう。





って、全然眠れない(´Д` )

シートがリクライニングなしの直角で、硬座の名前の通りほぼクッションなしなのでお尻へのダメージがなかなかのもんだ。

ほんのちょっと、ほんのちょっと背もたれが倒れるだけで全然違うのに。

いくら目をつぶって楽な態勢を探してもどうにもならず、疲労は増す一方。

足は伸ばせないし、首は痛くなるし、腰はビリビリ痺れるし、たまらなくなって目をこすりながらタバコを吸いに行くと、天座のシートなし組が連結部分のスペースで荷物をベッドにして寝ていた。

よほどこっちのほうがマシだな。
床は痰の海だけど。



シートに戻り、どうにもならずにコクリコクリと首を揺らしシートから転げ落ちそうになりながら朝を待った。


ああ………きつい………

寝台って偉大だな………







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香港の熱気、そしてヤクザ

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8月23日 土曜日
【中国】 広州 ~深圳 ~ 香港





まったく眠れない。

背もたれが直角の硬いシートではどんな態勢になってみても眠ることができず、一晩中起きていた。

しんどすぎて目がしょぼしょぼする。
周りの人たちも同じで、みんな疲れきった顔で視線もぼんやり焦点が定まっていない。

あまりにもぞもぞしていたので隣の席の優しい兄さんが窓際の席を代わってくれ、おかげで壁にもたれることが出来て少しだけ眠れた。




1時間ほどウトウトしたらだいぶ頭もスッキリした。

ちょうどお料理カートがやってきたのでニンニクの芽の炒め物と茹でジャガイモの朝ごはんを食べた。

photo:01











さて、今日のお昼に広州に到着してからスムーズに香港まで行けるだろうか。

出来ることなら今日も歌いたい。
1分でも早く香港に着いて、いい路上ポイントを探し出して歌う。
夜は野宿だ。


香港は地図で見る限りいくつもの島が寄り集まった集合体みたいな地形になっていて、どこが街の中心部なのか地図だけではよくわからない。

ソッコーでいい場所が見つかるといいんだが。

いや、見つけださないといけないんだ。











photo:02



今日もテキ屋車掌の流暢な実演販売と売り子の声で大賑わいの電車の中。

子供が全身を使って絶叫しており、床にはみんながポリポリ食べてるひまわりの種の殻が散乱している。


そんな超やかましくて微笑ましい電車の旅も昼の13時半に終了。

28時間の移動で広州に到着した。











電車を降りるとムワリとした熱気が体を包んだ。

だいぶ南に下ったもんな。気温がぐんと上がった。

人波に流されながら歩いていくと、多くの人が出口ではなく、別のチケットカウンターへと向かっていく。

深圳という街への直行だ。

深圳といえば香港との国境の街。
どうやらここからまず深圳に行き、そこから香港に入境しないといけないみたいだ。


んー、めんどくさい………
同じ国だというのにいつもの国境越えみたいだ。


チケットも高く80元、1300円。

多分これはかなりいい電車だったんだと思う。他にも安い手段はいくらでもあるはず。













14時半の深圳行きの電車に乗り込む。

まぁ綺麗な電車で、トイレも給湯所もホテルみたいにラグジュアリー。
音もなく走り出すと、まったく振動することなく滑るように高速で進んでいく。

ヨーロッパのころを思い出す快適な移動。

中国の東海岸は都市が集中する政治経済エリアなので、交通網もとことん充実していそうだ。









そんな高速の電車のおかげでわずか1時間足らずで深圳に到着。

そこはもうとにかく整備されまくった巨大駅だった。

photo:03



ゴミひとつ落ちていない綺麗な歩道、刈り込まれた植木、そそり立つビル、


無数の看板があちこちに矢印を指し、その下をうじゃうじゃとものすごい数の人々が忙しなく行き交っており、誰もが足早でちんたらしていたら弾き飛ばされそうになる。

この程度のいち地方都市でさえこのレベル。

やっぱ中国底が知れない。

photo:04












photo:05



看板の中に香港という文字を見つけて、人の流れに乗って歩いていく。

駅の中にこっち別の国ですよっていう看板があるのってスイス以来かな。
あそこはフランスとドイツの国境だったな。


ほぼ寝ていないので疲れきってフラフラ歩いていると足早な人々にキャリーバッグをガンガン蹴られてしまう。

なんとか歩いていくと、ふたつに分けられた通路が。


香港人はこちら、中国人・外国人はこちら、という表示だ。


外国人の方に入って先に進むとイミグレーションがあった。
中国出国の窓口、そしてその先には香港入国の窓口。
もう完全に別の国だな。


審査は簡単なもので、出国チケットのチェックとかそんなもの1ミリもなくすんなりとカスタムを越える。


また人の進む方に流れて行くと、今度は駅に繋がった。
ここから香港の全ての場所に電車が走ってるみたいだ。

同じ中国なのに通貨が変わるので、券売機の隣にある両替所で中国元を全て香港ドルに換金した。

レートは100円が7.5香港ドル。

250元を換金して290香港ドルをゲット。




さぁ、電車のチケットを買おうかなと先進国らしいタッチパネルの券売機の前に立ってみるが、なんせこの国の中心部がどこかわからない。

香港はシンガポールみたいに川で本土と分断された小さなエリアがひとつの国になっている。

シンガポールと同じく東京23区くらいの大きさかな。

小さな国なんだけど、超都会なのでそれぞれに個性のある街が点在しておりどこに行けばいいのかひとつもわからない。



なのでそこらへんの人に声をかけてみた。

うん、普通にみんな英語が喋れる。

見えない国境を越えただけでガラッと変わったな。


「香港の中心部はどこですか?」


「中心部?んー、どういうところに行きたいかで変わってくるなぁ。」


「えーっと、じゃあたくさんの人がショッピングするところはどこですか?」


「んー、ショッピングするエリアもたくさんあるからなぁ。水上っていうところはショッピングモールがあって人もたくさんいるよ。」



水上。ここの次の駅だ。

郊外の大型モールってとこか。

良さそうだけどそうじゃない。まずは香港のど真ん中に行きたい。



まぁなんとかなるかと、テキトーに電車の路線が何本も入り組んでるあたりまでのチケットを買った。

41香港ドル。550円。結構高いな。
物価も高いのかな。でもそれはつまり稼げるってことだけど。稼げなかったら終わりってことだけど。









ピッカピカの近未来的な電車に乗り込み、そこから九龍坍とかそんな字の駅で乗り換え、なんとなく人が多そうな太子という駅で降りてみた。

重たい荷物を根性でかついで階段をのぼり地上に上ると、一気にテンションが跳ね上がった。

photo:06



ごちゃごちゃと建物が密集した裏通りはたくさんの人が行き交い、通りにはビッシリと様々なお店が並んでいる。


これだけなら今までの大都市の光景と同じなのだが、ここが香港だと感じさせてくれるのが看板だ。

よくジャッキーチェンのアクション映画に出てくる道路にせり出した巨大看板。
走ってる二階建てのバスの屋根の上で敵と戦っていたら看板が迫ってきてかがんだりジャンプしたりして看板をかわすハラハラドキドキの演出、まさにあのままの光景が目の前に広がっていた。


大阪の新世界レベルの巨大看板が全ての通りにひしめいて空がほとんど見えないほど。
そのレトロな様子はまるで白黒写真で見た昭和の日本みたいだ。

photo:07



都会の喧騒に心がはやる。
早く歌うぞと興奮しながら碁盤目に伸びる通りを歩く。


ファストフード店やオシャレなファッションショップ、店頭でビニール袋に入れられた金魚を売るお店。


ああああ!!もう!!
まるでお祭りみたいだ!!











そんなお祭りムードは通菜街というストリートを発見して頂点に達した。

ホコ天の広いショッピングストリートはギラギラと明かりがまたたき、音楽が流れ、向こうが見えないほどの大混雑。

photo:08



人々はみな洗練された服に身を包み、モデルみたいな若者たちが闊歩している。

そして通りのあちこちにストリートミュージシャンたちがいるじゃないか。


photo:09



photo:10




ドラムやスピーカーをセッティングしてライブ形式でバンドたちがガンガンにパフォーマンスしており、たくさんの人たちを集めている。
ピンの弾き語りのおじさんももちろんいる。

そのあまりの賑わいはむせるような熱気となって夜空に立ち昇っている。







なんて自由な街だ!!!

規制規制でがんじがらめだった中国も悪くはない。あれはあれで品のある空気を作っていた。


しかし今ここに来て、この自由で開放的な雰囲気となんでも揃った先進国の快適さ、さらに古めかしいレトロさを残した街並みは、熱帯夜のむわりとした風をはらんで一発で心を鷲掴みにした。

あー!!もうたまらん!!
ここで歌いたい!!!






photo:11



いてもたってもいられなくて、体の疲れなんて忘れてそこらへんの地下道でソッコーギターを取り出した。
人通り、音の響き、申し分なし。ライバルもいない。

うー、こんなベストポジションがろくに探し回らないですぐに見つけられるなんてこれだけでこの街が好きになる!!








反応は中国ほど良くはない。中国ではすぐに人だかりができたもんだけど、それは路上やってるやつが珍しいからだ。

香港ではさっきみたいに路上のあちこちでバンドがライブやってるんだろう。ちょっと歩いただけであれだけいたんだから街のいたるところに様々な形のバスカーが存在するはず。

激戦は望むところだ。
こちとら歌うことに飢えてるんだ。







ポツリポツリとお札が入るんだけど、この地下道は騒音がうるさくて歌がほとんど聞こえないので場所を変えることに。

photo:12



香港の街のど真ん中を縦に割る目抜き通りのネイザンロードはこの夜の時間にもものすごい人通りだ。まともに歩けない。

デパートやモールがずごんずごんと並び、二階建てのバスがひっきりなしに走り、オーストラリアのシドニーであまりの都会ぶりにびびりまくったあのジョージストリートを思い出す。


でもこの街にはあんな無機質な冷たさは感じない。
街全体が底から震えるように胎動しているのがわかる。

シンガポールもこうしたひとつの小さな街で、文明国でありながら人間の匂いと暖かさに満ちたとてもいい国だった。

あの興奮が蘇る。いや、人間臭い熱気においては香港はシンガポールの上をいってるかもしれない。







photo:13



photo:14



きらびやかなネイザンロードから脇道に入ると、そこにはいたるところに夜市が立っており服やアクセサリーなどが売られた屋台通りに人が溢れ、食堂街ではたくさんのローカルフードのお店がひしめき客引きたちが大きな声で客をつかまえている。

photo:15



photo:16



photo:17




頭上にせり出した巨大看板たちはネオンを輝かせて街を彩り、渋谷や新宿のような眠らない街としてのタフネスに満ちている。

沸騰するような熱気だ。









photo:18



そんな街なので人はどこでも歩いており、そしてどこで歌っても良さそうだ。ポイントは無限にある。

メインストリートのネイザンロードはバスが走るので騒音があるが、そこさえ外せば生ギターでも問題ない。
中国ではインドほどではないが誰もがクラクションを鳴らすのでかなりうるさいんだが、香港に入ってもう全くと言っていいほどクラクションを鳴らす人がいない。


ゴミを捨てない、
痰を吐かない、
そこらじゅうで立ちションをしない、
クラクションをむやみに鳴らさない、
順番の割り込みをしない、



先進国としての最低限のマナーを持ち合わせている国にいくと、自分も背筋が伸びる。

貧乏旅を長くして後進国を経験したりすると色んなことが雑になってしまいがちだ。

綺麗な街だからゴミを捨てないとか、みんながやってるから割り込みをするとか、そういうことではなくて常に自分が正しいと思う行動に誇りを持っていたいな。





photo:19



ジョーダンという駅の入り口の前をたくさんの人が歩いているのを見つけた。
角にセブンイレブンがあり、少し歩道が広がっており車も通らないので音も響く。
文句無しだ。

中国みたいにすぐに人だかりができないのでゆっくりと準備ができる。


セブンイレブンで缶コーヒーを9香港ドル、120円で買ってタバコをふかし、リラックスして演奏を開始した。



さぁ、稼げるか。
稼げなかったら台湾に行けない。


この3日で2万円を作って飛行機のチケットを買う。
これでさらに面白い出会いがあったら文句無しだ。












photo:20



2時間後。





あがり1240香港ドル。1万7千円。


チケット代金の目標達成。






おべべべべべべべべぶびびび!!!!!!!!!!(´Д` )(´Д` )




ウルトラ稼げるううううううううううう!!!!!!!!


警察来ないいいいいいいいいいいいいいい!!!!!!!!


みんな英語喋れるうううううううううううう!!!!!!!!


