サンペドロを求めて山里へ

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1月24日 金曜日
【エクアドル】 キト ~ バニョス






「フミー!!行くなんて言うなよー!!もっとここにいてくれよー!!」


「フミ、南米で困ったことがあったらいつでもメールくれよ。」


「アルゼンチンに着いたら連絡するんだぜ!!何日でもうちに泊まっていいから!!」


「フミ~マリワナ~、フミマリワナ~。」



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荷物をまとめて部屋を出るとヒッピーのみんなが声をかけてくる。

ボロボロの階段、レゲエミュージック、相変わらず狭い廊下でサッカーをしてはしゃいでいるやつら。

仲の良かったアレハンドロが屋上から階段を駆け下りてくる。


みんなといつもの拳をコツンと突き合わせる挨拶をした。

南米のイケてるやつらの挨拶。

最初は慣れなくてタイミングがわからなかったけど、今では完璧にみんなと拳を合わせられる。

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気がついたら3週間以上も滞在していたこのヒッピー宿。

今思えば、汚いとかシャワーが水しか出ないとかそんな設備のことなんてどうでもいいこと。


途中やってきたあのだらしないビッチのせいで嫌なことはあったけども、他のヒッピーたちはみんなとてつもなくフレンドリーだったし、良い奴らだった。


彼らから得た普通じゃ絶対に手に入らないような南米旅の裏情報は、きっとこれからの南米南下をめちゃくちゃ刺激的なものにしてくれるはず。


人生を楽しむことに全力を尽くし、そしてそのやり方をとてもよく知っている彼らの生き方は、堅苦しい日本で生まれ育った俺にはとても自由に見える。

自由のために様々な責任を放棄してはいるんだろうけど、この南米ではそんなこと大した問題ではないのかもしれない。



「フミは働きすぎだぜ。もっと楽しまないと!!」




そうかもしれないね。
でも俺にはこれくらいが丁度いいよ。



いつも何かに挑戦し続けること。

それを達成したら次はもっと大きな何かに突き進む。

達成する度に生きてる意味を感じさせてくれる。

いつかもう満足だと思える日が来るのかな。
それとも死ぬまで追いかけ続けるのかな。






とにかく今はこの南米を脱出するため、3月26日までにアルゼンチンまでくだらないといけない。

現在の所持金は3千円という笑いも出ない状況。


移動費や宿代、飯代、観光地の入場料を稼ぎながら2ヶ月以内にブエノスアイレスに辿り着かないといけない。

はっきり言って絶望的にヤバイ。






でもやらなきゃいけない。

もう航空券を買っちまった以上、やるしかない。


必ずオーストラリアで美味いビールを飲んでやるからな。

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宿を出て、最初の曲がり角。

ケータ君に手を振る。


「じゃあ、気をつけてください。」


「うん、そっちもね、山道気をつけて。」


今度こそ今生の別れ………ではなく、また今夜次の町で落ち合うんだけどね。


次の目的地はキトからアンデスの稜線をなぞるように南に3~4時間ほど下ったところにあるバニョスという小さな町。

ひなびた、緩やかな空気が流れる山里だそう。

宿のヒッピーたちもみんな、バニョスはマジでいいとこだから行くべきだぜと言っていた。

フミの仕事にもピッタリのとこだぜって。

現在の所持金がほとんどないので、稼ぎながら刻んで行くしかない。








というのは後付けの理由で、こんな山奥のまったくわけのわからない田舎町に立ち寄る本当の理由は他にある。


そう、このバニョスからさらに3時間内陸に入り、広大なジャングルが広がる奥地に、






あのサンペドロを作っているインディアンのシャーマンがいる。




サンペドロというサボテンから抽出された液体を飲むことによって、ものすごい幻覚を見ることが出来るらしく、話では植物と会話が出来るようになるという。


南米の深いジャングルに息づく神秘の文化、どうしても体験したい。


というわけで、ここ数日ヒッピー宿の連中に色々と聞き込みをしていたんだけど、なんとか手がかりをゲットした。



これ。








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この1枚の写真。

そしてスペイン語が書かれた1枚の紙。





『テナの町から2番バスに乗り、最初の川を越えてジャングルの中に入り、その集落でリーナという女性を探せ。』






これを当てにして探し出せという。

ジャングルの中で。


な、なんの宝探しゲームですか(´Д` )?





しかしタイミングよく、このサンペドロの情報をくれたあのヘロニモとマリアンナが、現在バニョスに滞在しているという。


道もわからないんだけど、シャーマンの女性はインディアンということで、スペイン語の喋れない俺1人ではとても交渉することは難しいという。


なんとかヘロニモたちと合流して一緒に宝探しをしたい。



会えるか会えないか。

いや、なんとなくあの2人にはまた会えそうな気がする。

サンペドロが俺を呼んでいる。

さぁ、アンデスの山々に抱かれた山奥の村に向かうとしよう。










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市内からトロリーバスで1時間南に下った郊外にある南バスターミナルは、まだ新しいのかとても綺麗で近代的だ。

しかし周りを見渡せば雄大に連なる山々に雲がかかり、途方もない大自然の中にいることを実感させてくれる。

バニョス行きのバスは1日に何本も出ており、値段は4時間近い距離で3.5ドルという激安の値段。

エクアドルのバスはとても安い。








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バスはそんなアンデスの山懐を縫うように進んでいく。

どこまでも広がる真っ青な空には不思議に輝く雲が浮かび、まるでその向こうから巨大な鳥でも飛んできそうな、そんな幻想的な光景。

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アンデスの移動は昼にしたい。
だって夜ではこの絶景を拝めないからな。

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バスは途中途中の小さな町に立ち寄りながら、あっという間にバニョスに到着した。

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んー、

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ただの日の影だ、これ。






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目の前に迫る山に囲まれたのどかな町。

時が止まったような商店街。
元気に走り回る子供。

そんな町並みが日本の過疎の田舎を思い出せて、どこか懐かしさすら覚える。

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バスターミナルでは心ばかりの客引きが遠慮がちにホテルを紹介しているが、俺はもう目星をつけている。

ターミナルの横がすぐ町の中心部になっており、のんびりと歩く。


中南米の町ではどこでも陽気なラテン音楽をバンバン流してるってのが普通だけど、この通りはとても静かでゆるやかな空気が漂っている。






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そして歩いてわずか3分くらいで町の真ん中にあるホステルに到着。

雑居ビルの一角にあるチェルビックホステル。

レセプションには感じのいいお兄さんがいた。



シングルルーム、
ホットシャワー、
Wi-Fi、
キッチン有り、
屋上有り、


これでたったの4.5ドル。

キトのヒッピー宿に1ドル足しただけで、この夢のような内容。

さらに3泊分を先払いしたらランドリーが無料になり、5泊分を先払いしたら6泊目が無料になるという割引きまである。



ケータ君が夜になったら来ると行っていたのでツインベッドの部屋にチェックインして荷物を置いてベッドに倒れこんだ。


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清潔なシーツ、バネのきいたベッド、静かな宿内、






て、天国だ…………

ここは天国でしかない……………





ソッコーでシャワーを浴びると、なんとお湯が出る。

すげええええええええええええええ!!!!!!!!
お湯が出るううううううううううう!!!!!!


うそだろ?
いつでも24時間、好きな時に暖かいシャワーを浴びられるの?
追加料金とか払わなくていいの?
天国なの?



別に決して最高レベルの宿ではないし、あくまで4.5ドルの安宿だけど、今までスーパーオンボロの闇宿に泊まってたおかげで全てが神の住まいにしか見えない。



もうウッキウキで荷物を置いて散歩に出かけた。








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宿から歩いて1分でこの町のメインストリートに出る。

メルカドやスーパーマーケットなどの地元の人たち向けの場所もあるんだけど、それ以上にお土産物屋さんや高そうなレストランがたくさん並んでいる。

どうやらこの町は完全に観光地として機能しているみたい。


白人旅行者やバッグパッカーがとてもたくさん歩いている。






こんな山奥の町がどうしてそんなに観光客を集めているのか。


町中にはものすごい数のツアー会社がひしめいており、さらにレンタルバイクやレンタル自転車のお店がたくさん並んでいる。

雄大な自然と、それを活かしたサイクリングやツーリングが人気みたい。

白人が好きそうなアクティブ系のアトラクションも多いみたいで、ずぶ濡れになりながら滝をロープでよじ登ったり、断崖絶壁をワイヤーと滑車で空中スライダーしたり、とにかく町の全体が白人向けの遊園地みたいになっている。



でもこのバニョスが人気なのはそれだけではない。

バニョスって名前、これスペイン語でトイレって意味なんだよな。

名前がトイレってどんな臭い町なんだろうって思っていたけど、よくよく聞いたらバニョスってはバスルーム、つまりお風呂って意味だった。



そう、このバニョスは名前の通り温泉が湧く一大保養地として有名な場所なのだ。

雪が残るほどの大きな活火山に囲まれた、アンデスの秘密の保養地ってわけだ。


そして町の真ん中にあるこのシンボルの教会はおとぎの国みたいな佇まい。

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町の中心部を外れると、寂しげな通りがのびており、おじさんやインディアンのおばちゃんが腰かけてノンビリお喋りしている。



1人でぼんやりと歩いた。

誰も俺のことを知らない。

谷を渡る風が、孤独を連れ去る。

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若い頃、遠い場所に憧れてどこまでも知らない道を進んだ。

日本中の津々浦々、秘境や島や、過疎の進む地方都市に行くのがたまらなく嬉しかった。

分かれ道があったら、あえて迷いそうな道を選んで探検した。


そこに生きる人、スナックの女の人、神社とか港とか、

別の人生に触れることで、たまらなく胸が苦しくなる。

俺がこっちの人生だったら、どんな生き方ができたのか。



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この坂道の横の普通の家にただいまー、と帰ることができるなら、誰が俺を待っててくれているのか。

どんな幼馴染や友達や女の子や嫌な大人たちが周りにいるんだろう。

俺はどんな性格に育っていたのだろう。



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若かったからなのか。


でも今も、遠くへ行きたい気持ちになんら変わりはない。


この南米のアンデス山脈の中、霞む山々の連なりを見ていると、また牧水の歌が浮かんだ。


幾山河 越えさりゆかば 寂しさの
果てなむ国ぞ 今日も旅する












家の横の脇道を下りていくと、断崖絶壁の上に出てきた。

おおお、こりゃ怖え。

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はるか下に川が流れており、上空には大きな橋がかかっている。

映画の中みたいな場所だな。


谷から吹き上げる風が気持ち良くて、地面に座ってぼーっと山を見ていた。








いやあああああああああああああああああああ!!!!!



いきなり谷に女の人の叫び声が響き渡った。

反響してこだまする。



な、なんだ!!??



バッと橋の下を見ると、女の人が真っ逆さまに落下していた。



うわっ!!!!
見ちまった!!!



と思ったら、その女の人、ビヨヨヨーンと空中で跳ね上がってブランブランぶら下がっていた。


なんだ、バンジージャンプか。




イヤッハアアアアアアアアア


イエエエアエエエエエエエエイイイイ



谷間に女の人の叫び声がどこまでも響き渡った。

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さてと今日は移動してきたしゆっくりしようかな。


と言いたいところだけど、宿に戻ってギターを持ってメインストリートへ向かう。

お金ないですからね(´Д` )
金曜の夜は歌わないわけにはいかないです(´Д` )




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暗くなったメインストリートにはたくさんのレストランが並び、人で溢れていた。

ひときわやかましい通りには白人向けのクラブとバーがひしめいており観光客がヒャアアアア!!と興奮して雄叫びを上げている。


白人は騒げばいいと思ってる、の見本みたいな通り^_^



歩道にはたくさんのホーボーヒッピーたちが布を広げ、その上に手作りのアクセサリーを並べて売っている。

こんな山の中の小さな町なのに、近隣からやってくる観光客ですごい活気だ。








そんな一角でギターを鳴らした。

すぐに人だかりが出来上がり、ヨーロッパ、カナダ、アメリカ、そして南米の各地からやってきた旅行者たちが声をかけてくれる。

久しぶりの1人路上、そして久しぶりの新しい町。

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暖色の街灯が人だかりを浮かび上がらせる。

それの近くの白いひが
安いリボンと息を吐き
落下笠めのノスタルジアと
ゆあーん ゆよーん ゆやゆよーん


2時間やってあがりは31ドル。

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キトよりも少し高い150円のビールを買って宿に戻ると、宿の前にケータ君のバイクが止まっていた。

お、無事に着いたみたいだな。


入れ違いでご飯食べに行ってるみたいだったのでロビーでWi-Fiを繋いでビールを飲んでいると、しばらくして帰ってきた。

もちろんビールを持って。



「お、やっぱり考えること一緒ですねー。」


「そうやねー。」


「ヘーイ!!日本人かい?!調子はどうだい!?」





ロビーにいた南米人の兄ちゃんたちと仲良くなり、おしゃべりしながらみんなで飲んだ。

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さぁ、新しい町、初日からもうすでに半端ないくらい虜になっている。

