モアイモアイモアイモアイモアイ

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3月17日 月曜日
【チリ】 イースター島






行く当てのない夜。





暑くて眠れなくて、眠ることを諦めて1人歩いた。

車を置いたまま、戻ることなんて考えずにどこまでもどこまでも。

知らない町の郊外で汗だくになりながら。


国道が夜にのびて、トラックがたまに轟音をあげて走り去る。

外灯がポツポツと並んでいる。
大きな駐車場には車は止まっていない。



しばらくすると大きな橋が見えて、その上から埋立地の工場地帯を眺めた。

新鮮な汗の臭いが立ちのぼり、顔にはりついた髪をかき上げる。

無機質な白い明かりが工場を照らしていて、それを眺めている自分はとても小さく、夜の中に1人でポツリといるととても自由な気がして、どこにでも行けそうだと思った。


あの夜、すごく生きてる気がした。
どこかの夏の日。






photo:01




ノスタルジアは夜の砂鉄
静かに静かにまとわりついて

夜が壊れていくよ
石油工場の向こう

夜が壊れていくよ
可愛い女の子の恥じらいが

赤くなる 赤くなる



昔作った歌だけど歌詞書き換えようかな。

たくさんのモアイの向こうー、赤くなるー赤くなるー。

photo:02






日の出モアイからモアイづくしの1日の始まりだ。

photo:03









このまま昨日行けなかったモアイ切り出し場に行きたいところだけど、朝が早かったのでまだ全員がチケットを買えていない。

てなわけで一旦村に戻ってまずはチケットオフィスへ行き入場券をゲット。



それからみんながまだ行っていないオロンゴエリアに行くことに。

俺はもうすでに1回来ているので、車の中で待っていることに。



海に面した丘の上なので風がビュービュー吹いて、しかも雨も降ってきた。

大丈夫かな?と1人で車の中で日記を書いていたら、みんなが濡れながら走って帰ってきた。

ここは天気がいい時に海と火口湖が綺麗に見られるというだけで、そこまで面白い場所ではないんだよな。

ここで60ドルの片方ってのはちょっと残念。









よーし、これでもう全員残すところモアイ切り出し場のみ!!!

天気が悪いけど、俺の晴れ男パワーで快晴にしてやる!!


そしてやってきたモアイ切り出し場。







photo:04



photo:05



photo:06




すっげえええええええええ!!!!!!!

モアイが埋まってる!!!!

ていうかモアイがはえてる!!!

photo:07






山の斜面にバラバラに散らばるモアイたち。

傾いたり、倒れたり、頭の先っぽだけが地面からのぞいていたり。

倒れて折れてるやつもたくさんそこらへんで草に覆われているし、まだ切り出し途中だったモアイとかが岩壁に同化している。

photo:08



photo:09




マジですげえ。

モアイの巣窟。

モアイ祭り。


こんな正座してるやつとかもいる。
キッチリ正座ですね。

photo:10









なんだこの不思議な空間は。

モアイという生き物が岩の中から無限に分離して出てきて、モアイモアイ言いながらひしめいてるイメージ。

平和にモアイたちが動き回っていたらある日、突然時が止まってしまってモアイ動かなくなったみたいな感じ。

なんかわけわかんねぇこと言っちゃってるけど、そんな妄想してしまうほどにモアイたちの群衆がそこら中で地面の中から顔を出している。

photo:11




あああ………すごい、すごいよー、モアイがこんなにいるよー、モアイが夢に出てきそうだー、この数日でモアイって何回書いただろうー。







って、いい写真撮りたいんだけどものすごい曇天。

逆光と空の雲でモアイの顔がよく見えねえええ………


って思いながらもなんとかiPhoneで撮っていたらポツポツと雨が降り始め、あっという間に凄まじい土砂降りになった。


うぎゃー!!見渡す限り屋根とかひとつもねぇ!!!

しかも入場ゲートから1番遠いところまで来て降り出すというナイスタイミングで、もはや逃げることも出来ずお手上げ。

一瞬でパンツまでぐちゃぐちゃになり、他の観光客たちもみんな笑いながらびしょ濡れ。

なにも出来ずにモアイの横で雨に打たれるのみ。


あー!!iPhoneがやべええええええええ!!!!!!







あと少しでiPhone水没、というところでピタッと雨が止んだ。

はーいバモース、と何事もなかったように歩き出す別グループのガイドのおじさん。

島の天気は変わりやすい。でも勘弁してくれよ………





監督やエッちゃんはみんなキャーキャー言いながら走ってどこかへ逃げて行ったので俺1人だけ残っちまったなと思ったら、あの日本代表サッカーのユニフォームを着た謎のクールガイ、ジュンさんも俺と一緒に残って雨に濡れていた。


「あ、た、大変でしたね。」


「そうですね、カメラがやばいですよ。」



そう心配そうにカメラを懐から取り出すジュンさん。

雨も止んだので2人で話しながらモアイの中を歩いた。


クールだけど話すとすごく熱いというか、真面目で、そして面白い人だ。
なんかすごく信頼できる男だな。

昨日1日ほぼ会話してなかったのに、2人でぐるりと雨上がりの切り出し場を見て回ったらすっかり打ち解けて、メンバーの中でも1番仲がいいくらいになっていた。




「金丸さんってブログやってますよね。」


「あ、はい。ジュンさんはやってないんですか?」


「やってますよ。ランキングもちょっと前までやってたんですけどやめました。」


「え?なんてブログですか?」


「知らないですよ、藤井大陸ってやつです。」


「え!?藤井大陸!!?知ってるし!!ワールドカップに向かっていくやつですよね!?」



ランキングに突如現れたサッカーをテーマとした世界旅ブログ。
異色の存在感を放ち、日本代表の本田や長友などほぼ全員とのツーショット写真&サインをゲットしたりなど、サッカーファンにとってはたまらないブログだった藤井大陸。

なのだが突如ランキングから消えてしまったんだよな。

ジュンさんがあの藤井大陸の人だったなんて。



「本田とのツーショットとか載せてからめちゃくちゃブログの人ですよね!?とか言われるようになって。なんか調子に乗ってる自分が嫌でランキングはずれたんです。」



おおお………
耳が痛い(´Д` )

俺、調子乗りまくりです(´Д` )




なんかあの硬派なブログの感じそのままな方でさらに嬉しくなって、すっかり仲良くなって駐車場に戻ると、みんなが車の中で待っていた。

ごめんごめんと車に乗り込んだ。











村に戻ってそれぞれの宿でお昼ご飯を済ませる。

これで一通りイースター島の観光は終わった。


でも、





なんだかまだ足りない。

こんなもんでいいのか。あのイースター島だぞ?
もう2度とこの人生で戻ってくることはないかもしれない。そう簡単にまた来られる場所ではない。

なのにこんなにあっさり回るだけでよかったのか?
最後の切り出し場は雨でほとんどゆっくり見ていないし。

なんだかモヤモヤしながらキャンプ場な迎えに来てくれたみんなの車に乗り込む。


「さてー、車はまたレンタルしてるのでどこかまだ行きたいところはありますかー?」


「んー、もう全部行ったしねー。」


「ねぇ、もう1回切り出し場行かない?私たちほとんど見てないし。」


「それめっちゃ賛成。行こう!!」



エッちゃんナイス!!
さすがAV女優!!エロいだけじゃない!!(AV出ていません)





そうだよ、もう1回行かないとダメだ。
まだ何も感じてないよ。モアイの気持ちも、ラパヌイの想いも。


もう戻ってこられないんだ。
今、心から対話しないと。











もう何度も走った海沿いの道を飛ばす。

島の天気は変わりやすい。
さっきまで空を覆っていた厚い雲はどこかに消え去り、太陽が海をきらめかせている。

崖の上を歩く馬のたてがみが風に揺れる。
草原に伸びる石を積んだ何かの跡。

波打ち際の祭壇らしきもの、倒れたモアイ。

全てが優しく胸を打つ。
こんなに美しく時間は流れるのに、その時間が全てを朽ちさせてしまう。
モアイだけがこの島の全てを知っているんだ。










そして切り出し場に戻って来た。



photo:12



青空の下でモアイが島を水平線を見つめていた。

明るい太陽の下で見ると、モアイモアイ言いながら動き回っていたはず、なんて妄想はなくなってしまった。

ただ静かに、時間にさらされているだけだった。

photo:13



photo:17




無表情な顔が、歴史に戸惑っているようにも、受け入れてるようにも見える。

photo:14









ワイワイ写真を撮っているみんなと離れて、見晴らしのいいベンチに座って海を眺めた。

photo:15




綺麗だなぁ。
静かだなぁ。
完璧に自然の音しかしない。




ずーっと海を眺める。何も考えずに。

何にもない草原の中にモアイが15体立っているのが見える。

さっきあそこから太陽が昇ったんだよな。
なのにもうこんなに反対側まで移動してる。

鳥が鳴きながら飛んだ。

雲が綺麗だな。

photo:16










あー、なんかお腹空いてきた。
さっき茹でたパスタだけじゃ足りなかったな。


よし、帰ろう。

さてー、このまま市内の爛漫に行ってチキン南蛮とガーリックソテーのセット食べようかな、あ、でも南バイパスのココイチでソーセージカレー1辛ってのも捨てがたいっていうかここサンメッセ日南じゃねぇ!!




よし!!これくらいでいい!!

モアイ!!次は日南で会おう!!

photo:19











photo:18



パワーストーンとか言う丸い石を触りに行ったり、磯の波打ち際でのんびり海を眺めたりしながらみんなでおしゃべりしたりして、村に戻った。

もう大満足だよ。
エッちゃん、監督、みんな、レンタカーの仲間に入れてくれてありがとうね。


「エッちゃん、お礼におっぱい揉んであげる。」


「バカじゃないの。下手には触らせないの。」


「僕の揉んでええええ!!男に揉まれたい!!ばあああ」



photo:21



ビール数本ですぐに変態スイッチが入る監督。

そして今日もアイネちゃんの肌は日本3位くらいに綺麗。

photo:20





「そのけがれのない肌を汚してやるううううう!!僕のこの髪の毛をむしって君のスプライトの中にたくさん入れてええええ」


「監督。ちゃんとしようか。」


「はい、すみません。」


今日も藤井大陸ジュン君のポイントをおさえた突っ込みが冴える。







さぁ、とうとう明日はイースター島で過ごす最後の1日。

観光は充分にした。あとは明日どれだけ面白い出会いを作れるか。

この島だもん、きっと何かあるような気がする。




あーもう、イースター島大好きだ。






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月が寂しげな理由

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3月18日 火曜日
【チリ】 イースター島






優しい雨が降る。

朝日の中にきらめきながら落ちる雨粒が芝生を濡らす。

雨はいつも陰鬱な気持ちにさせるものだけど、島のスコールはとても爽やかで、乾いた心を潤してくれるよう。

ゆっくりとコーヒーを飲んだ。






キッチンに置いているマイ食料ボックスの中にはまだツナ缶やパスタソースが結構残っている。
物価が高いからキチンと自炊しないといけないとあれだけ色々買い込んできたのに、結局すぐにその物価にも慣れ、なんだかんだと買い物してしまった。

他の旅行者たちもみんなそうしてしまうようで、キャンプ場のキッチンにはみんなが消費しきれなかったパスタや調味料があれこれと揃っている。

少しでも減らそうと、パスタを茹でてカルボナーラを作った。



イースター島で過ごす最後の1日。


今日は歌いまくるぞ。









昼の13時にメインストリートに向かう。

ギターを持って外を歩けばすでにたくさんの人たちに顔を覚えられていて、おーいウチに寄ってけーとオッさんたちが手招きしてくる。
観光客ずれしていないその島の人々の懐っこさがとても居心地がいい。


待ち合わせ場所に着くと、すでにそこにはエッちゃんや監督たちが集まっていた。


今日は今からレストランバスキング。
笑顔が可愛い花ちゃんがお手伝いしてみたい!!と言ってくれたのでお金回収の相方をお願いしている。

ニコニコと愛嬌のある花ちゃんならうってつけだ。

そしてみんなもそんなバスキングを見てみたいということで集まってくれたのだ。




ペットボトルに米粒を入れたマラカスを作ってきてくれた花ちゃん。
学生のころにカラオケでマラカス振り回してました!!って言うので多分大丈夫だろう。ん、大丈夫かな?