ていうかみんな日本語喋れるううううううううううう!!!!!!


女の子超エロ可愛いいいいいいいいい!!!!!!







もうヤバイ。

香港すべてが揃ってる。完璧すぎる。

なにこの国。楽園?

楽園で女の子のおっぱいを揉んで揉んでうひゅうううおおおおおおおおおお!!!!!!


い、いやっ!ここはあの40代後半くらいのエステとかちゃんといってそうな色白で美しいミセスの油断した二の腕をつかんで強引にキスして年上ぶった偉そうな態度を少女に戻してやるのが好きなんですけど僕頭おかしいと思いますか?




うっひょおおおおおおおおお香港でやりたい放題だあああああああああああ!!!!!!!




しかもWi-Fi飛びまくり!!!!


しかもしかもしかも!!!!!!



Googleとメッセンジャーが使えるうおおおおおおおおおおおお!!!!!!!!!


やっとメールチェックができるうううううううおおおおおおおふううううううううう!!!!!!


iPhoneをWi-Fiに接続してメールを開く!!!!










100件以上来てる。







そっとホームボタンを押す。


うん、ちょっと無理。時間ある時にやろう。











と調子に乗りまくっていたら、向こうの方でこっちをガン見しているヤクザを見つけました。

この香港という大都市の中で、ジャパニーズ着流しで下駄を履いていてただ事じゃないオーラを発してる人がこっちをガン見してるんです。



完全にヤクザです。



香港って日本人めちゃくちゃいます。
日本のお店も半端なくあります。
なので多分ヤクザもいます。
その人です。


どうやっても視界の端に入ってくるんですけど、見えてない振りして歌い続けます。
演奏止めたら不自然なので。
見えてない振りして目玉がおかしくなるくらいヤクザさんを警戒してます。


常軌を逸した風格があるヤクザさんで、多分人も殺したことがあるはず。

ま、まさか、警察に目をつけられる前に極道に目をつけられてしまうなんて………





いや、ここはなんとか乗り切らなければ。

す巻きにされて香港湾に捨てられないために俺になにができる。

そう歌うことだ。

今までもどんなピンチも乗り越えてきた。
俺の歌であのヤクザさんに気に入ってもらって、おう若えの!!飯行くぞ!!ってなってそのあとキャバクラ行って、おう若えの!!好きな女選びな!!って言われて刺激的な夜にしてみせる!!






気合いを入れて声を出すと、ヤクザさん、おもむろに帯の後ろからドスを取り出した。

おひょうう!!!!



と思ったら扇子でした。

パタパタしながらまだこっち見てる。


あー、もう嫌だー、なんだよあの人ー、なんでずっと見てるんだよー、怖いよー、



と思いながら日本語の歌を歌ったら、願いが届いたのかそのおじさんどこかへ歩いて行った。


あ、やった………す巻きまぬがれた…………




と思ったらヤクザさん、下駄をカランコロンやりながら戻ってきて俺のところに一直線に向かってきた。


え!!ええっ!!気に入らんかった!!?ダメ!!

やっぱりダメなの!!!??

いやっ!!殺さないで!!!


完全に親分レベルの風格のヤクザさんが俺の目の前までやってきた。

終わった、と思ったらヤクザさん、何かを差し出してきた。













photo:21



キリン一番搾り



「あんちゃん、なかなかいい歌だねぇ。どうだい?今日おいらんとこに泊まるかい?」


「は!!はい!!……いや!!あ、あの………でも、ヤクザさんの家に泊まると後が怖いので…………」


「バカ言っちゃいけねぇや!!おいらぁ生まれも育ちも東京深川の日本男児だぜ。日本男児が浴衣着てなにかおかしいのかいべらんめぇ。」


「ご、ごめんなさい!!……今日はお仕事はお休みだったんですか?」


「あー、今日はなぁ、向こうの海沿いの方で日本人たちで縁日をやってたんだな。お祭りってわけよ。まだ若え衆は残って店やってるけどおいらは疲れたから先に帰ってきたのよ。」


「て、テキヤの親分なんですね………」


「おめーなぁ、違うっつってんだろうが。ホラ、来い!!荷物まとめな!!」


「ど、どこに行くんですか……?す巻きですか……?」


「おいらんちって言ったじゃねぇか!!なんもねぇけど飯くらい食わしてやるよべらんめぇてやんでぇちきしょう。」



photo:22



わけもわからず、オジキの後を着いて香港の街を歩く。

まだまだ人で賑わう通りに下駄の音がカランコロン響いて、ここがどこだったかよくわからなくなる。


えーっと……なんだこの展開?



いきなりのスタートダッシュ。

望んだとおりの刺激的な出会い。




べらんめぇこんちくしょう!!香港やっぱり面白くなりそう!!!




日本酒うめぇやてやんでぇ!!

photo:23








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香港マジ最高

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8月24日 日曜日
【中国】 香港






「おい………おい………べらんめぇこんちくしょう………起きろー……」



「………あ!!は、はい!!」



「おう、朝飯食いやがれ。」




リビングのソファーの上で目を覚ました。

顔がむくんでいるのがわかった。
ゆうべあれから街のど真ん中にあるお宅にお邪魔させていただいて、餃子を食べながら日本酒を飲み、夜遅くまでお話させていただいた。



誰のお宅かって?










ヤ………






嘘です。この方の正体は………







東京の下町ど真ん中の深川のヤクザです。







嘘です。やべぇ、これ以上書いたら怒られる。






深川といったら東京でも1番べらんめぇのところです。
義理と人情だけでどんぶり飯いけるようなところです。

銭湯の温度、60℃くらいないと納得しないような人たちです。



そんな生粋の江戸っ子であるオジキは口は悪いけど実はめちゃくちゃ優しいです。

本業は……まぁ伏せておきます。
決して日陰の商売なんかではないということだけ書いておきますね。








photo:01



オジキが作ってくれたカレーとお吸い物をかきこむ。

美味しいですと言うと、あたぼうよなめてもらっちゃいけねぇや、と笑うオジキ。


洗濯物はねぇのかい?充電するもんはねぇのかい?とバッグパッカーに必要なものをよくわかってくれている。

パーソナルコンペーター!?なんだそりゃ!!新しい和菓子か!?みたいな時代に流されなさそうな江戸っ子だけど、実はこういう人ほど柔軟な思考を持ってるのかもしれないな。



「おう金ちゃん、おめーさん59ヶ国も行ってんだったら普通の観光地なんて行かなくてもいいんじゃねぇかい?」


「はぁ、まぁそうです。」


「よし、それじゃあ今日はおいら先輩と飯食いに行くからそこに一緒に行こうじゃねぇか。香港の地元の人が集まる場所で、多分稼げるぜ。」



香港にはザッと見ても様々な見所がある。
歴史的建造物はあまりないが、近代的なビルディングや整備されたハーバー、山の上から街を見晴らす展望台、それぞれに特色あるショッピングエリア。
ディズニーリゾートもある。



香港のイメージと言ったら悪の巣窟、九龍城が真っ先に浮かぶ。
何十年も前からの古いアパートたちがぐちゃぐちゃと密集した陰湿で怪しい巨大アパート群。
あまりにもどローカルなその場所は怖いもの見たさをくすぐりはするけどマフィアの巣窟となっており、立ち入ることの許されない禁断の建物。


なのだが、香港の負の歴史の代名詞的なその九龍城は1990年代に取り壊されて現在はただの綺麗な公園になっているそうだ。


古い街の光景がなくなっていくのは旅するものとして寂しいものだけど、それでも香港は香港らしい光景を今も残しているんじゃないかと通りの巨大看板やボロいアパートを見て思う。







そんな近代的な国、香港だけど、都市部以外は緑の多い山々が広がり、入り組んだ小島や入り江が形成された自然豊かな風景を見ることができる。

今日オジキはご友人の方たちとそんな自然の中にある小さな港に海鮮料理を食べに行くという。

海鮮料理を食べたついでに店からみかじめを回収して回るという。

嘘です。








「おーう、待ったかい。ん、このお兄ちゃんはどちらさんだい?」


「あ、は、始めまして、お、おひけぇなすって、手前姓名を発しまするに金丸文武という未熟者にござんす。生まれは荒波さかまく日向灘の町、日向であります。歌を生業に宿無しをやっておりまして、こちらのオジキの組にワラジを脱がせていただいておりやす。以後お見知り置きを。」


「へー、そうなのかい。昨日はいくらか稼いだのかい?1200香港ドル?なかなかいい水揚げじゃないかい。オジキちゃん、この兄ちゃん追い回してあげたら?」


「カシラ、客人は旅ガラスなのでまたすぐに違う空の下なんでさぁ。」



オジキの先輩にあたるカシラに仁義を切らせてもらってから、もう1人姐さんも加わって4人で向かったのは西貢という町。

photo:02



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電車とタクシーを乗り継ぎ、緑の多い住宅地や丘を抜けていくと、海に面した小ぢんまりとした町が現れた。









photo:04



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静かな入江の海がひろがりたくさんの漁船が浮いており、海辺の遊歩道沿いにズラリと海鮮料理屋さんが並んでいた。

店頭にはいくつもの水槽が置かれてその中で新鮮な魚介類が元気に動いており、今まさに水揚げされた魚たちが海から運ばれてくる。

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どこのお店もほとんど満席の賑わいをみせているが観光客はほとんどいないとのこと。

どうやらこの西貢は香港の人たちがのんびりとした時間を過ごしにやってくる行楽地といったところらしい。



というわけで………








これもんです。

photo:09



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「金ちゃん~、たくさん食べてよー。」


「いただきます!!」


「あ、ビールでいいよね?」


「え、あ、お、お酒は……今から歌うのでやめとこうかなと……」


「…………なに?」


「いやー!!実は僕吐くまで飲まないと気が済まないんですよねー!!さ!!レッツ下痢!!ひょう!!」



嘘です。そんな脅されたりしてません。
カシラもオジキも姐さんも優しい方です。






photo:13



美味しすぎる海鮮料理をご馳走になり、スーパーお腹いっぱいでいい感じに酔っ払ったところで路上やりましょう。

暑いくらいの太陽がさんさんと降り注ぐハーバー沿いのレストラン通りにはたくさんの家族連れやカップルがガンガン歩いており、この優雅な空気はまさに路上におあつらえ。
他にバスカーもおらず、完全に独壇場の場所選びたい放題。

photo:14



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てなわけで広場の中にある木陰のベストスポットに堂々と陣取ってギターを鳴らした。










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酔っ払っててお腹に力が入らないが、オジキたちが聴いてくれているので死刑台に立たされた気持ちで歌うと、通る人々も足を止めてパラパラとお金を入れてくれる。

しかも入るお金がでけぇ。
みんな20香港ドルから。300円。

それがあっという間にギターケースを埋め尽くしていく。

周りにレストランの客引きのおばちゃんやおじちゃんでさえ、みんな笑顔でお金を入れてくれる。


誰にも止められず、自分のペースでリラックスして歌える…………

ああ、香港マジで自由の国だ…………

カシラとオジキと姐さんを見送り、それからも1人で夕方まで路上を続けた。

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photo:22



時間は18時をまわり、太陽が傾いて涼しくなってくると急に人通りが増えてき始めた。

ボートのクルージングに出ていた人たちがぞろぞろと海から帰ってきて、今からディナータイムに突入するレストラン街はさっきまでの軽く倍の数の人々で溢れかえった。

ここからが稼ぎどき!!






なのだがササッと荷物をまとめた。

今夜はまたオジキと夜に会う約束をしている。もったいないところだけどたった2時間でもすでにまぁまぁ稼げている。
この辺にしとこう。

ギターを持って行列ができているバス乗り場に並び、香港の市街地へと戻った。


あがりは1200香港ドル。1万6千円。












電車を乗り継いでやってきたのはチムサッツという駅。

人の流れに乗って明かりの少ない薄暗い出口から外に出てビルの脇の小道を入った。


そうそう、書き忘れていたけれど香港の見所で大事なものを忘れていた。

世界を代表する、誰もを虜にするあれ………






暗い小道を抜け、パッと広場に出た瞬間、凄まじいものが目に飛び込んだ。


足を止めてため息が出た。

photo:23



暗い海の向こうに浮かぶ壮大な香港島の夜景が、夜の底で宝石のように輝いていた。

photo:24



photo:25




香港島の海沿いはまるでドレスアップしたショーケースだ。
全てのビルディングがきらびやかにライトアップされており、それが海沿いにずらーっとどこまでものびている。

本島側のハーバーはそんな夜景を堪能できるように余計な明かりがなく整備された桟橋がのびおり、ものすごくたくさんの観光客たちがその光のパレードに酔いしれていた。


こりゃすげえや。

こりゃ世界三大夜景にもなるわ。





ただひとつ言えることは、こんなロマンチックな場所に1人で来るとか罰ゲームでしかないということですね。


へー!!道に迷ってたら偶然たどり着いちゃったけどなんか綺麗なとこだね?!日向の米の山といい勝負ジャン?ねぇお兄さんもそう思うでしょ?


