南部の黒人に囲まれて歌う

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7月28日 日曜日
【アメリカ】 シャーロット





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ゆうべ、ヨシキさんとヨシキさんのお友達が運転する車に便乗してやってきたのは、ノースカロライナの真ん中あたりあるシャーロットという街。

話ではノースカロライナで1番大きな街みたい。


真夜中の街に到着し、適当に公園におろしてもらい、静寂の芝生の上にテントを張った。




ヨシキさん、贅沢な食事とお酒、感謝の言葉もありません。


地元の友達の家みたいにゆっくりとくつろぐことができました。



これからもイカしたビートをたくさん作って名前売ってください。
俺も頑張ります。

あとジャンクフードばかりでなく、鍋ブタで野菜たくさん食べてくださいね!!














「ヘイ、ヘーイ、ヘーイ!!起きろー!!起きるんだー!!」


テントの外からの声に飛び起きた。

入り口を開けると、そこには作業員のおじさんが立っていた。


「ここはキャンプしたらダメだよ。動いてくれ。」


そう言っておじさんはカートに乗って仕事に戻っていった。


まだ朝霧が煙る早朝の公園。
ランニングする人の姿もない。

3時間くらいしか寝てない。

頭がボーッとして、片付けなきゃと思いながらいつの間にか眠ってしまっていた。














「おい………おい!!おいコラ!!起きろー!!」



飛び起きた。やば!!

テントを開けるとさっきと別のおじさんが顔をしかめて立っていた。


「なんでまだいるんだ?移動しろと言っただろ。なぜ2回言わせるんだ?」


「すみません……つい眠くて………」


「いますぐテントをたたむんだ。早くしろ。」


寝ぼけ眼をこすってテントを片付ける。

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ベンチに座ってボーッとタバコを吸った。


うう………体が重い。
でも歌わなきゃ。

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とりあえず2ドルの市バスに乗ってダウンタウンへ。

ノースカロライナで1番大きな街だよな。
どれくらい都会なのかな。

ボストンくらいかな。












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はい、全然人歩いてねぇ。

大丈夫。想定内だよ。
車社会のアメリカだもんね。
ガレージトゥガレージですよね。




もはやこのシチュエーションは俺にとってもうなんの問題でもない。

市バスに乗り込み、郊外にある大型スーパーマーケットにやってきた。


広大な駐車場。

そこらに放置してあるショッピングカートに、荷物を山盛り積みこんでガラガラと押していく。

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いやー、楽チン。









早速バスキング開始!!

のその前に腹ごしらえ。
ギトギトのチキンにマカロニのマヨネーズ和えという最強に油っこいお昼ご飯を食べながら、今後の予定について話し合った。


「フミ君の計画としてはどんな感じなの?」


「えーっとね、まずこのノースカロライナからナッシュビル、メンフィス、そこから南に下ってミシシッピ、ニューオリンズ、テキサス、オクラホマ。悩んでたけどせっかくならグランドキャニオンはやっぱり見ときたいかなぁ。」


「それを全部ヒッチハイクで行くつもりなの?」


「なんとかなるよ、たぶん。」


「あー、怖いよー、この人の言ってること怖いよー。」


「じゃあせっかくならラスベガスも行こうよ。それで南米費用を散財しよう。」


「3万円しか持ってねーやつが何言ってんだ。」


「じゃあもういっそのことロスアンゼルスまで行こうよ。」


「ロスに行って何かあると?」


「なんも知らんけどさ。」


という後先何も考えいない話し合いの結果がこちらになります。







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え?何これ?馬鹿なの?

馬鹿がテキトーに引いた線ですか?

頭悪い人なの?


「こ、こうして地図にして見てみるとなかなかの無謀さやね………」


「だからフミ君はいつも無謀すぎるんだって。」


「まぁ、でもなんとかなるんじゃない?」


「そうだよ、何とかなるよ。」


そう言って2人はさっさと眠ってしまった。

photo:09







アメリカ横断ヒッチハイクか………

行きたい町を繋いだらこうなっただけで、別にたいしたチャレンジのつもりはない。

まぁなんとかなるか。

この度胸のある、というかお気楽なメンバーと一緒で嬉しいぜ。













さて、寝てる2人をほったらかして俺はスーパーの入り口でギターを取り出す。

暑い日差しがジリジリと肌に食い込む中で思いっきり歌った。




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もはやお客さんは黒人しかいない。
白人は1割りってとこか。

でもみんながみんな、素敵すぎる笑顔でさっとお金を入れていく。

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黒人は貧しいからお金がないし、そのせいで盗みを働いたり乱暴な性格をしている?


誰が言ったそんなこと?


みんな言ってる。

俺の中の俺も言ってる。

ヒップホップをガンガン流した車から身体中タトゥーだらけの黒人が上半身裸でゾロゾロおりてきたら、間違いなくぶち殺されそうな気分になる。


でもそんなギャングみたいな兄ちゃんが肩でリズムを刻みながら歩いてきて、グッジョブメーンといって5ドル札を置いていく。

突き出してきた拳に俺も拳をコツンとあわせる。




「おい!!お前!!」


ヒィ!!
調子良く歌っていると、熊みたいなシェリフがやってきて俺の前に立ちはだかった。


「おい!!」


「は、はひ………」


「いい声してるじゃねぇかコノヤロウ。」


そう言って乱暴に肩を抱いてくれる。
細っこい俺にはその力強さがとても頼もしい。


「あなたは熊みたいですね。」


「ばっはっはっはー!!コノヤロウ!!面白いじゃねぇか!!」

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お店の人もみんなお金を入れてくれる。
親指を立て、優しい声をかけてくれる。
なんてフレンドリーなとこだよ、アメリカ南部。

黒人たちに囲まれながらそんな楽しすぎる路上を3時間。

あがりは106ドル!!

よっしゃあ!!!




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それからカッピーとユージン君にバトンタッチ。

2人も人だかりを作ってスィングしまくり、ガンガン稼ぐがあまりにも調子良くやっていたのでついにお店からストップがかかった。

2人のあがりは80ドル。

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「お前ら!!お前らはいいミュージシャンだ!!ここよりもシャーロットのダウンタウンでやったらもっと稼げるぞ!!俺がいい場所を知ってるから連れてってやる!!」


ずっと演奏を聴いてたおじさんが鼻息荒く声をかけてきた。


俺はもう満足だったけど、そのおじさんがめちゃくちゃ強引に街に行くんだ~!!と言ってくれるので、ノリで車に乗りこんだ。

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ガタンガキン!!と今にも分解しそうなバンに荷物を積みこんでダウンタウンにやってきた。


うん、確かに朝よりかは人の通りは多いな。


「ほら!!そこ!!あそこの角!!向こうの交差点のとろこにもよくパフォーマーがいるんだ!!よし!!ここが最高のポイントだからここで歌え!!さぁ、頑張ってな!!」


おじさんは俺たちを降ろして嵐のように去っていった。

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雨も小雨だし、俺はもう100ドル稼いでるのでやめとくかな。
でもカッピーたちは同じ100ドル稼いでも2人で折半なので、俺の倍稼がないと割りがあわない。

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街路樹の下のベンチでジャズを響かせるカッピーたちを少し離れたところから日記を書きながら見守った。

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すると突如、ギターとサックスの音にハーモニカの音色が加わった。

なんだ?