今からどれほど大好きにさせてくれるかな。


明日はケータ君とツーリングに行こう。



「フミ!!ケータ!!アルゼンチンに来たら必ず俺のうちに遊びにきてくれよ!!一緒にドライブしようぜ!!」


アルゼンチン人のダミアンが自作の絵を持ってきて俺たちの前に広げた。

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暴走族だったあの頃

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1月25日 土曜日
【エクアドル】 バニョス



photo:02



男の子なら誰でも1度はそういう時期があったと思うんですが、だいたい中学後半から高校前半のころって、バイクに憧れてブンブンブーン!!とかいきがります。


まぁほとんどの人は実際乗り回したりはしません。

ヤンキーのすることです。


ヤンキーって田舎に多いじゃないですか。

だから宮崎ってマジヤンキー半端なく多いんですよ。

僕の周りにもたくさんいましたので、いつもそいつらと遊んでましたけど、僕自身はバイク乗ってブーン!!とかはしてませんでした。

健全にロック少年でした。

金髪にしてギター弾いてました。








そして今思い出してみると、あの頃のケータ君はほんとにひどかったなぁ………

直管マフラーでエビテール、ハンドルを鬼曲げして、毎週土曜日の夜になると宮崎で1番賑やかな橘通りでフカしまくっていました。





そうです、彼は暴走族だったのです。




若者のギャラリーがタコ踊りして煽る中、彼らは道路を封鎖して街にゴッドファーザーのテーマを轟かせていました。
特攻服着て。

ちなみにケータ君の特攻服に刺繍されていた文字は「日南最狂」でした。



あの時のケータ君はほんとに危ない男で、とにかく近隣では名の知れた男でした。

僕はヤンキーでもなんでもなかったんですが、ケータ君とはよく遊んでいました。

危ない男だけど、僕のことは慕ってくれていました。



1度街を歩いている時に、変なガキが僕に絡んできたんだけど、その時ケータ君、いきなり持っていたジョージアのエメラルドマウンテンでそいつの頭を殴って血まみれにしたことがあって、僕が止めなければ彼は今ごろ前科持ちだったかもしれません。


ただ、いつも私服が山本寛斎のセーター、セカンドバッグを脇に抱えて、サンダルをはいてるという格好だったので、一緒にいるのが恥ずかしかったです。





あれからずいぶん月日も経ちました。

いつかトラック乗りになって日本中を駆け巡るとですよ!!って、オグラでチャンポン食べながら言っていたケータ君の言葉、今も覚えているよ。


あのケータ君が今、南米の地でこんなにこやかな笑顔をしているのかと思うと、あの頃が懐かしく思い出される。


あの頃のすさんだケータ君がこんないい笑顔しているのがすごく嬉しいよ。






嘘です。
ケータ君とはこの前メキシコで会いました。

若い頃のケータ君とか知りません。
日南最凶ではないと思います。

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はい、今日はそんなケータ君の鬼ドリフトで山攻めをしに行きます。

なにやらこのバニョスの町からバイクで20分くらいのところに大きな滝があるそうな。
ホステルのスタッフが言うにはエクアドルで1番の滝みたい。


普通はみんな自転車をレンタルしてサイクリングしながら向かうみたいだけど、俺たちにはケータ君のバイクがある。


旅中にバイクでツーリングできるなんて思ってなかった!!!

嬉しい!!
ケータ君!!後ろに乗るのが男でゴメン!!




てなわけでホテルのスタッフにヘルメットどこでレンタルできますか?と聞いたら、俺の持って行けやと自分のヘルメットを貸してくれたので、超グラシアスって言っていざ出発!!!








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ただの日之影みたいな町を抜けて走って行きます。

太陽に輝く緑がとてつもなく気持ち良くて、宮崎の田舎育ちとしては開放感に心から包まれます。

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大きなダムがあったり、水がしたたる暗いトンネルがあったり、日本の山を駆け巡っていた頃が懐かしい。

まるで木曽街道あたりを走ってるみたい。

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道の途中途中に観光客用のアトラクションがあり、谷に渡されたワイヤーを滑車で滑り、体ひとつで飛んでいくという恐ろしいことをやってる白人たち。

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ゴーカートみたいな小さな車でブンブン山道を走っていく白人たち。


さらにさらに、クラブミュージックをガンガン谷間に響かせながら走ってきたのはド派手なトロッコバス。
白人の若者たちがたくさん乗っており、フォオオオオイイイ!!!!イエエエエエイイ!!!と叫びながら走っていった。


一体何が楽しいんだろう………





そんな白人たちを横目に、道端のあばら家でチキンを焼いてたおばちゃんのところでご飯を食べ、さらに先へと進んでいく。

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しばらくすると、ほんの小さな集落に入った。

食堂や土産物屋さんがポツポツと並んでおり、ここがそれなりの観光地だということがわかる。


道をたずねながらそんな集落の脇道に入り、ガタガタの未舗装道路を進んで行く。

周りにはひたすら森が広がり、遠い山から流れてくる川には透き通った水が流れている。


高地の澄んだ空気と川のせせらぎが混ざり合い、とても心地がいい。

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そこから先にはゲートがあり、入場料の2ドルを払う。

ジャングルの中の遊歩道を歩くのってワクワクさせてくれる。

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澄んだ川沿いに歩いて行くと、遠くから低い音が聞こえ始め、急に豪快な滝が現れた。

流れ落ちた川は神秘的な色をたたえた滝壺の空間に飛沫をあげて吸い込まれていく。

木々のツルが垂れ下がり、秘境感を演出している。

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緑色のきらめきと薄暗い滝壺が、宮崎の高千穂を思い出させる。








いやー、綺麗だね、

うん、まぁまぁだったね、






と話しながら帰ろうとしたんだけど、まだ先に道があったので散歩がてら行ってみることに。


ジャングルの中を進んで行くと、所々、木に同化するかのようにかつての橋の跡やワイヤーが残されており、過ぎ去った時間が胸に迫る。

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昔からの観光地だったんだなぁ………と歩いて行くと、いきなりこんなものが目の前に立ちはだかった。







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ちょ、これ無理!!

高すぎる!!!




目のくらむような断崖絶壁に吊り橋がかかっていた。

山々の間に渡された冗談みたいなスケール。

さっき入場ゲートのおじさんが、お酒は飲んでないよね?と確認してきた意味が分かった。


これはマジでヤベェ(´Д` )




「どうしたんですか?行きましょ?」


そう言って平然な顔をして橋に足を踏み入れるケータ君。


おお、お、俺だって綾の大吊橋がある宮崎出身の男だ。





恐る恐る足を乗せると、ぐわんとたわんだ。


ここここかここ、ここ、怖すぎる(´Д` )!!!



ちょ、ケータ君!!待って!!マジオシッコ漏らす!!


うわっ!!すげぇなんだあれ!!!





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橋の途中から横を見ると、切り立ったものすごい高さの崖から水が吹き出して一筋の滝が落下していた。

さっきの神秘的な滝はただの始まりにすぎず、こいつが本物のエクアドル1番の滝だった。


落下した滝ははるか下の滝壺で砕け、また川となり流れていく。

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よく見てみると、その滝の両脇のいたるところに展望スペースがあり、人の姿が見える。

滝が巨大すぎて人の大きさが米粒みたいだ。


その壮大なスケールが一端の冒険をしてるような気分にさせてくれる。





頑張って吊り橋を渡りきり、滝に近づいていく。
そして手を伸ばしたら滝に触れられるところまて行くことができる。

滝の裏側に回ることもできる。

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こいつはすげえ。

滝のエネルギーと、山の中にいきなり現れる秘密のものを見つけたような感覚が大好きで、日本でも100名瀑をたくさん見て回った。



このディアボロの滝だったかな?

スケールや吊り橋などのシチュエーションも含めて、日本100名瀑に負けない見応えだ。

ちなみに100名瀑のお気に入りは尾瀬の三条の滝です。
他にもいっぱいあるけどね。

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この人は何をやってるんだろう。









そんなアドベンチャー気分を味わえる滝と緑が気持ちいいツーリングを楽しみ、また来た道を戻ってバニョスの町に帰ってきた。


その足でそのままやってきたのは…………









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温泉。



なにこの完璧な行楽コース。

栃木?ここ栃木?

佐野ラーメン食べたい。







入泉料は2ドル。水着の着用が必須で近くの商店で1ドルでレンタルしている。


鉄分を含んだ赤茶色のお湯で、大きな浴槽に湯の花が付着している。

たくさんの人々がお湯につかり、子供たちがキャーキャーはしゃいでいる。

俺たちもすぐに着替えてお湯につかった。
少しぬるめだけどじんわりと温まり、火照る顔に冷たい風が気持ちいい。


目の前にそびえる大きな崖と、そこから流れ落ちる滝。
大自然に抱かれたこのシチュエーション。まぁよく出来た観光地だ。











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とまぁどこまでも自然を堪能できるこのバニョス。
こんなに小さな町なのに観光客がものすごく多いってのもうなづける。

こんなエクアドルなんて目立たない国なのにな。

日本人の感覚からしたらエクアドルなんてキトとガラパゴスだけ回って10日もあればOKって感じだけど、欧米人の旅行者たちはこんなマイナーな場所も細かく巡りながらじっくりと旅している。

まぁ欧米人と日本人ではガイドブックに載ってる情報も違うんだけど、マイナーなところに行こうとする冒険心の量も違うような気がする。


まぁ俺も駆け足の旅をしてる日本人。
目立たないところをガンガン攻める時間もない。
早いところサンペドロを体験して先に進むぞ。







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よーし、今日は土曜日!!

ギターを持ってメインストリートに向かうと、すごい数の観光客で溢れかえっている。

観光も温泉も堪能したし、これでバッチリ稼げたら最高だぜ。


さすがに土曜日なので、通りのあちこちに銅像やフォルクローレのパフォーマーがいるが、俺も負けてられない。

たくさんのレストランとお土産物屋さんの間に場所を決めて、ギターを抱えた。







で一瞬でお巡りさん登場。


「ここでやっちゃダメだよ。」


「でもあっちで色んな人がパフォーマンスしていますよ。」


「彼らはこれを持っているんだ。」



そう言って何かの紙を見せてくるお巡りさん。
どうやらパーミッション、ライセンスのようだ。

どこで取得できるかたずねると、月曜じゃないと手続きできないと言う。






終わった…………



この土日で頑張って稼ごうと思ってたのに、歌うことができない。

宿代はすでに3日分支払っている。

なのに歌うことができない。


あああああ!!!どうしよう!!!


この世の終わりみたいな顔をしてるとお巡りさんが続けた。



「夜の21時以降ならこの交差点でやっていいよ。ここの角だけだからね。」


「マジですか!?やったーーーー!!!!ありがとうございます!!!」


昼間に歌えないのはものすごく痛いけど、仕方ない。
夜だけでも頑張って稼がないと。









てなわけでいったん宿に戻ってロビーで日記を書いたりしながら夜を待つ。

この宿には日本人のおじさんが1人泊まってるけど、いつもイヤホンしてケータイいじくってて挨拶しても目も合わせてくれないような人なので一切仲良くなれてない。

そんなおじさんとロビーで無言でiPhoneをいじくり、夜になって部屋から降りてきたケータ君といざ出発。









土曜日の夜のメインストリートは活気に満ちていて、大騒ぎ状態になっていた。

腹ごしらえをして狙っていたポジションへ。
まだ20時30分。

すぐそこでさっきのお巡りさんがこっちを見ている。




ギターを取り出してチューニングをしてケースを広げる。
スタンバイ完了で21時を待つ。

人混みが溢れかえり、早く歌いたくてソワソワする。




あと5分………あと3分………あと1分………



21時と同時に演奏開始。

それと同時に集まってくる人だかり。



photo:26



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そこから2時間。

土曜の夜のクラブの爆音がやかましくて喉が枯れてしまうまで歌いまくった。

エクアドルではまだ見ていなかった5ドル札が2枚も入り、足を止めてくれた人たちと大合唱の大盛り上がり。

やっぱり白人のノリはすごい。

photo:28












「ヘーイ!!!フミーーー!!!」



なんだ?
声のした方を見ると、そこにはなんとキトの宿で仲良くなったあのヘロニモとマリアンナがいた。


「うおーーー!!!ヘロニモーーー!!!」


「元気そうじゃんかーー!!あれからバスでは歌ったかい?」


「そうだよ!!あれからずっとバスで歌ってて、ついに飛行機のチケット買ったんだ!!ヘロニモとマリアンナのおかげだよ!!」


「イエーーーーイイ!!!」



喜んでくれる2人と思いっきりハイタッチした。

photo:29








サンペドロの情報をくれたこの大好きな2人とも会うことができ、めちゃくちゃいい雰囲気で今日の路上は終了。

開始が21時なので、そんなに長い時間できないんだよな。



それなのにあがりはなんと2時間で55ドル!!!