と隣にいた無口っぽい兄さんに声をかけたら仲良くなってお喋りしました。



いやー、僕なんて夜景とかひとつも興味なくてこんなとこにわざわざ来る人の気持ちがわかんないんすよねー。カンフーなら好きって言うかちょっと昔かじってて、ジャッキーチェンの息子とかいつもパン買いに行かせてたんですよ。ウケますよね!お兄さんはカンフーとか好きですか?









photo:26




レーザービームショーがマジで半端なかった。

街全体にビームが飛び交ってた。











桟橋を歩いて行くとフェリー乗り場があり、ここから香港島に渡ることができるが今回は無し。

このピア前の広場にはたくさんの人が溢れているので、他ではほとんど見なかった路上ミュージシャンがわんさかライブをしていた。

photo:27




でもみんな下手くそ。
高校生みたいなのがアンプ使ってペキョペキョとギターを弾いて、隣の男の子がマイクを手に持ってカラオケみたいに歌ってる。

みんな3~4人のグループなのにまったく同じコードをジャカジャカ弾いてるギターが2人いたり、まぁとにかく高校生レベル。

たまに人をたくさん集めてるグループと他の違いはカホンを叩いてるってとこくらいだ。

1997年までイギリス領だったんだからもう少しポップミュージック文化が高水準にあってもいいものなのにな。









「おーい、金ちゃん待ったかい?どうだい、あれから稼げたかい?」


「最高でした!!めちゃくちゃ良かったです!!さすがオジキのナイスチョイスですね!!」


「あったぼうよべらんめぇこんちくしょうてやんでぃ。ところで腹は減ってんのかい?ここでいいかい?」


「こ、ここは!!!オジキ!!最高です!!最高のチョイスです!!!」


「べらんめぇこんちくしょうてやんでぃべらんめぇ!!」





photo:28



photo:29



べらんめぇ美味え。


吐くかと思った。


香港では若者たちのオシャレなご飯って感じでした。

photo:30



香港には吉野家とか味千ラーメンとか牛角とか和民とか日本のものがなんでもあります。
看板の文字も普通に日本語だったりします。
かなり日本寄りの国ですね。




トンカツ食べたいです。


あるけど高いです。











「よし金ちゃん、最後にちょいと1杯やって行こうか。」


腹ごしらえを終え、チムサッツの街の中を歩く。
ネイザンロードから1本中に入った漢口通りあたりはネオン街になっており、たくさんのバーやレストランが並んでいるんだけど、その角の1番いい場所にあるのも大阪という名前の居酒屋だ。

綺麗で高そうなお店が多くいい感じなんだけど、日曜日の夜はそこまでたくさんの人は歩いていない。





て、ていうかどこに行くんだろう…………

どこの鉄火場に連れて行かれるんだろう…………






photo:31



老舗ジャズバーでした。


鉄火場っていうかアームストロングでした。

photo:32





めちゃくちゃ歴史を感じさせる古びた店内で、かなり渋いお店。

またバンドのクオリティも高くて、年季の入ったベテランジャズマンたちがステージでイカしたソロ回しをしています。

店内にはおそらく香港在住であろう白人たちの姿が多く、みんなジャズを楽しみながら薄暗いテーブルでグラスを傾けて話をしている。


これこれ、イギリス領だった香港だもの。
欧米文化は確かに息づいている!!



ていうかオジキ、江戸っ子がジャズ。ハイカラ。

いやー、粋な人だ。




「おいらが初めてこの店に来たのは25歳くらいのころだ。あの頃ァ欧米人しかいなくてなぁ、よく白人のおばちゃんと踊ったりしたもんよ。」



オジキはお店に入った時にバンドのメンバーと手を上げて挨拶していた。

今も仕事帰りによく来ているし、バンドの昔のボスのことも知ってるような常連さんってわけだ。



その時バンドが君の瞳に恋してる、を演奏し始めた。

顔をしかめるオジキ。でもその横のフィリピン人の姉さんは盛り上がって一緒に歌い始めた。


「ばっきゃろう、こんな曲やんじゃねぇやなぁ。でも時代なんだよなぁ………てやんでぇ。」


新しい層のお客さんを獲得するためにお店もこうしたポップなナンバーをリストに加えさせたりしてるんだろうなぁ。

1972年からあるこのお店。異文化が混ざり合った古き良き香港のエキゾチックなムードは、キャントテイクマイアイズオブユーの軽快なメロディに乗せても遜色なくしっかりと残っている。



豊かな自然、モダンでオシャレな街並み、美味しい料理、現代文明の象徴である美しい夜景、そして植民地時代の名残をとどめる混沌と自由の夜風。


香港マジで面白いわ。







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出会いがとめどない香港

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8月25日 月曜日
【中国】 香港





アサヒのスーパードライを2本とタバコの箱をテーブルの上に置いた。

香港は暑い。缶ビールには水滴がびっしりついている。

水で濡れないように横にありがとうございますと書いたメモ紙を添えた。





そして荷物をまとめて部屋出て、管理人さんに頭を下げてアパートのドアを開けた。

むわりとした熱気で一瞬にして汗が吹き出してくる。
今日も香港は南国の太陽がギラギラと光ってビルのガラスに反射している。









朝、オジキは仕事に出かけて行った。

今日は中国の深圳にカチコミ……ではなくて出張、明日は上海に出張、さらに日本から偉いさんがやってくるし、様々な会に所属しているのでそれらの打ち合わせにも参加しないといけない。そんな絶えず忙しい日々を送っているオジキ。



「来月には落語会があんだよ、やっぱり人情噺で行こうなぁ。」



なんてことも言っていた。本当バイタリティ溢れる人だ。

しかも俺のために部屋の鍵まで貸してくれるという優しい人。こんなどこの馬の骨ともわからない若造にここまでしてくれるなんて………

オジキ、最初は怖かったけど一緒にいてすごく心和む時間を過ごさせていただきました。

またいつかどこかでお会いしましょう。


オジキ、オジキはやっぱり人情噺ですよ。










オジキを見送ったらもう少し眠り、それから1人で街に出かけた。

そう、今日が香港最終日。
香港でやらなければいけない最大のミッション。


台湾から韓国へのフライトチケットを買うこと。


これがなければ明日の台湾行きの飛行機に乗せてもらえない。

お金が稼げるか心配だったけど、香港は一瞬にしてチケット代を稼がせてくれた。
そしてさっきスカイスキャナーで調べたら台湾から韓国の最安値はアシアナ航空で1万8千円。

問題なし。超余裕。

あとはこれをどっかの旅行代理店でゲットすれば香港でのやるべきことは完了で、心置き無く台湾の女の子のオーヤンをフィーフィー言わせることができる。


あ、あれ?オーヤンフィーフィーって台湾だっけ……?






photo:02



アパートを出るとまぁカンカン照りのものすごくいい天気。

南国の太陽とコンクリートの照り返し、そして全てのビルから吐き出されるエアコン室外機の熱風でむせ返るような暑さだ。


汗をぼたぼたかきながらやってきたのはチムサッツのエリア。
旅行代理店に行く前にもうひとつ行かないといけない場所がある。



photo:01



ここ。

路地裏の奥にかなり大きな楽器屋さんがあった。

photo:03



photo:04




品揃えサイコー。


んで買ったのは、ギターの弦とハーモニカ。

photo:05



オーストラリアで受け取った植松さんからの支援品がとうとう底をついていたのだ。
ハーモニカもずいぶん前から壊れていて、すでに穴3つくらいしかまともな音が出なくなっていた。


残すところ旅もあとわずか。
最後にいい演奏をするためにキッチリ道具を揃えとかないとな。

弦はマーチンのライトが50香港ドル、700円。
ハーモニカがスズキかなんかのやつが200香港ドルだったかな。2700円くらい。

こいつで台湾と韓国、かましまくるぞ。









photo:06



吉野家で牛丼食べてからそこらへんの人に旅行代理店の場所を聞き込みし、やってきたのはモンコク駅の駅前にあるバンクセンターというビル。

photo:07



photo:08




このビルの中に1フロアー全部旅行代理店というトラベルエージェンシー村があった。

さてー、スパパっと終わらせちゃおうかなー。
情報ではスクートという格安航空会社が1万円くらいで飛ばしている。
換算したら750香港ドルなので、手数料も込みで1000香港ドルくらいで買えればいいかな。



「台湾から韓国への飛行機チケットをください。」


「はいー、えーっと、4700元になりますねー。」






………はぁ!!!
6万円!!!???バカじゃないの!!??



「ええ!?それしかないんですか?!?スクートっていう会社はないんですか?!」


「ああ、スクートは扱ってません。あれは格安航空券なので代理店では買えませんよ。インターネットで予約してください。」






…………………



もう少しでホアタッ!!ってブルースリー並みのパンチを繰り出してしまうところだった。






うん、どうしよう。








えーっと、








なにそれ…………



なにそれえええええええ!!!!!




お、お、おおお、終わった!!どうしよう!!!!

クレジットカードないから取れない!!!


一瞬で頭を高速回転させて考えまくる。



えーっと、とにかく俺だけじゃどうにもならんからそこらへんの人の良さそうな香港人に声をかけてクレジットカード使わせてくださいとお願いしようか。
ダメだ、頭のラリってるやつとしか思われん。


それならば、そこらへんの日本人の駐在さんの前で日本に帰りたいよおお!!と号泣しながらのたうちまわるのはどうだろう。
ダメだ、唾を吐きかけられる。






え?マジでどうしよう?


どうしようもない……よな?




最終手段しかないのか……?


チケットを取らずに空港に行ってそのままチェックインに臨むしかないのか……?


もしかしたらアウトチケットがなくても飛行機に乗せてくれるかもしれない。



マジでそれしかない。

かなり薄い希望だけどそれに賭けるしかない。

今までの経験上、アウトチケットが必要という国でも五分五分の確立でチケットの確認をされない。

今回もそうかもしれない。
香港航空のチェックがゆるいことに賭けるしかないか………











これ以上やることもないので、とにかく歌おうと路上へ。

歌える場所はいくらでもあるけど、初日のゲンを担いでおとといと同じジョーダンの駅前のセブンイレブン横にやってきた。

photo:09





これがナイスチョイスだった。


というか香港という最高に肌の合う国の底力をまざまざと見せつけられる出会いがここからラッシュでやってくることに。


まだ夕方前だけどたくさんの人が歩いており、車の通りもほとんどなくて静かなこの場所。

セブンイレブンのドアが開けっ放しなのでずーっと歌を聴かせて気まずいところだけど、俺を見かけた店員さんたちが笑顔でニコッと手を上げてくれた。

あー、香港人は優しい。











てなわけでゆっくりと路上開始。

相変わらずお金の入り方は良く、みんな英語で話しかけてくれる。
フレンドリーで洗練された人たち。



しかしここでトラブル発生。

人だかりを作りながら順調に歌っていたんだが、途中で弦が切れてしまった。
すぐに張り替えたんだけど、チリの悪夢が再びやってきた。
あの時と同じようにペグが壊れて回らなくなってしまった。


またか……と焦っていると、さっきから聴いてくれていた香港人の爽やかな兄ちゃんが声をかけてきた。


どうしたの?という彼に状況を説明すると、兄ちゃんはどこかへ歩いて行き、そしてしばらくして工具のドライバーセットを買って戻ってきた。



ええ!!と驚き、お礼を言いながら代金を払おうとすると、あなたの歌を聞くためなら安いもんだよとお金を受け取ってくれない。

なんつースマートさだよ、香港人………

photo:10





おかげですぐにペグを修理することができ、演奏再開。







そして次に声をかけてくれたのはこの子。

photo:11





よし、ホテル行こうか。




「カネマルさんですかー?これどうぞ。」


ん?日本語?かなり流暢だけどネイティブではない。香港人みたいだ。

その女の子が袋から取り出したのは正露丸だった。




な!!なんで俺がお腹壊滅してるの知ってるんだ!!

ウンコがズボンについてたか!?
ウンコをズボンにつけながらイマジンオールザピーポーとか歌ってたのか!?
そんな想像してくれなくていい!!