見にいってみると、2人の前に黒人のおじさんが座ってハーモニカを合わせていた。

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ただの通りすがりのオッさん。
なのにとっても情感豊かなハーモニカを吹く。

2人のテンションを飲み込むようにソロを吹き上げるおじさん。

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なんだなんだ、面白すぎるぜアメリカ南部。

さすがはディープな音楽の土地。

音楽を聴けば黙ってられないって人がそこらじゅうにいる。


そして、通行人もみんな楽しそうに腰を揺らしてお金を入れていく。

俺もたまらず下手くそな英語で即興で歌を合わせた。


街灯が光るシャーロットの街角に、イカしたセッションが響き渡った。

あがりは20ドル。











さて、もうアメリカ横断の旅は始まってしまっている。

もう泊まる場所はない。
自分たちで毎日見つけていかないといけない綱渡りの日々だ。

ゆうべの公園はもう泊まることはできない。


明日からヒッチハイクの移動が始まるので、出来れば街の中心部から外れた郊外まで出ておきたい。

グーグルマップを見ながら眠れそうな場所を探す。



まぁこんな田舎だから街から出てしまえばどこでも眠る場所はあるだろう。

市バスがどこまで行っても2ドルなので、行けるところまで行ってしまおうと乗り込んだ。











終点に着いた。








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空港です。



「う、うわぁ!!ここは天国かぁー!!」


「トイレがある!!Wi-Fiもある!!」


「床がカーペットだー!!」

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飛行機に乗らないのに空港泊。

渋い。

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そこらじゅうのベンチや、隅っこのほうで飛行機待ちの旅行者たちがゴロゴロと寝っ転がっているので、荷物をたくさん持った俺たちもまったく違和感なくマットを敷ける。

エアコンも効いてるし、虫に怖がることもない。

なんて快適な無料宿泊施設なんだ!!




巡回している黒人の警備員さんが、ハーイ、と笑顔で声をかけてくれる。


こっそり寝酒のラムを飲んで寝袋に包まった。

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ようやくホーボーの旅らしくなってきたアメリカ。

これからずっとこんな綱渡りの日々が続く。

スーパーマーケット、空港、ありとあらゆるものを利用しながら、危険を回避して進んでいくぞ。

もちろん、自分の中にある恥ずかしくない良識を信じつつ。




まぁ、今のところ危険なんて微塵も感じていないけどね。


黒人は怖い?

ホント、ひいき目なしで、今まで訪れた国の中でもトップ3に入るほど優しい人たちばかりの土地だよ、アメリカ南部。

旅をしていると、弾かれているのを感じる場所もあれば、心から抱きしめられているのを感じる場所がある。


心の中で恐れている感情を裏切られているというものあるかもしれないけど、本当に黒人の笑顔はマジで最高に優しい。


サザンホスピタリティに抱かれながら眠ろう。

これからの果てしないアメリカンホーボーの道程を夢見ながら。

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アメリカ横断ヒッチハイク開始!!

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7月29日 月曜日
【アメリカ】 シャーロット ~ アッシュビル






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ゆうべあまり寝ていなかったおかけで、目が覚めた頃には空港は人でごった返す時間になっていた。

いそいそと寝袋をたたむ。


ちなみにライト兄弟はノースカロライナの出身。

車のナンバープレートも、人類初の飛行機がモチーフになってる。

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カッピーたちはすでに起きて、向こうの方で電池関係を充電しながらパソコンをいじっている。


ユージン君のギターはクラシックのサイレントギター。
サックスの音量に負けないためには必ずスピーカーが要る。

なので常にコンセントを見つけては充電していく必要がある。












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さぁー、ついにアメリカ横断ヒッチハイクの旅の始まりだ。

ここからがアメリカ本番って言ってもいい。

どんな波瀾万丈な旅になるのか!!


荒野の中の一本道、ガソリンスタンドのバー、岩山に沈む夕日、ジョンウエィンみたいな渋すぎるおじさんとの出会い。



西部劇の舞台を想像しただけでワクワクしてくる!!

ね!!カッピー!!ユージン君!!




「もう金丸塾長にお任せしますからー。」


金丸放浪塾は厳しいぞ!!










空港から歩いて車道まで出てきた。

ここはすでに郊外なので、車がバンバン走る一本道で、小さなガソリンスタンドがポツンとあるだけで他には何もない。

暑い日差しが肌に食い込む。



photo:04



ガソリンスタンドの売店で小さなパンを口に詰め込み、建物の裏にあった水道で身だしなみを整える。

ヒッチハイクで車に乗せてもらうのに、臭いままではいけないからね。

カッピーに至ってはタオルで体も拭いている。

金丸放浪塾、テスト合格。

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髪切りてぇ!!

photo:06














少し歩いて車が止まれそうな場所に荷物を置く。

その際、楽器を見えやすい場所に配置させる。

音楽をやっているということはドライバーにとてもいい印象を与えるからだ。



よーし、それじゃ張り切ってヒッチハイクいってみよう!!
今日の目的地はノースカロライナの端っこ、音楽の町と名高いアッシュビルだ!!



「ちょっとまずはお手本をお願いします!!」


カッピーたちはヒッチハイク未経験。
それがいきなり外国だっていうからレベル高いよな。


「よーしよし、プロの腕見せちゃおうかな。」


「看板とか出さなくていいの?」


「俺にそんなものは要らん!!」



ビシッと親指を道路にのばす!!

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3分。




「すげぇ!!神の親指だ!!」


一瞬でゲット。

俺すげぇ!!



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仕事帰りのおじさんたちの車に荷物を積んで、まずは30分ほどのドライブ。


「腹減ってないか?ドーナッツ買ってきてやる。」


「アメリカの好きなバンドはなんだい?」


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荒くれ者丸出しのおじさんたちなのに、いきなりめちゃくちゃ優しい。

会話も弾み、楽しい時間はあっという間にすぎて、目的地へアクセスしやすい道路ぎわのガソリンスタンドに降ろしてもらった。



「アッシュビルまで行くのか。よし、看板作ってやる。このマジックも持ってっていいぞ。」


優しすぎるおじさんたちは俺たちに看板を作ってくれ、親指を立てて颯爽と去っていった。

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「ヒッチハイクすげぇね!!」


「うおー、なんかいける気がしてきた!!」


間髪いれずにすぐヒッチ開始。

2人ももう慣れて、道路ぎわで親指を立て、看板を掲げている。

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俺はちょっと売店にトイレへ。

戻ってみるとまださすがに捕まえてはいなかった。

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どれ、プロの腕見せちゃおうかな!!

すぐに参戦。


ヒッチハイクのコツは人畜無害なあどけない表情と、旅してます!という純粋で乗せてあげたくなる絶妙なポーズ!!










3分後。











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「すげえええええ!!!!神の親指だあああああああばばばばばばば!!!!!」


「ていうか、と、飛ばしすぎいいいいいいいいい!!!!!」


「気持ちいいいいいいい!!!!!」


車の荷台に荷物と一緒に乗りこんで高速をかっ飛ばす。

荷台で高速て!!

怖すぎる!!

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トロールも上機嫌!!