こりゃ1日やったら100ドルいくな。

月曜日ライセンス取りに行こうかな。






「フミ、俺たち明日は近くの町に仕事に行くけど一緒に行かないかい?」


「もちろん!!一緒に行こう!!」


マクラメのアクセサリーや小物を地面に並べて売っているヘロニモたち。
彼らはこの編み物もやるし、歌も歌うし、ジャグリングもやる。

photo:30



あらゆる手段で金を稼ぎながら南米中を旅している筋金入りのホーボーだ。

彼らの仕事、また勉強させてもらおう。
きっと面白い1日になるぞ。










よーし、2人に会うことはできた。

秘密のサンペドロまで、あともう少しだ。





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1月26日 日曜日
【エクアドル】 バニョス ~ テナ ~ ミサワジ





うう………眠い………

ゆうべ寝たのは夜中の3時くらい………


今日はヘロニモとマリアンナと3人で近隣の町に出稼ぎに行く約束をしている。


眠たい目をこすってギターを持って宿を出た。


photo:01




朝8時半の山里には暖かい太陽が降り注ぎ、たくさんの人々が歩いていた。

仕事に向かう地元の人。

土産物屋さんのシャッターを開けるインディアンのおばちゃん。

大きなバッグバックを担いだ白人観光客たち。

公園の脇では絵描きのおじさんが作品を並べている。

photo:02



昨日見かけた天使の銅像パフォーマーが、台座をコロコロ転がしながらやってきた。
金色の体の天使さん。
銅像パフォーマーの出勤姿を見ると、なんだか得した気分になる。


穏やかな空気がとても気持ちいい、山村の朝。











「ハーイ!フミー!!ブエノスディアス!!」


ぼんやりとタバコを吸っていると、少し遅れてヘロニモたちがやってきた。

朝から爽やかな笑顔だ。



「今日はどこに行くの?」


「まずはテナっていう小さな町に行く。そこで少しパフォーマンスする。それからもうちょっと先のミサワジっていうさらにジャングルの奥にある場所に行く予定だよ。前回もやった流れだから大丈夫。さぁ行こうぜ。」



んー、まったく聞いたこともない町の名前。
めちゃくちゃローカルな場所だぞ。
こいつは楽しくなりそうだ。



「そこまで行くバスの値段はいくら?」


「ん?何言ってんだい?もちろんコレに決まってるだろ?」


そう言って親指を上げてクイクイと揺らすヘロニモ。

そういうことね。

いやー、エキサイティングな1日は南米最初のヒッチハイクから始まりだ。

photo:03












「止まった止まった!!行くぜフミ!!セニョール!!テナに行きたいです!!」


「おー、乗ってきなー。」









photo:04



photo:05



荷台に俺たちを乗せた車は、山々の中を駆け抜けて行く。

どこまでも広がる緑、山を貫く渓谷、降り注ぐ太陽があまりにも気持ちいい。

いくつものトンネルをくぐり、曲がりくねったカーブを走り抜けていく。


ダイナミックな自然の中を飛ぶ鳥みたいだ。

photo:06











アンデス山脈の山々を抜け出し、ジャングルエリアの中に入っていくと、いきなり気温がグンと上がった。

標高が下がっただけで、いきなり冬が夏になったみたいに汗がしたたりだした。

頭に水をかぶるヘロニモ。

マリアンナが半袖のTシャツ貸してあげるわと言ってくれる。

photo:07













ジャングルの中の小さな集落で降ろされながら、さらに2台乗り継いでテナに到着したころには時間は13時になっていた。

それなりに栄えたジャングルの中の小さな町。

川南町みたいな感じだな。

近隣の集落の人たちにとってはお買い物もご飯食べに行くのも、お出かけはここなんだろうな。

photo:08








て、ていうかこんな何もない田舎のどこでバスキングするの!?

クソ暑いし!?


「レストランでやるんだよ。このメインストリートにレストランがいくつかあるからそれを回って行くんだ。バスと一緒だよ。2曲やってお金を回収して次のレストランって流れさ。」



おおお…………

また新しい技を体得させてくれるわけですか………

レストランで演奏て。
それこそマリアッチだ。


本当にマジで南米では人がいるとこなら、散髪屋さんだろうがトイレだろうが1曲いかがですか?って勢いだ。



さっきまで山の上で寒い寒い言ってたのに、汗をぼたぼた流しながら町を歩いていく。

そして路上でギターを取り出し軽くマリアンナの歌と合わせてコードを拾ったら、さぁいざレストランバスキング開始だ。








photo:09




「セニョール、2曲歌わせていただけませんか?」


通りにある食堂に行き、お客さんがいるかどうかを確認し、お店の人に演奏していいか尋ねる。

日本だったら、な、なんですか?!警察呼びますよ!?っていうくらいあり得ないお願いだけど、当たり前のように許可してくれ、店内の音楽を止めてくれる。

やっぱ南米すげぇ。



「オラー!!ブエナスタルデス!!僕らはアルゼンチンから旅をしてるヘロニモとマリアンナ、彼は日本から旅をしてるフミです!!お食事中ですが2曲演奏を聞いてくださいー!!」


ヘロニモが慣れた様子で明るく陽気に挨拶。

それから俺のギターでマリアンナが1曲歌う。

店内はいい。
音が響くのでとてもやりやすくて気持ちいい。
バスの中みたいに急ブレーキで吹っ飛ばされることもない。


マリアンナの歌が終わり、拍手が起こると今度は俺の番。
俺が歌っている間にヘロニモがお金を回収して回る。



こんなジャングルの中のスーパーど田舎の小さな食堂。

アジア人なんてテレビの中のジャッキーチェンくらいしか見たこともないような場所なのに、いきなり俺がギター弾いて歌うもんだからビックリした顔でみんなフォークを持った手を止めている。

そりゃ川南町の食堂でいきなり黒人がレゲエ歌い始めたら度肝抜かれるよな。


演奏が終わるとブラボーの声が飛び、お店の人からもう1曲やってくれよとのありがたいお言葉も。


ヘロニモの帽子の中にはたくさんのコインと、なんと5ドル紙幣が。


す、すげぇ、

レストランバスキング!!
めちゃくちゃ反応いい!!


「いいねー!!いいショーだよ!!俺たちトラベルバンドだぜ!!」








photo:10



photo:11



それからメインストリート沿いにある食堂を手当たり次第に回って行く。

演奏を断るお店はひとつもなく、みんなごく自然に受け入れてくれる。

お客さんも、やかましいぞ!!なんて言う人はもちろん1人もいない。

ご飯食べてるとこにマリアッチがやってきて演奏を始める、ごく日常のことなんだろうな。

photo:12





ただお昼の時間を少し過ぎていたのでお客さんのいないお店が多く、40分くらいである程度全部のお店を回り終えた。


みんな朝ごはんを食べていなかったので、腹ごしらえにピザ屋さんへ。


そしてあがりの計算していくと、わずか40分の仕事で…………






33.5ドル。

photo:13






す、すげすぎる…………
1時間もやってねぇのに33.5ドルだと?

本当、旅のヒッピーたちは稼ぎ方知ってるわ。


「えーっと、じゃあこれがフミの取り分ね。」


「ありがとう。………あれ?これおかしくない?」


「なんでだい?」


「…………だってこれ16ドルくらいあるじゃん。3等分したら11.5ドルだよ。」


「それはそうよ、私たちとフミで半分半分よ。おかしい?」



まったくこの2人はどこまでいい奴らなんだ。

数ドルを節約するためにヒッチハイクするくせに、こういうとこでは頓着しねぇんだからなぁ。


「分け前は3等分だよ。当たり前じゃんか。」


「いいのかい?ありがとうな。よーし、じゃあピザを食べたらミサワジに向かおう。ミサワジはマジでものすごく稼げるんだ。」



変な名前の町だなと思いつつ、ピザ屋を出てすぐにバスに乗り込み、60セントでミサワジに向かった。











photo:14




バスはさらに奥深いジャングルの中へと突き進んで行く。

見渡す限りの密林、熱帯の植物が生い茂り、その中にポツポツと弥生時代みたいな茅葺屋根の掘っ建て小屋が見える。

裸で駆け回る子供が見える。

ボンヤリと椅子に座ってるおじいさんや、洗濯物を取り込んでいるおばさん。

マジで時間が止まったような光景。





photo:15



そんなジャングルの中に小さな集会場みたいな広場があり、そこで人々がささやかなパーティーをしていた。

楽しそうだな、と見ていたら、バスを発見した小さな子供たちが全力疾走でバスに向かってきた。

ゆっくりと走っているバスにすぐに追いついてくるボロい服を着た子供たち。


何か売り物でも持ってるのかな?


と思った時、バスの窓から何かがポイポイっと車内に飛んできた。

なんだ?
なに投げ込んできたんだ?と見てみると、それはクッキーだった。

動物の形をしたクッキー。

そしてバスはスピードを加速し、子供たちは何か叫びながらバスを見送っていた。


ヘロニモがクッキーを小さく割って周りの乗客たちに配ると、みんな笑顔でそれを口に入れた。

俺も少し躊躇してそれを口に入れた。

当たり前のどこにでもあるクッキーの甘みが広がった。














バスは弥生時代みたいなジャングルの中でお客さんを拾いながら、どんどん進んで行き、30分ほどで小さな集落に着いた。


向こうの方に大きな川が見える。

どうやらミサワジってのは町ではなく、川沿いの遊泳場のことみたいだ。



バスに乗ってきた人たちはみんなぞろぞろと川のほうに歩いていく。

広場には観光地っぽいレストランが並んでおり、たくさんの観光客の姿。

photo:16



「よし、じゃあ俺は向こうでマクラメのアクセサリーを売ってるから、マリアンナと2人でレストランを回ってくれ。」


てなわけでマリアンナと2人で観光客で賑わうレストランへ。

こんなガイドブックにも間違いなく載ってないようなジャングルの奥地の遊泳場なのに、結構な数の白人たちの姿。

そんなレストランで2人で歌った。




ほんの小さな広場なので3軒回ってとりあえず一回りが終わる。


「うーん、先週来た時はもうすごい数の人でどのレストランも溢れてたんだけどねぇ、今日は全然人がいないわ。」


そう言うマリアンナ。
わずか10分ほどの演奏だったけど、いくらになったかと言うと、


なんと15ドル。
入り方がすげえ。


「先週やったときは10軒のレストランをぐるっと回ってたったの30分で50ドルくらいになったのよ。」


今日はほんとに人が少ないんだろうな。
でもそれでもすごいよ。

あがりはマリアンナと半分半分で7.41ドル。








photo:17



川の方に行ってみるとヘロニモか地面にアクセサリーを広げていた。

今日は人が少ないということで早めに切り上げて、俺たちも川で泳ぐことにした。






photo:18



奥の方に歩いていくと、ちょっとした林があり、ビックリすること日本では見かけないような猿がたくさんウキャウキャ言っている。


すげー!!超近ぇ!!


そんな猿たちを通りすぎて行くと………











photo:19



そこにはジャングルに囲まれた秘密のビーチがあった。


おおお、すげぇ………このシチュエーション。

雲に煙る山から流れ出てきた、とても綺麗な川。
岩場と砂浜が広がり、まさに秘密の遊泳場って雰囲気だ。



photo:20



地元の人たちが日曜の休みに遊びに来てるような感じで、インディアンのおばちゃんとかがぴちゃぴちゃ水につかっている。

全力で駆け回ってる子供たち。

シャンプーしてるおじちゃん。

それに混じって白人観光客たちの姿。

photo:21







いやー!!川で泳ぐとかマジで石並川以来!!


僕の故郷の美々津にも綺麗な遊泳場があって夏場はみんなそこに泳ぎに行きます。

カマボコの板に名前と住所を書いたやつを見張りをしてるオッちゃんに渡してから泳ぐんですが、水量も多く、かなり深いので子供の頃はとても怖かった覚えがある。

ちょうどいいくらいの広さなので美々津中学校のプールの授業は石並川を使ってました。

プールの授業が川。
そんな田舎です。



セミの声が響く森の中、夏の抜けるような空、みんなで木を拾ってきて燃やしたり、夜遅くまで騒いだり。

怖い先輩におびえて逃げたり。

高校生になってからは彼女を連れて行って友達に茶化されたり。


この川の匂い、懐かしすぎてあの頃が一気に蘇る。


あの頃って10代だったんだよなぁ………
あの頃と全然変わっていないつもりでも俺は間違いなく32歳なんだもんなぁ。


エクアドルの川で泳いでるなんて10代の頃には想像もしてなかったよな。






あ、対岸の大きな木にロープが吊り下げられてて子供たちがターザンしてる!!

photo:22



よーし、石並川のロープで誰よりも美しく高くバク宙をしていた俺の技をエクアドルの子供たちに見せつけやろうじゃねえか。


服を脱いで川に飛び込んだ。








一瞬でドザエモンになりかける。



し、死ぬ(´Д` )

流れ早いし(´Д` )




でも久しぶりの川の水があまりにも気持ち良くていつまでも泳いでいた。

セミの声は聞こえないけど、ここはあの頃と同じ夏だ。

photo:23



photo:24













バスに乗ってテナの町に戻ってきた。

もう少しレストランでやってもよかったけど、これ以上遅くなると帰り着くのが夜中になってしまうので、早めにバニョスに戻ることに。


バスターミナルでバニョスへのバスを探す。

するとスタッフに値段をたずねていたヘロニモたちの表情が固くなる。


「………フミ、4ドルもするみたいだ。ふざけてる、キトからバニョスまで3.5ドルなのに半分の距離で4ドルだなんて。」


確かに高い。
かなり高い。


でもすでに日は沈んでいるし、昼間でさえあんまり車が通らなかったジャングルの中で今からヒッチハイクするのはかなり厳しいと思う。

photo:25




ヘロニモとマリアンナがスペイン語で口論を始める。

かなり怒っているマリアンナ。
なだめるように話しかけるヘロニモ。


なんでそんな値段するのよ!!なんで調べてないのよ!!