今回歌うのは俺だけ。ということで分け前は8対2にしてもらい、軽く曲と全体の打ち合わせをして、さぁいってみよう。








メインストリートの中にあるクラブサンド屋さんからスタート。

満席の店内、お昼のゆったりとしたランチタイムに歌を響かせる。

緊張して小動物みたいな顔になってる花ちゃん。
マラカス、ちょっとズレてるけど……まぁ大丈夫かな^_^


無事2曲やりきってキチンとお金回収もしてお店を出る。



「花ちゃん、もっと外の方でも口ずさんで歌ってる人とかいたからその人たちにももらって回らないとダメよ。私ならくれるまで笑顔でずっと動かないわ。おほほほ。」


そりゃレースクイーンとかバドガールとかやってるエッちゃんだったら最強に愛想良く強引にチップ回収できるね。


「まぁやるんだったらチャイナドレスかなんか着て赤い口紅しないと気合い入らないからやらなーい。」


「それやったら誰も歌聴いてくれなくなっちまう。」


そんな話をしながら村の中をグルリとひと回り。

photo:01








なのだが………どうしたもんかほぼ全てのレストランが閉まってるかお客さん入っていないかで、村にまったくひと気がない。

なんだよ、みんな観光行ってるのかな。

結局いつものイケメンのホットドッグ屋さんで歌い、わずか2軒でお昼のバスキングは終了。


あがりは19100チリペソと1ドル。
40ドル。


1軒につき20ドルという驚異の稼ぎなんだけど、歌えるお店が少ないんだよなぁ。
観光地なのでみんなバラバラの時間帯にお店に行くので、ゴールデンタイムってのがつかめない。


まぁとりあえずこれを夜もやればある程度の金額になる。
9泊分の宿代もこれで払えそうだ。










それからは特にやることもないので、着いてきてくれていたみんなと買い出しに行き、キャンプ場でご飯を食べた。

photo:02



みんなイースター島自炊のためか醤油とかみりんとか気合いの入った調味料を持ってる。

島では豚肉が美味しいのでありがたく調味料を使わせてもらって生姜焼きを作った。


いやー、今日もアイネちゃんの肌綺麗だ。

photo:03





「ぐへへー!!僕のは?」

photo:04




ちょ!!邪魔!!









あまり観光観光していないイースター島だけど、一応島の独特の踊りと音楽のショーをやっているお店があり、観光客はたいがいみんなそこに行くみたい。

ラパヌイの南国色溢れるショーらしく、若干興味はあるけど観覧料が20ドル。

カリカリダンスというもので、週3回開催しており今夜がそのうちの1日。

エッちゃんや監督たちはみんな行くみたいだ。
俺はいいかな。



「金丸さん、私夜もお手伝いさせてください。楽しかったから。」


みんなとカリカリダンスに行く予定だったのに1人行かずに俺のバスキングの手伝いをしてくれるという花ちゃん。
ありがとうね。









photo:06



夕日が沈み、島に夜が訪れる。
この夕日も今夜が最後。

明日にはサンチアゴに戻る。

大好きなこの島で歌う機会がこの一生のうちにあるだろうか。
悔いのない演奏をするぞ。


海を見渡す波打ち際の高級レストランに飛び込んだ。

photo:05










ブラボーとアンコールをもらいながら2軒の演奏を終え、調子良く回っていく。

花ちゃんのマラカスもなかなかいい感じになってきた。

ヨーロッパ人、北米人、アジア人、世界中の観光客たち。

あー、最後の日になりもっとこの島にいたくて仕方ない。








メインストリートにある小さな、でもオシャレなレストランに入った。

4組のお客さんたちが楽しそうに食事している。

まだこのお店ではやってなかったな。



断られないかドキドキしながら厨房で料理していたママに声をかけた。


「演奏したい?もっちろんよ!!いい歌うたってね。」


めちゃくちゃウェルカムなママの笑顔に気合いが入る。






そして演奏開始。
小ぢんまりとしたお店なので音が響いてとても歌いやすい。

なかなかいい歌が歌えたと思う。

お金の入りも良く、回収を終えて挨拶し、厨房のママにお礼を言いに行く。










厨房の中で1人で忙しそうに料理を作っているママ。
小さなお店なのでウェイターの女の子と2人でやってるみたいだ。

ありがとうございましたと言うと、振り返ったママ。







笑顔で嬉しそうな顔。良かったわと褒めてくれた。

安心した。満足してもらえたみたいだ。



本当にとても良かったわ、と何度も言ってくれるママ。


そのとき声が突然震え始めた。

声がつまり、嗚咽になり、口を押さえたママ。


涙が流れ、肩を震わせて良かったわ……と言ってくれる。



「ま、ママ、どうしたんですか?」


「うう、ごめんなさい……私の愛する人も……ここでギターを弾いて……お客さんに歌っていたの………本当にこの前、死んでしまったわ………ううう……」


ママの視線の先に何枚もの写真が置いてあった。

頭にバンダナを巻き、長髪にヒゲをはやし、太陽のように暖かい笑顔をしたおじさんがギターを抱えてそこに写っていた。


「彼はとても歌が好きで………そのギターに巻いてるようなバンダナを………いつもしていたわ………ありがとう………ここで歌ってくれて……ありがとう………本当にありがとう……」



ママは泣きじゃくりながら俺を抱きしめてくれた。

なぜ死んでしまったのかなんて聞けなかった。

きっとこの愛する旦那さんと2人でこのお店をやっていたんだろう。

写真にうつる楽しそうにギターを弾くおじさんの笑顔。
島の日焼けしたたくましい男たちと肩を組んで笑っている旦那さん。

写真の中の古めかしいギターにはステッカーが貼られていた。

ラブ&ピースと書かれたステッカー。



「あー……ふう……この人がいたらきっとあなたと仲良くなれてたわね。ご馳走するから何か飲んでいって。さ、座って座って。」


ワインをついでもらい、さらに高くてとても手が出せないようなセビッチェまでご馳走になってしまった。

優しいママ、旦那さんもきっととても大きな男だったんだろうな。


この太平洋に浮かぶ孤島の、映画みたいな人生を垣間見て、胸が苦しくて仕方なかった。

なんで死んでしまったんだよ。






何度も歌ってくれてありがとうと抱きしめてくれるママに別れを告げてお店を出た。









ご飯を食べていたせいで時間が遅くなってしまったけど、あと1軒行かないといけないレストランがある。

バスキング初日にパーティーをしていて大盛り上がりになったあのお店。
あれから何度もいつうちに来てくれるの?とお誘いを受けていたんだけどなかなかタイミングが合わずに行けていなかった。

最後にあそこでやって終わるとしよう。







メインストリートの真ん中にあるレストランに到着。
どれくらいお客さん入ってるかな?と中を覗いてみると、すでにほとんどお客さんがおらず閉店ぽい雰囲気になっていた。

しまった、遅かった………



「ハーイ、やっと来てくれたわね。でも来るのが遅いわよー。まぁいいわ、さぁ座って。何飲む?」


ママにごめんなさいと言い外のカウンターに座ると、店の中から楽器を持った男の人たちが出てきた。

どうやら今夜は地元のミュージシャンたちもここでショーをやっていたみたいで、俺もそこに混ぜて演奏してもらいたかったみたいだった。


「お客さんいなくてもいいよ。なにか聞かせて。」


お店のスタッフさんたちと地元のミュージシャンの人たちに囲まれて外のカウンターに座って歌った。

ビールを飲みながらリラックスしてギターを弾いた。


「イェーイ、いいね。じゃあ俺たちもやるか。」


そう言って2人の兄さんはウクレレとギターを取り出した。
弦は4本だけど見慣れない形のウクレレ。


イースター島からさらに太平洋の西に小さな島が無数に散らばるポリネシアという国がある。

イースター島の先祖はこのポリネシアから渡ったのではないかという説があるが、このウクレレもポリネシア原産のものらしい。


ポリネシアやカリブなど世界の色んなところに演奏しに行っているという2人が息のあった音色を奏でて歌を歌ってくれた。



めちゃくちゃ感動した。

右手のストロークが特徴的なウクレレ。
絶妙な拍取りで小刻みなストロークを散りばめる演奏は、どこまでも南国の暖かい太陽と風と素朴な人々の人生を感じさせてくれる。

それは陽気な中にどこか悲しさを含んでいるメロディ。


カリカリダンスには行かなかったけど、最後の夜に最高の島の音楽を聴かせてもらえた。

photo:07



photo:08










「フミの音楽ならボブディランとか好きじゃないのかい?」


みんなでビールを飲んでいるとウクレレ弾きの彼が言った。


「ああ、大好きだよ。」


「ずっと昔にボブディランがこの島に来たことがあったんだ。」


「マジか。すごいね。」


「その時に、この島の小さな少年がギターを弾いてるのをボブディランが見てさ、次の年にボブディランがもう1度やってきてその少年にギターをあげたんだ。今もこの島にあるんだぜ。」


「すっげえ!!そのギター見たいわー。この島の宝物やね。その少年って今もうおじさんなんじゃないの?」


「ああ、でも……この前死んじまったんだ。」




まさかと思った。



「そのおじさんってもしかしていつもバンダナを巻いてた……?」


「え!?なんでフミが知ってんだ!?」


やっぱりそうだった。
さっきのレストランの旦那さんだった。
あまりの偶然に体が震えた。


「本当に、先月の話だよ。海で泳いでる時に発作が出てしまったんだ。俺たちいつも一緒に演奏していたよ。彼は誰からも愛されてた。俺たちのベストフレンドだったんだ。」












ビールで少し酔いながら宿に向かって歩く。

人はもう誰も歩いておらず、外灯がポツポツと寂しく道を照らしている。

月が優しく光っている。

柔らかい風がパームツリーを揺らす。



ここは太平洋の真ん中の小さな島。

どこにでも人は生きていて、みんなそれぞれの人生を生きている。

無邪気な子供から若く輝く青春を過ごし、愛する人を見つけて一緒に生きていく。

慈しむ心も、喪失の悲しみも、当たり前にみんな持っている。
どんなところにいても同じ人間なんだから。



優しい月が、なんだかとても寂しげに見える。
この寂しさを歌にしてくれる男が1人いなくなってしまったんだもんな。
きっとこんな夜にギターを鳴らしていたんだろうな。
愛する奥さんに見守られながら。

photo:09







明日、この島を離れる。

俺は絶対に死なんぞ。

待ってくれてる人にあんな涙流させるか。




夜のあがりは25400チリペソと6ドル。
50ドル。






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イースター島バイバイ

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3月19日 水曜日
【チリ】 イースター島 ~ サンチアゴ





とぼとぼと1人歩く。

photo:01






雑草がところどころから生えたアスファルトが真っ直ぐに伸びて、その先に海が見える。

風が静かに吹いて、民家の塀の中の木々を揺らしている。

誰もいない道をのんびりと歩いた。







ゆうべのことをずっと考えている。
ただ1人のギター弾きが亡くなっただけのこと。

でもたった数日この島で過ごしただけだけど、この島の人たちのことがどこか親しい故郷の人たちのように感じられている。

この素朴な島にはそんな魅力がある。

きっと仲良くなれてたよ、とみんなが言っていた言葉がとても悲しかった。










エッちゃんたちが泊まっているミヒノアキャンプ場にやってきた。


「これ、よかったら食べてください。」


サンチアゴから持ったきた缶詰めやパスタなどの食料。そんなに買ってこなかったというのに結局全部食べきることができなかった。

チリ本土には食糧などの持ち込みはできない。
まだみんなは数日島にいるので、どうせ宿に放置していくならとここに持ってきたのだ。


「あとこれも飲みましょう。」


赤ワインのボトルをテーブルに置いた。
ゆうべ泣いていた奥さんが歌ってくれたお礼にとこのワインをくれたのだ。

朝からボトルをあけてみんなのグラスについだ。










「それじゃあみんな元気で。」


「フミさんも元気で。」


「オーストラリアちゃんと行けるといいね!!!」


エッちゃん、下ネタでたくさん笑わせてくれてありがとうね。

監督、変態話で笑わせてくれてありがとう。

藤井大陸のジュン君、ワールドカップのレポート楽しみにしてるよ。

花ちゃん、アイネちゃん、カツオ君、みんな本当にありがとう。楽しかったよ。


photo:02



うん、やっぱり肌の綺麗さ、日本3位。











宿に戻ってテントの中の荷物をまとめる。
ささっと詰め込んだら宿代の支払い。
いつものプロレスラーみたいなパパや明るい娘さんではなく違うおじさんしかおらず、その人が対応してくれた。



娘さんは9日間も泊まってくれるならディスカウントするから安心してって言ってくれてたので、いくらくらいまけてくれるのかなと期待していたんだけど、




なぜか計算よりも多い。
どういうことだ?ディスカウントどころか高くなってるし。
1泊5000チリペソじゃないのか?