「ワタシの彼氏がブログ読んでますからー。頑張ってね!!」




ビビった。

日本にいる彼氏さんから差し入れを頼まれてわざわざ持ってきてくれたらしい。

ブログの読者さんから香港に来たら連絡くださいというメールをたくさんいただいていたんだけど、まさかこんな展開とは。



うわー!!彼氏さんありがとうございます!!

可愛すぎる香港人の彼女とお幸せに!!

photo:12











「あ、金丸さん、はじめまして………」


さらにまた綺麗な女性の方から声をかけてもらった。
今度はネイティブな日本語だ。
鈴の音のようなお声の清楚な女性。


そんな方からまたもや正露丸と風邪薬の差し入れ………

うう………みなさんこんなにも僕のお腹のことを心配してくださっている………


最近香港で日本食をたくさん食べているからかお腹の調子は良くなってきている。
そこでこんなに正露丸をいただいたんだ。
もうここで一気に全快してくれ。頼む………




「あ!!あの!!………お会いしていきなりこんなことお願いするなんて失礼にもほどがあるんですが、もし、もし良かったらクレジットカードで航空券を買わせていただけないですか……?」


「え?いいですよ。どこに飛ぶ飛行機ですか?」








うおおおおおおおおおお!!!!!!!!
女神いいいいいいいいいいいい!!!!!!!!!

香港に女神いたああああああああああ!!!!!!!



「ああ!!ありがとうございます!ありがとうございます!!本当に助かります!!!もし良かったらビールでもおごらせてください!!それからもし良かったら僕の燃えよドラゴンでブルースリーをホアタァして……」


「あ、私今つわりなのでお気持ちだけいただきますね。」




え……なにこの気持ち………


鈴の音のような声で、つわり、と発音されると不思議な効果が生まれます。







台湾→韓国
9月7日発
1万9千円


ゲット。




それから鈴の音さんのお友達も路上に来てくれ、何曲か歌を聴いていただいた後に帰って行かれました。



キャロルさん、感謝の言葉もないです。
これで台湾に飛べます。

元気なお子さんが生まれることを心から願っています。
本当にありがとうございました!!












ああ、もう完璧。

香港でやるべきことは全部完了した。そしてこのたった数日でたくさんの個性的な人たちに出会い、ただの観光旅行では絶対に行くことの出来ない香港を見させてもらえた。


もう満足。大満足。

あとはこのままバスに乗って空港に行き、ターミナルで寝て、朝になったらフライトだ。


ああああ!!!もう香港大好き!!!
ここ最高だ!!!













photo:13



photo:14



photo:15



photo:19



photo:16



photo:17




というわけでその後、日本語教室の中で香港人の若者たちと酒盛りして大盛り上がりになりました。


展開がとめどないです。

5分先が読めない。それが香港。




「香港人って浮気とかしないの?」


「イヤっ!!やめてください!!いい加減にしろよナノデスカラー!!」


「えへっ!!えへへへ!!!ふへへぇ!!」


photo:18



超楽しかったです。

香港人超可愛いです。





泥酔して日本語教室の中で1人で寝させてもらいました。






香港好きすぎる。



今日のあがりは1220香港ドル。16200円。

photo:20









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勇気ある人

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8月26日 火曜日
【中国】 香港
~ 【台湾】 台北





ついにこの日が来た。

世界イチの親日国、台湾に行く日が。



世界の観光地で路上演奏をしている時、中国人観光客というのはあまりお金を入れてくれない。
ものすごい勢いで写真を撮りまくるだけ撮りまくって何も言わずに去っていく。

そんな中、中国語を喋っているのにやけにフレンドリーでカタコトの日本語を喋ってお金を入れてくれるグループがいたらそれはかなりの高確率で台湾人だった。


これ本当にすごい確率。

みんな異常なほど優しい。

本当びっくりする。



海外に出る前は台湾と香港と中国の違いがよく分かっていなかったくらい地理に疎かったので、なんでこんなに台湾人は日本人のことが好きなんだろう?と最初の頃はすごく戸惑った。

なんでこうも中国人と台湾人で違うんだろうと。同じ言葉を喋るのに。




しかし、ここまで優しくされればそんなことどうでもよく、俺の中で中国と台湾の違いは日本人に優しいかどうか、という国の分け方になっていた。


もしこれで日本人の俺が台湾本国で路上演奏をしたら大変なことが起きるんじゃないだろうか?と期待しながらここまで旅してきた。

この世の楽園なのじゃないだろうかと。




ついにその謎を解く時がやってきた。


うおおおおおお!!!!!

日本人好きな可愛い女の子に告白されまくったらどうしよおおおおおおおおおおおお!!!!!!!













というわけで朝から下痢を漏らしました。


トイレまで行けたんですが、ズボンを下ろすのが間に合わなかったです。

またパンツが1枚死亡しました。

朝から泣きながらトイレの中掃除しました。





告白はされたいです。











朝からシリアスな顔をしてお世話になった日本語教室を出て、ネイザンストリートから空港バスに乗りこむ。
34香港ドルだったかな。500円くらい。

photo:01



photo:02




2階建てのバスは道路にせり出した看板の群れの下すれすれをくぐり抜けながら走り抜け街を出る。

photo:04













島をつなぐ大きな橋を渡ってしばらくすると香港の空港に到着した。


今回はギターの機内持ち込みが難しいかもしれないので預け荷物にしてみることに。
45香港ドル、600円くらい払ってボロギターをケースごと緩衝材でぐるぐる巻きにしてもらった。

photo:05



うん、今度からギターケースこれにしようかな。








チェックインカウンターではバッチリ台湾出国のチケットを確認された。
パソコンに予約番号まで打ち込んで本当に航空券を予約しているか確かめる職員さん。


危なかった。もしチケットを持たずに来ていたら間違いなく飛行機に乗せてもらえないところだったはず。

ゆうべのクレジットカードを貸してくれた日本人女性の方に改めて感謝。













さて、台湾に行くにあたって人と会う約束をしている。

3人。





まずは日本人の友達のアイラ。

山口県のライブハウスでイベンターをやっていたアイラとはもう長い付き合いで、いつも色んなライブを組んでもらっていた。

いつも明るくてアクティブなアイラは俺の友達の中でも唯一といっていい海外旅行経験の多いのバッグパッカーで、世界の色んなところを回っているようなやつ。

久しぶりにライブハウスで会うと、この前までキューバ行ってたんじゃーとか言う旅好きな女で、いつも海外の旅の話を聞いていた。


海外のことなんて何も知らなかった当時はアイラの話はそれなりに刺激的だったけど、今では俺も一端の海外旅行者だ。

俺に会いにアイラがわざわざ台湾に来てくれている。
今日、台北で落ち合う予定。









2人目がノリさんというシンガーの方。

ブログを読んで下さっており、いつか自分もバスキングで世界を回りたいので海外での路上の仕方を見させてもらいたいというメールをだいぶ前からいただいていた。

俺が海外にいるうちにどうしてもどこかでお会いしたいということで、いろいろ事情を考慮して台湾に場所を決めた。



こうしたメールはよくいただく。

僕の旅のやり方に付き合わせてしまいますがそれでもよろしければ……と返事するのだが、今回はなかなか事情が特殊だ。


実はこのノリさん。車椅子なのだ。

車椅子でバスキングってのは別によくあることだけど、それを海外でやっていくってのは軽く想像しただけで断崖絶壁をよじ登るような果てしなく険しい道のりだ。

はじめは東南アジアあたりで落ち合いましょうという話だったが、バリアフリーってなんですか?みたいなあれらの国々ではとても車椅子での旅なんて考えられない。

いや、頑張ればできないことはないだろうけど、まだほとんど海外経験のないノリさんなので手始めに先進国である台湾あたりが無難だろうということでここに決めたのが色々な事情ってわけだ。


今までもバスカーたちと旅を同行したことはあったけど、車椅子の人と一緒ってのは想像しにくい。
俺にちゃんとサポートができるだろうか。


いや、そんな必要ないか。
望んで俺の旅に合流したいとおっしゃっているし、これから世界を旅したいとおっしゃる方だ。
過剰なサポートなんていらない。
いつも通り、僕の旅のやり方に付き合わせてしまいます、というままでいよう。







3人目は台湾在住の日本人女性の方で、台湾人男性と結婚して長年台湾に住んでらっしゃるリーさん。


出会いはもうずっと前の話。

旅の序盤に東ヨーロッパを回っている時、チェコのチェスキークルムロフで台湾からの団体旅行のおばちゃんたちに声をかけてもらった。

思えばここから台湾人の日本人贔屓に気づいたんじゃないかってくらいみなさんにこやかで優しくて、一緒に写真を撮らせていただいた。

その時のメンバーだったのがリーさん。


まだ旅の仕方もよくわからず、東欧の町を野宿しながら駆けずり回っていたあの頃。
美しいチェスキークルムロフの町の風景とともに台湾人のみなさんの笑顔に癒された思い出は今も忘れられない。



あれから2年。
いつか台湾に来てね!とおっしゃってくれていたリーさんの国についにたどり着く。
信じられないけど、本当にここまで来たんだなぁ。

あの日の約束を叶える時が来た。





そしてリーさんには大事なお願いごともしていた。

オーストラリアでお会いした日本人女性のアイさんが結構前に僕に支援品を送りたいとメールを下さっていたんだけど、東南アジアや中国あたりには友達もおらず、わがままを言って2年もお会いしていないリーさんのところに荷物を送らせてもらっていた。
それを受け取らないといけない。


何が入ってるかお楽しみ~♬といたずらっぽく言っていたアイさん。


ブラジャーが入ってたら2秒でオーストラリア行きのチケットを買おう。
お金ないけど。




てなわけで台湾、12日間でどんな濃い物語を作れるかな。














飛行機は海を越えてわずか2時間で降下態勢に入り、沖縄のすぐ横にある九州ほどの大きさである台湾に着陸した。

まずイミグレーションでいきなり驚かされた。



検査官が普通に日本語を喋ってきた。


入国カードに台湾での住所を記入していなかったんだけど、知人の電話番号でもいいですよと流暢に言ってくるので、iPhoneの中からリーさんの電話番号を探していると、検査官は遠慮がちに声をかけてくる。



「あのー、電話番号わかりますか……?」


「あ、はい、もうすぐです。ちょっと待ってください。」


「あ、は、はい、すみません。」



腰低すぎ(´Д` )

今までの高圧的な国境検査官の態度はなんだったんだ(´Д` )