そんなこと俺に言うなよ、とにかくどうするか考えよう!!



ってな雰囲気。

でもマリアンナは怒って1人でどこかに歩いていってしまった。


残された俺たち。




「フミ、すまん。彼女はよくああなるんだ。」


「仕方ないよ、これが世界中の男の仕事だよ。」


「そうだよな。」



感情的になる女。それをうまく落ち着かせるのは男の大事な仕事。

女の子がヒステリーになって投げやりになるのを、なんでそうなるんだよ!!ってつられて腹を立てていた若い頃。

でも今はそんな姿もどこか可愛いと思えるように、少しなってきてるかな。



しばらくして焼きトウモロコシをかじりながら帰ってきたマリアンナがまた女の子らしくてすごく可愛かった。











photo:26



3人で1ドルずつ払いタクシーに乗って町外れまでやってきた。


外灯もまばらな寂しい道端で車を待つ。

バニョスまでは2時間半くらいの距離。
うまくいけば一発でつかまえられるはず。



でも車はなかなか通らない。

こんな日曜日の夜、しかもこんな田舎道を走る車なんてなかなかいないし、俺たち3人を乗せてくれる車なんて果たしているのか。



無音の道路沿い、外灯に照らされる3人。



するとおもむろにマリアンナがヘロニモのところに近づいた。

そしてヘロニモの頭をギュッと抱きしめた。

さっきはごめんねといったふうに。


いい関係だな。


と思ったとき、向こうから車のヘッドライトが近づいてきた。

みんなで立ち上がり手を振ってポルファボール!!と叫ぶ。









photo:27



…………止まったオラアアアアアア!!!!!






「どこ行くんだー?」


「バニョスです!!」


「よし、あんまり綺麗じゃないけどここでいいかい?」


止まってくれたのはトラック。

コンテナのドアを開けてくれる兄さん。


マジかこれ?
もう楽しすぎるわ!!



3人で中に転がり込むとトラックはドアを開けたまま走り出した。

photo:28






「フミ!!なんか歌って!!日本の歌!!」


外灯もない山の中なのでコンテナの中は完全な真っ暗で、横にいるヘロニモの顔も見えない。

エンジン音が響く暗い箱の中。


日本の演歌を歌ってあげると、今度はヘロニモたちがアルゼンチンの歌を歌ってくれた。






とそのときパッとコンテナの中が明るくなった。

砂にまみれた床が見えた。


その瞬間、バタバタバタバタバタバタ!!!!!とコンテナをすごい音が叩きつけだした。


突然の豪雨、そして連続で光りまくるカミナリが開きっぱなしのドアから中を照らし出す。




「フミー!!もっと歌ってくれよー!!あ!!そうだこんな歌あるんだぜ!!マラドーナの歌なんだ!!」


土砂降り雨のジャングルの中を走り抜けるコンテナの中、ずっと3人で知ってる歌を歌い続けた。








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1月27日 月曜日
【エクアドル】 バニョス






シングルベッドがひとつ。

photo:01




角のすり減った小さな机が置いてあり、鏡が壁にかけられている。

2畳ほどの大きさの部屋には窓がなく、太陽の光りが差し込まないので朝が来たことに気づかない。


柔かいベッド、少し重い布団に包まり寝返りをうつ。








ゆうべ、バニョスに帰ってきてコンテナから飛び降りたのが22時半くらい。

運転手のご家族はアンバトという近くの町に帰るところだったみたいで、アンバトに来るならいつでもウチに泊まりに来てくれと言ってくれた。

南米でヒッチハイクなんて、って思っていたけど、ここは底抜けに陽気で優しいラテンアメリカ。
もしかしたら世界で1番ヒッチハイクをしやすい場所なのかもしれない。

もちろん危険は必ずついて回る。
1人では絶対できないな。






ヘロニモとマリアンナとご飯を食べて宿に帰るとケータ君のバイクはすでになくなっていた。

今頃はグアヤキルに向かう道の途中か、もう着いている頃か。



ケータ君はこれからずっと南下して行くんだけど、またどっかで会えたらバスバスキングで一緒に稼ごう。











ゆっくりと目を覚ましてベッドの中で日記を書いた。

久しぶりの1人になり、個室の宿もとても快適。

しかもこんな都会の喧騒からかけ離れた山奥の小さな町。


ああ……誰も俺のことを知らない。

程よい寂しさは酔いのよう。









さて、いつまでもここでゆったりしたいところだけど、俺も早く先に進まないといけない。

しかしこのバニョスに来た最大の目的は、ジャングルの奥地にある秘密の幻覚サボテン、サンペドロを体験しに行くこと。


ヘロニモたちの話では、そのジャングルの奥地に行く前に、サンペドロを作っているインディアンの女性にコンタクトをとって現在サンペドロがあるかどうかを確認しないといけないみたい。

連絡先を知ってるみたいなので聞いといてやると言っていたが、出来るだけ早く返事が欲しい。

もし無理ならば早く先に進まないとな。





というわけでヘロニモたちからの返事待ちとなり、さらに平日のバニョスは観光客がグンと減るのでバスキングもできない。

観光もある程度したので、この山の中で特にすることもなくなればもうやることはひとつですね。


そう、インターネットを駆使して、アプリに動画をダウンロードして、イヤホンを用意してやること。







そうです、ゴミ拾いです。

嘘です、そんなことしません。


エクアドルの山はなかなか綺麗です。

日本みたいに産業廃棄物とか、壊れた電化製品とか捨てられたりしてません。






ゴミ拾いの代わりにやるべきことがひとつだけあったので、ギターとパスポートを持って警察署へ向かう。

photo:02




そう、路上のライセンスを取りに行きました。


photo:05



どうせもう少しこの町にいなきゃいけないならライセンス取っといてもいいだろう。

photo:03




週末だったらキチンと歌うことが出来れば間違いなく100ドルはいく。

ここでしっかり稼いでおかないとな。

photo:04



沈没コースといってもやるべきことはしっかりやらな………







「明日来て。担当の人が今日いないから。」




はい、今日やること終了。



うわぁぁ……山きれいだなぁ…………


空気が美味しいなぁ…………


やることないなぁ…………


ラーメン食べたいなぁ…………

photo:06













マジでゴミ拾いでもしようかな、と思いながらご飯を食べて宿に帰りロビーで日記を書いていたら、あ、君この前そこでギター弾いて歌ってたね!!ってフランス人の兄ちゃんが話しかけてきて盛り上がってずーっとお喋り。


もうスペイン語とチキンとフライドポテトはウンザリだよ………とうなだれる彼の名前はセドリック。

photo:07




どこにでもいる男前でオシャレなヨーロピアン。

仕事は農家。

フランスの田舎の農家ってのがなんだかすごく好感が湧く。



やっぱりヨーロピアンはオシャレだよなぁ。
そのさりげなく着こなす少しサイズの小さめなシャツとか本当上手だよなぁ。

と思っていたらこのシャツ、日本を旅していたときに古着屋で200円くらいで買ったやつだそう。

そう見ると日本のおじさんとかが着てそうだね^_^




ああ、俺も服欲しいなぁ。
もういい加減このH&Mのニットもボロボロだしなぁ。

旅中はオシャレに気を遣うほど余裕ないけど、さりげなく200円のシャツを着こなしてはいたいなぁ。








話していると、今度はインド人の男の人がやってきて、みんな同世代なので仲良くなった。


「よし、フミ、飯食いに行こうぜ。」


「え、俺さっきスーパーで食材買ってきたんだよ。」


「あーあー、これだよ、日本人はいつも自分でご飯作って食べるんだよな。そりゃ自分で作ったほうが美味しいかもしれないけど、たまには外で食べてもうんたらかんたら。」


「はいはい、わかったよ。食べに行こう。で、何食べに行くの?またチキンとフライドポテト?」


「いいや、俺もいい加減フランス料理が恋しくてたまらないんだ。パンとチーズと魚と新鮮な野菜が食べたい。」


「それ高いし。」


「よし、ちょっと待って。ガイドブックを見てみよう。………こことかどうだい?東南アジアのご飯屋さんだよ。」



冷静でまともなことを言うインド人のソニー。
インド人がガイドブックとかなんか面白いな。



ソニーは今サンフランシスコに住んでるみたいで英語もペラペラだ。

クールで頭がいいやつだなと思っていたらコンピュータのエンジニアをやってるやつで、しかもなんとあのシリコンバレーにオフィスを構える会社で働いてるというメチャエリートだった。



フランスの女が世界一ホットだよ。
いやいや、日本の女の子はマジで最高だから。

とか下らない話をしてるフランス人と日本人をクールに見つめているインド人エリート。

なんかこんな映画ありそうだな^_^







photo:08



そんな3人で観光客向けのアジア料理屋さんに行き、ご飯食べながらなんかいろいろ喋ってたけどあんまり覚えてない。


「老化ってのは3つの理由があるんだ。ひとつがタバコとか不摂生とかの生活習慣、ひとつが太陽を浴びすぎること、もうひとつがストレス。これらを全て排除して時間による老いだけでうんたらかんたら………」


「この町は昼間は静かなのに夜になるとアメリカみたいなクラブ街になるよね。なんだかすごくビックリだようんたらかんたら………」


「やっぱりドラゴンボールはベジータだよ。」


photo:09




そんな3人でずーっと喋ってた。
居心地のいいメンバーだった。







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1月28日 火曜日
【エクアドル】 バニョス





「フミタケ、まだしばらく滞在するならホテルの手伝いしないかい?午前中に4時間働いてくれたら宿代タダにするよ。それで午後に歌いに行けばいいんじゃないか?」


ロビーにWi-Fiを繋ぎにいくとスタッフの兄ちゃんがそう言った。

ホテルの手伝いか………なかなか面白そうだな。
どうせ平日はやることないし、宿代が無料になるのなら…………






いやいや、午前中にそんな早起きしてベッドメイクやお掃除なんて、朝が究極に苦手な俺が出来るわけない。

本気の仕事ならそりゃやるけど、旅中のノンビリした朝に頑張りたくはないよ。

日記書いたりブログ更新したりメールの返事とか、朝は朝でやることもあるし。


ありがたい話だけどお断りさせてもらい、ソファーにもたれてインターネットタイム。




すぐにメールをチェックしていく。


しかしヘロニモたちからの返事はない。



んー…………どうしようかなぁ。

早く進んでしまいたいけど、ここまできたらサンペドロだけは体験しておきたい。

サンペドロがダメならアヤワスカっていう手もあるけど、アヤワスカは観光客向けっぽいし秘密レベルで言ったらここのサンペドロのほうが高いと思う。


もう少しだけ待ってみるか。








てなわけで、昨日門前払いを食らったライセンス取得へ向かう。

テクテク歩いて昨日と同じ役所にやってきた。


中に入るとお姉さんが暇そうにパソコンの画面を眺めている。

俺を見て、あーあんたね、みたいな感じで奥へ通してくれた。

photo:01









オフィスの奥にあるお偉いさんの部屋みたいなところを恐る恐る覗いてみる。


お、俺ただの旅人なんですけど、こんなとこに入っていいのかな………



「ここに座りなさい。」



完全にボスですオーラ丸出しのおじさんがメガネの奥で俺を見ている。

ドキドキしながら部屋に入り椅子に座ってボスと向き合った。



え?何この緊張感?
ゲロ吐きそうなんですけど?



「で、何の用かな。」


「あ、え、ろ、ろろ、ロリ巨乳、じゃなくて路上で演奏したいんです。」


「ああ?」



ちらりと俺を見るおじさん。

ご、ごめんなさい!!
ロリ顔で巨乳とか不謹慎ですよね!!!





「おいおい、日本人が歌うのか?いいじゃないか。いつやるんだ?今週末?いやー、すごくいいことだよ。ちょっと待ってな………名前はなんていうんだ?カネマルフミタケ…………よし、はいこれ許可証。バニョスにようこそ。」




おじさんの署名が書かれた紙を渡される。

えーっと………終わり?






建物を出る。


…………スーパー楽勝でライセンスゲット。

photo:02





やったぜコノヤロウ。

これで週末は歌いまくってやる!!!