んで話を聞いてみると、どうやら5000チリペソってのは自分のテントを持ち込んだらの場合で、キャンプ場のテントに泊まる場合は6000チリペソだという。



話が違う(´Д` )

最初の夜に5000チリペソだって言ってたし(´Д` )


ということを伝えると、渋々5000チリペソで計算してくれた。

ディスカウントどころか、当初の値段にしてもらうのに値切ったみたいになってるし(´Д` )



悪くはなかったけど、やっぱりイースター島では総合してミヒノアキャンプ場が1番いいかな。









そのままおじさんが車で空港まで送ってくれた。


便数の少ないイースター島なので飛行機の時間になると小さな建物に人がひしめき合う。

お土産屋さんもこの時間だけオープンして、みんなTシャツやアクセサリーを買っている。




荷物を預け、外でタバコを吸っていると、先日めちゃくちゃ美味しい金目鯛の料理を作ってくれたイノ君がやってきた。

どうやら彼も同じ飛行機らしく、サンチアゴのホステルタレスに泊まるみたい。

俺もドナに会いたかったのでタレスに泊まろうと思っていた。


「着いたらなんか作りますよ。簡単なものですけど。」


やったぜ、またシェフの料理を食べられる。








簡単なチェックインを済ませて搭乗口へ。

と言ってもいつものようなカッコいい通路が飛行機の入り口にドッキングしているようなものではなく、裏手から直接飛行場を歩いて飛行機に乗り込んでいく。

photo:03




だだっ広い滑走路が遠くまで伸び、その向こうに緑色の緩やかな丘陵がある。

そして空はどこまでも青い。









モアイがなければ、ここは何もないただの小さな島だ。

誰にも見向きもされない絶海の孤島。

でももしモアイがなかったとしても、俺はここの島が大好きだと思う。
モアイがなくても、この太陽と、青い海と、寂しげな草原と、美しい夕日がここにはある。




ずっとずっと来たかった場所、イースター島。
もちろんモアイのためだけにやってきた。

でも間違いなく言える。
イースター島の1番の魅力はこの島に生きる素朴な人々の心だ。






憧れは想像をはるかに超えてより強い憧れになった。

この人生で、ここに来られたことに心から感謝するよ。

世界で1番行きたかった場所は、世界で1番大好きな場所になってくれた。

バイバイ、必ず戻ってくる。
またギターを持って。













相変わらず快適な飛行機はあっという間に6時間のフライトを終えて南米大陸に戻ってきて、滑走路に着陸するとイースター島を満喫した乗客たちの拍手が機内を包んだ。

ベルトコンベアで荷物をピックアップし、到着ゲートを抜ける。



ん?あれ、これで終わり?
荷物チェックとかないの?


そう、何もチェックなし。

食糧の持ち帰り全然OKやし。

うん、まぁいっか。







それから飛行機が一緒だった日本人の方とお話しながらバスに乗って市内へ向かい、9日ぶりのサンチアゴの街に戻ってきた。

ホステルの場所もしっかり覚えていたので、サンチアゴは初めてのイノ君と一緒にホステルタレスにやってきた。


呼び鈴を鳴らすと日本人の女の子が出てきてドアを開けてくれる。大学生の旅行シーズンが終わってもまだタレスは日本人が多いみたいだ。





「フミー!!嬉しい!!戻ってきたのね!!イースター島はどうだった!?」


「ドナー!!相変わらずフルーツばっかり食べてるの!?」


photo:04



弾けるような笑顔でハグしてくれたドナ。
うーん、チューしたいけど日本人いっぱいいるから浮気がバレるので紳士的に振る舞って紳士的にキスウウウウウ!!!


ドナはベジタリアンのさらに上をいくフルーツと野菜しか食べないビーガンなので今夜もニンジンを削ってパクパク食べてる。
それがまた小動物みたいで可愛い。


俺とイノ君も荷物を置いて外に買い物に行き、少しの食材をゲットし、晩ご飯。


photo:05



photo:06




元イタリアンのシェフでパスタやピザはお手の物というイノ君がささっとパスタを作ってくれた。


マジで美味え。

いやー、ホステルにいると本当重宝しますね、料理の出来る旅人。
イノ君はこれからチリの海岸沿いの方にあるビーニャっていう街に行き、南米随一のチリの海産を満喫する予定だそう。

潮見荘っていう日本人宿に泊まるみたいだけど、イノ君とかぶる人が羨ましいよ。
ウニ丼とか食べてぇ!!