まるで大事なお客様にでもなった気分でスタンプの捺されたパスポートを持って空港ターミナルを出た。








150台湾ドル、450円の空港シャトルバスに乗って台北の街へと向かう。

街路樹の通り沿いには古びたビルが立ち並び、漢字の看板やたくさんの路地が目に飛び込んでくる。

香港に比べてその大きすぎないのんびりとした街並みはどこか日本の田舎の県庁所在地を思い出させるような懐かしい風景。

そしていたるところに日本語が見えることに驚く。


うどん屋、焼肉屋、吉野家、ラーメン屋………


もはやどっからどう見ても日本の街並みと変わらない。

台湾は戦前は日本の統治下に置かれていた場所で、50年間に及んで日本が鉄道や水道などのインフラを整えた歴史があるとのこと。

戦争が終わり、中国寄りの独立国になった今も日本統治下の面影は色濃く残っているようだ。











それなりに大きなビルが林立する台北駅に到着。

ここでアイラ、ノリさんと待ち合わせをしている。

iPhoneを開くといくらでもWi-Fiが飛んでおり、繋ぎたい放題。
Wi-Fiの充実は先進国の証だ。






photo:06



駅の中に入ると、行き交う人混みの中にギターを背中に背負った車椅子の男性がいきなり目に飛び込んだ。

なんつーわかりやすい人だ。



「ノリさーん!!」


「おおおー!!金丸さんー!!はじめましてー!!」



初めてお会いするノリさんは2秒で人をくびり殺せるようなぶっとい腕をした野獣だった。

体でかすぎ。
俺の腕とかデコピンで粉砕骨折されそう。

こ、こりゃ迂闊なことできないな……と若干身構えるが、しかし顔はプーさんみたいに可愛らしい笑顔で、穏やかに話すとても親しみやすい人だった。

photo:07




俺よりも年上で、その大人の空気に一発でリラックスでき、すぐに馴染むことができた。
こりゃいい人だ。

駅のホールの真ん中で落ち合う約束だったアイラがなかなか現れないので、まぁあいつならどうにでもなるだろとほったらかしてとりあえずノリさんとご飯を食べに。










photo:08



駅前の通りは日本の居酒屋通りに本当にうりふたつ。

ていうか実際にワタミや支那そば屋やとんかつ屋さんがあり、表通りには三越がある。

その雑然とした雑居ビルが並ぶ様子はもはや日本でしかない。


「イラッシャイマセー。」


食堂のおばちゃんたちも当たり前に日本語が喋れ、なんの違和感もなくご飯を注文する。

photo:09



肉料理1品、小鉢料理が4品、これで60台湾ドル。180円くらい。

中国のころのようなどぎつい油や香辛料まみれではなく、いたってシンプルな優しい味で日本料理によく似ている。









ノリさんが車椅子に乗っている原因は5年前。
車を運転していたら後ろからトラックに追突され吹き飛ばされて横転。
脊椎を損傷して左半身が動かなくなったんだそう。

しかしそこから必死のリハビリを行い、なんとか手が動くようになりギターを弾くことが出来るまでに回復した。日常生活もある程度こなせるようになっていたんだそうだ。




いつか世界を舞台に歌で勝負してみたい。

ノリさんには子供の頃からの夢があり、車椅子生活になってもそれは消すことはできず、この頃にギターを持って世界を旅する情報を探し、俺のブログに行き着いたんだそうだ。


障害をおったことで逆になんでも挑戦してやるという情熱に火がついたらしく、ギターの練習に励み、様々な場所でライブを行い、着々と準備を整えていた矢先。


不幸すぎることにまた車を運転中に追突事故。
そして同じ場所を損傷。

せっかく治った手が再び動かなくなった。


それでもノリさんの世界一周への決意は揺るがず、痺れた手のままで海外に出てきた。

今回の台湾は予行練習とのこと。

台湾で路上パフォーマンスを体験し感覚をつかみ、来年から本格的に旅に出発するんだそうだ。




イクゾー君にしても、なんでこんなに頭のネジの外れた人ばかり集まるんだろう。

バカで、最高にカッコいい人ばっかりだ。













お腹いっぱいになって表通りを歩いた。
台湾に入ってさらに気温が上がり、熱中症になりそうなほどの灼熱の風が肌を乾かす。

そんな暴力的なほどの気温なので通りには人通りはほとんどない。

ゴーストタウンとまではいかないが、まるで過疎の進んだ街のように静まり返っている。

この時間帯、台湾人たちはどこにいるのかというと、地下だ。

台北駅周辺のアスファルトの下には地下4階までの一大地下街が蟻の巣のように縦横に入り組んでおり、さっき地図を見ただけで確実に迷子になりそうなほど大規模なものだ。

レストランや洋服屋さんなど、この地下にすべてが揃っており、エアコンが効いているので日中の熱い時間はみんな地下で過ごしているみたい。

なので人で溢れる地下通路こそバスキングのホットスポットというわけだ。



「いやー、僕も金丸さんが来る前にいろんな場所で試したんだけど、台北って警備が厳しくてすぐに止められてしまうんよなぁ。」



この台北地下街、それから繁華街である西門など、中心エリアでバスキングを試してきたノリさんだけど、ことごとく警備員によって止められてしまったんだそうだ。

バスキングをやってるパフォーマーたちはそこそこいるみたいなんだけど、それらはみんなライセンスを持った人たちとのこと。





ノリさんは台湾島の南部の方にある高雄、台南という地方都市も回ってきたみたいだけど、そっちでは路上も好きにできて稼ぎも良かったし、何より人の親切さが台北とは比べものにならなかったそうだ。

台北の稼ぎ次第では南下も視野に入れないとな。












「あー!!おったおったー!!文武ー!!なんで約束のとこにおらんのよー!!」


ノリさんとイスに座って話していると、向こうの方からでかい声でワーワー言いながら走ってくる日焼けした女発見。

久しぶりやな、アイラ。

photo:10




「もー!!メールしても返事せんしあちこち歩き回っても見つからんし、どうしようかぁ思ったわぁ!!よし!!じゃあ路上のいい場所聞いとるけぇそこ行こう!!」


なにやらアイラが台北の路上ポイントについて友達に聞いて調べてくれていたみたいで、少し遠いがみんなで電車に乗って向かうことに。

photo:11















50台湾ドル、170円ほどで郊外の海沿いにある淡水という町にやってきた。


ここは俺のブログの読者さんからもいい場所ですよとメールをいただいていた町だ。



駅を出ると、すぐ向こうの方に海が見えた。
いや、正確には川と海が合流する河口で、穏やかな流れの水面にゆっくりと沈んでいく太陽が赤くうつっていた。

photo:14



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水辺にはどこまでも遊歩道が伸びておりたくさんの人たちがのんびりと歩き、家族連れの子供が広場で駆け回っている。

通りにはズラリと隙間なくお店が並び、レストランやバー、カフェに混じって射的や輪投げなどの日本のお祭りにあるレトロな遊技場が人を集めていた。金魚すくいまである。

台湾名物のタピオカティーを飲みながら夕日を眺めてタバコをふかすと川から吹く風がとても心地よく髪を揺らした。

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お祭りみたいに賑やかな場所だけど、とてもゆったりとした空気が流れ、気持ちよかった。

ああ、いい場所だなここ。

photo:20















夕暮れのトワイライトを背に路上を開始すると、すぐにたくさんの人だかりができて100台湾ドルの札がバンバン入った。1枚300円だ。

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汗をかきながら40分ほど熱唱して休憩すると、すでに3000台湾ドルほどがギターケースにたまっていた。


1万円近い。



す、すげぇ………




「いやー、すごいです……悔しいし、嬉しいです。金丸さんの路上見られて。僕もうすぐ台湾に来て1ヶ月ですけど、最高記録が2700台湾ドルでした。1日歌ってそれなのに、金丸さんは1時間経たずにそれ以上稼いでる。勉強になります………」



悔しがってるノリさん。
そりゃ経験が違うんだからそう簡単には負けられない。

路上に大事なのは第一に場所取り。次にアイデア、その次に実力だ。

頭が固くてはなかなか路上では稼げない。

きっとこれから世界中の路上でもまれてもまれて、路上カルチャーを学んでいく。
路上の楽しさも。









僕も向こうでやります!!と言うノリさんの路上を拝見させてもらった。

photo:24



車椅子に座った状態でヤマハのギターを抱えるノリさん。

こんな野獣みたいなルックスで一体どんな曲をやるんだろう。
個人的にはBBキングみたいな野太いブルースなんか似合いそうだけど。




「詫びながら~ 手酌酒~ 演歌を聞きながら~」




吉幾三(´Д` )

な、なんて日本文化を愛する男(´Д` )




「いやー、できるなら日本の日本らしい歌でやっていきたいんですよねー。難しいですかね?」



いや、まぁ演歌は日本版ブルースだし、吉幾三も和製BBキングと言えなくも……ないか?




演歌でバスキング世界一周。

これってすごいいいアイデアだと思う。
ただやっぱり演歌ってやつは魅せてナンボなとこもあると思うので、やるなら衣装もこだわるともっと目を引くし、歌も聞いてもらいやすくなる。

それはこれからノリさん自身がやり方を見つけて行くだろうな。


歌は申し分なし。声量もあるし音程もバッチリだ。
ただギターはまだ左手の痺れが残っているので綺麗に音を出せていない。

それを差し引いても演歌バスキング世界一周の可能性をおおいに感じる歌唱力だと思った。


聞けばこれまで日本では老人ホームなどでの慰問ライブを行ってきたとのこと。
体が不自由でもやりたいことを諦めない。その姿勢は年代を問わずきっと多くの人に勇気を与えるだろう。
まして世界一周なんてことに挑戦しようとするノリさんは身体障害者界の星だよ。








「文武、ライブしてるね。こうやってずっと世界を回ってきたんやね………文武の路上を海外で聞ける日が来るなんてなー。」


いつもライブハウスでイベントを組んでくれていたアイラは俺の歌をもう何度も聞いてくれている。
いつも正直な意見をくれるアイラに演奏を見てもらうのはなかなか緊張したけど、俺に出来るのはいつも通り全力で歌うことのみだ。

世界中でずっとそうしてきたように。









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20時を過ぎて人がはけてきたので路上を切り上げ、テキトーに屋台で食べ物を買ってきて淡水の駅前の広場でビールで乾杯した。

夜になって少しは涼しくなったものの、それでも30℃以上ある熱帯夜だ。
冷たいビールが喉にしみわたる。


今日のあがりは3860台湾ドル。ドル換算で110ドル。

もっといけると思ったが意外に人が引けるのが早くて後半が伸びなかった。
時間を間違わなければおそらく2万はいくし、きっとここ以外でもいい路上場所があるはず。

どこでも歌ってやるぞ。




「ノリさん、今日は野宿でいいですか?たくさん汗かいたのに申し訳ないんですが。」


「もちろんです。今回は金丸さんの旅を体験するために来たんです。全部合わせます。旅とバスキングの勉強をさせてもらいます。僕こそ足手まといになりますけど大丈夫ですか?」


「大丈夫です。僕にとっても新しい経験なので。アイラは野宿大丈夫だよな。」


「もち。」



アイラは明後日に日本に帰るが、ノリさんとは1週間ほど行動をともにすることになりそうだ。

おそらく、この長かった旅の最後の相方になるであろう人が、世界一周を目指す車椅子バスカーだなんてな。
俺にできることはなんでもしよう。

俺がこの旅の中で学んだことをできる限り渡そう。

自ら険しい道を選ぶ勇気ある人のために。








久しぶりの野宿で地面に寝転がると体が夜に溶けた。


台湾編スタートだ。








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車椅子の大変さ

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8月27日 水曜日
【台湾】 台北





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目を覚ますと、木陰で寝ていた俺たちの真横に地元のおっちゃんおばちゃんたちが座ってお喋りをしていた。

寝ぼけながら体を起こしてニーハオと挨拶するとニコニコしながら俺たちのことを見ている。

台湾では野宿なんて特に珍しいことでもないみたい。
そして治安はとことん良く、どこで寝たってなんの心配もなさそうだ。

平和で穏やかな国だな。








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みんなでかわりバンコにトイレで顔を洗ったりして身だしなみを整え、それから朝ごはんを食べに駅前の食堂エリアへ。


ていうか駅前の風景がもうただの日本。
綺麗な交差点から細い道路が何本も伸びており、駅前留学の英会話学校教室があり、惣菜屋さんのかわりに屋台がある。

軽く見渡しただけでトンカツ屋さん、モスバーガー、ラーメン屋さん、吉野家などの看板が目に入るし、ローカルのお店の看板も日本語表記のものが多い。

日本で英語表記がオシャレな扱いを受けているように、ここ台湾では日本語表記のものがカッコいい存在みたいだ。


ゆうべも路上をしていてたくさんの台湾人が日本人である俺に嬉しそうに声をかけてくれた。
英語よりも日本語のほうが喋れる人が多いし、日本語の曲を歌うとみんなお金を入れてくれた。

涙そうそうのリクエストとか普通にされる。

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吉野家の店員さんも英語よりも日本語のほうが得意みたいだった。
英語圏の人たちがいかに楽勝で旅行をしてるのかが分かる。
母国語を喋ってればみんなそれに合わせてくれるんだからな。













さて、今日は台北の街の中で歌おうと電車に乗り込む。

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台北の駅に戻ってきて、歌える場所を探して何層もある地下街の中を上がったり下がったりして歩き回るんだけど、




ただこれだけのことが凄まじく大変。




いや、こんなのいつものこと。

混雑した迷路のような都会の地下は無数の通路が存在し、その中からいい演奏場所を探し出さないといけないわけだが、こんなのはいつもやってることだ。

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でも今はわけが違う。


ノリさんがいる。



普通にエスカレーターに乗り込もうとして、あ、と気づいて慌てて戻る。

車椅子であるノリさんはエスカレーターには乗れないのだ。

少しの階段だろうがエレベーターを使わないといけない。

今まで荷物が多くて階段しかない時、何気なくエレベーターを使っていたりしたけど、これが毎回必ずとなるとどれほど大変なことか。




一緒に歩きながら目の前に段差が立ちはだかるとエレベーターやスロープを探し出し、そちらに向かう。

スロープもまた角度が急だったりするとノリさんは必死にタイヤをこいで登っていかないといけない。



不意に小さな段差に気づかずにタイヤがガコンとハマってしまい、膝に乗せていた重いバッグが地面に落ちて前に倒れそうになるノリさん。

優しい台湾人の通行人たちはそのたびにバッグを拾い上げてくれたり、後ろから押してくれたりする。

それは先進国ではよく見かける光景だけれども、世界はそんな国ばかりではない。

エレベーターどころかエスカレーターもまったくない国ばかりだ。


俺がどっか歌えるところないかなぁとスタスタ歩いていて、あっと振り返るとだいぶ離れたところにノリさんがいる。







なんてこった。

頭ではわかっていたつもりだったけど、俺たちが日常で当然のように行っている行動がノリさんにはここまで制限されてしまっている。

台湾のようなバリアフリーが充実した国でさえこれだ。
これから1人でギターを抱えて様々な途上国を回る時、どれほどの苦労が待ち受けているのか容易に想像がつく。

俺がいつも30kg近い大きな荷物を抱えてヒーコラいいながら階段を登り下りして、もう嫌だー!なんてわめいていることが本当にどうしようもなく小さなことに思えた。

ノリさんは目の前の20cmの段差にも神経をすり減らさないといけない。




こりゃ大変だわ………




しかしノリさんはそれを100も承知で世界一周したいと言っている。

俺はまだ一端を見ているだけで、車椅子生活者の苦労はもっともっと山のように存在するはず。


安宿ってのはたいがいビルの2~3階にあるものだし、エレベーターなんてまずない。

トイレもいつも身障者トイレがあるわけじゃない。

長距離のバス移動もオンボロの旧式のものなら体へのダメージは半端じゃない。

物を盗まれても追いかけることもできない。

ヨーロッパの石畳の道や東南アジアのボロボロのアスファルトは車椅子の車輪にかなりの負担をかけるはずだし、もし何もない場所で壊れてしまったら身動きが取れなくなる。

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バッグパッカー旅をするならば、他にもいくらでもそんな状況はある。
バリアフリーが整ったような設備を利用するなら確実に色んなものの値段が上がるだろう。