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これまた30分ほど走り、またガソリンスタンドに降ろしてもらった。


「ワイフをお医者さんに連れていかないといけないからここまででゴメンな。もし困ったら電話してくれ。」


乗せてくれたのはベトナムからの移民のご家族。
電話番号を交換して去っていった。



さぁ、目的地のアッシュビルまで半分は進んだぞ。

うまく行けば今日中に着いてしまうぞ。

次々いってみよう!!

photo:18











が、まぁそうは調子よくいかないもの。

ここで止まってもらえない時間が続く。


日陰のない高速の乗り口。

ギラギラと照りつける太陽に頭が朦朧としてくる。

大丈夫、これが普通のこと。
そう簡単に捕まることばかりじゃない。





真っ青な空。
太陽は容赦無く照りつける。

カッピーたちもさっきまでのテンションが落ちてきている。

早く捕まらないとマジで倒れそうなほどの暑さ。










そこに電話がかかってきた。

さっきのベトナム人家族だ。



「捕まらないのかい。そうか。………どうだい、もしガソリン代を出してくれるならアッシュビルまで行ってあげてもいいよ。」


嬉しい提案。

しかしガソリン代を払うのは………
お金を払って移動するのならはじめからバスに乗ったほうがよかったことになる。


たしかにご家族の住んでる町からだとかなり遠いし、俺たちを降ろしたらまた彼らは帰らなきゃいけない。

ガソリン代もまぁまぁするはず。


「ごめんなさい、僕たちお金を節約しなきゃいけないんです。なのであり難いんですが………」


「でもいつまでも捕まらないかもしれないじゃないか。僕ならすぐに送っていけるよ。全額払ってくれとは言わないし。」


しかしやはりお金を払ってのヒッチハイクは避けたい。
多分1日中捕まらないことはないだろうし。


申し訳ないがお断りし、ヒッチハイクを続ける。


太陽は勢いを増すように頭を焦がす。








その時、1台の車が止まった。

よっしゃ!!やったぜ!!


しかし、それはさっきのベトナム人家族だった。


「あ、あ、あの、本当に申し訳ないですが、お金は払えないんです。」


「大丈夫、気にしなくていいよ。アッシュビルまで行ってあげる。さぁ乗りな。」



なんてこった。


「俺たちは同じアジア人だ。助け合わないといけない。」



カッピーとユージン君はさっきのように荷台に乗り込み、俺は助手席へ。

車はまた高速道路をかっ飛ばす。










ご家族は敬虔なクリスチャンで、プロテスタントの信者。

運転中、ずっと宗教の話をしてもらう。


「例えばみんな人生という道を走っているとするだろ?クリスチャンというのは神に守られているからね。僕らは正しい道を走っている。でも神を信じない人たちの道は先のほうで橋が壊れてるんだ。落ちてしまうか、気づいて引き返さないといけない。それは貴重な時間の無駄だよね。」



「人間は神が創造したものなのは知ってるね?猿から進化したものだと科学者たちは言うけど、間違ってるからね。」




旦那さんと奥さんにひたすらキリスト教が正しい生きる道だということを教えていただいてる時の走行時速120km。


カッピーたち死んでねぇか気になって仕方ねぇ(´Д` )






それからもずっと、人を助けることで天国に行けるのだと教えてくれるご夫婦。

可愛い赤ちゃんがダーダー言ってる。


「僕はさっき君にガソリン代をくれと言ったことを申し訳なく思ってる。本当にすまなかった。」











車はアッシュビル郊外のショッピングセンターに止まった。

ここならすぐに路上ができる。

1時間恐怖の時間が続いて死にそうになってるかと思ってた荷台のカッピーたち。
でも以外にも爽やかな顔をしていた。

ユージン君なんて時速120kmの中で爆睡してたみたい。

金丸放浪塾、合格!!




「それじゃ、神のご加護があることを祈ってるよ。」


車に乗り込もうとする旦那さんにこっそりお金を渡した。
1人5ドルずつではとても足りないだろうけど。



「ダメだ、これは要らないよ。君たちは払う必要ないと言っただろ。」


「わかってます。私たちが払いたいから払うんです。」


「そうか、ありがとう。でもこれは僕ではなく君たちがこれから出会う本当に助けが必要な人に渡してくれ。ありがとう。」


彼らはお金を受け取らず、代わりに聖書と笑顔を残して帰って行った。

photo:19





またユイマール。
日々、積み重なっていく恩。

一体いつになれば次に回せるのか。

早くしないと俺のコップが一杯になってしまう。

今はとにかくありがとうとしか言えない。












さぁ、そんなこんなで今日中にアッシュビル到着という目標達成。

緑豊か、っていうか山の中のど田舎だ。

photo:20




20時だけどまだ日はあるので路上もできる。



まずは腹ごしらえにそこら辺にあったピザ屋さんへ。

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こここそ映画に出てきそうな田舎のレストラン。
地元の人たちが和やかにご飯を食べている。

ジュークボックスやささやかなゲームコーナーもある。

photo:22




こういうゲーム。
昔家族とレストランに行った時とか、学校帰りにデパートの最上階とかでやったよなぁ。

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懐かしくて思わずやってみた。
25セント。




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田舎のよく働く可愛いウェイトレスにデレデレしながらピザを食べると21時を回ってしまった。