宿の中庭のテーブルでビールを飲む。

前回は大学生がほとんどだったけれど、今テーブルを囲んでいるのは長いこと世界を旅をしてる人たちばかりで、みんなそれぞれの濃い旅の話を披露している。

長期旅行者はみんな自慢したがり。
もちろん俺も。

こんなに深く旅してるんですよーってみんなに聞いてもらいたいもの。
へーすごーいって言ってもらいたいもの。

なんだかこの日本人宿の雰囲気、久しぶりだな。
俺なんかたった1年と半年くらいしか海外経験のない新米だ。

何度も何年も海外を回ってる人たちが日本人宿にはたくさんいる。



まぁ色んなところに行ってるから、苦労してるから偉いなんてことひとつもないんだけどね。






さぁ、明日は20日。
ブエノスアイレスからオーストラリアへの飛行機は26日。

急いで行かないとマジで間に合わないぞ。
飛行機を逃して南米脱出失敗とか本気で笑えない。

そして、まだあとひとつだけこの南米でやらなければいけないミッションが残っている。




残り5日。
ラストスパートだ。










~~~~~~~~~~~~~~


日記とは別に書きたいことがあります。

あのカツオさんが一瞬世界一周カテゴリーに戻ってきていました。
そのカツオさんがブログの中で書かれていたことについてです。

カツオさんお久しぶりです。
リリーさん、カツオさん、僕でデッドヒートをしていたあの時期が懐かしいです。
大型犬カテゴリーに行かれたときは唖然としましたが、僕はカツオさんのブログ好きでしたよ。



先日僕がブログの中で書いたことで、大きな偏ったイメージを周囲に与えてしまいました。

これについて深くお詫びいたします。
あまりに偏った書き方だったと反省しています。




組織票というものの存在。これをどうとらえるかは人それぞれだと思います。
僕は旅イベントというものにたいしてあまり知識がありませんでした。
旅団体がイベントを打つ際、ランキングの旅人たちがこぞってその宣伝をしているのを見て、あー旅イベントってこんなに影響力のあるものなんだなーと思っていました。

そうしてブログで宣伝をしていた人たちが帰国後にみんなイベントに出演しているのを見ると、旅イベントとブログランキングの関係性の深さもよく分かりました。


そんな中、色んな人から組織票の存在を聞きました。
あの人、この人は旅イベントと仲がいいから組織票でバックアップしてもらってるんだよ、という内容です。

これはカツオさんが書かれているように、1人の旅人から吹きこまれたという話ではなく、よく色んな旅人から耳にする話です。
それくらい旅イベントは有名で、話題に上がります。

それを鵜呑みにしたのか?というわけではなく、様々な状況がそれを信じさせました。




ではそれは事実なのか?

1番組織票の関係を疑われていたカツオさんが、事実無根と言うのならそうだと思います。

さらに、いろんな方からお話を伺った結果、カツオさんを応援していた旅団体さんがすぐに上位に上がれるような大きな力をもってクリックを量産していたという事実はなく、人気ブロガーに対しての個人的なコンタクトというものもなかったということが分かりました。



僕にも応援してくれてる人がいます。

家族、友人、昔からのブログの読者さん。

帰国後にライブを見たいと言ってくださる人たちが僕にクリックをしてくださる。


そういった方々の応援クリックを組織票と言われればそうなのかもしれません。


僕にもそんな人たちがいるように、旅イベントさんも好きな人を応援する、ということだと認識を改めました。
そしてカツオさんが言う某旅団体様がそうした特定のブロガーに対してガンガン応援をかける、ということがないということも併せて理解いたします。




旅団体とは、カツオさんが書かれているとある旅団体さんだけが全てではありません。
たくさんあります。

いつもブログを書いていると、様々な団体さんからご連絡が来ます。
コラムの依頼やインタビューの依頼です。
僕は旅イベントさんをよく理解していないし、この旅の中で他のことに集中するのは避けたいのでそういったお誘いは全てお断りさせていただいています。
ご丁寧なメールを下さる団体さんには本当に申し訳ありません。


ではもしここで僕がお誘いを受けて何かしらの協力をしたらどうなるか。

クリック要請を周りに出してもらえるそうです。

それだけではないのでしょうが、そういう特典があるという有名な話です。

なんかちゃちゃ入れられてるような気がするのは僕だけかな、と思います。





組織票ということに色んな見解があると思います。
僕の反省点は噂やイメージで旅団体さんを全て同じに見ていたこと。
中途半端な知識でそれをブログに書いた事。

実際、この数日で色んな事実を聞き、カツオさんが現在活動している旅団体がとても誠実で旅の素晴らしさを広める活動をしている方々だと分かり、誤解を生むことを書いてしまったことに深く反省しています。





クリックの性質なんて色んなものがあります。

応援してくれてる人がその人をクリックする。
性質は置いといて、根底はそこだと理解いたしました。




カツオさん、旅団体様、そして多くのブロガーの方にご迷惑をおかけしたこと、深くお詫びいたします。






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ギター壊れる

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3月20日 木曜日
【チリ】 サンチアゴ





うっひょぉぉぉぉぉおおおおおおおおおおおおお!!!!!!!


インターネット祭りだあああああああ!!!!!




Wi-Fiの使えなかったイースター島から戻ってきて9日ぶりのインターネットでやることはただひとつ!!!


飛行機に乗ってたら麻美ゆまちゃん扮するスチュワーデスさんが間違ってジュースを股間にこぼしてしまって大変申し訳ございません!!こちらで履き替えてくださいってなってトイレに入ってジェットストリームが大変なことになるとかそんなシチュエーションありますか?






おへほひ…………

ブログのコメントやらメールやらが200件以上来てる…………


ど、どうしよう…………






えーっと………







見なかったことにしてギター持って宿出発。
今日もしっかり歌って稼がないと。








photo:01



ひとまず先にバスチケットを買うためにターミナルへ向かう。
次の目的地はアルゼンチンのグラナダ。

いやー、アルゼンチンの真ん中くらいの街なので40ドルくらいで行けるかなーと思ってたんだけど、考え甘かった。


36000チリペソ、70ドルくらい。


マジで高え…………


15時間の移動です。
今までの他の南米諸国は24時間移動で30ドルとかだったのに。



しょうがねぇ………

乗らなきゃ行けねぇんだ。

頑張って歌うか。


昼発の深夜着というなんとも中途半端な時間のバスしかなく、仕方なくそれを購入した。









とにかくアルゼンチン行きは確保したので、一旦宿に戻ってシェフのイノ君と一緒にセントロへ向かう。

汗をかきながら歩いてやってきたのは、前回食べてとても美味しかったメルカドの食堂。

今日もたくさんの人で賑わっており、お店の中ではレストランバスキングのミュージシャンがサックスを吹いている。

photo:02




そして前回と同じ魚のフライを注文。

photo:03




う、美味え。
そしてたったの1500チリペソ。300円。

お、イースター島帰りで金銭感覚狂っとりますな!!
300円でも高いって来た時は言ってたのに。








飯を食べたら街歩きに行くイノ君とここで別れ、俺は楽器屋さん探し。

photo:04



イースター島での最後の演奏の時に弦がブチ切れてしまったままになっている。

南米ラストスパートに向けて切れた弦だけ張り替えるんじゃなくて全部新調してしまおう。



「すみません、この辺りで楽器屋さんありませんか?」



「……………」



「あ、あのセニョール、楽器屋さんを探してるんですが。」



「……………」



「せ、セニョール!!ポルファボール!!」



「……………」




はい、道を尋ねても人が立ち止まらない。
超無視されます。モアイみたいな顔で。

サンチアゴ、都会の冷たさ全開です。


楽器屋さんを見つけても、僕のカタコトのスペイン語を小馬鹿にしたような態度で、チーノが、ってボソッと言われたりするので、ファックって言うとさすがにそれはわかるみたいで怒ってきます。

もちろん全員ではないけど、サンチアゴの冷たさはなかなかのもんです。






photo:05



ようやくマトモな楽器屋さんを見つけ、久しぶりに品揃えのいい店内にワクワクする。

このところずっとマラカスとかばっかりしか置いてないような店ばっかりだったなぁ。


なので久しぶりにダダリオの弦を購入。4500チリペソ、900円。
高いけどまぁこの国の物価を考えたらこのくらいかな。


そしてハーモニカも見つけてしまった。
すでに3つの穴が音が出なくなっているGのハーモニカ。

photo:06




値段は25000チリペソ。
5千円しないくらい。


んんん………エクアドルやペルーではこのホーナーが8千円とかしてたからな………
いい加減買っとくか………



photo:07



てなわけで思わぬ大出費になったけど、今まで旅してきた南米のラストでテキトーなことはしたくないからな。
キチンといい演奏してラテンアメリカからバイバイするぞ。








アルマス広場の近くに行き、人でごった返す中ベンチで弦を交換。

昼下がりのセントロは活気に溢れ、たくさんの路上パフォーマーがそれぞれに人だかりを作って芸を披露している。

photo:12




おお、イースター島では独占状態だったからな。

俺も負けてられんぞと気持ちがはやる。

急いで弦を張り替えて路上かますぞ、と3弦を巻いていると………





グリンとペグが軽くなった。



あ、あれ?え……どうしたんだ?


いくら巻いても弦が引っ張られない。






はい、ペグ壊れた。



いやああああああああああああああああ!!!!!!!

ギター壊れるのだけは勘弁してくれえええええええええええええええ!!!!!!!




どど、ど、ど、どどどうしよう!!

ペグの修理とかあんまりしたことないし!!


この金具を取り替えればいいんだよな!?

マジかよおおおお!!!




究極に焦りながら人混みをかき分けてさっきの楽器屋さんにダッシュ。

ペグありますか!!?と店に飛び込むがウチには置いてないよと言う。

あそこのお店ならあるんじゃないかなーと別の楽器屋さんを教えてもらい、そこにダッシュ。


「すみません!!ペグありますか!?」


「ないよ。」



ねえええええええ!!!!






photo:08



それからも、向こうにあるんじゃないかな、サンディエゴ通りにはあるよ、と市内の楽器屋をたらい回しにされてもはや俺サンチアゴの楽器屋マスター。


でもペグはどこにもなし。

1軒置いていたけど、6個セットでしか売ってなくて80ドル近くするという恐ろしい値段。

だから南米の楽器高え!!!






プラサイタリーの近くにいいところがあるからそこになかったらどこにもないよと言われ、最後の望みを託して30分くらい歩いてヘトヘトになりながら小さなショッピングセンターに到着。


こ、ここか?と中に入ると驚いた。




photo:09



建物の中に入ってる店舗、全て楽器屋。
しかもほぼ全てロック向けのお店という最高の場所。

お店の中では長髪の人がギターのリペアとかしており、マジでここならなんでも揃いそうだ。

そしてすぐにペグが見つかった。

バラ売りしてくれ2500チリペソ、500円。

photo:10




お店の中でプラスドライバーを借りて交換することに。



photo:11



いやー、錆びてるなぁ。
もともと40年以上前に作られたオールドギターなのに、世界一周に持ってきて雨でびしょ濡れにしたりビーチで歌って潮風に当て、雪、高温、衝撃に晒し続けてきて今までどこも壊れてなかったのが不思議なくらいだよな。

これだけお世話になってるんだからちゃんと手入れしてやらないとなぁ。






と壊れたペグを外してみたら、ただ中のネジが緩んで外れていただけだったという衝撃の事実。

ネジを締めて元に戻したら、2秒で直った。



よし、4時間近く無駄足。

ネジ締めるためだけにあんなに駆けずり回って………







とにかく直ってよかった、

時間はすでに17時。

なんもしてないのにすでにヘトヘトになりながら急いでセントロに戻り、速攻アルマス広場で路上開始。

photo:13




やっぱりダダリオの弦はいい。音にコシがある。
そして久しぶりにマトモなハーモニカを吹いてなんだかとても上手くなった気分。

人だかりは通路を塞ぐほどに膨れ上がり、バンバンお金が入っていく。

photo:14



photo:15




宿に泊まっている可愛い女の子が見に来てくれたりして、頑張って3時間の演奏。

あまり遅くなるといけないので20時くらいに切り上げて今日のあがりは44700チリペソ。90ドルくらいか。

ああ、もっと早くから出来てれば150ドルくらいいけてたなぁ。







歌を聴いてくれていた可愛い女の子、けいちゃんと宿に戻り、イノ君と晩ご飯を作った。

というかイノ君の料理の見学。

やっぱり手際がいいなぁ。

そして出来上がったのが、カレーピラフと豚肉のステーキ。

photo:16





うん、マジで美味え。
そして本当に料理が上手い人って材料代も安く済ますんだよな。

これで200円。
ありがとうイノ君!!最高だったよ!!








そして今夜もテーブルを囲んで宿の人たちとお喋り。


「金丸さん、今日路上ホンマよかったです。めっちゃたくさんの人が聴いてくれてはりましたね。」



目がくりっとした京都の貴船の出身のけいちゃんが可愛くてしょうがない。

手を滑らせてズボンにワインこぼしてごめんなさい!!こっちで履き替えてくださいってなってトイレで俺の鞍馬天狗が大変なことになるっていうあれにはまぁならないですね。


「金丸さん次はオーストラリア行かはるんですよね?オーストラリアの次はどこです?」


「ニュージーランドかな。うん……ニュージー…………ちょっと待て。」




ふと気づいた。

そういえばオーストラリアって片道の航空券のみで入れるのかな………




この前電子渡航ビザのイータスをゲットしてこれでもう大丈夫とか思ってたけど、出国のチケットのこと全然考えてなかった。