想像するだけで絶望的としか言いようがない。


そしてそんなことノリさんは1000も承知なんだ。

強すぎるよ。



「まぁ、大変だけどね。でもフミ君、俺は障害をおって良かったと思ってるよ。障害をおったことでたくさんの素晴らしい人たちと出会うことができた。彼らと出会えた人生で本当に良かったと思うからね。こうならなかったらフミ君の存在も知らないままだったろうし。」



障害を持つ人たちのポジティブさってのはいつも悲壮感を含んだ決意に見える時がある。

ノリさんの笑顔はそれらを感じさせながらも晴れやかな強さに満ちている。











アイラがシャワー浴びたいから今夜はどうしても宿に泊まりたいというのでホテルを探しに離脱していったところで、突然誰かに声をかけられた。


「あ!金丸さんですか?」


振り返るとそこにはヒゲをはやしたいかにも旅をしていそうな日本人の兄さんが立っていた。
ギターを片手にぶら下げている。


「うわー、僕ずっとブログ読んでます。僕もバスキングしながら旅してるんですよ。クスコのパンチョさんのお店覚えてます?僕もあそこでライブさせてもらったんですよ。」



世界一周の旅をしているアツシさんというお兄さん。
実はこの数日前にメールで彼からご連絡をいただいていたのだが、中国を抜けてからあまりにメールがたくさん来ていたので全てをチェックしていなかったという失礼極まりない状況で偶然の遭遇。

話を聞けばこれまで俺と同じく世界中をギターの弾き語りをしながら回っているという方で、いかにも長期旅をしているたくましいオーラをまとっている。
懐かしいこの雰囲気。

中国から香港、台湾はみんな綺麗な格好をした短期旅行者ばかりだったので、久しぶりの旅人ってやつだ。


台湾で俺とタイミングが合うのでよかったらお会いしませんか?というメールをいただいていたみたいなのにチェックしてなくてごめんなさい………




「金丸さん、もう台北では路上やりました?」


「あ、まだ台北の街ではやってないです。アツシさんは?」


「昨日この地下街の通路でやりましたけど30分で警備員に止められちゃいました。」


「どうでした?稼げました?」


「はい、すごかったです。5曲だけでしたけど1300台湾ドル近くいきました。」



な、なんだとおおお!!!!

俺が昨日淡水で1時間半くらいやって3800台湾ドルだった。
それ考えたらめちゃくちゃ割がいい!!
一体どんな達人だこの人!!!
ウルトラ上手いのか!?


ま、負けてられん……!!






というわけで、アツシさんが昨日やってめちゃ稼げたという中山地下街の通路にやってきた。

警備員が来るまでやってみようとギターを取り出す。


まだ昼下がりなので人通りはぼちぼち。
音の響きはいい。

アツシさんが期待した目でこちらを見ている。
俺のブログが世界でバスキングを始めたキッカケだという彼。

そりゃ下手なところは見せられん。



アツシさんが1300台湾ドルなら俺はその上を!!!!!











30分で警備員来てストップ。



あがりは……400台湾ドル。


はい、3分の1もいってないですね。

アツシさんが見てる前で晒してしまいましたね。

虚仮を。



金丸?全然大したことねぇよあの嘘つき野郎。
早漏なのに長いのは旅の期間だけだよペッ!!


みたいなこと、アツシさんはしません。
優しい男性です。



うーん、残念………







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それから別の通路でアツシさんの演奏を聞かせてもらった。

ディランのドントシンクトゥワイスイッツオールライトの日本語カバーを1曲目に持ってくる選曲の渋さ。

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場数踏んでるのがわかる演奏力。
ハーモニカも上手い。

しかしお金は入らないまま警備員が来てストップ。


うーん、こりゃ台北駅の地下はダメだな。












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どこでならやれるだろうと街の中を彷徨うがなかなかいい場所が見つからない。

地下道、駅前、ショッピングストリート、

どこもうるさかったり警備員がいたりでやれそうな雰囲気ではない。


というか台湾は日中があまりに暑いのでこの時間はまだ人がほとんど歩いていない。

ノリさんの話では、台湾では夜市と呼ばれるものが一般的な盛り場となっており、アフターファイブから深夜までが盛り上がる時間帯なんだそうだ。

なので昼間はみんな地下に隠れており、そして地下は演奏禁止なのでどうにもならない。

台北きついなぁ。





思うように場所が見つけられずに焦って歩いているとつい歩調が早くなり、はっと気づいて後ろを振り返るとノリさんと遠く離れてしまっている。

エレベーターを探さないといけないし、少しの段差でも遠回りしてバリアフリーのスロープを通らないといけないノリさんのスピードはどうしても遅い。



その時、ノリさんの車椅子のキャスターが段差にハマり、ごりっと音を立ててバランスを崩した。

転倒することは免れたのだが、その衝撃でキャスターに不具合が出てしまい上手く運転することができなくなってしまった。


何度も工具箱の中から六角レンチを取り出してキャスターを締め直すノリさん。

台湾は本当に灼熱の国で、みんな汗だくで暑さにやられている。









もう少し場所捜しをしたかったが、今夜はアイラと観光に行く約束をしていたのでここで俺はノリさんたちと離脱。

アツシさんはまだ探し回ってバスキングに挑戦するとのこと。

ノリさんは車椅子のタイヤの調子が悪いのでバイク屋さんを探して締めなおしてもらわないといけないみたい。
やっぱり車椅子は大変だ。



想像してたのと違い、この国での路上演奏はかなりハードになりそうだな。












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台北駅でアイラと待ち合わせ、アイラが見つけてきた安ホテルに入った。
700台湾ドルなので1人千円。

俺は別に野宿でいいんだけど、久しぶりに再会したんだから友達同士2人でのんびり酒を飲んで語りたいというアイラの気持ちもわかる。

今日だけ泊まることに。





荷物を宿にぶち込んだら、アイラがどうしても行きたがっている場所へ向かうことに。

台湾で1番有名な観光地。俺も一応ここには行こうと思っていた。

千と千尋の神隠しのモデルになったと言われている九份という町だ。
バスで1時間ほど東に走った場所らしい。

まぁよくわからないけどとにかくあの映画の中に出てきた赤い提灯がゆらゆらと揺れているような怪しい町並みが見られるらしい。



つーわけで、アイラが持ってる地球の歩き方でバス乗り場を調べて向かってみると、すでに乗り場の道端にたくさんの観光客の姿。

ビビったのはそこにいた行列の8割りが日本人だったこと。
みんな日本語を喋りながらバスを待っている。

さらにタクシーのドライバーがバス待ちの人たちに客引きしてくるのだが、「相乗り~、1人250~。」と日本語で声をあげている。

台湾って日本人大好きな国だけど、実際に住んでる日本人も、そして観光にやってくる日本人も半端なく多いな。

100台湾ドル、300円でやってきたバスに乗り込んだ。









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九份はまぁぼちぼちかな。


田舎道をしばらく走った先の山の上の斜面にささやかに広がっている小さな町で、バス降り場から少し歩くとすぐに土産物屋小径が始まる。

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細く雑然とした小径にはズラリと土産物屋さんが並び、トタン屋根の下に薄暗いライトが光ってそれなりに風情がある。


ただ臭豆腐という、豆腐を腐らせるというものすごい臭いを発している食べ物が名物のおかげで、通りには田舎の牛舎のような臭いが充満している。



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海に面した山の斜面にあるので景色はなかなかのもので、暗くなってきてからは海に漁火がまたたき、優しい潮風が吹き上げて郷愁を誘う。








そんな懐かしい雰囲気の田舎町の真ん中に、急な細い階段がある。


瀬戸内海を思い出すような木造のレトロな建物の間に伸びるこの石段。
ここがこの町の観光のメインであり、ここの景観がおそらく千と千尋の神隠しのモデルといわれる所以だろう。

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石段の頭上にゆらゆらと赤い提灯がぶら下がって淡く軒を照らしている様子は、確かに心の中の原風景に触れる侘しさがある。

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のだが………まぁ人多すぎ。

あまりの多さに石段がふんづまって全く前に進まない。

朝の山手線状態。

そしてみんなそんな中で思い思いに記念撮影をしているので、混雑はさらに加速する一方。

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なのだが、誰も文句を言わない。

エクスキューズミー!!とか、脇で写真撮れよ!!とか、そんなこと誰も言わない。

みんな大人しく周りに気を使いながらゆっくりゆっくり歩いている。



だってここにいる観光客の8割りが日本人だから。
マジでビビる。ほぼ全員日本人。

あ、あれ?ここ日本だっけ?

とかそんなレベルじゃない。
完全に日本人に占拠されている。



「豚になっちゃうぅぅー!!」


「カオナシみたいー!!」


とか日本人の女の子たちがキャッキャしてる。



君はエッチの時にカオナシみたいなマグロになるのかい?ってちょっと言おうと思ったけど、隣にいるのがアイラなのでやめました。
アイラには性欲わかねぇ………





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なんかあれやな。
2年海外にいると、俺って旅慣れてるんだよねー、これくらいの観光地じゃワクワクしないんだよねー、とかって短期旅行者に対してわずかな優越感が生まれてしまいそうになる。
これってきっと自然な感情だとは思う。

でもあからさまになったら絶対みっともないし、そういう旅人をたくさん見てきた。


俺超達観しちゃってるっていうか海外とかマジヨユーなんだよねー、あ、ジェイムスからメール来てる、こいつウゼーんだよねー、ところでコシャリは好き?


とかいうやつめちゃ見てきた。

海外ですでに生活してる日本人にはそういう気取ったところはまったく感じないんだけどね。



海外経験があることは多くの日本人にとって特別なことだし、少しは自慢になること。
でもそれを鼻にかけてはいけない。鼻にかけなさすぎなのもなんか不自然だけど。


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てなわけで、そんな九份の土産物屋小径で路上しました。

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日本人ビビるくらい誰もお金入れてくれないどころか足も止めてくれませんでした。

あー、日本人だってーって言いながら写真撮るだけ撮って目も合わさずに去っていきます。

俺のこと看板かなんかと思ってる。
生身の人間なんですけど。

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今日は喉の調子がバッチリで、かなり満足いく歌が歌えていたけど、日本人は世界中どこでも同じような反応。


韓国人と中国人がお金入れてくれて近くの食堂のおばちゃんが芋団子スープをくれたりして、それなりに楽しかった。

1時間ほどやってあがりは950台湾ドル、2700円。












日本人だらけのバス停で少し日本人のカップルとお話ししたけど、みんな2泊3日とかで来てるみたいですね。

ピーチっていう格安航空会社が関西国際空港から台湾に出てるみたいで、セールチケットを買ったら往復6千円とからしい。
安すぎる。


フライト時間も2時間くらいのもんやし、2万円も持ってくれば充分観光して美味しいものを食べられる。

もはや台湾は国内旅行よりも身近な場所なのかもしれないな。





そんなもはや外国とも呼びにくいこの国で面白い旅ができるのか。
今のところあまり面白くない。快適ではあるけど。

台湾人みんな日本語喋れるからなんの苦労もないし。

この国のもっと深いところを見つめられるように明日から南下を開始しよう。









この夜は台北に戻って昼に会ったアツシさんと、アツシさんのお友達で台北で日本人宿をされている方たちとお会いしてセブンイレブンの前で酒盛りした。

みんないい人だ。

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8月28日 木曜日
【台湾】 台北








朝、トイレに行ったら固形物が出た。





















酒持ってこいコラァああああああああああああああああああああああああああああぎゃあああああああああああああああああああああああああああああああ!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!