俺はもう明日にしようかなと思ったけど、カッピーたちはやるという。

気合い入ってやがる。






夕闇が迫る薬局の入り口横。

ムーディな2人の演奏を遠くから眺める。

まばらなお客さんが足を止め、拍手する。

いいコンビだよな。

30分ほどやって10ドルゲット。

photo:26













さて、こんな田舎なので寝床探しなんて簡単なもの。

外灯もまばらで、森だらけなのでどこでだって眠れそうだ。


薬局のすぐ横に小さな橋があり、その下の暗がりに潜り込んだ。

そこには広々としたスペースがあり、静かで野宿に最適だ。

早速ここで決まりだね、とライトをつけて照らしてみると………






なんだこれは………


ゴミが散乱している………


いや、ゴミかそうでないかわからない。

衣類もある。


石が円状に置かれて、完全に人の生活があった。



ま、まぁよくあること。

こんなとこで寝てて、夜中に物音がして目を覚ますと、暗闇の中で足元に人が立ってたりってなことはしょっちゅうあった。


でもまぁこっちは3人だし、間違いなくここに誰かが住んでるとは限らない。

誰も来ないかもしれない。



「う、うわぁ!!こ、これ見て!!」


ユージン君が声を上げた。

ライトで照らしている石の上を見てみると………





photo:27



こ、これは怖え………


こんなの1人の時に見つけたらオシッコちびるぞ。

完全にホームレスが住んでいる。

怖くなってみんな逃げるように橋の上にあがった。








しばらく探し回っていると、大きなショッピングモールを見つけた。

広大な敷地の奥へ奥へ歩いていくと、1番奥に映画館があり、建物の裏が人のまず来なさそうな駐車場になっていた。


ここなら誰も来ないだろう。


端っこのほうにテントを張って、外灯の下、アスファルトに座ってマリブを飲んだ。

ひとつのコップをユージン君と回す。

ここはアメリカなんだよな。




「30年も経ったらこの旅のことどう振り返るんだろうね。」


「そうだねー。」


「ユージン君は帰ったら何するの?」


「あんまり考えてないかなー。山梨に帰ってギター教室でもしようかな。」


「海外でやればいいじゃん。タイとか。駐妻狙いのセレブなギター教室。」


「あ、それいいね。ついでにライブバーとかもやればいいやん。」


「いいかもしれない………テンガバーもやろうかな。」




静まり返った駐車場に笑い声が響く。

夜の片隅。マリブのコーラ割りがじんわりと体を温める。

俺たちは男だ。夢を語らないで何を語る。
まぁ下ネタのほうが多いけどね。

俺たち今は何も持ってないけど、まだまだ人生これからだよな。


1時をすぎたころにテントに潜り込んだ。










が、ヒッチハイク旅初日はこれで終わらせてくれなかった。














どれくらい経ったか。

外で若者の笑い声と車のエンジン音が聞こえる。

暇な若者がドライブに来てるんだろう。

耳をすませていたら、しばらくしてエンジン音が遠ざかり、また元の静寂に戻った。


そのままうつらうつらと夢の中へ。








またしばらくして物音がした。

ガタンガタン!!という金属音。

ゴミをコンテナに放り込んでる音みたいだ。
どうやら映画館のレイトショーが終わり、スタッフが最後の後片付けをしてるところみたい。

こっち来ないでくれよ……と寝袋に包まりながら目を開けて耳をすませていると、ザッザッと足音が近づいてきた。


まずい。



「ヘイ、ヘイ!!起きなー!!」


来ちまったか………





カッピーたちが対応している。

寝袋から出てテントを開けると、スタッフの兄ちゃんが2人いて、ここにいると警察が来るから向こうの端っこに移動してくれと言っていた。


時間は4時。

眠い体を起こして、テント移動。

うう、眠い………



兄ちゃんが言っていた端っこのほうに雑木林があり、その中なら確かに外からは見えにくいようだ。

3人で立てたままのテントを持って駐車場をせっせと運ぶ。







その時、向こうにヘッドライトの光が見えた。

やばい、誰か来る。


ドンドン近づいてくるヘッドライト。



アスファルトの上にテントを置いて影に隠れた。

駐車場を徘徊している車は、車高が低く悪そうな雰囲気をまとっている。

さっきみたいな悪ガキたちか。

カッピーたちもテントの影にうずくまって動かない。

頼む、どっか行ってくれ。








しかし、車は俺たちのテントの前でスピードを落としてしまった。


カッピーたちを置いて、勇気を出してテントの影から体を出した。


車の窓が開く。



「よぉ、○○○○○○。」


英語がネイティブすぎて聞き取れない。

焦るな。こんなこと今までよくあったじゃねぇか。
いつも乗り切ってきた。

静寂の駐車場にエンジン音が響く。







車のドアが開いた。

中から黒い影が降りてきた。

ヤバイ。全身の毛が立つ。

今まで何度もあった、危ないシチュエーションの時のアドレナリンが頭にあふれる。

これは本気でヤバイ。

有無を言わせぬ歩調で近づいてくる黒い影。

すぐに攻撃をかわせるように身構えた。












するとその影は俺に何かを差し出してきた。

手に取るってよく見てみると、それはゴミ袋みたいな大きなビニールにまんぱんに入ったポップコーンだった。

さらに2リットルのペットボトルの水。紙コップ。


「セーフジャーニー。」


黒い影はさっきのスタッフだった。

そして車に乗り込み、アクセルをふかしたかと思うと、あっという間に駐車場に虫の鳴き声が戻った。








3人で顔を見合わせる。



「あっはっはっはっはーー!!!」


「はははははー!!!」


「食えねーってこんな量ー!!!」


緊張の糸がゆるんで一気に大笑い。
面白すぎるぜ。

きっと30年後になったって、1日たりとも忘れられない濃密な旅だよな。


アメリカ横断ヒッチハイク旅。
初日から飛ばしてる!!








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7月30日 火曜日
【アメリカ】 アッシュビル






警察に叩き起こされた。


あああ(´Д` )
ゆっくり寝させてくれー………


「なんでこんなとこでテント貼ってるんだ。ホテルに行けばいいだろう。」


「旅をしてまして、お金を節約するためにキャンプしてるんです。」


お巡りさんがいつもより少し高圧的だったのは、ゆうべ夜中にテントを移動した時に、うっかりマリブの瓶をテントに入れ忘れて、外に置いたままだったからだろう。

酒飲んでキャンプしてた、というのは見た目のいいもんじゃない。

というより、アメリカでは外で酒を飲むのは違法だ。


まぁ、早くテントをたたんで立ち去りなさいという注意だけで済んでよかった。

すぐに荷物をまとめて歩いた。

photo:01



photo:02








さてと、このアッシュビル。

地図を見ると、広大な山脈の谷間にある大自然に包まれた場所といったところ。

どうしてこんな田舎町に来たかというと、これまでノースカロライナで出会った人たちが必ず口を揃えて、


「音楽やってるならアッシュビルに行くんだ。」


と言っていたから。

何やらたくさんのミュージシャンが住んでおり、いたるところで路上ミュージシャンが演奏し、音楽で溢れた町なのだそう。



こんな山の中の田舎が?

にわかには信じがたいが、ナッシュビルとひと文字違いというところもどこか惹かれる。


ユージン君がウィキペディアでこの町を調べている。


「えーっとねー、アッシュビルは全米で1番変人が多い町って書いてる。」



どんな統計だ(´Д` )!

どうやって調べたんだそれ?




というわけでランキングに貢献する新たな変人3人は、モールの中にあるスーパーマーケットにやってきた。

photo:03





こんなにポップコーン食べられないよー………
おぇぇぇ、とか言いながらポップコーンを詰め込むユージン君。

photo:05





カッピーたちは中のカフェで電池の充電。

俺はほとんど寝ておらず、あまりにも眠いので表のベンチで眠りこけた。







すると1人のおばさんが声をかけてきた。


うん……な、なんですか……?


おばさん、俺にお菓子と水を差し出してきた。



ほ、ホームレスじゃねぇ(´Д` )


ズボンの膝が破れまくりで髪長くて片目のない不気味な人形をバッグにぶら下げてるけどホームレスじゃねぇ(´Д` )



「うわ、あ、あの、僕ホームレスじゃないので受け取れません。」


「大丈夫、いいのよ。ゴッドブレスユー。」


何も言わなくていいのよ、大丈夫、みたいな全てを承知してるような笑顔で、俺の横にそっとお菓子と水を置いておばさんは去っていった。



俺そんなふうに見えてるのかな………
ズボン買わなきゃな………



まぁでも、お遍路さんへのお接待みたいなもんで、旅をしてる人に何かしてあげるという優しさはごく自然なものなのかな。

もちろんそれに期待して甘えてはいけないが。


お菓子をかじる。

甘い。








「よーし、そろそろやろうかなー。」


昼前になってお客さんが増えてきたころにカッピーたちが戻ってきた。

今日はカッピーに先手を譲ろうかな。

準備を始める2人。

さー、今日も100ドルイーチはとりたいなー。





と思ってたら、まだ音も出してないうちにお店の人から止められてしまった。

ま、マジか………



いや、これは仕方ない。

ここらは大型の店舗がいくつもあるショッピングエリアなのでやる場所ならいくらでもある。


ふた手に別れてそれぞれに場所を探す。


カッピーたちはドラッグストアー。
俺はホームセンターだ。

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が、思うように稼げず、というかわずか2曲目でストップがかかってしまった。

うー………なかなか厳しいな………

あがりはたったの1ドル。

荷物を片付けていると、向こうの方からカッピーたちがやってきた。


「どうだった?」


「2ドル。ダメだ。全然入らない。」


綺麗に1ドルイーチになり、マーケット路上は諦めてダウンタウンへの市バスに乗り込んだ。

バスはどこまで乗っても1ドル。
アメリカの市バスは安いから利用しない手はないね。











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アッシュビルのダウンタウンに到着。

山の中の小さな、可愛らしい町だ。

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坂道が多く、旅情をかきたてられる通りにセンスのいいカフェやレストランが並んでいる。