えーっと…………





普通ダメだよな………






先進国って片道入国とかほぼダメだよな………










ガクガクガクガクガクガクガクガクガクガクガクガクガクガクガクガク(´Д` )




やべぇ、なんも考えてなかった(´Д` )

もうフライトまで4日しかねぇ(´Д` )


あああああ!!!!
どうしよう!!!

オーストラリアって厳しいのか!!??
とりあえずニュージーランドあたりに飛ぶチケット買っちまえばいいのかな!!
ていうかお金あと3万円くらいしかないし。ウケる。

その前に明日アルゼンチン入国だから今日稼いだ膨大な量のチリペソコインをどうにかしないといけねぇし!!



あああ!!またこの感じ!!
フライトが迫っててんやわんやになるやつ!!


南米ラストスパート、めちゃバタバタの予感………






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アルゼンチンへ

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3月21日 金曜日
【チリ】 サンチアゴ ~
【アルゼンチン】 どこか






オーストラリアの片道入国ができるかどうか気になってビビりまくりの朝。

すぐにインターネットで情報を調べてみる。



当たり前だけど、飛行機での入国の場合、出国の航空券を原則的に持っていないといけません。

オーストラリアの規則にも同じようなことが書いてある。


すっかり忘れてた………
南米の国境越えが楽勝すぎて気がゆるんでた。


もし入国拒否をされてしまったら次の便で南米に送り返されて11万円もしたチケットが無駄になり、また1から南米で稼ぎ直さないといけないという旅を続ける気力を根こそぎ持っていかれる拷問が待ち受けている。

そうなった場合、間違いなく彼女に捨てられます。

もう夏までに帰って来れませんね、はいさようなら、とゴミのように捨てられます。



オーストラリアに入れなかったらマジで人生終わりくらいの勢い!!

なんとしても入らければ!!





ていうかまだチリだけど!!

南米最後の国アルゼンチンが待ち受けている。

無事ブエノスアイレスまでたどり着き飛行機に乗る。
そして路上も最後まで気を引きしめてブチかます。

今まで南米中で会いまくってきたヒッピーたちの国、アルゼンチン。

どんな出会いがあるだろう。

さぁ、長かったラテンアメリカ、ついに最後の国だ。




というわけでここで遅くなったチリのミニお国情報。


★首都………サンチアゴ
★人口………1700万人
★言語………スペイン語
★通貨………チリペソ
★レート………公式1ドル=500チリペソ、現地レート1ドル=560チリペソ
★世界遺産………文化5件




ご存知の通り細長い国です。

北には有名なアタカマ砂漠があり、南には氷河観光で人気のパダゴニアがあります。

でもなんといってもイースター島ですけどね。

チリだけでも充分観光に訪れる価値のある国だけどなんせ物価が高いのでバッグパッカーにはきつい。

海産物が有名でみんな海鮮のバーベキューとかやってるみたい。

南部のフィヨルド地帯は行ってみたかったなぁ。

まぁチリの魅力はやっぱりイースター島です。ここは一生に一度は行くべきところです。無理なら宮崎のサンメッセ日南で手を打ちましょう。




そんでもって続けてアルゼンチンのミニお国情報。


★首都………ブエノスアイレス
★人口………4千万人
★言語………スペイン語
★通貨………アルゼンチンペソ
★レート………公式1ドル=8アルペソ、闇1ドル=10アルペソ
★世界遺産………文化4件、自然4件



非常に深い大衆文化を持つイメージ。
もちろん実際そう。

アルゼンチンタンゴは世界的に有名だし、ロックやブルースも盛ん。
アサドやエンパナダなどの食も多様だ。

南米を回っていると国境を越えてもたいして変化はなく、どこの国に行っても同じようなものだけど、アルゼンチンは別格に独特の空気を持っていると思う。

これまで出会ってきたアルゼンチン人ヒッピーたちから聞いた情報では、本当に面白そうなところだ。

イグアスの滝や世界最南の町ウシュワイアなど、旅し甲斐のある国だけどめちゃくちゃデカイ。

忘れてはいけないのが、アルゼンチンに行く際にはアメリカドル、それもピン札の100ドル札を持っていくということ。

アルゼンチンでは自国の通貨よりもアメリカドルのほうが信用性が高く、公式レートよりも高く取り引きされている。

街に闇の換金屋さんがいるのでそこで闇レートでお金を換えることができるわけだ。

ただこの際にすり替えられたり、偽のアルペソを渡されたりするので気をつけないといけない。



楽しみにしていたアルゼンチンだけど、たったの数日しか時間はない。
かっ飛ばして回らないとな。











荷物もまとめ、宿を出発する前にチリのペソをどうしようか考える。

今からアルゼンチンなのでもう必要ないのだか、これをどうアルゼンチンに持って行くかが問題なんだよな。

旅人の間では誰もが知ってることだけど、アルゼンチンは経済がガタガタになっており、自国の通貨よりもアメリカドルの方が信用度が高い。

まぁこれは中南米の国ではほとんどそうなんだけど、アルゼンチンでは特にそうで、アメリカドルが正規のレートよりもはるかに高い価値で取引されているのだ。


正規のレートが現在1ドル=8アルゼンチンペソ。

闇レートが1ドル=10アルゼンチンペソ。


こんなにも違う。

なのでアルゼンチンに入る際にはアメリカドル、特に100ドルのピン札を用意して行くのが常識となっており、わざわざパラグアイかどっかの通貨がドルの国にお金をおろしに行って戻ってくるといったことをやる人もいる。


でもこれは俺には関係のないことなんだよな。
着いたらすぐ路上で稼ぐから現地の通貨の感覚しか必要ない。




そんなアルゼンチンにチリのペソをどう持って行けばいいだろう。

そのまま持って行って向こうで換金するか、1度チリでドルに換金してそれを持って行ってアルゼンチンペソに換金するのがいいのか。

でもチリもやはりある程度アメリカドルが優遇されている国なので正規のレートよりも高い金額でアメリカドルを購入しないといけない。

それからアルゼンチンに持って行くのと、チリペソのままで…………







うん、もうなんか頭が混乱してきてどうでもよくなる。


お金をちょっと換えるだけでお金が減ること知ってるかいー。
換金ファックの話さー。



宿のけいちゃん、イノ君がアルゼンチンペソを持っていたのでチリペソと交換してもらった。

ありがたやー。

photo:01




けいちゃんが可愛すぎてチューしたかったけど、今からアルゼンチンだし、けいちゃんに超拒否されてショックで立ち直れなくなるかもしれないのでカッコつけて終わり。

photo:02








後からわかったことだけど、チリペソはサンチアゴでドルに変えてからアルゼンチンに持って入ったほうが少し多く手に入ります。


でもイノ君、けいちゃん、ありがとうね!!

一眼レフはやっぱり写真が綺麗!!

photo:04










今日もフルーツだけをパクパク食べてる大好きなドナを抱きしめる。

細い体、でもスタイル抜群。
タワシみたいな髪の毛がとてもキュートで、もしゃもしゃとなでると恥ずかしそうに笑うドナ。

あー、ドナも元々は旅行者。
今はここを手伝っているけど、そのうちまた離れてしまうはず。

ドナがいなかったら来る価値ないなぁ。

またどこかで会おうねドナ。








みんなに別れを告げて、バスターミナルへ歩く。

今回買ったのはトゥールバスっていうこの辺りでは結構大手のバス会社。

中央ターミナルではなくて南ターミナルから出ているので少し早めに向かい、40分くらい前に到着。

photo:03




チリペソの余りが8ドル分くらいあったので近くのファストフード屋さんでポテトとハンバーガーのセットを注文。
6ドル。

笑えるくらい高いけどもうこの物価にも少し慣れたよ、チリ。









かなり広いターミナルで発着場が無数にあり、人に聞かなければまず迷子になる。

そしてサンチアゴの人は冷たいので、あー?あっちだよ、あっちあっち、とろくにチケットを見もせずに鬱陶しそうに言い放つだけなので、何度も発着場を間違えてウロウロウロウロ。

最終的にトゥールバスのチケット売り場で聞いたら、まったく違う場所を教えられた。

本当こんなしょうもないことで乗り過ごしてたら、マジで怒り狂ってサンチアゴ大嫌いになってしまうわ。


ともあれなんとかバスに乗り込み、サンチアゴの街を出発した。










photo:05



バスは郊外に出て、グングン坂道を登っていく。

すぐに建物がなくなり、窓の外は茶色い乾いた岩山が連なる大自然へと変貌した。

photo:06




このチリとアルゼンチンの国境もアンデスの険しい山に分断されている。
連なる山並みの中に雪をかぶった頂もある。
目を洗うように美しい。

エクアドルから始まったこのアンデスの山脈。
ずっと南下していくと、大陸の南部に大規模な氷河が広がるエリアへと繋がる。
パタゴニアだ。

旅人たちも、ヒッピーも、チリ人も、みんなパタゴニアは行くべきだぜって言っていた。


でももうどこかに寄っている時間はない。
フライトのタイムリミットはどんどん迫っている。







photo:07



チリの出国もアルゼンチンの入国も、本当に楽勝。
一瞬でスタンプをもらい、荷物チェックもろくになくアルゼンチンに入った。


今回の目的地のグラナダはアルゼンチンのちょうど真ん中あたりにある大きめの街。
サンチアゴから15時間くらいとそんなに大した移動時間でもないんだけど、このバスのサービスが半端じゃねぇ。



運転手さんの他に2人スタッフさんが乗っていて、彼らが車内を回って色々と乗客の面倒を見てくれる。

シートを倒してくれたり、枕やブランケットを持ってきてくれたり。



そしてなんと、ご飯付き。

photo:08





しかも昼飯、夜飯の2回。

photo:09





おおお………早くもアルゼンチンのレベルの高さを実感。

こいつはいい国になりそうな予感だぞ。

photo:10








バスの到着は明日の朝。

さぁ、どんな数日間になるのか。

photo:11








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あの日の約束

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3月22日 土曜日
【アルゼンチン】 コルドバ





バスは深夜にコルドバのターミナルに滑りこんだ。


荷物を受け取りタバコに火をつけると、冷たい夜の風にぶるると震えた。

サンチアゴから結構気温が下がったな。





ターミナルの中のベンチにドサリと倒れる。

あー、また全然眠れてない。
疲れた体で頭をかくんかくんさせながら日記を書く。

驚くことにターミナルの中にフリーのWi-Fiが飛んでいた。


アルゼンチンやっぱりすげえな。







いろんな人が歩いている。みんなどこかへ向かう途中。

眠りこけてるおじさん。大きな荷物を持ったおばさん。


インディアンの顔をしてる人はもうまったく見なくなった。
エクアドルやペルーではほとんどかそうだったよな。

ドアが開くたびに吹きこむ冷たい風に震えながら、目の前の静かな夜明け前の出来事を眺めていた。








朝になりターミナルの人に道をたずねて回る。

その住所に行きたいならこのコレクティーボに乗りなと優しく教えてくれたお兄さん。

10アルペソ、1ドルを払って小さなサイズのバスに乗り込んだ。








街の中を走るバス。高いビルが並び、人が歩道を埋め尽くしている。結構大きな街だな、コルドバ。


これで一体何個目の街だろう。

数え切れないほどの街、そして数え切れないほどの人生。

みんなその街で暮らしている。子供の頃から、死ぬまで。
そこが体の一部のように染みついているはず。俺の宮崎がそうであるように。

路地裏も、商店も、仲のいい友達も、みんな故郷の檻の中。







近くになったら教えてやるよと言ってたドライバーさんだけど、一向に教えてくれる気配がない。

すでに40分くらい走ってるんだけどなぁと不安になりながらも窓の外を眺めながらバスに揺られる。



「ヘイ、チーノ、この辺りだぜ。そこの商店でまた道をたずねな。」


笑顔のカッコいいドライバーのおじさんにお礼を言ってバスを降りる。


走り去るバス。

太陽が照りつけ、寂しげな道路にぽつんと立つ俺。

電車がゆっくりと走っていく。

photo:01










そこは完全に街から外に出た郊外の住宅地だった。

photo:02



教えてもらっていた住所を見ながらとぼとぼ歩いた。
未舗装の土の道があみだのように広がってる住宅地の中はまるで迷路みたいで、どこを曲がっても同じような風景。

子供が走って遊んでおり、爺さんが庭の手入れをしている。

これ以上ないようなローカルエリア。


一体どこだよここは。

木漏れ日が揺れて、道はまっすぐのび、まるで映画の中のワンシーンみたいだと思った。

photo:03






体は疲れ果てている。
こんな名もない街の郊外の住宅地、こんなところを彷徨っている状況がおかしくて笑えてくる。


すべては巡り合わせで、自分が望むかどうかで全部変わってしまうんだよな。

photo:04














1軒の家の玄関に着き、ヒモを引っ張ってベルをチリーンと鳴らした。



しばらくして人が出てきた。


1人のおばさん。

玄関に立つ大きな荷物を持ったアジア人を怪訝そうな顔で見ている。


しかし次の瞬間、その曇った表情が何かを思い出したようにパッと明るくなり、おばさんは俺を抱きしめた。



「フミーー!!あなたがフミね!!話は聞いてるわ。さぁ、入って入って。今日からここはあなたの家よ!!」


おばさんに手を引かれて家の中へ入った。





どこにでもある普通の家。

奥から娘さんのカミラとお父さんが出てきた。
みんな初対面。
でもみんななんの疑いもない笑顔で抱きしめてくれる。






ここはあのヘロニモの家。

エクアドルで長いこと一緒にバスキングをし、俺に南米の旅の仕方を教えてくれたあのヘロニモ。

ここが俺の南米最後の目的地。




「ホラ、ここがあなたの部屋。好きに使ってね。先にシャワーにする?それともご飯食べる?ハンバーガー作ってあげるわね。洗濯物はある?あー、私質問しすぎね!!」