というわけで今日やること終了。


えーっと…………ゴミ拾いでもしようかな……………


ライセンスは取れたものの、歌っていいのは金曜から。

この平日はマジですることなし。


出来ることなら、この平日のうちにサンペドロを体験しに行って、週末に帰ってくるってのがベストなんだけどなぁ。

ヘロニモたちから連絡がない以上、待たないといけない。








暇なのでラーメンでも食べようとスーパーマーケットに行ってインスタントラーメンと玉ねぎを買って宿に戻り、屋上にあるキッチンへ。

photo:03



まだここの屋上に上がってなかったけど、バニョスの小さな町並みと覆いかぶさるように連なる山々が大自然の中にいることを実感させてくれる。

風が吹き渡る空に、飛ばされてしまいそうな開放感。

やっぱり俺は山が好きだなぁ。






キッチンらしきところに入ると、まるでゴミ溜めみたいな流し場があった。

photo:04



汚れた食器が積み重なり、流しの排水口に色んなものが詰まって溜まった水が濁っている。


野菜のカスやらベトベトの油やらが散乱して、見ただけでオエッてなりそうなほど。

photo:05







ポテトチップスを箸で食べるほど昔から手を汚すのが大嫌いで、モスバーガーとか食べてて手がべちゃべちゃになるとマジでキレそうになる俺。


変に潔癖なB型。
そして1度始めたらとことんやらないと気が済まない。


袖を捲り上げ、太陽が降り注ぐ屋上で、1人キッチンを大掃除した。


朝のお手伝いのお誘い断ったってのに何やってんだ俺は。









ようやく綺麗になったところで買ってきたラーメンを作り、ノンビリと食べていると、宿に泊まってる色んなやつがやってくる。


アメリカ人やコロンビア人、アルゼンチン人、ヨーロピアン。

photo:06




そんなやつらと昼下がりの穏やかな時間を過ごす。





コロンビア人のダンがギターを持ってきてポロポロと弾いてくれた。

開放弦を多用した気持ちのいい倍音が風にさらわれていく。


「マザーアースの考え方を知ってるかい?全ての命は生まれては還り、また新たな命となって繰り返す。南米ではそれをパチャママっていうんだ。」


気持ち良さそうに風を浴びるダン。

今、与えられているこの命を、謙虚にどこまでも楽しむように。

photo:07











ダンと一緒にギターを弾き、それから少し町を散歩してから宿で部屋にこもっていた。

個室はとことん心地いい。

何をしてても誰にも文句を言われない。
どんな時間を過ごしたって、誰も俺を呼びにこない。

いつまでだってここにいることができるんだ。
俺が望むならば。


この命も、どうせ母なる大地へと還り、次の命へと受け渡されていく。

一瞬の命に、何の意味もない。






でも、どうせならこの命で面白いことをしたい。

やりたいことを全部やってしまいたい。

どうせ死ぬんだ。


楽しむために、先に進まないとな。







明日、ヘロニモたちが泊まってるカウチサーフィンの家を探しに行こう。






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エンパナダ売りのヒッピー

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1月29日 水曜日
【エクアドル】 バニョス





俺の育った美々津はものすごい田舎の港町で、山と川と海にそれぞれ歩いて3分で行くことができる。

そんな田舎育ちなので大自然の中の小さな町が好きで、ここバニョスにもいつまででもいられそうなほど惹かれている。


photo:01




が、そろそろなんとかしないと。

ヘロニモとマリアンナが泊まっているカウチサーフィンの家に行ってみよう。


いつもロビーでもくもくとiPhoneをいじっている日本人旅行者のおじさんに日課のように挨拶し、いつものように怪訝そうな目で会釈されるだけの流れで、宿を出た。










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マリアンナから泊まってる家の行き方をメールで送ってもらっていたんだけど、なんせ全部スペイン語なので道ゆく人にたずねながら歩いていく。



町の中心部を出て、1人で山の方へと歩いていく。

坂道がのび、家が並び、お婆さんがトボトボと歩いている。

坂道の先には雲がかかった大きな山がそびえ、どこか転がり落ちていきそうな感覚になる。

大自然の中を1人歩く心もとなさと自分への頼もしさが入り混じりながら坂をのぼった。

photo:03











photo:04



途中お腹が空いたので、民家の軒先みたいなところで売っていたフライドポテトとチキンを1ドルで買い、食べながら歩き続ける。

マリアンナから送ってもらっていたメールを見せて道をたずねたいんだけど、まず人がまったく歩いておらずなんとなくこっちかなという方に向かう。


あまりにも人がいないので家のベルを鳴らして住人に出てきてもらって聞いて回った。


photo:05



こんなわけのわからない裏道に迷い込んだりしつつ、歩きながらヘロニモー、マリアンナーと声を出す。

別に急いでるわけではない。

きっと今日中には見つけられるだろう。









しばらくすると畑仕事をしてるおじさんがいたので道を教えてもらうと、もうすぐそこだという。

おじさんに着いてきてもらいながら歩いて行くと1軒の家にたどり着いた。


ここ?
ただの普通の家。

まぁカウチサーフィンで泊まってるんだから普通の家のはずだよな。


外からマリアンナー、ヘロニモーと声をかける。

返事はない。


本当にここか?







と思っていたら中から見慣れた顔が出てきた。

photo:06





「フミー!!来てくれたのね!!嬉しい!!入って入って!!」


2人の、感情がそのまま表れたような屈託のない笑顔を見たらすぐに心が和んだ。





photo:07



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ものすごく綺麗な家。
リビング、キッチン、広いベッドルーム、全てがオシャレで手入れが行き届いている。


「昨日ちょうど他のバッグパッカーたちが出て行って誰も泊まってないんだ。家主はキャンプに行ってるから、ここは今俺たちだけの家なんだぜ!!」


2階のテラスでコーヒーを飲みながらタバコを吸う。
目の前に迫る山肌、遠くに見えるささやかなバニョスの町。

穏やかな風が吹き、暖かい日差しが揺れる。

photo:09





「最高だろここ?俺たち家主にフミの話してるんだよ。そしたら連れて来なってことになってたんだ。だからフミさえよければここに来てくれていいんだよ。」


観光客向けのアウトドアアトラクションのインストラクターをやっているというここの家主さん。

この前は滝をロープでよじ登るというエキサイティングな遊びにヘロニモたちを連れて行ってくれたんだそう。




「フミ、今日はどんな予定なんたい?」


「なんにもないよ。ヘロニモたちに会いにくることだけ。今日はフリーだよ。」


「そうか。俺たちは今エンパナダっていうアルゼンチンの料理を作ってるんだ。これを夕方になったら町に持っていって売ろうと思ってるんだ。1個1ドルで20個焼いてるんだ。」


ヘロニモがそのエンパナダって料理を見せてくれた。

餃子を大きくしたような形で、中に具材が入っている。

チーズとトマトのエンパナダと、ひき肉のミートソースのエンパナダがある。

アルゼンチンでは誰もが食べてる郷土料理なんだそう。

photo:10



マリアンナが焼きたてを食べさせてくれた。
パリパリの柔らかい生地の中からフレッシュなチーズとトマトが出てきた。



こりゃ美味い!!

photo:11





「ヘロニモ、めっちゃ美味しいじゃんこれ。」


「そうさ、アルゼンチン人ならみんな作り方を知ってるよ。でも路上で食べ物を売るのは初めてだから買ってもらえるか心配なんだ。」


「これならすぐ全部売れるよ。」


「そうかな。材料費が7ドルだったから20個売れたら13ドルの売り上げだよ。よーし、もうちょっと焼こう!!」



焼いてる間にみんなで映画を見ることに。

DVDが大量に積み上げられており、その中から3人でチョイスしたのは………




ソウ。





びちゃ!!!

ビチャビチャ!!!

ぐちゅぐちゅビシャーーー!!!!




「ほんとヒドイよね、この映画…………」


「この監督、マジで頭おかしいよ…………」


「この映画を3Dにする意味がわからんよ………」



3人でげっそりしながら、焼きあがったエンパナダを持って町に向かった。






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photo:14



歩きながらそこらへんの人みんなに声をかけていくヘロニモとマリアンナ。

立ち話をしているおばちゃん、商店のおじちゃん、信号待ちの運転手、


アルゼンチンのエンパナダはいかがですか?
とっても美味しいですよ!!ひとつ1ドル!!

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photo:16





どこの誰がどんな衛生環境で作ったかもわからないものを路上で買って食べるなんて、当然日本では考えられない。
ていうか法律違反だよな。


でもこの南米ではもうそんなのまったく気にする必要ない。

誰もがやっていること。

ホームレスみたいな人が謎の食べ物とかガンガン売りまくっている。


もうなんか窓のサッシとか、ゴムパッキンとか持って歩いてる人もいるし、配管の継ぎ手をひとつだけ持って買わねぇかい?とか聞いて歩いてるおっさんとか、なんでそれチョイスしたの?ウケ狙ってるの?っていう人ががわんさかいる。

路上で金を得るにはある程度のアイデアが必要だけど、ここではそんなのまったく気にしてない人ばかり。

photo:17




ヘロニモたちはそこを心得ている。
見た目もオシャレなこのエンパナダならきっとすぐに売れるはずだ。

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予想通り、バニョスのメインストリートをグルリと歩いて1時間ちょい経った頃、カゴの中のエンパナダはひとつもなくなっていた。


「フミ!!やったぜ!!全部売れたー!!」


「だから言ったじゃん。これはいけるって。」


「ヘロ、今度は100個くらい作ろうよ。昼と夕方と夜に3回売りにきたらバッチリよ!!」



本当、ヘロニモたちと一緒に行動してると南米のホーボーのたくましさに頭が下がる。

バスの中で歌を歌い、マクラメのアクセサリーを作り、交差点でジャグリングの芸を披露して、さらに食べ物まで作って売るって、どんだけ芸達者なんだよ。

photo:20




南米は間違いなく貧しい。
でも金を稼ぐ方法はいくらでも路上に転がっている。
日本的な常識に縛られていたらなんにも出来ないけどね。


「フミ、日本人が全然歩いてないじゃないか。日本人の友達にもエンパナダ食べてもらいたかったなぁ。」


「ヘロニモ、日本人はこういうの絶対買わないよ。例え俺が日本語でフレンドリーに話しかけても変人を見る目で軽蔑されるだけだよ。」


「そうかなぁ。あ、フミ、あそこに日本人がいる。」


「あれは中国人だね。」


「あ、そうなんだ。よく見分けられるね。俺にはまったく同じに見えるよ。」





同じアジア人から見たら、中国人、韓国人、日本人の見分けは結構簡単なもの。

顔の作りはもちろん、服装や髪型も分かりやすい。

でももちろんヘロニモたちには全部同じにしか見えないよな。



ヘロニモたちがエンパナダを売り歩いているとき、人々はヘロニモたちにアルゼンチン人か?と聞いていた。

どうやらヘロニモたちの顔でアルゼンチン人だと分かるみたい。

俺には完璧おんなじ顔にしか見えないラテンアメリカンたちだけど、南米の中でもそれぞれ特徴があるんだな。










「ところでヘロニモ。テナのサンペドロなんだけど、どうなった?」


「そうそう、連絡しようと思ってたんだ。今サンペドロがあるかはわからないけど、俺たち明日テナに行こうと思ってるんだ。昼間向こうでレストランで歌って、そのまま1泊する。泊まるのはもちろんサンペドロを作っているインディアン、リーナの家だよ。」





き、き、き、来た!!!ついに来た!!!

ついにサンペドロを作るジャングルの中のインディアンに会いに行くことができる!!!

待ちに待ったぞ、この日を。


明日の朝、またヒッチハイクでテナに向かうことになった。


そうと決まればもうホテルはチェックアウトしよう。
今夜まで泊まることにして、荷物を全部ヘロニモたちの泊まってる家に移動させた。


あー、楽しみすぎる。
どんな秘密の場所なんだろう。
どんな神秘的な雰囲気なんだろう。

リーナってのはどんなお婆さんなんだろう。

photo:21












ウッキウキで宿に戻ると、この前のフランス人のセドリックとインド人のソニーがいた。


「フミ、今日ゴンドラで谷を飛んできたんだぜ。マジ楽しかったのに帰って来ないんだもんなー。」


朝、セドリックに谷を飛びに行こうぜって誘われていたんだけど、ヘロニモたちに会いたかったので断っていた。


「よし、明日の朝イチで温泉入りに行こうぜ。日本人温泉大好きだろ?」


「大好きだけど、何時?」


「6時前かな。」


「ごめん、無理だと思う。」


「なんでだよー!!日本人は早起きじゃないか!!」


2人には申し訳ないが、明日は長い1日になるはず。
朝から温泉でまったりするわけにはいかない。





さぁ、ついに明日、サンペドロが待つジャングルの中に突入だ。

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ついにジャングルの奥地へ

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1月30日 木曜日
【エクアドル】 バニョス ~ テナ






「えー、フミ行くのかよー。温泉一緒に行こうぜー。」


「うちで少し働けばいいじゃんかー。」



荷物を持ってロビーに降りると仲良くなったみんなが声をかけてくれる。

なんだかんだ結局1週間くらい滞在していたこのホステル。
個室だしホットシャワーだしWi-Fiあるし、最高に居心地良かったな。

友達もたくさんできたし。






少し寂しい気持ちもありつつ、ロビーでいつも1人でもくもくとiPhoneをいじっている50歳くらいの日本人旅行者のおじさんにも挨拶。



「お気をつけて。」


「…………」





超無視。


こ、この野郎………

今までも毎日挨拶してたのにいつも声すら出したことなかったこのおじさん。


ちょっとムキになって、顔をグイと近づけて、お気をつけて旅されてくださいと大きめの声で言ってみた。


やっぱりスーパー無視。




禅?

それiPhoneいじりながらの禅?




別に日本人同士だから仲良くしようとは言わないけど、挨拶くらいしようぜ…………


iPhoneから1ミリも視線をズラさないおじさんに1人で別れを告げて宿を出発。

さぁ、ジャングルに向かうぞ。









待ち合わせ場所にしていたバスターミナルに行くとヘロニモとマリアンナが笑顔で待っていた。


「フミ、今日は忙しい日になりそうだね!!」


「望むところだー!!」





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そして早速道路きわに立ってヒッチハイク開始………


ドギャン!!!