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そしてこんな小さな町なのに、ちょっと歩いただけで、鍵盤弾き、ギター弾き語り、フルセットのドラムの路上パフォーマーの姿。

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さらにはそこら中のお店でライブ、生演奏をやっており、確かに町全体に音楽が溢れている。


いやっほーい

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よーし、俺たちも張り切っていこうか。

カッピーたちとふた手に別れ、俺は交差点の角で路上開始。








photo:15



なのだが、良いポジションには他のパフォーマーが陣取っており、ここは歩道も狭く人が足を止めにくい。

チクショウ、全然入らない。

いくら歌っても手応えが感じられず、なんだか疲れてしまってすぐにギターをしまった。

あがりはわずかに2ドル。










「おーい、どうだいー?あれ、もうやめたの?」


そこにカッピーがやってきた。


「いやー、この町いいわ!!稼げてるし。ウチに泊まりなって言ってくれる人もゲットしたから!!」


うおー!!マジか!!
シャワー浴びられるー!!

でも悔しい………

俺は全然稼げなかった………




カッピーたちのところに行ってみると、バーやレストランが固まっている通りの角でカッコよくジャズを演奏していた。

photo:17




周りのバーからお酒の入ったご機嫌なマダムやおじさんが出てきて、陽気なお金を置いていく。


やっぱりやるなー、この2人。


こうしてバスキング仲間と旅をすることはとてもいい刺激になる。
俺も負けてられないと思える。

最初は1人旅じゃなくなることで、地元の人との交流が減るかもと思ったが、単純にバスキングを2組でやるわけだからお泊まりや人と触れ合う確立だって1人よりも間違いなく上がる。


強盗なんかも手を出しづらくなるだろうし、旅のスタイルが似たメンバーで行動することはとてもいいことなんじゃないかと思える。












しばらくすると、1台の車が俺たちの横に止まった。

優しそうな笑顔の兄さんが降りてきた。
どうやらこの方が今夜の宿の提供者みたいだ。


「コンバンワー、ワタシハジェイムストイイマスカラー、ハジメマシテ!!」


文法はめちゃくちゃだけど、かなり上手な日本語を喋るジェイムスは、かつて2年ほど日本の札幌に住んでいたことがあるそう。

その時にとてもたくさんの日本人たちにお世話になったらしく、日本人にどうしても恩返しがしたいと言う。


「日本人、ミンナイイヒト。シャイダケドー、スコシビールヲノンダラ、ミンナフレンドリーノヨウニナリマスカラー。」


「札幌ならラーメンは食べましたか?」


「オーシット!!ラーメンタベスギマシタカラー!!ショウユラーメンハチョウベリーヤバイデスネ!!」



そんな日本を愛するジェイムスの車で彼の家にやってきた。

木々が生い茂る静かな住宅地の中にある一軒家。

築100年のこれぞアメリカって家だ。



「ハーイ、イラッシャイマセー。ユックリシテネー。」


家の中にはニッコニコの笑顔の奥さん、娘が2人。そして犬が3匹と猫が2匹。

photo:18




もーーーー、娘のソフィアとマヤが可愛くて可愛くてたまらない!!!

モジモジしてるんだけど興味があるみたいで、挨拶すると恥ずかしそうにハローと言ってくれる。

可愛いいいい(´Д` )




そして犬も可愛いいいいい(´Д` )

photo:19





奥さんも一緒に日本に住んでいたという日本大好きなご家族なので、犬の名前が、ユキとカブとユージ。

photo:20



ゲロ可愛い(´Д` )


もう幸せを絵に書いたようなアメリカンファミリー。








「ヨシ、コノアタリノオイシイピザ、タベニイキマショウ!!ビールヲノメ!!」



8歳の懐っこいマヤが元気についてきて、5人で歩いて近くのピザ屋さんにやってきた。


ビールとピザ、

完璧すぎるコンビネーション。

photo:21



photo:22





「デモワタシハ、ホッケガアイシテマス。ホッケトサケ!!パーフェクト!!カンペキ!!ホッカイドウノタベモノガセカイイチデス!!」




家に帰り、ジェイムスがエアーベッドを用意してくれた。


「モシヨケレバアシタモトマッテクダサイ。デスカラ、ランドリーモシャワーモツカッテクダサイ。ワタシハニホンジンニオンヲカエシタイカラデス。」



今回は完全にカッピーたちのおかげだな。

野良犬なら野良犬らしく自分の食い扶持は自分で見つける。

こんなに素晴らしい出会いをもたらしてくれる野良犬仲間に感謝。








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7月31日 水曜日
【アメリカ】 アッシュビル






ガタガタという物音で目を覚ました。

台所のほうから会話が聞こえる。

女の子の幼い声と、それに優しく応えるお父さんの声。


それと同時にガリガリという何かを削る音も。

どうやらコーヒー豆をミールにかけている音。


ここはジェイムスの家だ。

photo:01








「オハヨウゴザイマス、コーヒーイレマシタデスカラー。」


スターバックスの豆で淹れたコーヒーを飲む。
足元を嬉しそうに駆け回る犬たち。

8歳のマヤが張り切ってお皿をテーブルに運んでいる。

普段からしてるのか、俺たちがいるからしてるのかわからないが、少なくとも俺たちがいることを楽しんでくれているのはわかる。

photo:02







ジェイムスがホットケーキを焼き終わったころに、10歳のソフィアが眠そうな顔して降りてきた。

赤毛の髪の毛にソバカスのある白い肌。
お人形みたいに愛らしい。

ソフィアは水泳の選手らしく、なんとノースカロライナで2番目、全米では7番目の順位を持つ強豪選手だった。


棚や暖炉の上に、ソフィアの水着姿の写真が飾ってある。
試合前の真剣な顔だ。



photo:04



幸せな家族。

その和やかな空気にすっかり虜になってしまっている。







「イイステーキガモッテアリマス。デスカラキョウモ、シュクハクヲシマセンカー?ワタシキョウハシゴトヤスミマシタ。」



する!!
します!!

よし!!俺もなんか日本食を作る!!
みそ汁作ろう!!

ああ、居心地が良すぎて離れられなくなるよー!!










photo:03



さて滞在は延ばしたけれど、日中は稼ぎに行かないと。

カッピーとユージン君はダウンタウンに狙いを定め、バスに乗って行った。

俺は近くのショッピングセンターを責めることに。








バッグをからってギターを持ち、ショッピングセンターに歩く。

あ、からうってのは背負うって意味ですからね。
宮崎弁カッケェ。

そんなことはどうでもいいんですけど、





実は歩く足がとても痛い。

この3日くらい前から右足の親指の爪が異常な痛みを持ってきている。

歩く時に指が曲がると激痛が走る。

アスファルトの上、ヒョコヒョコとびっこをひきながら歩く。

photo:05





前々から親指の爪が少し割れていたんだけど、ヨシキさんの家にいるときに、それを強引に引きちぎった。

爪はかなり奥の見えないところからズルッと抜けんだけど、どうやらそこが怪我になってしまってるようだ。


サンダルばきで不潔な状態のまま過ごしていたので、バイ菌でも入ってしまったのか、爪のつけ根が日に日に腫れ上がり、針でさしたら破裂しそうなくらいパンパンになってしまっている。


いつもたいがいの怪我ならほったらかして自然治癒力に任せるところなんだけど、今回は結構シャレにならない痛みと見た目になってきている。

予防接種なんて何にもしてないので、下手に悪化して指切断なんてこともありうる。

そろそろ手を打とうと思っていたところなんだけど、これがまたナイスタイミングで今回のお泊まりの家主であるジェイムスは医者の卵。

ありがたい。


指を見せるとすぐに色々と準備してくれ、今朝とりあえず抗生物質は飲ませてもらった。

患部がジンジンと熱をもったように痛むが薬が効いてるんだろう。










ヒョコヒョコと足をかばって歩き、スーパーマーケットにやってきた。

photo:06



photo:07




ドラッグストアーやスーパーマーケット、ファストフード屋さんなどが入った大きな建物。

しかし人が少ない。
ポツポツとまばらにしかお客さんがいない。

ベンチで日記を書きながら人の流れを見るが、どうにも変わらないままなので、仕方なく演奏開始。



わずか2曲で10ドル入った。

よし、こいつはいける!!