「ママ、フミはサンチアゴからバスで来ててとても疲れてるんだから休ませてあげなよ。」


「大丈夫です。シャワー浴びたいです。」


荷物を部屋に入れ、熱いシャワーを浴びた。

それから外の庭に行くと、綺麗な芝生の上に置かれたテーブルにご飯が用意されていた。

photo:05



photo:06




緑色が輝く、空は抜けるように青い。
柔らかい風が吹いて、すぐに体を乾かしてくれる。


ビールをついでくれるママ。
魚のすり身のフライとサラダ。

そんなシンプルなご飯がとても落ち着いた。




「フミ、ヘロはどんな子だった?フミに嫌な思いをさせなかった?ちゃんとご飯を食べてベッドで寝てた?楽しそうにしてた?」


ヘロニモのことが心配で仕方ない様子のママ。

ヘロニモから、ママは昔70年代にヒッピーをやっていて世界中を旅していた人だから俺たちのことをとても理解してくれているんだ、と聞いていた。

どんなジャニスジョプリンみたいな人だろうと想像していたんだけど、ママは本当にどこにでもいる普通のおばさんで、どこにでもいる普通お母さんだった。



「ヘロはいつも正直で誠実でした。清潔だしゴミをポイ捨てしたりしないし、周りを気遣っていました。いつもバスキングのあがりを、僕は歌ってないからと言って僕に多く渡そうとする男でした。」


「おお……ヘロ…………あのヘロがそんな………」


「美味しいご飯を作ってくれたし、僕がスペイン語がわからないので彼が通訳してくれてました。」


「でもヘロは英語は喋れないはずよ?ご飯だってここでは作ったことなんてないわ。」


「ヘロは、きっと旅の中で色んなことを身につけているんだと思います。」


ママが目を細めて空を見上げる。

ヘロの妹のカミラも兄さんのそんな話をワクワクした目で聞いている。

photo:07




そのおどけた顔がヘロそっくりで、なんだか切なくなってしまう。


ヘロニモ、いい家族だな。
お前とマリアンナと過ごした日々が早くも懐かしいよ。









このまま歌いに行こうと思っていたんだけど、ママの話では昼はシエスタで人がまったくいなくなるので今行っても歌えないわよとのこと。
シエスタとはお昼休みのこと。

今日はなにやら3連休の初日らしく、さらに人がいないということ。


「大丈夫、私がバスキングに1番いい場所を知ってるから夕方からそこに行きましょう。それまでベッドで休みなさい。疲れたでしょう。」


疲れてはいる。でも夜通しのバス移動なんてこの南米でどれくらいあっただろう。これくらい大丈夫だ。
これくらい大丈夫、と思いながらベッドに横になると、予想以上に一瞬で眠りに落ちた。









「フミ、フミー、そろそろ行くわよー。」


ママの声にガバッと飛び起きた。時間は18時を過ぎている。

おお……すげえ疲れてるな……

頭がぼーっとしてすぐに立ち上がれない。



「帰ったらアサドを作りましょう。アルゼンチンのバーベキューはとても美味しいわよ。」


そんな嬉しすぎることを言ってくれるママ。
よし!!もう今日は路上はなし!!

ママと一緒に車に乗って街に向かった。









「コルドバからブエノスアイレスまでは電車が1番安いわ。でも電車は本数が少ないからすぐ埋まってしまうのよ。バスならすぐに乗れるけど高いわ。」


「アルゼンチンでお金を両替する時は気をつけてね。正規のレートと個人レートは全然違うからね。」


ドライブしながらいろんなことを教えてくれるママ。
カタコトだけど英語がしゃべれるし、かつて世界中を旅していた彼女はとてもオープンな考え方を持っている。
と同時に今は落ち着いたどこにでもいる優しいおばさん。

その懐の深い雰囲気に話していてとても心地がいい。








「さ、着いたわ。きっとフミはここが好きなはずよ。」


綺麗な街並みの中心地に入っていき、しばらく細い道を曲がっているとたくさんの人が歩いているエリアがあった。

photo:08




ほんの細い道の両脇にセンスのいいアンティークショップやカフェが並ぶ、とてもオシャレなエリア。

そして通りに面した公園と2つの道がホコ天になっており、そこにズラリと様々な出店が並んでいた。

photo:09




ママが言うにはハンドクラフト、手芸のマーケットらしく、服やアクセサリー、楽器、置物など、本当に様々な物が売られている。

ハンドクラフトだけではなく、アンティークのお店、植木屋さん、レコードショップ、とにかくワクワクしてくるようなセンスのいいお店ばかりが通りにひしめき、ものすごくたくさんの人々が楽しそうにお買い物している。

photo:10



photo:11



photo:12







「昔、私が旅を終えた頃、30年以上前ね、ここで仲間たちとハンドクラフトの露店を出したの。最初のころはまだ10店くらいしかなかったわ。今はこんなに増えたけどね。もう昔の仲間たちもほとんどいなくなって、私も随分長いことここにも来てなかったわ。でもフミに見せたくてね。」



ママと2人で露店を見て回る。

ライトがついて、通りをささやかに染めあげる。

photo:13



photo:14



photo:15





フミ!!これなんかどう?と手編みの服を選んでいるママ。

俺もとても楽しい。アンティークが好きで、よく日本でも骨董市があるとのぞいていた。

このコルドバのマーケットも、どれもとても可愛く個性があって、見ているだけで楽しい。

photo:16



photo:17



photo:18




昔のヒッピーだったママ。
こうして仲間たちと色んなことをやってきたんだろうな。


何人かの露店のおじさんやおばさんとハグしていたママ。
当時の仲間だったみたい。
何を話してるかわからないけど、この子はフミというのとみんなに紹介してくれた。
ようこそ、とみんなハグしてくれた。

こんなこの街の歴史の全てが詰まったような場所に連れてきてもらえて本当に嬉しい。
ここ大好きだよママ。

コルドバが一気に大好きになった。

photo:19



photo:20










マーケットの賑わいをしばらく楽しみ、それからまた車に乗って家に帰る。

途中、お肉屋さんに立ち寄るママ。

photo:21




お店のおじさんもとても優しく、これがアルゼンチンの肉だ!!とわざわざ冷蔵庫から大きな肉の塊を出してきて見せてくれた。

なんだろう、この飾らない街の人々は。
まるで昔から知っていた街のように全てが心を落ち着かせてくれる。

photo:22











家に戻ると、お父さんのルイスがすでに火をおこして俺たちの帰りを待ってくれていた。

photo:23



庭にバーベキューの窯があり、いつでもアサドが作れるようになっているのはさすがアルゼンチンだよな。


ルイスが買ってきたお肉を長年の経験が裏打ちする絶妙な火加減で焼き上げてくれた。

さぁ、噂に聞いたアルゼンチンのアサド。
その味は…………







photo:24



うん、これまでの南米のご飯に対する不満、全部帳消し。



うますぎる。

もう叫びたくなるくらい美味い。



こんな美味しいお肉、日本で食べようと思ったらどれだけ大枚はたかないといけないか。

それをこんな日常的に食べられるなんて!!!


「フミ、これも食べて。チョリパンっていうアルゼンチンでみんな食べてるものよ。」


太いチョリソーをカリッと焼いたパンに挟んだもの。

photo:25




これが信じられないくらい美味かった。
今まで食べた海外のご飯のトップ3に間違いなく入る衝撃の美味さ。

うますぎてガッついてる俺に、慌てないで、とニコニコしながらママはビールをついでくれた。









大満足のご飯を食べて、ママと2人でビールを飲みながら話をした。

今夜は土曜日の夜。娘のカミラはおめかしをして男友達とダンスに出かけて行った。

ルイスは部屋の中でテレビを見ている。



実はこのルイスはヘロのお父さんではなかった。
ママの現在のボーイフレンドで、本当のお父さんとはずっと前に別れて、彼は今もこの近くに住んでいるんだそう。



「随分、時間が経ったわ。色んなことが過ぎ去ったわね………」


今日、久しぶりに昔の仲間に会って若い日を振り返っているんだろう。

椅子にもたれ、空を見ながらタバコを吸うママ。
遠い昔の輝いた青春の日々。

俺もきっとそんな日が来るんだろうな。



「ヘロが言ってたわ。フミは素晴らしい男で僕は彼のことを愛してるって。必ず来るはずだからどうかもてなして欲しいって。」



ヘロ、ありがとう。必ず来るつもりだったよ。約束したもんな。

いつか、ずっと時が流れた後、俺たちも再会してハグして、一緒に旅した日々を語り合おう。

会えてよかった。

やっぱりアルゼンチンは大好きな国になると思ってたよ。


会えてよかったよ、ヘロニモ。








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3月23日 日曜日
【アルゼンチン】 コルドバ






移動の疲れで泥のように眠った。

快適なベッドの上で目を覚ます。

窓から見える空がものすごく青い。







キッチンに行くとママがのんびりテレビを見ていた。


「ハーイ、フミ、よく眠れた?」


「最高でした。今日も素晴らしい天気ですね。」


「そうよ。この辺りの秋は本当に美しいのよ。」


今は3月。日本では当たり前に春。でもここアルゼンチンでは当たり前に3月は秋なのだ。
秋晴れの空に夏の終わりの風が吹き、ふと寂しさが胸に芽生えて消える。

photo:01










コーヒーとバナナとパン、それにアルゼンチンの一般的な甘いキャラメルミルクみたいなスィーツ。
これをバナナにつけて食べると口いっぱいに甘さが広がる。


テーブルではママが見覚えのあるものを作っている。
ミートソースみたいな挽き肉の炒めたもの、それとトマトとチーズ。
それらを丸い生地に乗せて綺麗に包んでいく。

photo:02




そう、ヘロニモがいつも作って町で売っていたアルゼンチン名物のエンパナダだ。

ヘロニモの作ったものでも充分美味しかったけど、ママの作るエンパナダは最高なんだぜとヘロは言っていた。

さすが、ママの包んだエンパナダはどれも形が完璧だ。

photo:03





「これは夜に食べましょう。帰ってくるの待ってるわね。」


今日はブエノスアイレスまでのチケットを取りに行き、夜に昨日のマーケットで歌う予定。

あー!!夜ご飯のエンパナダが楽しみで仕方ない!!

あれ?こ、ここ実家?








photo:04



街まで遠い上にバス停が分かりづらいのでカミラが連れて行ってくれた。


「街ではiPhoneを出して周りに見せたらダメよ。アルゼンチンはいいところだけど、強盗がとても多いから。」


日本人旅行者たちがブエノスアイレスでこれでもかってくらい盗難に遭っている話はここのところよく聞いている。



危険危険、油断したらすぐ裸にされる、殺される、人の住むところじゃねぇ、くらいのことを言われ続けてきた南米。

ここに来る前、本当にビビっていた。
どんな魑魅魍魎がうごめいてんだ?くらいのイメージだった。

日本の友達やお母さんからも、南米は人殺しの巣窟だから頼むから行かないでくれってメールをもらっていた。

それが普通のイメージ。

photo:05




でも実際にはこれまでなんのトラブルもなく来れている。

もちろん他の治安のいい国からしたら被害の確率は上がるかもしれないけど、南米は敬虔なカトリックの地域で、人々は隣人を愛するという心を他の先進国よりもはるかに持ち合わせていると思う。

被害に遭うのはもう運でしかない。もちろん細心の注意を払った上でのことだけど。


ここコルドバでも気をつけないとな。









カミラに連れられて公園を横切り、民家の隙間を抜けてバス停に着いた。
1人じゃ絶対に見つけられない小さなバス停。

カミラはさっきから誰かと電話をしていた。
誰かと待ち合わせしているのかなと思っていたら、住宅地の静かな通りの向こうから1人の男の人がたったったと走ってきた。

白髪にヒゲのはえた細身のおじさんが急いで走ってくる。



そしておじさんは優しさに満ち溢れた笑顔で俺の前までやってきて、俺をハグした。
なんて言ってるかわからないけど、俺の頭をなでながら目尻を下げて言葉をかけてくれている。



彼がヘロニモの本当のお父さんだった。
そういえば目元や輪郭がヘロニモに似ている。


「フミの話は聞いてるって。どうかウチに招かせてくれって。フミ時間ある?」


この近くに住んでいるお父さん。
ママと別れてもこうして近くに住み、カミラや子供たちと会っている。
きっと複雑な事情があるんだろうな。

お父さんの細い体と優しい笑顔が、とても寂しげに見えた。



明日必ず行きますと約束し、やってきたバスに乗り込んだ。

見えなくなるまで手を振ってくれたお父さん。
きっと彼もまたヘロニモを心から愛していて、その友達の俺を大事にしたいと思ってくれているんだろう。

その気持ちが苦しくなるほど胸をしめつける。

みんなみんな弱いけど、愛と優しさに溢れた人たちばかりだよ。











バスに揺られてまずやってきたのはコルドバのトレインステーション。

駅舎の中はたくさんの人で溢れかえっており、大きなバッグを担いだバッグパッカーの姿も多い。


うーん、ただでさえ争奪戦の電車なのに今は3連休中。
席空いてないだろうなぁ。


と期待しないで窓口へ。



しかしなんと!!!








うん、門前払い。
あるわけねぇよってな顔でノーと言われてすごすご駅舎を出た。

仕方なくすぐ近くにあるバスターミナルの方へ。


photo:06



ターミナルの中には凄まじい数のバス会社のオフィスが並んでおり、ブエノスアイレス行きのバスもたくさんある。

気になる値段は………




400アルペソ。

50ドル。



し、し、し、信じらんねぇ(´Д` )

高すぎる!!!




しかしどこのバス会社に聞いても値段は一律。

多分電車は100アルペソくらいだと思う。
4倍(´Д` )



しかしもう交通手段はこれしかない………
買わないとブエノスアイレスに行けないし、もう飛行機までの時間もギリギリだ。

震える手で400アルペソを払って明日の夜行バスをゲットした。



も、もうこうなったら1日中歌いまくって稼ぐしかない。

喉潰れるまでバスキングするぞと急いでセントロへと向やってきた。











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ただのゴーストタウン。

美々津より人いない。



こ、これがママの言っていたシエスタというやつか………