親指立ててマジで1秒くらいでトラックが止まった!!

交渉に走るヘロニモ!!


「ヘイ!!テナまで半分の距離の町まで行ってくれるよ!!バモス!!!」






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乗り込んだのはトラックの荷台。
天井のないカゴの中に飛び乗るとトラックは勢いよく走り出した。

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ドガン!!

ズゴン!!


地面の凹凸をモロにくらって跳ねまくる荷台。

飛び上がってお尻が打ちつけられて、カーブのたびに転がりそうになってまともに座っていられないほど。


「痛っ!!痛い!!へ、ヘロニモ?!」



photo:03



そんなものすごい衝撃の中で寝ているヘロニモ。

さ、さすがホーボー。







しかしスヤスヤ寝ているそんなヘロニモに、雨が叩きつけ始めた。

天井のない荷台は容赦なく濡れていく。

しかし止まることなく走り続けるトラック。




「へ、ヘロニモ!!雨だ!!どうしよう!!」


「うわ!!前だ!!前のほうに行けば雨は当たらない!!それにきっとすぐ止むよ!!」


「マジで!!雲真っ黒なんだけど!!ホントに止むの!?」


「多分………」


「寒いよー!!」












濡れた体にガンガン吹きつける風で3人とも凍えること1時間。

アンデスの山を覆い隠していた雨雲は、山を降りた頃にはどこかに行っており、今度はジャングルの熱気が襲いかかってきた。


テナまでの中間地点の町でトラックは止まり、またそこからヒッチハイク再開。

めちゃくちゃ田舎町で車もほとんど通らない。
ただの都農あたりの広域農道みたい。

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しかしまたもやすぐにトラックが止まってくれる。

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本当にエクアドルの人って優しいんだよなぁ。
そしてヒッチハイクがとても一般的だ。

実際、こんなど田舎の広域農道なのにバッグパッカーの女の子2人がヒッチハイクしていた。




「日本人かい!?珍しいな!!ホラ!!これ食べな!!美味しいぜ!!」

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地元のおじちゃんと兄ちゃん。
こんなどこの馬の骨とも知れないアジア人に何かと世話を焼いてくれる。



「日本人って犬は食べるのかい?」


「日本人は食べません。中国では食べるみたいですけど。」


「中国人ってアレだよな。動くものみんな食べるよな。アハハハー。」



イグアナとかネズミみたいな動物を食べる南米人に言われたくないよね(´Д` )




「おじさんの名前トラバハールって言うんですか?」


「そうさ、トラバハールさ。」


「トラバハールってスペイン語で仕事って意味ですよね?」


「そうさ、トラバハールがトラバハール中なのさー。」


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そんな楽しい会話をしながらあっという間にトラックはテナの町に到着した。









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ジャングルの中の町、テナは完全に日本の夏の気温で汗がダラダラ流れてくる。

さっきまでいたバニョスは冬の気温だったってのに、よっぽど高低差があるんだな。

photo:10











さぁ、着いた瞬間から早速仕事開始だ。

もう俺もマリアンナのレパートリーをバッチリ把握しているので打ち合わせもなしにすぐにレストランに飛び込んだ。


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「オラー!!ブエナスタルデス!!お食事中のところですか2曲だけお付き合いください!!アルゼンチンから来ましたヘロニモとマリアンナ、そして素晴らしい歌を歌ってくれますフミは日本から来ました。楽しんでもらえると嬉しいです!!」


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ヘロニモの丁寧で流暢な自己紹介からマリアンナのスペイン語の曲、そして俺の歌。

3人のコンビネーションもバッチリで、俺たちの演奏にみんな大きな拍手をくれる。

もう1曲、もう1曲の声にノリノリで応えながらドンドン回っていく。


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今度の日曜に近くでイベントがあるからそこで歌ってくれない?とか、うちのお店でやってちょうだい!!とかありがたいお誘いもたくさんもらった。

今エクアドルでなんかの選挙をやってるみたいで、候補議員の選挙事務所で盛り上げてくれないか、なんてオファーまで。


時間があったらやらせていただきますと答えて、どんどんレストランを周り、1時間半ほどで町のレストランを1周し終わった。










いつもの安いピザ屋さんでお疲れ様のご飯を食べながらあがりの精算。


41ドルのあがりに3人でハイタッチ。

1人あたり14ドル。
たいしたもんだぜ。














「よし、それじゃあリーナのとこに行こうか。」


うおお、ついに来たぞこの時が。

ジャングルの奥地に住む、サンペドロをくつくつと煮込むインディアンの女性に会う時が来た!!!

一体どんな神秘的な場所なのか。
一体どんな怪しげな女性なのか。


ギラギラした太陽が照りつける中、やってきた2番バスに乗り込んで町を離れた。









photo:15



ボロいバスはエンジンをふかしながら坂道を登ったり降りたり。

やがて民家が少なくなってきたころ、バスは脇道に曲がり、未舗装のガタガタ道を進んでいく。

周りはどこまでもジャングル。
南国の植物が生い茂る密林の中の道を砂ぼこりを上げながらゆっくりと走っていく。

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そんなジャングルの中にボロボロの廃墟のようなブロックの建物やなんかの歴史のテーマパークか?みたいな茅葺きの家がチラホラ見える。

一応集落にはなってるみたいだ。










そんな集落を過ぎたところでバスは止まった。


「よしフミ、ここからは歩きだよ。」


バスは俺たちを下ろすとブーンと走り去って行った。







えーっと……………











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なにこれ?







笑えてくるようなジャングルの中の1本道を3人でトボトボと歩いていく。

日差しが肌に突き刺さり、むわりとした風にむせるよう。












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20分ほど歩いて行くと、ヘロニモたちがこっちだよと林の中に入っていく。

獣道みたいな草の上を進んでいくと、広場が現れ、その一角に茅葺きの家があった。


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あ!!これだ!!

アンドレアスたちに見せてもらったあのデジカメの写真の風景だった。

向こうから勢いよく犬が走ってきて俺たちにじゃれついてきた。








「リーナー、リーナいるかいー?」


ヘロニモたちが慣れた様子で家の中に入っていく。
入っていくと言ってもドアなんてなく、壁もほとんどないような家。

吹きさらしの台所とリビングには鍋や食器があり、椅子が並んでいる。

ホントにここに人が住んでるんだ。

photo:19







「フミ、今リーナ出かけてるみたいだ。よし、川で泳ごう。」


そう言って服を脱ぎ始める2人。

俺も服を脱いで一緒に森の方へ歩く。

すると家のすぐ横に綺麗な川が流れていた。


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集落の子供たちが元気に水遊びをしていた。

頭上にはリアルスタンドバイミーっていうか映画超えてる雰囲気の使われていない橋がかかっており、周りはどこまでも静寂のジャングルが広がっている。

川のせせらぎのみが聞こえる。

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そのまま水に入り、プカプカと浮いてみた。

ものすごくたくさんの見たこともないような動物たちがこの森の中に無数に住んでいるんだろうけど、なぜかそれを感じさせない静寂が漂っている。

俺たち人間が住んでる場所はあんなにうるさいのにな。











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ひとしきり泳いでから家に戻ってみるが、まだリーナは帰ってきていなかった。

また夜に戻って来ようと、荷物を置いて町に向かった。

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マジの子供がバスを運転している謎。

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テナはジャングルの中の小さな町ではあるが、一応ナポという日本でいう県の県庁所在地。

それなりに政治や流通の中心地となっているので、人はたくさん住んでいる。


仕事帰りの人たちで活気に満ちた通りを歩き、レストランバスキングの夜の部だ。

photo:26




しかしお昼よりもお客さんの数が少なく、歌えるお店が限られてしまい一周してみて結局やることができたのは5軒のみ。


朝からヒッチハイクしてさらに川で泳いだ疲れでヘトヘトになり、早めに切り上げることに。

photo:27





ヘロニモたちがよく行っている食堂で、ポテトとソーセージを持ったサルチパパスというエクアドルではどこでも食べることができる軽食で晩ご飯を済ませた。
1ドル。

夜のあがりは22ドル。
俺の取り分は40パーセント。


photo:28















もうこの時間になるとバスはジャングルの中まで行ってくれないのでタクシーを捕まえて3ドルでリーナの家に向かう。


タクシーは昼と同じ未舗装のガタガタ道に入っていく。

外灯などひとつもなく、本当に真っ暗闇。

窓の外には密林が広がっているはずだけど、何も見えない。



そしてそんな真っ暗闇の中にポツンとひとつの灯りが見えた。

リーナの家だ。










タクシーを降り、足元見えない草の上を歩いて行く。

ドキドキする。
ついに謎のインディアン女性、リーナと対面だ。






灯りの中に人影が見えた。

か、彼女がそうなのか。



「フミ、あれがリーナよ。リーナー!!元気にしてたー!?」


「わー!!マリアンナー!!会いたかったー!!」



マリアンナと元気に抱き合うリーナ。




え、えー…………

この人がリーナ………?

う、嘘だよね………?






裸電球の灯りが照らし出しているのは、どう見ても10代後半くらいの可愛らしい女の子だった。

たしかに浅黒い肌に黒髪を三つ編みにしたインディアンの顔をしたリーナ。

まさかこんな若い女の子だったとは。



「リーナ、彼はフミ。日本から来てるの。サンペドロを飲みがってるの。」


「あー、ごめんね、今サンペドロきらしてるの!!キャハハ!!」








…………えーっと、サンペドロをきらしてるというショックよりもリーナがこんなキャピキャピの女の子だということにビビりすぎて、もうよくわからないまま椅子に座る。


裸電球の灯りに群がって大きな虫や蛾がテーブルの上を飛んでいる。

みんなスペイン語で楽しそうに話している。

ここが気に入ってリーナに間借りさせてもらっているコロンビア人の男性も混じり、みんなで盛り上がった。


リーナが壊れかけの食器棚からいたずらっぽい笑顔でワイングラスを取り出してきた。

まるで今夜は特別よ、と洒落込んだ様子で。

そして大きなバケツみたいな容器から謎の茶色の液体を注いだ。


「キノコの種類から抽出したアルコールだって。キノコワインってとこかな。」





うん、怪しさしかねぇ(´Д` )

死ぬかな(´Д` )





photo:29



周りはとにかく静寂で、広大な暗闇の中にポツリとひとつの明かりだけが光っている。

ドアも壁もない、俺たちと自然を隔てるものはどこにもない開放感。


昼間、動物たちが住むジャングルを眺めていたけれど、完全に俺たちもその一員になったように感じた。


動物に近づくかのように煙をくゆらせるみんな。

思考がゆるやかになっていく。



「サンペドロが飲みたかったらここに持ってきて!!サンペドロは高地だったらそこらへんに自生してるから!!持ってきたら私が作ってあげるわ!!キャハハハー!!」



リーナの可愛らしい声を聞きながら、ワイングラスの茶色い液体を飲み干した。

photo:30













あ、ところでタビジュンさんがブログでひどいこと書いてますね。


僕のことセックスがクソ下手の薄汚い犬野郎とか書かれたらもう泣きそうです(´Д` )

いや、ここまでは書いてませんよ。



きっとアレでしょうね。
金丸は自分勝手な野郎なので自分だけさっさと終わってすぐスピースピー寝るようなひどいセックスをするやつだよきっと、って佐々木舞さんと話してるんだろうな。
あいつは早漏だって。


全然そんなことないんですけどね。

もう本当、余裕で前戯1時間くらいかけた上に、体位も1回のうちに15パターンくらい変えるし、ていうか真珠がもうすごいことになっててアレがもうアダム徳永レベルのアレで真珠が…………あれ?この頬を伝うものはなんだろう。しょっぱいや……へへ…………





実はそんなに早漏だと思っていません。



タビジュンさん、この借りはいつかお返ししますね…………






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市場で歌うとすごいことになる

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1月31日 金曜日
【エクアドル】 テナ ~ バニョス







目を覚ます。


茶色にくすんだ木が見える。

規則的に編み込まれた茅葺き天井。




あれ……ここどこだっけ………





ふと白川郷を思い出す。

雪に閉ざされた飛騨の山奥、吹雪に向かって車を運転したあの時も今くらいの季節だった。

山の中の道路ぎわに車をとめて毛布に包まって眠っていた20代前半。

冬の寒さが身体中を凍えさせていた。






のだが、今俺は暑くてタオルケットさえもいらない気温で目を覚ました。

ここはエクアドルのジャングルの中。

インディアンのリーナの家。








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「ハイ、フミ。よく眠れた?」


朝の日差しの中で見るリーナはゆうべよりもまだ若く見えた。

ただの可愛らしい女の子。

ジャングルの奥に住むインディアンの女性っていうからどんな魔女みたいな人だろうと思っていたのに、実物はマジで恋する5秒前とか言ってそうなイマドキの女の子。





「フミ、ちょっと面白いことしようぜ。マジ気持ちいいからさ。」


起きてきたヘロニモがそう言った。

何をするんだろうと思いながらマリアンナと3人で家の横にある川に向かった。

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ジャングルの朝はどこまでも静かで、植物たちの囁きまで聞こえてきそうなほどに潤った時間が流れている。