というところでお店からストップがかかった。

あああ………またか。

最近止められてばかりだな。






スーパーマーケットバスキングはギャンブルだなぁ。

ハイリスクハイリターン。

ものすごく稼げるか、全然稼げないか。

ダウンタウンのストリートは怒られずにやれるけど、あがりは平坦なもの。

場所選びは本当に難しい。







それからも足を引きずりながらやれそうなお店を探して回るが、どこもお客さんの数は少なく、今日はもう日記書きに集中することにした。

このところ目まぐるしくたくさんの事が起きているので、なかなか日記が追いつかない。


ベンチに座って険しい顔やニヤニヤした顔をしたりしながらiPhoneをチョンチョンいじっていると、それなりに怪しい人物になれる。

みそ汁の食材を買って家に戻った。




家に入ると、台所ではすでにジェイムスと奥さんのメーガンが料理をしていた。

photo:08




「フミー、オツカレサマデシタ、カンパイデスヨネ。」


ビールを渡される。
たいして稼いでないんだけどな。

乾杯して飲みながら2人の料理の邪魔をする。


「サッポロノコウエンデノジュクシタコトアリマス。ホームレスタクサンイマシタケドー、ミンナヤサシイカッタデスー。」



メーガンは北海道にいる時、学校で英語教師をしていたこともあるそう。
2人とも日本での生活経験があるので、英語がとても聞き取りやすい。

photo:09





「ニホンノガッコウ、バッドボーイバッカリデシタヨー。デモタノシカッタデスカラネ!」


「でも日本の先生は誰も怒りませんよね。昔の教師はすぐにパンチしてきましたよね。」


「ソウデスネー。スグウッタエマスカラー。」


そんな甘やかされて育った若者たち。
日本では彼らが社会人となってきているが、少し厳しくされただけで、あーこの会社は自分には合わないな、と言ってすぐに辞めてしまうんですと教えた。


アメリカでも同じようなもんで、仕事がない仕事がないと世間では言われているが、実際選ばなければいくらでも仕事はある。

メキシコ人の移民たちはそういったキツイ仕事でも選り好みせずにやるので、アメリカ人たちは、メキシコ人が俺たちの仕事を奪っている、と批判するんだそう。


「オカシナコトデスヨネー。」


とニコッと笑うメーガン。

冷蔵庫にたくさんの写真が貼ってあるんだけど、その中にジェイムスとメーガンの若いころの写真があった。

色あせたその写真にはまだ幼さの残るハイスクールボーイとハイスクールガールが笑っていた。

2人は高校生のこらからずっと一緒にいるんだな。


一緒に海外を旅し、一緒に困難を乗り越え、今こうしてキッチンの中で2人で料理をしている。
可愛い子供に囲まれて。





ふと、たまらなく苦しくなる。

なんで失ってしまったんだろう。

俺も、あいつとずっと一緒にいたかったはずなのに。

遠い記憶は、色を失うにつれて鮮明になっていく。

あの日々はなんだったんだろう。
ポッカリと半分が欠け落ちた青春は、もはや昔見た映画のように淡い記憶。

今もまだ夢を見ているように。




さて、今も俺はまだ追いかけ続けた夢の真っ最中だ。

アメリカの田舎のお家で玉ねぎと豆腐と長ネギを切り、味噌をとかす。

もちろんダシも忘れずに。

photo:10




そこにカッピーとユージン君が帰ってきた。

ダウンタウンでバスキングし、60ドルのあがりをゲットしてきた。

2人は折半なしなければいけないというのもあるが、順調に稼いでいるな。
くそー、負けてられねぇ。





photo:11



photo:12



photo:13




豪華な料理がテーブルに並ぶ。

みんなが席につき、賑やかな晩ご飯。



「オイシイ!!オイシイヨコレハー。マヤ、オイシイデショ?」


「イエス。」


我ながらなかなかの出来の味噌汁にみんな喜んでくれた。





ご飯の後、演奏会になった。

photo:14



photo:15




俺が歌い、ユージン君がソロギターを披露し、カッピーのサックスが響き渡る。

目を丸くして聞いているマヤとソフィア。
ニコニコしてるメーガン。

足の上でグデーンと寝っ転がって動こうとしない犬のユキがとても可愛い。


俺たちの番が終わると、今度は古びたピアノでマヤとソフィアが演奏してくれる。

アメリカ南部らしく、ブルースのスウィングをたどたどしく弾く2人。

photo:16



photo:17




お酒も回り俺もピアノが弾きたくなってマヤに教えてもらった。

横にピタッと座って、指をこう置いて、こう弾いて、次はこう、と一生懸命教えてくれるマヤ。

photo:18



すぐ横に座ると女の子のミルクのような幼い肌の匂いが鼻をくすぐる。


白い餅のような肌、クルクルと巻いた金色の髪、青い瞳、あどけない英語がたまらなく可愛い。

photo:19








ああ、このご家族と会えてよかったなぁ。
心から癒してもらった。



毎日毎日、急展開の連続だ。
アメリカが始まってからゆっくりとした出だしだったけど、いきなり激流に変わり、その勢いにどこまでも飲み込まれていきそうだ。


そしてこの次の日も、またとんでもない出会いが待っていた。

とどまることを知らない奇跡の連続。





アメリカは全てを叶えてくれる。

描いた夢がことごとく予想を上回ってくれる。

人との出会いこそが金であり、それをかき集める俺たちはゴールドラッシュのトレジャーハンターだ。

まだまだ先は長いぞ!!

photo:20










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とてつもない出会い

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8月1日 木曜日
【アメリカ】 アッシュビル ~ チェロキー



photo:01



朝ごはんをみんなで囲む。

目玉焼きとサラダ。コーヒー。
おだやかな時間が流れる。



ジェイムスが足湯を用意してくれた。

photo:02



ただの足湯ではなく、医療用の塩を溶かしたもの。
こんなお婆ちゃんがやってくれるような古典的なやり方をアメリカでもやるってのがなんだか面白い。

ジンジンと患部に染みて効いてるのがわかる。
痛みはまだあるが、快方に向かってはいるかな。

photo:11



膿がすげーことになってるけど怖くて出せない。







マヤもソフィアももうすっかり心を開いてくれ、俺たちの周りで遊んでいる。

photo:03



photo:04




まだまだこのご家族といたい。
でも行かなきゃ。



「ヨシ、ソレデハコウソクドウロノトコロマデオクッテイキマスヨ。」


メーガン、美味しい料理と笑顔をありがとう。
ソフィア、いつかオリンピックのテレビで見るのを楽しみにしてるから。

みんなで写真を撮った。

photo:05



いい写真だな。
いつか俺もこんな家庭を築こう。











ジェイムスが俺たちを近くの高速道路の乗り口まで送ってくれた。

荷物をたくさん積んでギュウギュウの車内なのに、そこにマヤもついてきた。
狭い車に入り込んできて俺のギターを持ってくれている。

マヤ可愛い。



「ソレジャアミンナオゲンキデ。マタニホンデアイマショウ。アメリカニモマタキテクダサイ。」


「ジェイムスも、今度は宮崎に来てください。北海道に負けないくらい食べ物が美味しいですから。」


この愛に溢れた男と出会えて良かった。
そしてジェイムスに日本は最高だという印象を与えてくれた北海道の人たちに心から感謝。

外国人が日本にきて、俺が海外で受けているような無償の優しさによりたくさん巡り会えることを願います。


ジェイムス、マヤ!!
ありがとう!!