まさかここまでとは………



photo:09



街並みはどこまでも綺麗で、大都会とまでいかない程よいビルの林立がとても好印象。

きっとここで歌ったら結構稼げるはず。

なのだが、本当にビビるほど人がいない。

photo:10







どうしようもなくてポツリとメインストリートのベンチに腰かける。

やべぇな………

オーストラリア入国に向けて少しでも所持金を増やしたかったところ。

出国のチケットなし、クレジットカードなし、ではそれを補う現金を持ってるのか?と質問されたときにある程度の金額を答えられたらまだいい。

でも今の所持金、2万3千円。


てめーなめてんのか?と審査官に言われる光景が目に浮かぶ。









photo:11



とにかく少しでも稼がないといけない。

人がまったくいない街を散策し、夜に向けてテキトーにそこらへんのホットドッグをかじる。
15アルペソ。150円くらい。

photo:12



ちなみにタバコは10アルペソ、ビールは1リットル瓶が14アルペソって具合。









photo:13



ぶらぶら歩いて昨日のハンドクラフト市にやってきた。
ゴーストタウンの街にあっとここだけ人がまばらに歩いている。


まだ夕方の日差しの中でヒッピー風の人々が露店の準備をしているだけで、ゆうべみたいな混雑になるのは18時を過ぎてからみたいだ。

photo:14












タバコを吸いながらマーケットエリアをぐるぐる回っていいポジションを探す。
しかしまだ露店が出始める時間なのでどこに陣取ったらいいのかわからない。

そんな中、地元の人がバイオリンのパフォーマンスをしていた。
アンプとエフェクターを使ってなかなかいい演奏。

その兄さんに他に演奏できる場所はないか聞いたら、19時になったらやめるからここでやるといいと言ってくれた。







photo:15



時間が経つにつれて露店が密度を増していき、人通りも増えてきた。

みんな楽しそうにそれぞれのお店をのぞき、お店の人と和やかに会話している。

ハンドクラフトという創作物がこんなにも市民権を得ているこの街の空気がとても暖かいな。

そしてギターを持って歩いているだけで、露店の人がみんな話しかけてきて演奏したいならここでやるといいわよ、とか向こうでみんなやってるわよと教えてくれる。

ママがここに出店していたころから時代は流れてこんなに大規模になってはいるけれど、当時のヒッピーのウェルカムな心は今も受け継がれているんだな。

photo:16











19時になり、バイオリンの兄さんとバトンタッチ。

photo:17



すでに人波は通りを埋め尽くしており、そんな1番賑やかな交差点の中でギターを抱えた。


観光客があまり来ないであろうコルドバ。そしてアートを愛する人々が集まるこのマーケット。

一瞬にして人だかりが出来上がり、周りを取り囲んだ。

アルゼンチン最初の路上。
思いっきり声を振り絞った。








photo:18



電灯が通りを彩り、銀食器やランプ、人形などのアンティークを照らしている。

たくさんの人がハグをし、調子はどう?と会話している。


みんなここでこうやって30年以上もお店を出してきたんだな。

その歴史の1ページの片隅にでも混ざれたことがとても嬉しかった。

たくさんの拍手をいただいてギターを置いた。










「ただいまー。」


「ハーイフミ、どうだった?稼げた?」


キッチンでお茶を飲んでいたママとママのお友達とルイス。

みんなに稼いできたお金を見せるとワー!!と声をあげて拍手をしてくれた。

photo:19





「フミ!!すごいじゃない!!今日だけでこんなに稼いできたの!?ビルゲイツね!!」


すごい量の札束。めちゃくちゃ稼げた!!



と思ったんだけど、アルゼンチンって紙幣がすごく小さな金額からあるんだよな。

2アルペソ紙幣なんて20円。
紙幣が古すぎてボロボロのゴミ屑みたいだ。

photo:20





結局あがりは297アルペソだったけど、これって30ドルくらいのもんだ。


「すごいわよ!!バス代ほとんど稼いじゃったじゃない!!」


経済がガタガタのアルゼンチンで30ドルはきっと大きな数字なんだろうな。
でももうちょっといきたかった。

photo:22











そして楽しみにしていた晩ご飯。
ついにアルゼンチンの家庭料理、ママの手作りエンパナダ!!

photo:21



中にはギッシリお肉が入ってる。






もうね………アルゼンチンのご飯美味すぎ。

昨日のアサドやチョリパンもそう。

日本人の舌にめちゃくちゃ合う。

あまりにも美味くていくらでも食べられる。



カリッとしながらも柔らかい生地、ジューシーで少しスパイシーな具。

ヘロニモが作ってくれたやつの50倍美味い。
すまん、ヘロ。でもやっぱり母ちゃんの飯にはかなわんよ。



これを毎日食べられるなんて羨ましいよ。アルゼンチンが羨ましい。

もちろん日本の飯をいつも食べられる日本人もめちゃくちゃ自慢だけどね。





ご飯が美味しい国は旅のボーナスステージみたいなところだ。

それを作る人がこんなにも暖かい人々だと体も心も喜ぶ。


「ママ!!エンパナダ、ビール、お金も稼げたし、こんな家族ができてすごくハッピーだよ!!ありがとう!!」


「ここはフミの家よ。ホラもうひとつ食べられる?」



アルゼンチン、来る前から必ず大好きな国になると分かっていた。

そしてやっぱり想像通りだったよ。


南米で唯一の失敗は、この国に滞在する期間を5日しか取らなかったこと。

しかしその選択の全てがここに繋がっていたんだもんな。


もうすぐこの愛する南米ともさよならなんだよなぁ。






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エンパナダ5個

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3月24日 月曜日
【アルゼンチン】 コルドバ ~ バス移動





「ヘロニモはコルドバにいる時ハッピーじゃなかったわ。彼はいつも周りに噛みついていたし、家族ともいい関係じゃなかった。彼はとてもセンシティブな子だったわ。」

photo:01







朝のコーヒーを飲みながらのママと色んな話をした。

ヘロニモは23歳。
まだ若く不安定で、自分に干渉するものに苛立つどこにでもいる青年だったんだと思う。


しかし旅の中で出会ったヘロニモはとても清々しかった。
ふとした時に見せる暗い表情や揺れ動く心はあったものの、彼はいつも柔らかい笑顔で周りに接していた。

俺はそんなヘロニモをいつだって安心して見ていた。
繊細な男であることには今も変わらないけれど、彼の笑顔には人から愛される力がある。



「彼は今ハッピーよ。フミの写真を見てそれがよく分かるわ。ここではあんな笑顔見せたことなかった。だから旅は彼にとてもいいことだと思ってる。」


母親の顔をするママ。
昔のヒッピーだったという先入観があったけど、ここに来てからママの表情はいつも優しい母親のものだった。


バッグの下のほうからひとつのビニール袋を取り出した。

それを開けてテーブルに中身を出した。

それはマクラメ編みのネックレスとピアスのアクセサリー。

ヘロニモたちとの別れの日、あのリーナの家でヘロニモが俺に渡したもの。


「ヘロがこれを。そして一言だけでいいからって彼からの伝言です。i'm fine。」


ママはアクセサリーを手に取りながら優しく笑った。

photo:02









photo:03



初日に食べたアサドの残りをレンジで温めて食べた。
焼いたお肉をレンジで温めたらカリカリに固くなってしまいそうだけど、アルゼンチンのお肉はそんなことまったくなく、焼きたてのように柔らかくてジューシーだ。


美味い美味いと食べていると、そこに誰かがやってきた。

ヘロニモのお父さんだった。

ハグをすると俺の頭を撫でてくれるお父さん。

俺のことをウチに招きたいと言ってくれていたんだけど、わざわざ迎えに来てくれたのだ。


ママに夜に戻ってきますと言い、お父さんの運転するスクーターの後ろに乗った。







お父さんの家はすぐ近くの同じ住宅地の中にあった。

別れたお父さんの家。もしかしたら寂しく1人で暮らしているのかもしれないと想像していた。

でも招き入れてもらったその家は、とても豪華で綺麗なソファーと大きなテレビがあった。

テーブルに座ると俺よりも大きな2人の青年が出てきて笑顔で握手をした。
さらに奥から綺麗な女性が出てきた。

お父さんもママも、今はそれぞれに幸せな家庭を築いていた。






「ヘロニモ、こんなことしてるのか!!アッハッハッハ!!」


お茶を飲みながらみんなにiPhoneの中の写真を見せる。
俺とヘロニモがバスやレストランの中で歌ったりしている様子に嬉しそうに笑うみんな。

彼らがどんな関係なのかわからないけれど、2人の大学生の子供たちも奥さんもヘロニモのことをよく知っているようだった。

お父さんは英語がわからない。
でも息子たちは流暢な英語を喋る。


みんなでお喋りをする中、お父さんはアルゼンチン名物のマテ茶を飲んでいる。

photo:04



こういう容器に茶葉を入れ、お湯を注ぐ。
そしてストローのような飲み口で吸い上げるわけだけど、アルゼンチンではみんなこれを飲む。

街を歩いていても、人々は片手に容器、片手にお湯を入れた魔法瓶を持って常にマテ茶をチューチューしながら歩いている。




そしてお母さんが甘いものは好き?とケーキを出してくれた。
アルゼンチンでとてもポピュラーなミルクキャラメルのケーキ。

photo:05



これがめちゃくちゃ美味しい。

海外で食べるスイーツってえげつないくらい甘くてとても食べられたものじゃないんだけど、このケーキは上品な甘さと優しい口当たりですごく日本人好み。

やっぱりアルゼンチンと日本ってとても共通点が多いと思う。
ヘロニモとマリアンナと過ごした日々でもいつも感じていたことだった。

photo:06











会話だけなのにとても楽しく、いつの間にか時間は18時になっていた。

バスの時間は22時半。

息子さんの運転する車でママの家まで送ってくれた。




玄関に着き、お父さんとハグする。

細い体がとても頼りない。
くしゃくしゃな笑顔で俺を見つめる瞳に、ヘロニモと同じあの繊細さが見えた。

目を赤くしながらお父さんは手を振って車に戻って行った。








photo:08



ママとルイスに歌を聴いてもらい、それから最後にエンパナダを食べた。
やっぱりあまりにも美味しくてペロリと5つ食べてしまった。

photo:07





荷物をまとめ部屋を綺麗に片づけた。

机の上にはヘロニモの若い頃の正装した写真や何かのトロフィーが飾ってあった。


「フミ、またいつでも戻ってきて。ここはあなたの家だからね。」


エクアドルのヒッピー宿で出会ったヘロニモとマリアンナ。
少し会話してすぐに仲良くなり、色んなところに一緒に行き、色んなことにチャレンジした。

ジャングルの中での生活も、レストランやバスの中で歌ったことも、もはや懐かしい日々。

そして間違いなく南米での1番楽しかった日々。


ヘロニモ、約束は果たしたぜ。
今度はいつか日本に来るって約束、日本で待ってるからな。








暗くなった住宅地の中、バス停まで見送ってくれたママとルイス。

心配してターミナルまでの行き方を何度も説明してくれる。

そしてバスがやってきた。


「ママ、本当にありがとう。ヘロニモとママと家族のみんなに会えて本当に良かったです。」


「フミの旅が無事に終わることを祈ってるわ。世界を楽しんで!!」


バスの入り口から体を乗り出してハグをした。

走り出したバスのドアが閉まり、シートに座ってぼーっとしているとドライバーのおじさんがニコリと笑ってくれた。









バスターミナルに着いた。

人でごった返すプラットホーム。

さぁ、とうとう南米最後の街へ向かうぞ。

photo:09










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色んなことがあったなぁ

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3月25日 火曜日
【アルゼンチン】 ブエノスアイレス





何かで1位になることってとても難しい。


俺には何がある?

音楽で1位になれるか?
とてもじゃないけどそんなの無理。


旅人部門で1位になれるか?
いや、話にならない。


では歌では?ギターでは?ハーモニカでは?作詞作曲では?路上パフォーマーでは?世界一周では?



全部の世界で凄腕の人たちがいるし、上にはどこまでも上がいる。

とてもじゃないけど1位になんてなれない。



じゃあ世界を旅する路上パフォーマーというジャンルでは?
いやいや、これもすごい人がわんさかいる。


日本人で世界を旅する路上パフォーマーでは?
んー、すごい人いっぱいいるんだよなぁ。



じゃあ思い切って、日本人で世界を旅してて路上パフォーマンスをしててギターとハーモニカを吹いて日本語と英語とスペイン語の歌をうたうフォークシンガーというジャンルでは?


そこそこいいとこ行くかもしれない。


1位になるのはとても難しい。
でもそれなら思い切ってジャンルをどこまでも細分化して自分にしか出来ないことを突き詰めていけばいい。

金丸文武という人間が作り出すもの、というジャンルなら誰にも負けない。


人の真似ではなく自分だけの道を突き進めば、むしろ比べること自体おかしなことのように思える。



1位になるということは自分をどれだけ信じられるかということ。











まだ暗い夜明け前。

バスは明かりのついたターミナルに到着した。

ぞろぞろと静かに降りて行く乗客たち。
それに混じって俺もギターを抱えてバスを降りる。


人ごみの後をついて建物の外に出ると、少し肌寒い朝の風が吹いた。


photo:01



スーツを着たおじさん、綺麗な身なりの女の人たち、みんなが慌ただしく無表情で歩いている。

朝もやにけむる高層ビル。

時間は朝の7時。


南米最後の街、ブエノスアイレス。

photo:02











ひとまずセントロに向かおうと、人に聞きながらビルの下を歩いていく。

3月という今までの人生では花が芽吹いて色が鮮やかになるこの季節に、ブエノスアイレスの歩道は街路樹の落ち葉が寂しく風に吹かれている。

そんな道を1人で歩く。