祭りじゃああああああああああああああああああああああああああああああああ!!!!!







こ!!こけっ!!!ここっこ、こけい!!こっ!!!










………ふぅ。
















いいいいやったああああああああああああああああああ!!!!!!!


下痢地獄が終わったあああああああああああああああ!!!!!!!!!!!!








どうも、赤痢を自力で治した男、ポールニューマンです。
お昼ご飯は赤飯でした。

嘘です。吉野家です。





あへほ…………思えばラオスから始まったこの下痢地獄………


1ヶ月半。

1ヶ月半ずっと下痢だった。

チンチンが役割を放棄して、お尻は常に壊れた蛇口。

ひどい時には10分おきに襲いかかってきたあの洪水。


何度漏らしただろう………

パンツ何枚も死亡させて………



下痢で体がガリガリにやせ細り、体力が落ち込み、この1ヶ月半、本当に辛かった………
ちょっとの階段でさえうんざりするほどきつかった………

よりによってインドとかチベットとかハードな場所でずっとこんな体調とか本当に勘弁してほしかった。



香港に入ってから体が軽くなった。
食欲も戻っていて、トイレもそこまで何度も行かなくて済んでいた。

思えば吉野家とかコンビニの弁当とか、衛生面のしっかりした日本食を食べ始めてから良くなっていった気がする。
そこに加えて差し入れでいただいた正露丸の援護射撃。




今、俺のお腹は鬼の腹筋を取り戻しました。
括約筋も鬼のごとし。


おらぁ!!ゲイどもかかってこい!!俺のガードは固いぞ!!







下品ですね。やめましょう。


思えばこの1ヶ月半、ずっと下痢の話ですみませんでした。
日記ですのでね、体調のことはキチンと書かないといけません。

もう下痢は終わりました。これからこのブログは以前のようなフレンチポップでコケティッシュなブログに戻ります。
コキのティッシュじゃないですよ。







いやー、本当下品な話はやめよう。
あと少しなんだもん。

健康な体を取り戻した今、これまでの旅の中で培ってきた旅のスキルを総動員していい物語を作りたい。

忘れられない日々を送りたい。

体ボロボロになってもいい。這いつくばって日本に帰るくらいでちょうどいい。
極限まで攻めまくってやりたい。

最後なんだ。とことん全力で駆け抜けるぞ。








photo:01



あ、寝袋捨てました。

でかすぎるんですよこいつ。
もうこれからずっと暑いので要らないです。

photo:02



カナダのホームレスシェルターで支給してもらったこの寝袋。

宿に置いてきたので誰かが使うでしょう。
今までありがとう!!











というわけでお昼前に台北駅の横にあるバスターミナルでノリさんと合流。

今夜、ノリさんと一緒に南下を開始する。

アイラは明日が日本に帰る飛行機なので今夜でバイバイだ。


俺とノリさんのバスカーコンビで目指すのは台北の南2時間くらいの距離にある街、台中。
台湾で3番目の都市らしい。

別にたいしたものはないみたいなので行く必要もなさそうだけど、なるべく色んな町に行ってみたい。

ノリさんも台中は初めてみたいだし。


台湾での移動はバスが主流みたいで、たくさんのバス会社が都市間をつないでおり、値段は会社のグレードによって様々。

今回はノリさんオススメのバス会社で行くことにした。



値段はよくわからないけど、俺たちには必殺技がある。



そう!!泣く子も黙る障害者手帳!!!


これによってバスの値段がかなり割引きされるのだ!!!




世界のどれだけで通用するかわからないけど、少なくともヨーロッパなどの先進国では様々な面でこのハンディキャップカードが活躍することだろう。
公共施設の値段の割引きやらなんやらかんやら。

普段めちゃくちゃ苦労して生活してる分、こうした優遇があるのはありがたいことだよな。



てなわけでバスの値段は200台湾ドル。600円くらい。普通なら千円くらい。

そしてありがたいことに障害者手帳での割引きは同行者1人まで適用されるようです。


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ドレッドマジぱねぇ。










よっしゃチケットも買ったし、夜にターミナルで待ち合わせることにして今日は3人とも別行動!!



アイラは故宮博物院とかの観光!!

ノリさんはこの前反応が良かった淡水に路上!!

俺は夕方からもう1人の会う約束をしていた人、ヨシエさんとの待ち合わせがあるのでそっち方面で路上することに!!




うおおおおお!!!!体が軽いーーー!!!
お尻が健やかーーー!!!!








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で、1日歩き回って汗ぼたぼたかきながら色んな場所で路上してみたけどことごとく警備員に止められて全く歌えず。



いいもんね!!下痢治って超機嫌いいからなんてことないよ!!

どうぞ、演奏止めておくんなまし。

止めろ止めろおおお!!!

今日は無礼講だあああああ!!!!











photo:11



というわけでヨシエさんにお会いするためにお土産で台北の有名なお菓子を買い、ヨシエさんの働かれている会社のオフィスに向かいました。



「こんにちはー………」


「あー!!金丸君ー!!久しぶりー!!うわー全然変わってないね!!痩せた?ほら座って座って!!」


「ヨシエさんお久しぶりです!!お元気そうでなによりです!!これ、つまらないものですが………あれ?……あれ?ない。」



お菓子屋さんからオフィスまでの100mの間に買ったお土産をなくすという華麗なテクニック。忘れ物キングの真価を発揮。




ま、まぁいいもんね!!今日下痢が治って超機嫌いいし!!
お土産なくしたくらい、なんてことあるわコノヤロウ!!!


2年ぶりにお会いするのに手ぶらて………

いつ手の中から消滅したんだろう………







photo:12



「気にしないで気にしないで!!いやー、本当懐かしいわぁ。よくここまでたどり着いたわねぇ。大変なことたくさんあったでしょう。」



2年前、チェコのチェスキークルムロフの古城の下で歌っているときに声をかけてくださった台湾人グループのみなさん。
その中の1人だったのがこのヨシエさん。

あの時Facebookを交換して、いつか台湾に来てね約束よ、とそんな話をしたのをはっきり覚えている。

台湾はご飯が美味しくてビールが美味しくて女の子が可愛くて最高の国よ!という話を聞いてから、俺の中で台湾はとても大きなイメージになっていた。


まだ旅が始まったばかりで、遠い遠い道のりの先に待ち構える台湾という国は俺にとって特別な存在だった。




ヨシエさん、俺ここまで来ました。

長かったけど、少しずつ少しずつ進んで、とうとうここまでたどり着きました。








テーブルの上には大きな段ボールの箱が置いてあった。
伝票にオーストラリアの文字が見える。


「金丸君、これがオーストラリアから送ってもらっていた荷物。何が入ってるかわからないけど、ここで開ける?」



オーストラリアのサンシャインコーストで出会ったお色気姉さん、アイさんが送ってくれていたこの荷物。

旅の途中に受け取って欲しいということで、今回ヨシエさんにお願いして受け取り人になっていただいていたんだが、一体何が入っているんだろう。




日本食品?

タバコ?

寝袋?

アイさんのブラジャー?




メールでは荷物の中身は教えてくれなかったアイさん。
なんだがドキドキするな。


なにが入ってるんだろう!!


ヨシエさんが見守る中、段ボールを開けた。
そこにはびっしりと緩衝材が詰め込まれており、中に何が埋れているのかわからない。




中に手を突っ込む。





ん?これは………




折り鶴だ。

すでに折った状態の鶴や手裏剣が出てきた。
ああ、ありがたい。これで旅の最後まで子供達に配れそうだ。







次にまた何か手に当たった。






大人のふりかけて^_^

やっぱりあの人エッチだな。








まだ何か大きなものが中に入っている。
かなり大きいぞ?

段ボールをひっくり返してその謎の物体を取り出した。










絶句した。
















photo:13



頭が混乱して、目の前のことが信じられなかった。








お、お前、何してんだよ………






え?



な、なにやってんだよ………






気が動転する。





ブログを読んでくれていたヨシエさんが、えええー!!と驚いている。






そ、そうだよ、お前はマレーシアのクアラルンプールでいなくなってしまった。

どこかへ行ってしまった。


あのお前がここにいるはずない。

きっとゴミ箱に入られられてもう戻って来られないところに旅だっちまった。


そうだよ。そうなんだよ。お前がここにいるなんてありえないんだよ。







photo:14



し、尻尾がない。








なんで!!なんでだよ!!!!


見た目はまったく同じ。寸分の狂いもなく、重さもポーズもあいつそのもの。

ドイツのオクトーバーフェスではしゃぎすぎた次の日に気がついたらお前は尻尾が切れてしまっていた。


アラブのどこかで杖をなくしてしまった。


アメリカの入国の時に目が片方とれてしまっていた。




風雨と雪にさらされて髪の毛は少なくなり、体の色もほとんどとれていたのに、今俺の手の中にいるお前は健康そうに血色が良くなっている。


どういうことだよ!!!




「オーストラリアに遊びに行ってたんだよ!!それでアイさんに見つかって捕まっちゃったんだよ!!だからこんなに日焼けして………嘘ー!!すごい!!」



きっと、きっとアイさんが俺のブログを見て、俺があまりにも落ち込んでいたのを見兼ねてどこかから取り寄せてくれたんだろう。
こいつに同じ型のものが存在したなんて。


でも、ここにいるこいつは、俺の目には一緒にヨーロッパから世界中を旅した相棒そのままだった。

あの懐かしい日々が蘇って思わず泣きそうになった。



雨の日も雪の日も一緒に野宿して、美しい街並みをどこまでも歩き回り、厳しいカオスの国を危険にさらされながら旅した唯一無二の相棒。

信じられないまま、バッグの横の専用ベルトを腕に通す。


ブランとぶら下がる相棒。

photo:15






信じられない。
戻ってきた。
またこいつと旅ができるのか。このタイミングで。日本を目の前にしたこの最後の時に。




泣きそうだ。

トロール、もうちょっと、一緒に旅しようぜ。

お前がいなくなってから、俺いろんなすごいとこに行ったんだぜ。


またあの頃みたいな旅しようぜ。

まだきっと何かすごいことが起きるはずだよ。
俺たち一緒なんだもん。







アイさん、感謝の言葉もないです。

もう……なんも言えないです。

なんも言えないよー………

ありがとうございます………

ブラジャーだったらどうしよう!とか言ってマジでごめんなさい………










興奮と感謝と混乱でよくわからないままヨシエさんとご飯を食べに行った。

有名な小龍包のレストランで、かなり高級なお店。

photo:16





「ホラ食べて食べて!!2年ぶりに再会した日がこんなにおめでたい日なんだもん!!嬉しい!!」


ヨシエさんがご自分のことのように喜んでくださっているが、俺はまだ信じられないままでご飯の味もどこかあやふやだ。

本当、お前はどこほっつき歩いてたんだよ………

photo:17



photo:18



photo:19



photo:20













奇跡の立ち会い人になってくださったヨシエさんに何度もお礼を言い、またどこかでの再会を約束して別れ、俺は1人でバスターミナルへ。



「えええええー!!!なんでなんでなんでー!!なんでトロールがいるのー!!」


「ええ!!クアラルンプールでなくなったはずじゃなかったっけ!!?うわ!!鳥肌立ってる!!」


アイラとノリさんもずっと俺のブログを読んでくださっているので、俺にとってトロールがどれほど大切なものだったか、そしてなくした時の喪失感もよく分かってくれている。

2人もまた自分のことのように喜んでくれている。






photo:21



アイラとハグをして日本でまたライブをやる約束をして別れ、俺とノリさんはバスに乗り込んだ。

両側1列シートで社長が座るような革張りのゴージャスな座席に体を沈める。

photo:22



各席にテレビモニターがついており、客室乗務員さんがお菓子とお水とブランケットを配って回っている。

すげえ、こんな贅沢なバス今まで乗ったことないな。
今までのアジアが嘘みたいだ。





夜中の0時半。
時間通りにゆっくりと走り出したバス。

座席の足元にはトロールの頭が見える。
懐かしさがこみ上げてくる。







体は治った。

相棒が戻ってきた。


もう完璧だ。

この旅が、終わりに近づいて形を作ろうとしている。





応援してくれてる人たちがいなかったら、この旅はどんなに平凡なものになっていたのか。

それこそ、旅を最後まで続けられていたかどうか。


感謝しかない。

ありがとう。



ありがとうございます。



トロール、もう少し一緒に旅しようぜ。






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8月29日 金曜日
【台湾】 台中






ゆうべ台中に着いたのは夜中の2時。

台北からわずか2時間でこの国の中部の町に着いた。

台湾は九州ほどの大きさだというが、九州ってこんなに小さかったっけ?という距離だ。


前の国が巨大な中国だったというのもあるが、台湾はとにかく道が綺麗で、高速道路などの交通網が充実しており移動がスムーズだ。チベットの山奥みたいなデコボコ道なんてもちろんない。