よーし!!
すっかりスローモードになってた気分を入れ替えて!!
ヒッチハイク行くぞコノヤロウ!!



でナイスタイミングで土砂降り。

近くのダンキンドーナッツに避難!!




Wi-Fiにつないでブログを更新し、コメントを返し、Facebookのメッセージを返し、Gmailの返事をし、その間で世界地図のピンの打ち直し。

そして毎日の日記書き。

さらに毎日増えていくお世話になった人たちへのお礼の連絡。


あああ!!追いつかねぇ!!



メールをくれたみなさん、返事が出来ない時はゴメンナサイ………







ユージン君は楽しそうに彼女とスカイプしている。

どうやら8月末に彼女がアメリカに会いにくるというではないか。


どチクショウ!!テンガばっかり使ってるくせに!!



悔しいね!!カッピー!!ね!!



「あ、俺も知り合いの女子大生が日本からラスベガスに会いに来てくれるんだよね。8月末に来てくれるから、それまでにベガスに間に合わなさそうだったら先に行って待っとくよ。」







…………………
















………お、お、おおお、俺だけセックスなしいいいいいいいいいいいい!!!!!!!

この裏切り者どもめええええええええええ!!!!!!




コスメルに行ってみんなで恋するって約束したじゃないかああああああ



恋するコスメルまで童貞を貫こうって誓ったじゃないかぁ………


ううう…………





チクショウ、こうなったら全力でやつらのセックスを阻止してやる。

グランドキャニオン見た後で、もうひとつのグランドキャニオンを探検してトゥモローネバーノーズなんてさせないぞ。




嘘です。

2人とも幸せになってください。


あとトゥモローネバーノーズのプロモーションビデオはグランドキャニオンじゃなかったです。







くだらないこと言ってないで、雨が止んだのでヒッチハイク開始です。

photo:06



高速の入り口で親指を立てる。


さっきまであんなに土砂降りだったのに、いきなり雲が晴れてギラギラとした太陽が顔を出した。

うう……暑い………

早く捕まえないとまたぶっ倒れそうだ。


あまりにも捕まらないのでギターを取り出して弾き始めるユージン君。

photo:07




お、確かに楽器出してるほうが捕まるかも。
ジャカジャカ弾いてるユージン君。


「人間なんてララーラーラララーラー。人間なんてララーラーラララーラー。」



ヒッチハイク中に1番歌ったらいけない歌(´Д` )







しかしそれでもなかなか捕まらない。

ドンドン車が通り過ぎていく。

ああ、暑すぎる……

頼むー、止まってくれー…………












あ!!止まった!!

きたーー!!!


「ノックスビル?悪いな、俺はチェロキーに帰るとこなんだ?チェロキーじゃダメかい?いいとこだよ。それとも高速道路の分岐で降ろそうか?」




チェロキー?


チェロキーは地図上ではナッシュビルに向かう高速道路から外れて山の方に入っていったところにある小さな村。

なんとなく名前に惹かれて気になっていたところではある。

でも高速道路を外れ、山奥に入れば次に進む道が険しい山越えのルートになる。


どうする。








って悩む時間1秒。

流れのままに進むのが旅だ。

思いがけない展開、ウェルカム!!

もちろん行きます!!

そしてこの選択が最高の夜をもたらすことになるとは、この時はまだまったく考えてなかった。

photo:08










photo:09



荷台にカッピーたちを載せた古いトラックを運転するのは、タフガイを絵に描いたようなお兄さん。

しかし無精髭に覆われたその笑顔はどこまでも優しい。

名前はマーク。

photo:10




アクセルはうなりを上げ坂道をドンドン登っていく。

周りにはどこまでも鬱蒼とした森が広がり、その中を綺麗な高速道路が伸びている。

開けられた窓から吹きこむ風が少しヒヤリと冷たくなった。




「そうかそうか、旅をしてるのか。インディアンは分かるかい?ネイティブアメリカン。」


「はい、知ってます。ダンスウィズウルブズに出てきますよね。」


「ははは、あれは有名な映画だね。俺はインディアンだよ。」




え!!?
ほ、ほんとに!?


ま、まさか本物のインディアンの方と出会えるとは!!!












さて、この日の出来事はあまりにも僕にとって衝撃的だったので、文字数や写真数でひと記事に収まり切りませんでした。

申し訳ありませんが続きは明日またあげたいと思います。

今もまだ夢を見ているかのようです。








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インディアンとの不思議な夜

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8月1日 木曜日
【ナッシュビル】 アッシュビル ~ チェロキー



続き………






photo:01




まさか本物のインディアンの方にお会いできるとは!!


「ほら、これを見な。イーグル、そしてこっちがフェニックスとベアーだ。」


たくましく日焼けしたマークの太い腕には、雄々しいイーグルとその羽のタトゥーが美しく彫り込まれていた。

photo:02



インディアンのシンボルといえばイーグル。





俺の音楽の師匠でカントリーシンガーのテディーさんはウェスタンショップをやっており、ターコイズやシルバーのインディアンジュエリーを昔からたくさん見てきた。

そして高校生の頃からそれらを身につけていた。

高校生でウェスタンハットをかぶっていたし、今もウェスタンブーツは手放せない大事なもの。

なので人一倍カウボーイに憧れていたし、同時にインディアンというものにも親近感を持っていた。


いつも工房に入り浸っては、テディーさんが革にカービングするイーグルや羽の模様にアメリカへの想いをつのらせたもの。


雄大な自然の上空を自由に飛び回るイーグルにかつてどれほど憧れたことか。


あのインディアンが今、目の前にいる。

興奮してたくさん質問した。


「チェロキーってのはインディアンの部族のひとつで、インディアンの中でもとても古い歴史があるんだよ。俺はクオーター。俺のママがハーフで、お爺さんが純血だったんだ。」



「チェロキーは今は大きなカジノもある観光地になっていて、たくさんの観光客がやってくるんだ。自然がたくさんあって、みんなキャンプやリバーラフティングをするのさ。案内してあげるよ。」