荷物が肩に食い込んで腕が痺れる。







今日は25日。
南米を脱出するフライトは明日の朝だ。

間に合った…………


きつかった。

猛ダッシュの南下の中、見るべきものやるべきことは全てクリアーした。

毎日歌ったおかげでお金も底を尽きることはなく、なんとか手持ちは230ドルほどある。


明日の飛行機を乗り過ごさないためにも今夜は空港で過ごすつもり。

最後の街なので少しは観光もしたいところだけど、荷物がとても重い。


ブエノスアイレスにはカミニートという色鮮やかな建物が並ぶ一大観光地やその他にも見所は多い。
アルゼンチン人の友達もみんなブエノスアイレスは観光するべきところだぜと言っていた。



でももういい。
半年以上過ごしたこのラテンアメリカ。観光なんてもういい。

人との触れ合いこそが南米の最大のアトラクションなんだ。

路上やるぞ。







photo:04



photo:03



荷物にふらつきながら歩いていると、綺麗なショッピングストリートを発見。

はるか先まで歩行者用のメインストリートが伸びており、建物はどれもヨーロッパ調の美しいバロック様式。
どうやらここがこの街の中心地みたいだ。

まだ10時前なのでほとんどのお店が開いてなく、通りは閑散としている。






ひとまず辺りを歩き回り、カテドラルのある中央広場を見て回る。

photo:05



疲れてベンチに座ってタバコをふかす。
都会の喧騒が少しずつ増していき、通りをひっきりなしに車が行き交っている。
歩いている人たちもみなオシャレな服を着て洗練されている。

タバコはあと10本くらい。
オーストラリアは税関が厳しいのでこれも吸い切ってしまわないとな。

photo:06



photo:07










さっきのメインストリート、フロリダ通りに戻ると、すでにものすごい数の歩行者が通りを埋め尽くしていた。
すごいな、ブエノスアイレスさすがに大都会だ。

photo:08





そんな美しい街の中に見慣れた人たちの姿。
道端でマクラメのアクセサリーを売るドレッドヘアーの男たち。

この南米でこうしたヒッピーたちにどれほど助けられたか。

photo:09





「アミーゴ、歌をうたいたいんだけどどこでやればいいかな?」


「ヘーイアミーゴ!!このフロリダ通りはどこでもやりたい放題さ!!ホラ、こっちに来て、あそこの信号を渡った先のところが1番のスポットでみんな演奏してる。それともう少し向こうのほうの………」


立ち上がってわざわざ一緒に歩いて案内してくれるヒッピーの兄さん。

そしてアスタルエゴと言って笑顔で親指を立ててくれた。

本当に今までありがとう。








photo:10



キングバーガーで50アルペソ、5ドルのセットを食べていい場所を探して歩く。

ポツポツと路上パフォーマーも出てきて、みなアンプとマイクを使ってレベルの高い演奏を披露している。

俺も負けてられないぞ、と思って歩いていく。

photo:11










ところでこのフロリダ通り。綺麗なお店が立ち並び、オシャレな人々が集まる南米でも指折りのショッピングストリートなのだが、



ここには妖怪が住んでいる。




その名もカンビオ妖怪。




★フロリダ通りに無数に生息

★通りに立って一般人と同化しておりぱっと見では妖怪とわからない

★カンビオ~、カンビオ~、カ~~ンビオとひたすら1人で言っている

★アメリカドルに目がない

★他のお金はあまり欲しがらない

★たまに偽札を渡してくる

★鳴き声はカンビオ~のみで妖怪同士はそれで会話ができる





この妖怪が5メートル置きに立っています。


カンビオ~カンビオ~、カンビー……オ!!


カンカンカンビオ!!カンビオ!!



それぞれに鳴き声が違い、大声でカンビオー!!と叫んでるやつもいれば、通り過ぎる瞬間にほんのかすかに、カンビオ……とつぶやくいぶし銀もいます。

ひと息でカンビオを10回くらい連発したり、緩急高低を変幻自在に織り交ぜカンビオソングを歌うベテラン妖怪も。




そんな彼らは闇両替商です。

この前も書いたようにアルゼンチンは経済状況が悪く自国の通貨よりもアメリカドルのほうが強いです。
正規レートと闇レートで大きな差があります。

オフィシャルレートは1ドル=8アルゼンチンペソくらい。

闇レートだと1ドル=10アルゼンチンペソくらいくれます。

多分ピン札の100ドル札ならもっと良くなります。


かなりいい商売なんでしょう。
若者からギャルな姉ちゃん、爺ちゃんまで様々な妖怪が通りに立っています。

もうマジで大袈裟じゃないです。

これ大袈裟じゃなく、1秒に1回くらいの割合でカンビオと耳にします。

なので1分で60回は聞きます。
1時間だと3600回です。

僕はこの日6時間ほど通りにいたので、少なく見積もっても2万回はカンビオという言葉を聞きました。

ゲシュタルト崩壊どころじゃないです。


あ、カンビオとはスペイン語でチェンジという意味です。








そんな妖怪たちの攻撃をかいくぐりながらなんとか良さそうなポイントを発見。

右側と左側に妖怪が1人ずつ立っているけど、これでも少ない方。

人通りの多いところに行ったらもうカンビオカンビオー!!が通りに絶え間無く響いていて頭おかしくなりそうです。

エコーズact1のスタンドの使い手でカンビオって擬音を貼り付けてきます。








というわけで演奏開始だけどカンビオ妖怪のカンビオーカンビオーが気になって歌に集中できねえええええ!!!!!

向こうからしたら俺のほうこそ邪魔なんだろうけど………


でも頑張って歌い続ける。これが南米最後の路上だぞ。
今までも色んな妖怪がいっぱいいたじゃねぇか。
そんな中で南米を生き抜いてきたんだ。







しかしお金の入りはめちゃくちゃ悪い。演奏はいい調子だし場所も悪くない。

どうしたことだ。全然人が足を止めてくれない。

1時間やって足元には20アルペソくらい。たったの2ドル。



や、やや、ヤベェ…………

こんなんじゃ話にならねぇ。





photo:12



場所を変えてもう少し雰囲気のいいポジションで再開。

ポツポツと足を止めてくれる人たち。
拍手も起きはするがお金の入りは伸び悩み。

3時間頑張って足元のギターケースには………

わずかに130アルペソ、13ドル………



ま、マジですか………

確かにこのフロリダ通りにはたくさんのパフォーマーがいる。
でも今までもそんな中でやってきた。


最後の路上で大フィーバーで南米バイバイ、ってそんなイメージだったのにそうはうまくいかなかったか………

南米でちやほやされて調子に乗んなよってとこか。

修業が足りんな………

オーストラリアでは死に物狂いで頑張らないと。








ああ……やることは終わった。

南米でやることはもうすべて終わった。

もう後は空港に向かって朝を待つのみ。

優しいカンビオ妖怪が空港への行き方を教えてくれたので何も問題はない。


でも最後の最後に会う人がいる。



photo:13



photo:14



フロリダ通りではこんな本場のめちゃくちゃクオリティの高いタンゴパフォーマンスも見ることができる。
カッコよすぎ。










photo:15



夜になり、フロリダ通りに街灯がともり人の数も少しずつ減ってきた頃、待ち合わせ場所の広場に座っていると懐かしい声が聞こえた。


「あー、いたいたー!!元気だったー?」


「うわー、フミさんお久しぶりですー。」



顔を上げるとそこには懐かしい笑顔。

ラテンアメリカの旅の中で何度も色んなところで会ってきたエビちゃんとヨシコさんカップル。



「うわー!!久しぶりー!!」


最後に別れたのはエクアドルのキトだったかな。

それからも色んなところで会う機会はあったものの俺のスローペースで結局ずっと合流できないままここまで下ってきた。




思えば2人に会ったのはあのメキシコシティーの宿。

そして今またアルゼンチンで再会。

ラテンアメリカの最初と最後に会うことになったわけだ。
なんて縁があるんだよ。




エビちゃんたちが泊まっている宿にいた日本人の方も一緒に来られていて、みんなでご飯を食べに行った。

メニューはもちろんアサド。

photo:16



photo:17




アルゼンチンのアサドは南米最高の食べ物。

これまでの南米の味気ないご飯のイメージが吹っ飛ぶほどに全てが美味すぎる。

付け合わせのサラダとラー油みたいなのがまた感動的な美味さ。

photo:18



photo:19












ヨーロッパ、アフリカ編ではほとんど日本人と交流がなかった。

宿に泊まらなかったし、ヨーロッパは日本人旅人があまり滞在しないところ。

いつも1人で動いていて、ブログの中で他の世界一周旅行者たちが和気あいあいと団体行動しているのを、斜に構えて見ていた。

それの何が楽しいんだって違和感ばかり持っていた。




それが北米に入り、カッピーユージン君たちと旅し、中米南米でどれほどたくさんの日本人旅行者たちと過ごしたことか。

結局人気のコースを回れば日本人と会わないことのほうが難しい。

そうなれば別に望んで避けたりしないし、面白いやつらに出会うたびに、次第に斜に構えていた感覚は消えていった。

逆にそんな中でも、1人の旅こそ本当の旅っていって団体行動を頑なに避ける人がいるんだけど、そういった人の方に違和感を感じるようになった。

完全に旅の最初のころの自分。




日本人だろうが外国人だろうが、バッグパッカーだろうが現地の人だろうが、出会った人、今目の前にいる人とのその一瞬を心から楽しめるようになれれば、きっと旅はもっと楽しくなるだろうな。



みんなに見送られてバスに乗り込んだ。

マヨ通りから8番バスで1時間半ほどの距離。

お金を払おうとしたら運転手のおじさんがニヤリと笑って、金はいらねぇから座ってなと言ってくれた。









乗客が俺1人になり、空港に到着。


「おじさんありがとう!!ムチョスグラシアス!!」


「おう!!いい旅を!!ビエンビアヘ!!」


おじさんはミラー越しにこっちを見て親指を立てた。

photo:20







空港の中にはたくさんの人が夜を越すためにベンチに座っていた。

俺もその中に混じる。

俺のことをチラチラ見ている隣のおじさん。

ほーら来るぞ、そろそろ来るぞ、と思っていると、オラーどこから来たんだい?と笑顔で話しかけてくる。

俺も疲れているけど、下手なスペイン語で会話する。



中南米、長かったな。
こんなに滞在することになるなんて。

町はボロくて、音楽はうるさいし、人はうっとおしいほど絡んでくるし、治安は悪いし、本当ろくな所じゃねぇなと思っていたのに、






今になってあのラテンアメリカのあらゆるもの全てが愛おしく思えて仕方ない。

ここにある全てが、なにか大事なものを思い出させてくれる。


これで終わりなのかと思うと、なんでそんなこと聞くんだよ?というわけの分からないおじさんの質問にも丁寧に答えた。
こんな時すぐテキトーなことを言ってしまっていたけど、最後だと思うと完璧に伝えたくて下手なスペイン語で何度も説明した。








カナダから始まった南北アメリカ大陸の縦断。

色んなことがあったなぁ。



大都会の喧騒にはじかれシェルターに飛び込んだカナダ。

音楽三昧のアメリカ横断。

サルサのリズムで踊り明かしたメキシコ。

危険すぎた中米ローカルバス南下。

拷問だったカリブ海漂流。

バスキングの自由さを教えられたエクアドル。

そして素晴らしい自然と遺跡たち。



全ての日々がはっきりと焼きついている。







明日、太平洋を渡る。

この旅最後の地、オセアニア・アジア編、スタートだ。






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3月26日 水曜日
【アルゼンチン】 ブエノスアイレス
~ 太平洋






最後のスペイン語。

photo:01





そして神と共に行け、という意味の別れの言葉。

アディオス、ラテンアメリカ。









photo:02



なんの問題もなくアルゼンチンの出国カウンターでスタンプをもらう。

審査官、チェックインカウンター、行き交う人たち、みんながいつにも増して優しい気がする。

女の人なんてみんな俺をジロジロ見すぎ。

いやー、困っちゃうなー。






だってこれからの、

photo:03









これだもん。

photo:04






ゆうべ空港のトイレで変身しました。


片道チケットでオーストラリア入国というミッションが待ち構えているのでね。

このヒゲの写真を日本の彼女に送ったところ、クスリのやり過ぎでやつれたジャンキーにしか見えないと言われました。


トンカツにするぞコノヤロウ!!







てなわけで今の俺はどっからどう見てもただの爽やかアジアンボーイですね。

ギターケースはズタボロで廃棄物みたいですけど。





というわけで飛行機に搭乗。

photo:05




あんまり人気ないのか席ガラガラで4列のシート貸し切りにして寝っころがる。

ご飯が嬉しい。

photo:06










ロシアに入って1時間だったかな?時差が生まれた。日本よりも1時間遅れ。

それから西に向かうに連れてどんどん時差は広がり、どんどん日本よりも遅れていった。

つまり日本の人よりも多く生きているということ。



ヨーロッパに入ると時差は7時間くらいになり、大西洋を越えると14時間とかになった。

西に行くほどにどんどん日本の時間と引き離されていく。




そして今日の飛行機。

太平洋を渡っていく。

時差はどんどん広がる。16時間になり18時間になり20時間になり………



あああ、このまま引き離されたら25時間、27時間と日本と1日遅れになってしまうぞ。



あああ!!日本と1日遅れにーーーー!!!








ドギャン!!!


時間がぶっ飛んだ!!



ディ、ディアボロ!?


血のしたたりでタイミングはかるの忘れてたあああああああ!!!!!!







時間がぶっ飛んで24時間遅れになった瞬間、日本よりも2時間先に瞬間移動というディアボロのあれ。



いやー、地球すげー。
世界一周すげー。

僕たちは時間に支配されている。というか太陽に支配されてるのかな。








もうおわかりですね。

今日の日記はディアボロのことを言いたかっただけえええあえええええ!!!!!!!







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