清々しい空気を吸い込み、川辺にやってきて服を脱いで水に入ると、気持ちのいい冷たさが眠気を覚ましてくれる。

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対岸へ渡ると、ヘロニモが地面の石を砕き始めた。

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薄い青色の地面は、泥が堆積して固まったもののようで、石で叩くとボロボロと崩れ、それに水をかけて溶かしていく。


それを繰り返していくと青色の液体が出来上がった。



「これすごく気持ちいいんだぜ。」



ヘロニモたちがその液体を体に塗り始めた。

まるでインディアンのボディペイントみたいだ。

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3人で塗り合いっこして全身にまんべんなく塗り終わると、不思議な感覚になった。

こんなジャングルの奥地の岸辺で、身体中に泥を塗ってるっていう状況。


ああ、なんて開放感だ。

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「アーハッハッハ!!フミ、この写真をアルゼンチン人に見せたら間違いなく大笑いするよ!!」


俺の体にアルゼンチンの郷土料理の名前を書くヘロニモ。

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川に飛び込んで泥を洗い流し、スベスベ肌になってからリーナの家に戻る。

サンペドロをきらしている今、ここに長居をすることは出来ない。

やっとこさここまで来れたってのに、今度は自分たちでサンペドロを探し出してここに持ってくるという新しいミッションができてしまった。


本当、どんな宝探しゲームだよ。
舞台が南米の山里っていうシチュエーションは完璧すぎるほどだけど。


「それじゃあ、探し出して持ってきてねー!!元気でねー!!キャハハー!!」


森の中の茅葺きの家の前で手を振るリーナに別れを告げて、3人でテナの町へと向かった。

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今日は金曜日。

この日のために、先日路上パフォーマンスのためのライセンスを取得している。

バニョスに戻って思いっきり稼がないといけない。



ヒッチハイクを始める前にもう1度このテナでレストランバスキングをしてからバニョスに戻ることに。








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もうすでにレストランの場所も把握しており、3人で手際良くお店を回っていく。

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暑い日差しに汗がダラダラ流れる。









ある程度レストランを回ったところで、ヘロニモたちがマーケットに行こうと言った。

何か買い物するの?と聞くと、市場の中で歌うんだよ、とニヤリと笑うヘロニモ。




ま、マジかよ(´Д` )



あの南米の象徴のようなごちゃごちゃした市場の中で歌うってそんなのアリか?

いや、この南米ではバスキングは人のいるところならどこでもやれる自由なもの。

そう考えたら市場はとてもいいステージだよな。


「市場の中で歌ったら、野菜とか果物とかおばちゃんたちがたくさんくれるんだよ。それでしばらく食費も浮くしね。さぁ、行こうぜ。」





市場に到着。

中に入るといつものようにごちゃごちゃしたカオスな雰囲気が漂い、たくさんのお店が並んでいる。

八百屋さん、果物屋さん、肉屋さん、香辛料屋さん、日用雑貨などなど、ここでほとんどのものが手に入る町の人たちの台所。


南米ではどんな小さな町にもこの市場があり、広いところではとにかく迷路のように広大な敷地にたくさんのお店がひしめいている。

だいたいインディアンのおばちゃんたちがお店をやっており、小さな子供が走り回っていて、南米の現地の空気を1番ディープに感じられる場所だ。



そんな中で歌うのか………?




「オラー!!ブエナスタルデスー!!みなさん少しの間僕たちの歌を聞いてくださいー!!アルゼンチンから来たヘロニモとマリアンナ、そして日本から旅しているフミですー!!」



人が行き交う市場のど真ん中で大声で自己紹介を始めたヘロニモ。

なんだなんだ?と視線が集まる。


もうどうにでもなれ!!!





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ギターを抱えて細い通路を歌いながら歩いていく。

腐ったトマトをぶん投げられるんじゃないかと思っていたのに、お店のおばちゃんたちはみんなニコニコして俺たちを見ている。

元気いっぱいな子供たちがワラワラと後ろをついてきてまるでハーメルンの笛吹きだ。

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するとお店のおばちゃんが俺たちに手招きする。

ジャガイモをくれた。

こっちのおばちゃんはインゲンを持ちきれないほど。

こっちのおばちゃんはお米を差し出してくる。




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俺がひたすら歌いながら歩き、ヘロニモとマリアンナが食べ物を受け取っていく。

す、すげえ、なんだこれ!!



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子供たちに群がられながら市場を一回りして外に出て来た時、大きな袋の中にはち切れんばかりの野菜や様々な食べ物が詰め込まれていた。

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マジで常識ぶっ飛ぶ!!

南米のバスキングの可能性半端じゃねぇ!!!


最終的にレストランも合わせて1時間ほどの演奏で35ドルとものすごい量の食べ物をゲット。

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さぁ、バニョスに戻るぞ。


ヘロニモと2人がかりでやっこさ袋を持ち上げながらバスに乗り込み、町外れの一本道にやってきてヒッチハイク開始。

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そしてものの数分で一発バニョス行きのトラックが止まる。

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「おう!!乗ってけテメーラ!!」



も、もうエクアドルなんなの………







コンテナに飛び込むと、外からガシャンとドアが閉められる。


真っ暗闇。
こ、これで3時間か………


と思ったらパッと電気がついた。


コンテナの中にはなぜか大量のマットレスが積み上げられていた。


「イヤッホオオオ!!これ最高だぜ!!」


「うわー!!快適すぎるううう!!!」


大喜びでマットレスに飛び乗り、エンジン音が響くコンテナの中で大の字になった。

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ガチャガチャ、ガシャン!!


という音とともにコンテナの中に光りが差し込んだ。

バニョスに到着したようだ。
時間はすでに20時で、すっかり真っ暗になっていた。


マットレスの上で爆睡していた俺たちは寝ぼけながらトラックを降り、そのままタクシーを拾って一旦家に帰った。


大量の野菜たちを家の中に運び入れ、ひと息つく間もなくすぐに町に向かう。

金曜の夜だ。せっかくライセンスを取ってるんだから堂々と歌いまくってやるぞ。











今夜も賑やかなバニョスのメインストリート。
たくさんの白人観光客や家族連れの人たちが楽しそうに歩いており、クラブ通りでは爆音が鳴り響いている。


マリアンナとヘロニモはアクセサリーを売りにクラブ通りへ。


俺はいつものインディアンマーケットの入り口でギターを構える。

今日も朝から動きまくって疲れてるけど最後の力を振り絞って声をあげた。


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せっかくたどり着いたジャングルのリーナの家。

しかし今回はサンペドロを体験することはできなかった。



でも諦めないぞ。
もうここまできたらとことんいってやる。

なんとかしてこのバニョスの近辺で自生しているサンペドロを探し出してもう一度リーナのところに行こう。


ヘロニモとマリアンナはどこまでも信頼できる人間だし、他のヒッピーたちと違って一緒にいて全ての行動が常識的で親近感が湧く。

まるで古くからの友達みたいに思える。

サンペドロを体験するには様々なルールがあるみたいなので1人では不安だという気持ちはとても大きい。

大丈夫、俺たちがいるからって言ってくれるヘロニモたち。

この2人に会えて本当に良かった。



夜のあがりは2時間で41.5ドル。




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サンペドロへの道のりはまだ遠い。
けどヘロニモとマリアンナがいてくれて本当に心強い。

この2人とならきっとたどり着くことができるはずだ。








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火山噴火する

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2月1日 土曜日
【エクアドル】 バニョス




photo:01




静かな部屋の中、フカフカの布団の上で目を覚ました。

ほんの少し肌寒いけど、布団から出たくなくなるほどではない。


暑くもなく寒くもなく、アンデスの1月はものすごく快適な気候だ。








ゆうべは路上を終えてからヘロニモたちがカウチサーフィンで泊まっている家にお邪魔させてもらった。

キャンプに行っていた家主のホアンも帰ってきており、笑顔全開で好きなだけ泊まっていきなよと言ってもらえた。


ホアンの家にはたくさんの部屋とベッドがあって、何人ものバッグパッカーを迎えていることがわかる。

でも今泊まってるのはヘロニモとマリアンナとドレッドの兄ちゃんだけ。

俺の部屋は1人で貸し切りできており、穏やかすぎる朝を迎えられた。









photo:02



今日もいい天気で、家の窓から目の前にそびえる大きな山をのぞむことができる。

重厚な雲が雄大さを演出しており、自然のエネルギーが伝わってくるようだ。



キッチンではヘロニモとマリアンナが前回町で売り歩いたアルゼンチンの国民的料理のエンパナダを作っている。

今日は土曜日。
たくさんの観光客で町は賑わっているはず。


前回20個作って1時間ほどであっさり売り切れてしまったことで、今回は30個作るんだと、張り切って生地をのばしているヘロニモ。


俺もライセンスを取っている。
堂々と1日中歌いまくってやるぞ。










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photo:04




ギターを持って1人町に歩く。

伸びやかな山々の傾斜が空に向かいどこまでも連なっている。

全ての色彩が鮮やかで、この山の麓の集落に吹き上がる風がとても心地よい。





そんな集落の中を歩いて町にやってきた。
メインストリートは穏やかな日差しに包まれて絶好の路上日和。

photo:05








早速ギターを取り出していると、すかさず警察が近づいてきた。


「ここで歌ったらダメって言ってるだろう。」


「こんなものを持っておりまする。」


堂々とライセンスの紙を見せると、ふーん、と紙を見つめてお巡りさんはスタスタ歩いて行った。

さて、路上開始だ。







photo:06



たくさんの人が足を止めて聞いて行ってくれる。
観光客も地元の人も。

顔見知りのバッグパッカーたちがハーイと手を上げてくれる。

ああ、気持ちいいな。

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すごくいい雰囲気で歌っていると、突如俺の前にすごい人だかりができ始めた。

みんなカメラを構えて俺のことをガンガン写真に撮っている。

おいおい、そんなに人だかりが出来ちゃったらさすがに警察に止められちゃうよ。


俺もついにここまできたか。
超人気者!!






と思ったらみんなが見ていたのは俺の背後のこれでした。







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ぬおおお!!!

ゲロすげぇ!!!

火山噴火しまくってるし!!!

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このバニョスのシンボルである巨大な火山、トゥンムラワの山頂からものすごい勢いで噴煙が立ち昇っていた。


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町のすべての人が通りに出てきて空にそびえるトゥンムラワを見上げている。

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生き物のように形を変えながら上空に登っていく噴煙はみるみるうちに空を覆い尽くしていく。

おいおい、どこまで膨れ上がるんだ?


いつか写真や映像で見た広島の原爆の煙のような目を疑うようなスケール。

誰もが空を見上げ、その大自然の営みに圧倒されていた。

俺もギターを抱えたままずっと見上げていた。

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しばらくしてまた演奏を再開するが、目の前の信じられないような光景が気になって歌どころじゃないし、みんな足を止めてくれなくなった。

そりゃ火山にはかなわねぇ。

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止むことのなく吐き出される巨大な噴煙が風にあおられて形を変え、それを夕日が照らし始めた。

様々な色に染まる生き物のような煙。

そこらへんのおばちゃんに聞いたら、前回の噴火は2006年のことだったそう。

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ていうか火山噴火してるのにのほほんと歌なんか歌ってる場合なのかな。

でもその神秘的な色にいつまでも見とれていた。

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夕日も色を失ったころ、ヘロニモとマリアンナが興奮しながらやってきた。


「ヘイ!!フミ!!見たかい!!噴火すごかったんだぜ!!マジやっべぇ!!!」


興奮して話すヘロニモ。



俺たちが泊まっているホアンの家はトゥンムラワの麓にある集落。

ヘロニモたちが今夜売るためのエンパナダを作っていたら、突然家の窓がガタガタと揺れ始めたんだそう。

なんだなんだ?と外に出て見たら、もうマジの目の前であの噴火が起きてたという。


写真を撮っていたら坂の上のほうにある家の人たちがゾロゾロと避難してきたんだそうだ。


「あんまりビックリしてずっと家の外で見てたらエンパナダが焦げちゃったのよ!!参ったわ!!」


「あれだよ!!マリアンナが料理を手伝ってくれたんだよ!!こんな珍しいことないと思ってたらトゥンムラワが噴火しやがった!!これマジだから!!マリアンナは観光に貢献したよ!!」


「それマジウケるから。日本でも珍しいことをすると雨が降るっていうんだよ。」


「アルゼンチンでもそうさ。アルゼンチンでは石が降るっていうんだぜ。」



なんだかそれがとても面白かった。


地球の裏側の国だというのに、そんな迷信でさえも日本と同じように言うんだなと思うとアルゼンチンがどんどん身近に感じられる。


年も近く、気の合うヘロニモとマリアンナがそんなことを言ってくれるとより一層親近感がわくな。



「ところで、その焦げたエンパナダは売れた?」


「もう噴火してるのをみんなが立ち止まって見てるだろ!?車もみんな止まって見てるから渋滞で動かないしさ!!売り放題で、家から町に来るまでにほとんど売れて、あっという間に40個なくなったよ。」