そして何より驚いたのがバスのクオリティ。

全席革張りで贅沢な1列シート、モニターが各席についており電動のリクライニング、さらに客室乗務員がお菓子と水とブランケットを配ってくれ、至れり尽くせりだったあのトルコのバスを抜いて間違いなく世界1位の豪華さだった。

photo:01



アロハっていうバス会社。

こんなバスに障害者カードを使って割引きで乗せてもらえたんだからノリさんに感謝しないとな。














夜中に台中に到着したので、ひと気のない町の中をさまよってそこらへんで見つけた公園の中で野宿することに。

静まり返っただだっ広い公園の中は綺麗に整備されており、木造のスロープをカコンカコン音を立てながら2人で歩く。

熱帯夜の台湾の夜はまとわりつくような熱気で、汗が流れ落ち、こんな中で野宿なんてなかなか過酷だ。

多少ノリさんに対して申し訳なくなるが、ここは俺の旅を体験したくて来てくださってるんだから遠慮は逆に失礼だ。


ノリさんも覚悟を決めて来てくれているので、途中道がジャリ道になり車椅子が進めなくなるが、俺に弱音を吐きたくないのかノリさんは杖を使って無理やり立ち上がり、痺れて動かない左足をかばいながら根性でジャリ道を歩いてくる。

俺の重いキャリーバッグもジャリにタイヤをとられてしまうので持ち上げで歩かないといけないんだが、ノリさんの大変さに比べたら甘ったれたことは言えない。



かくして死闘の末に野宿場所を見つけて荷物を投げ出してベンチに寝転がった。

2人とも汗だくでハァハァと息をつく。


不思議なコンビだな。
一体なんのためにこんなきついことをしているのか。
誰と戦っているのか。

楽な道を選ぶことは悪ではない。

しかし辛い方の道の先には必ず大きな何かが待っているのは俺もノリさんもよくわかっている。













photo:02



朝、茹で上がるような暑さで目を覚ました。
寝ていたベンチ広場には屋根がないので、太陽が直で俺たちを炙りだし、とてもじゃないけど寝坊なんてできない。

しかもノリさんは野宿道具を何も持っていない。
地面に直接寝てるので背中は痛いだろうし、蚊帳がないのでおそらく一晩中蚊に睡眠を妨害されていたはず。

気にしてなくていいよ!!とノリさんは笑うけど、さすがにいつもの元気はない。
かなり疲れているはず。ただでさえ車椅子の運転はハードな重労働。

やっぱり俺のやり方に付き合わせることへの罪悪感が………



いやいや、ここは心を鬼にしないと。
ノリさんは今回の台湾旅を、来年から始める世界一周の予行演習と位置付けている。

はっきり言って台湾は旅レベルで言ったら初級も初級、超楽勝レベルだ。
道は綺麗だし、バリアフリーは整ってるし、どこにでもエレベーターがあるし、牛は歩いてないし、強盗もいないし、ぼったくってこないし、街全体にフリーWi-Fiが飛んでるし、警察は賄賂を求めないし、バスは超豪華だし、台湾人は日本人をリスペクトしてくれるし、英語も伝わりやすい。

これほど周りやすい国もそうそうない。

バスキングに対しても寛容だし。

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ノリさんは少しバイクがたくさん走っている様子を見て、ぐちゃぐちゃだ!と言っているし、俺からしたらピカピカすぎる2段ベッドのドミトリーに対してカオスすぎる……と驚いている。

バッグパック旅なんて経験してことのない一般的な日本人。

ほぼ初めての外国なので日本と違う部分が大きく目につく気持ちはよくわかる。
俺もこの旅で初めて海外の地を踏んだし、それくらいのゼロ加減こそ旅の始まりにはちょうどいいと思う。



これから日本では考えられない状況にたくさん直面するし、途方くれることも無限にあるはず。

蚊に悩まされて眠れない夜を何度もすごして蚊帳のありがたみを体感するし、ベンチの硬さを知ってこそ野宿マットの偉大さに気づくことができる。

きっとこれからノリさんはノリさんの、俺や他の旅人には到底たどり着くことのできない旅のスタイルを確立していくはず。

今回はその第一歩。
どれほどキツイ経験をするかっていうのも目的のひとつになってると思う。

階段があっても荷物はよほどでない限り持ってあげない。
多少の坂でも俺は普通のスピードで歩く。

遠慮はしない。それが礼儀。












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台中の町はそれなりに都会だった。

もっと地方都市のひなびた町並みなのかなぁと思っていたが、高いビルやマンションが立ち並んで無数のショップが通りを埋め尽くす様子は、台湾が首都だけに経済が集中した偏った国ではないということを示している。

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そんな街の中、ノリさんと2人で汗をぼたぼた流しながら歩き回り、路上場所を探す。
いつも通り台湾では日中は人が出歩かず閑散としている。

どこだ……どこに人が集まる場所がある………

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ようやくたどり着いた台中駅にはたくさんの人が歩いてはいたが、まぁ驚くことに駅周辺にはすごい数の路上ミュージシャンたち。

まだ朝っぱらだというのに、すでに5組以上のバスカーがライブを繰り広げていた。

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ダウン症の女の子のピアノ弾き語り、縦笛をマイクで拾ってスピーカーから流して演奏してるおばちゃん、ギターの弾き語りのおじさん。


一時期のゆずが流行った頃の駅前みたいだ。
猫も杓子も路上演奏。



地上はライセンスがいるみたいだったので地下通路でやることして降りてみると、いい感じの長いトンネルがあった。

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ここはノリさんに譲って俺は路上のショッピングストリートを探すことにした。










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知らない町にたどり着き、その町で歌ってお金を稼ぎ、友達を作ってそして出ていく。

世界中に色んな町があった。

たくさんの人が暮らしていて、彼らには彼らの日常があり、こびりついた生活の匂いをかいだ。


パン屋さんのショーウィンドウの向こうに見えた女の子の微笑み。

子供の柔らかい腕。



消えかけたアスファルトの白線はどこに続いていたんだろう。

できるならまた、優しい人たちと肩を抱き合って笑いたい。

知らない人生と交わる喜びを探し求めていたい。

知らない町の景色に郷愁を覚えるその不思議な感情の理由を探し求めていたい。

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町は静まり返っていて結局歌えそうな場所を見つけることはできず駅の地下通路に戻った。

いい調子で歌っているノリさん。

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体が大きいノリさんの声は野太くて高音もしっかり出てすごく迫力がある。
歌唱力は問題ないので、もっと見せ方を磨いて行けばどこでも稼ぐことができるだろうな。

1000台湾ドルほど稼いだノリさんと交代して今度は俺が地下通路でスタート。

よーし、俺はなんとか2000台湾ドルはいってやるぞー!!ノリさんに負けてられんぞー!!


と思ったらいきなり地元のおっさんがやってきて同じ通路の向こう側でおもむろに笛を吹き始めた。

地下通路は音が響くのでパフォーマー同士はかなり離れないといけないのに、すぐ向こうで始めてくれちゃったので音がぐちゃぐちゃに混ざり合って地下通路に不協和音が響き渡る。


おいおい、おっさんやってくれるじゃねぇか。

思いっきり喧嘩売ってくれてますね、こんなに近くで始めやがって。

どっか行きやがれ、とかなり声を張って笛の音をかき消そうと頑張るが、おっさんも頑張って負けじと笛を強く吹く。

もはや騒音状態となり誰もお金なんて落とさない。


文句言おうかと思ったけど、ここがこのおじさんの定位置、定時なのかもと思ったらまぁおとなしく引き下がるかとギターを置いた。
あがりは雀の涙。





「ちょっとフミ君!!あれなに!?なめてるよ!!」


散歩に行っていたノリさんが戻ってきて笛おじさんに怒っているがもうしょうがない。


地下通路にはいつの間にかギター弾き語りの高校生や他の笛の爺ちゃん、地上にもさらに多くの路上ミュージシャンがわき出しており、さながらミュージックフェスの様相を呈していた。

こりゃ激戦もいいとこだ。
台湾では本当に路上ライブがメジャーな文化だ。
そして通行人はそんな風景を見飽きているので、激戦区の中に混じってもなかなか足を止めてはくれない。

人通りはあるんだけど稼げる気がしない。

んー、台湾、こんなはずではなかったんだが…………













俺もノリさんも疲れ切ってはいたが、このままでは終われないので台湾名物の夜市を攻めることに。

ノリさんの話では台湾では日中に暑すぎて人が出歩かない分、夜市はとんでもなくたくさんの人が出てきて活気に満ち溢れるんだそうだ。

歌えるかどうかはわからないがとにかく行ってみることにした。

そしてまさか台湾の夜市ってのがこれほどのものとは。







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駅前がこの台中のメインエリアだと思っていたのが馬鹿だった。

なんとか大学の周辺一帯が凄まじい大混雑になっており、こここそがこの町のショッピングエリアだった。

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その様子は夜市というか日本でいう飲み屋街みたいな盛り場になっており、一帯の通りという通りがネオンで埋め尽くされて喧騒と雑踏で大賑わい。

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屋台がズラリと隙間なく並び様々な食べ物を売っており、テナントのお店も商品を路面に並べて華やかに色づいている。
中には20時を過ぎた今から店を開けているところもある。

キャバクラらしき日本語のお店も多いし、たこ焼き屋さんには行列ができているし、色んなものに日式!という表示がある。

日本のもの、というだけで人気があるんだろうな。

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ノリさんの話では夜中の3時くらいまでこの調子で人で溢れているんだそうだ。

台湾の人は夜型人間が多い。
そりゃ日中は誰も人がいないわけだ。

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人も屋台も多すぎて歌えるスペースがまったくないんだけど、なんとか強引にバイク置き場の前で路上敢行。

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反応はぼちぼちだけど声をからして歌った。

なんとかそれなりに稼いで1850台湾ドル、5300円。











俺もノリさんもゆうべあんまり寝ていないのに1日動き回って体はボロボロ。

台湾名物のキンキンに冷えたミルクティーが火照った体を冷ましてくれる。

台湾にはお茶や紅茶、ミルクティー、コーヒー、フルーツシェイクなどを売るジューススタンドが町のあちこちに無数に存在し、いつでもクオリティの高いジュースを100円そこそこの値段で買うことができる。

暑すぎる台湾では冷えた飲み物は生命線みたいなもんだ。
甘いミルクティーが疲れた体にしみる。





エネルギーを補給してからバスターミナルに戻ってきた。

今夜はまた移動。次はここから3時間南に下った台南という町だ。

ノリさんが今までの台湾滞在中で1番路上の稼ぎが良かった町らしく、田舎の素朴さがあってとても落ち着くところなんだという。

行き先はどこでもいい。
もうどんなところでもいいと思える。



「ノリさん、明日はどっか宿入りましょうか。さすがに疲れたしシャワー浴びたくないですか?」


「あ、じゃあいい宿あるから予約しとくよ。そこなら洗濯も無料だし。」



ノリさんが台南にいた時に泊まっていた宿があるらしく、とてもいい雰囲気らしい。

ただ値段は高いみたいだけど、台湾では安いほうなんだそうだ。

まぁ1泊くらいいいだろう。









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120台湾ドル、350円ほどで台中から台南へのバスに乗り込む。

今回はホウシンというバス会社に乗ったんだけど、相変わらずゴージャスで貴族の屋敷みたいな内装。

しかしノリさんにとっては昨日の最高級のアロハバスが基準となっているので、この3列シートのバスが狭っ苦しく感じるみたいだ。



「いやー、ひどいバスだね。客室乗務員いないのかよ。」


「ちょ、ノリさん!!言っときますけどこんなバスどこ行っても乗れないですからね!!これ贅沢すぎますから。」


「え、そうなの?うーん、やっぱり最底辺のバスを知ってる人は強いねぇ。」



そんな話をしながらバスは台南に向かって走りだす。


今夜も野宿。

きしむ体。蚊の襲撃。行き場のない夜。



でもまだまだ。


まだまだこれから。



ノリさん、最底辺はまだまだこんなもんじゃないですからね!









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