イェーイ!!と3人で手のひらをパチンと合わせ、それから拳をコツンと合わせるいつもの挨拶をした。

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photo:22



それから路上でアクセサリーを売るヘロニモたちの横で路上を続け、23時まで歌いまくってヘトヘトになってギターを置いた。


あがりは噴火の影響もあって70ドルだったけど、その分すごいもの見られたからよしとしよう。




photo:23



家に帰るとヘロニモが昨日市場でゲットした大量の食材を使ってご飯を作ってくれた。

料理好きのヘロニモの手際はとても鮮やかで、すぐに美味しいアルゼンチンご飯が出来上がった。

photo:24





「俺のお母さんはすごく料理が上手なんだよ。アルゼンチンに行ったらウチに泊まってくれていいぜ!!俺はいないけど。」


「お母さんはヘロニモの旅のことどう思ってるの?」


「どんどん行きなさいって感じさ。ウチのママは70年代のヒッピーで世界中を旅していたんだ。だから英語もペラペラだし、俺も子供のころから英語は必ず必要だからと教えられてきたんだ。マリアンナは喋れないけどね。」


「喋れるわよ!!」


いつも変な英語で一生懸命話そうとしてくるマリアンナ。
それがとても可愛らしい。

photo:25









日本とアルゼンチン、すごく似てるところが多いなと思える。


でも本当は深い付き合いをしてそれぞれの国のことをキチンと掘り下げていけば、きっとほとんど俺たちは同じような感覚や育ち方をしてきたんだと思う。

美味しいものを美味しいと感じ、苦さも辛さも同じように感じるし、寂しさも、開放感も、悲しみも、みんな同じように育んできている。




最近になってようやく、外国人だからって構えるようなことをしなくなった。

この2人と出会えて本当に良かった。








食べ終わった食器を洗ってくれるマリアンナ。
その洗い方は外国人がよくやってる、ザバッと濡らして軽くなでて終わりみたいなものではなく、キチンと隅々まで洗剤をつけてくれる丁寧なもの。


「マリアンナはヒッピーじゃないねー。」


「そうよ!!アイ、グッドグッド!!ヘロニモ、バカヒッピー。」


大笑いしながら楽しい夜はふけた。







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2月2日 日曜日
【エクアドル】 バニョス







ズズズ………



ゴゴゴゴゴ…………





低い地鳴りが絶えず窓を揺らしていた。

一晩中、それが夜の向こうから聞こえていた。





朝がきて、家の外に出てみると坂道の向こうにそびえるトゥンムラワが噴煙に煙っていた。

photo:01




噴火は一晩ではおさまらず、今日も巨大な生き物がイビキをかいているかのように音をあげていた。


地球も生きているんだということを改めて感じさせてる。

俺たちはクジラの背中で生きる貝のようなものだ。










サンペドロをどこかから回収してくる、という新しいミッションはまだ進展していない。

このバニョスにも生えているんだろうか。
早いところ見つけ出してそれをテナに持って行かなければ。


ふと気づいてみれば、あんなに余裕だと思っていたイースター島へ飛ぶ日、3月10日まであと1ヶ月と5日しか残っていないという事実にビックリしてしまった。

サンペドロをクリアーするまで少なくとも5日はかかるだろう。

となると1ヶ月以内にペルーとボリビアを終わらせてチリの首都サンチアゴまで下らないといけない。



えーっと…………






マジやべえ(´Д` )


ちっと余裕こきすぎてる(´Д` )






一刻も早く南下を開始しないといけないんだけど、このサンペドロ作戦にはヘロニモとマリアンナの力が要る。

ワガママ言って俺のペースに合わさせるのは申し訳ない。

でも2人も俺の状況を把握してくれてはいる。

今は2人に合わせながら行動しよう。

この3人での日々は最高に刺激的だしな。









「フミー!!オイ、ソロアイアンドユー、レストラン、シングシング、ムチョディネール、ビエンビエン!!」



スペイン語と英語がごちゃ混ぜになったジャニーズの歌みたいな謎の言葉で話しかけてくるマリアンナ。

そのたびにヘロニモが横から英語に翻訳してるという俺たちのコンビネーション。
最近ではマリアンナの変な言語にも慣れてきたし、俺もあまりに馴染みすぎてふと日本語で返したりしてしまう。




そんな仲良しの3人。

今日はマリアンナと俺の2人でバニョスの町のレストランを歌って回ることに。

ヘロニモは夕方のエンパナダ売りのためにひたすら家でエンパナダを焼くそうだ。

photo:02





てなわけでマリアンナと一緒にギターとマラカスを持って町に向かった。











photo:03



バニョスは観光地だ。
町のあちこちに無数の食堂やレストランがひしめいていて、客席はたくさんの人で賑わっている。


さー、どこでやろうかー!!


とソワソワしていると、向こうの方に俺たちと同じように裸のギターを構えて歩いているヒッピーのカップルがいた。

その2人は周りをキョロキョロ見回しながら歩き、レストランを見つけて中に入って行った。

そして客席に向かって演奏を始めた。




バニョスには裸のギターを抱えた人がたくさん歩いているけど、みんな日本でいうところの流し。

つまり俺たちの商売敵だ。

この激戦区でどれだけ稼げるか。










photo:04



早速マリアンナとレストランに飛び込んでいく。
マリアンナがお店の人にたずねて許可をもらうと俺も店内に入り、マリアンナが自己紹介を始める。

すると店員さんがサッと店内の音楽を切ってくれる。




曲は2曲。

1曲はマリアンナの歌うスペイン語の曲。

次に俺がもう1曲。


南米の人が多い食堂では陽気なアップテンポの曲。

欧米人が多い雰囲気のいいレストランではじっくりとバラード。


photo:09




ライバルが多くてたまに演奏を断るお店があるけど、お店の数はいくらでもある。

メインストリートから裏通りまで、しらみつぶしに回って行く。


通りのあちこちに警察やセキュリティーの人が立っているけど、レストランで演奏する分にはなんの問題もない。
堂々と稼ぐことができる。

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たくさんの拍手やアンコールの声をもらいながら歌いまくり、ついでに市場の中でも演奏し、2時間半くらいでレストランバスキング終了。


疲れたねー、と言いながら2人でご飯を食べに食堂へ。


注文したのはいつものチキンとライスのプレート、ユカ芋のスープ。

photo:10




どこの食堂でもまったく同じメニューしかないのでいい加減飽きてるんだけど、美味しいは美味しいんだな。


いただきまーす、とスープを飲んでユカ芋をかじったその時だった。





ガギ!!





何かチキンかなんかの骨を思いっきり噛んでしまった。
噛みどころが悪くて奥歯がジンジン痛んだ。


痛ーと思いながら噛み合わせた奥歯を舌で触ってみた、







銀歯がズレてる。





え!!ええ!!!
マジで!!?

焦りながら元どおりにならないか何度かカチカチかんでいたら、銀歯、ポロリととれた。










あひいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいい!!!!

銀歯とれたあああああああああああああああああああああ!!!!!!!!



だ、ダメだって!!!!
海外で歯のトラブルはマジでヤバイって!!!!!


治療費、治療にかかる時間、病院がなかった時に痛みに耐え続けないといけない、などなど間違いなく歯のトラブルだけは避けたいと思っていたので、旅に出る前にしっかり歯医者さんに通って全部治療してきたのに!!!


しかも俺、海外健康保険入ってないからもちろん全額自己負担。







やべぇ………

チキンの骨を変なとこで思いっきり噛んでしまって銀歯とれたとか、そんなしょうもないことで…………


あああ!!!エクアドルの歯の治療費ってどれくらいするんだああああ!!!





「フミ、ノープロブレマ、エクアドル、デンタル、ビエンビエン。ノーワリー。」


一生懸命話しながら自分の口の中を見せてくるマリアンナ。

マリアンナの謎の言葉をなんとか解読する。

どうやらエクアドルの歯医者さんや病院はめちゃくちゃ良い、と言っているみたい。






ついこの間、キトの歯医者さんで虫歯になってたところを全部綺麗に治したそう。

さらに、ジャングルの蚊に刺されまくったところを掻きまくっていたことで傷になり、そこが化膿してひどいことになっていたんだけど、それも病院で薬をたくさんもらってきていた。


値段がすごく安いってことなのかな。




「フミ、ノーモネー、ホスピタレ、ノーディネール。ビエンビエン。」




無料!?いやいやそれはないだろ?


ここは貧しい南米の小国。
安いことはあるだろうけど無料ってのはあり得ない。





と思っていたんだけど、家に帰ってヘロニモに聞いたら同じことを言った。


「驚いたよ。俺たちもなんでかわからないけどタダなんだよ。病院で山ほど薬をくれてさ、いくらですかって聞いたら無料っていうから、驚きながらもらって帰ったんだよ。マリアンナの歯医者さんも無料だった。エクアドルの病院はマジですごいよ。」




病院が無料って国はたまにある。

でもそれらは北欧とかの超裕福な国くらいだ。
国民のみんなが50パーセントを超えるような税金を払っているおかげで学校や医療などの福祉が徹底的にカバーされている。

でもそんなのは誰もが仕事を持つことができる国だからできることで、月収3~4万円で失業者だらけの南米で実現できる政策とは到底思えない。


思えないけど、実際病院はタダだったそう。



「それってマリアンナが南米の人間だからじゃないの?」


「それは本当に関係ないよ。フミが日本人でも一緒さ。ここがエクアドルでラッキーだったよ。アルゼンチンの歯医者はマジでシットな上に保険なしではめちゃくちゃ高いんだ。」



それを聞いてホッとした。
ならエクアドルにいるうちに早いとこ治療してしまわないとな。

虫歯が広がってポロっととれたんじゃなくて無理矢理はずれてしまったんだから、またパカッとはめ込めばいいだろう。


お昼のレストランバスキングのあがりは51ドル。
マリアンナと半分ずつで25.5ドル!!

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それからヘロニモが焼いたエンパナダ30個を持ってもう一度夕方の町に向かう。

面白いので俺も看板とナプキンを持って2人のお手伝い。




photo:16



夕方の町はお腹を空かせた人ばかりなのであっという間に売れていく。

アルゼンチン人の旅行者がたくさんいるんだけど、みんなほぼ間違いなく買ってくれ、それからフレンドリーに会話が始まる。


「エンパナダはいかがですかー?とても美味しいですよ。」


「ノーグラシアス。」


もちろん断られるほうが多いんだけど、人々の断り方を見ているとなんだか反省させられてしまった。


みんながみんな、笑顔でノーグラシアスと言ってくれる。


断られても全然嫌な気分がしない。
むしろ笑顔で断られるととても気持ちがいい。



客引きや物売りが近づいて来た時、俺はいつもどうしてるだろう?


彼らみたいに笑顔で断ってるか。



いや、間違いなく冷たい顔をして無視してる。
近づくなくらいの雰囲気を出してるはず。



うっとおしい客引きとの戦いが毎日繰り広げられるバッグパッカーの旅をしていると、いきなり向こうから話しかけられると完全にシャットダウンしてしまう習性が身についてしまう。

これはもう間違いなく。





でも、当たり前だけど向こうも人間なんだよな。
丁寧に対応すれば誰も嫌な気持ちにはならない。


いい経験させてもらってる。
今度からちょっと自分の物売りに対する行動を見直してみよう。

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エンパナダを売り切って家に帰り、今夜もヘロニモの作ってくれた晩ご飯を食べる。

何をするにしても丁寧で気がきいて、本当にいい奴だ。

photo:18






「フミ、明日から違う町に行こうと思ってるんだ。アンバトっていう隣町なんだけど、都会だから稼げるよ。」


そう言うヘロニモ。

違う町か…………
今は新しい場所に行くよりも一刻も早くサンペドロを探し出さないといけないんだけどな………





「フミ、俺の友達に教えてもらったんだ。アンバトにはサンペドロがそこじゅうに生えているらしい。アンバトでサンペドロをゲットして3日後くらいにテナに行こう。だからビールは今日までだぜ。」


「え?どうして?」


「サンペドロを飲むにはルールがあるんだ。サンペドロは神とコンタクトするためのものだからね、キチンと効果を出すために体をクリーンにしないといけないんだ。だからアルコール、肉を最低3日は摂取してはいけないんだ。1週間がベストみたいだけど、それはキツイからね。」


俺ためにいろいろと考えてくれているヘロニモたちの気遣いがとても嬉しいのと同時に、サンペドロに対する怖さも芽生えてきた。



3000年も前から南米でシャーマンたちによって扱われてきたサンペドロ。

一体どうなってしまうんだろう。

どんなものか見えてしまうのか。








少し不安になりながら洗っていた洗濯物を干していく。

パサパサっと針金に服を引っかけていると、マリアンナがやってきてシャツを裏返して針金にかけた。


「フミ、ビーカレフル、サン、コロル、ヒュー。」


ニコリと笑うマリアンナ。

どうやら服は裏返して干さないと、太陽の光りで色が褪せてしまうということみたい。


「マリアンナはヒッピーじゃないね。」


「ノー。マリアンナ、ノーヒッピー。ビアウティフル。ヘロニモ、ファッキンヒッピー。」



頭がよくて、様々なことにきがつくこの2人とならこんなに心強いことはない。




「アイ、ハッピー、ビアへコンフミ。アハハハ!!」


フミと旅できてハッピーよと言ってくれる2人。

ありがとう、俺もだよ。







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