もう興奮がマックスになってガッツポーズを繰り返す。

色んな奇跡が起きてるけど、アメリカに来て1番テンション上がってるかもしれない。







車はノックスビルに向かう分岐を通り過ぎ、ドンドン標高を上げていく。

木々の間から見える広大な山々のうねり。

アパラチア山脈だ。

こんな山奥の谷間に集落があるんだ。
秘密の場所に行くようで胸の高鳴りが抑えられない。

photo:04




道の途中にポツポツと点在するカフェやお土産物屋さんや民家の廃墟。

忘れられた地、という雰囲気を演出している。










世界放浪に対して色々な憧れがあった。


ヨーロッパの古城、
エジプトの古代文明、
アメリカの音楽、
イースター島、


それらはすべて、決してたどり着くことの出来ないおとぎの世界のもののように感じていた。

濃いもやの中に漠然と存在する、神秘のものだった。


そんな憧れの中に、インディアン、というものは強く強く存在していた。

遥かな昔から続く秘められた儀式、地球と交信するかのような生き方、


なまじ情報を入れなかったから、そのイメージは崇高なものであり続けた。
子供の頃に観たダンスウィズウルブズのイメージだけが膨らんだ。


俺もいつか、ケビンコスナーみたいにインディアンの人々と出会い、受け入れられ、インディアンネームを授かりたい。


ずっと、考えてた。

俺がもらうとしたらどんなインディアンネームがもらえるのかなって。


ムフフ……って、ずっと妄想していたな。




それほどまでに憧れたインディアンの方と今こうしてアメリカで出会い、話をしていることが嬉しくて嬉しくて言葉がなかった。










山の頂上まで登った車は、今度はドンドン坂をくだり、深い森の中に突入した。

途中、サンタズランドなる家族向けのテーマパークがあったけど、もはや今の俺にはサンタなんぞ赤い服着たヒゲのおじさんでしかないので、一瞬で素通り。

本物会ってるしね。









しばらく走っていくと、森が開け、深い谷間にポツポツと民家が散らばりだした。

photo:07



道路沿いにはたくさんの大きな看板。

ゴールドラッシュ!!と書かれた、ザルかなんかで砂金を集めるアトラクションのお店や、ビンゴゲーム屋さんなど、観光客向けのお店が並んでいる。





その時、のどかな山里の風景の中に突如、巨大なビルがそそり立った。

なんだありゃ?!


「カジノだよ。たくさんの観光客があそこに行くんだ。カジノの収益がこの集落をずいぶん助けているんだ。」


なるほど。
そういった面ではすでにこの集落になくてはならないものになっているんだろう。

でもそのミスマッチぶりはあまりにも異様だ。






カジノを過ぎると、そこからは一気に観光地らしい光景になる。

photo:08




道路脇にどこまでも並ぶ土産物屋さん、バーガーキングやケンタッキーなどのファストフード屋さん、


あまりにも観光地観光地してはいるが、このひなびた雰囲気は嫌いじゃない。











さて、こんな山奥の谷間の集落になぜここまで人が集まるのか。

単に自然が豊かでキャンプを楽しむだけの場所なのか。

もちろん違う。



最大の呼び物。


それがこれ。












photo:10




インディアン文化。

無数にひしめく土産物屋さんはすべてインディアンにまつわるもの。

photo:11



ここチェロキーははるか昔からのインディアンの里なのだ。









そしてそんな土産物屋さんの前に小さなステージが設けてある。

なんだあれ?



「よし、見て行こうか。」


そう言ってマークはひとつのステージの横に車を止めた。


そこには、美しい伝統衣装を身にまとったインディアンがいた。

興奮メーターが跳ね上がる!!

photo:12






「インディアンダンスをしてくれるから見ていくといいよ。」


ステージの横の腰掛けに座り、インディアンたちの衣装をマジマジと見つめる。

photo:13




嬉しい!!憧れてたインディアンに会えるなんて!!

この日焼けした肌と、三つ編みにした髪の毛、無愛想な表情も全部イメージのままだ!!





と興奮していたんだけど、これは完全に見せ物。

マイクを使って流暢にトークするインディアン。

ジョークを交えながら、お客さんをいじりながら、コミカルに、演劇仕立てに期待を高めてくる。

なかなかの役者だ。

photo:14






そしてトークで引っ張って見物人が充分に集まったところでようやくダンスが始まった。


「とくとご覧あれ!!インディアンの重要な踊り、イーグルダーンスなりー!!」


太鼓を叩いて独特な歌を歌い、それに合わせて踊り手が体を揺らす。

緩やかに、時に激しく。




でもはっきり言って手抜きです。
ちんたらやってるという雰囲気。

ていうか本物のインディアンであるマークと見せ物のインディアンダンスを見るという状況が面白い。




それからは見物人の子供達を引っ張り出してきて、みんなで手をつないでクルクル回っておしまいっていうお決まりのパターン。

アメリカってこうやって観客巻き込むのが好きだよな。

photo:15




子供たちはもちろん無邪気に大喜び。



最後にインディアンがカゴを持って見物料を回収して回ります。

マイクパフォーマンスがなかなかうまいです。









お土産物屋さんは楽しい!!

インディアンといえば色鮮やかなアクセサリー、そしてドリームキャッチャー。

photo:17



photo:18



興味のない人にはまったくいらない物ばかりだろうけど、俺にとっては宝の山だ。

でもお金ないから買わないけどね。







photo:19



ゆるやかな渓流と森、木漏れ日が揺れる夏のチェロキーは奥入瀬と八甲田を思い出させる。

たくさんの家族連れやバイカーたちが楽しそうに歩いている。


アメリカの歴史を語ろうと思えば、インディアンから土地を奪い追いやった悲しい過去から目を背けることはできない。


今、こうして白人相手に見せ物をして、インディアンという物珍しさを売り物にして生きてる姿を見ると、単純にいい気分はしない。


でもそれを充分に理解した上で、マークは俺たちを案内してくれている。



最初の日本一周の時にアイヌの集落を訪れた時、無知で軽薄な俺に対してアイヌの人はとことん冷たかった。

原住民差別なんて言葉も一切知らず、無邪気にアイヌの文化に対して質問した俺に、彼らはそっぽを向いた。

お前たちが俺たちの文化を奪ったくせに軽々しく聞くな、といったところだった。


その態度に、困惑と同時に怒りを覚えたもんだ。

何も知らない奴が悪気なく接したことに対してそこまでナーバスになるものか?と。

卑屈だな、とさえ思った。


あれから少しは世間というものを知り、彼らが社会的に弱い立場にあるということ学んでからは、デリケートな問題だと自覚するようになった。



しかし、それを踏まえた上でも、俺はマークにズケズケと質問をする。

質問することが間違ってることじゃないと思うから。

そしてマークもにこやかに、率先して教えてくれる。

そしてこうして俺たちを案内してくれている。

勝手な哀れみなど、すでに過去のことなのかもしれないと思わずにはいられない。

photo:20
















「よかったら今夜はうちに泊まらないかい?俺のママはとても優しい人だから。」





ウオラァァァァ!!!!
マジかああああーーー!!!

憧れのインディアンの家にお泊まり!!!

もちろん行きます!!!


今日中にナッシュビルまで行きたいねと話していたことなんて一瞬でどっか行っちまった!!

しょうがないなぁという顔のカッピーたち。







マークが俺たちの晩ご飯の食材を買ってる間、スーパーの前でバスキング。

うわー!!インディアンの里で歌ってるよー!!俺ー!!





10分で止められる。

うわー!!インディアンの里で歌ってて10分で止められちゃったよー!!嬉しいー!!

あがりは3ドル。
これは嬉しくない。










そしてついにマークの家がある住宅地にやってきた。

綺麗に刈り込まれた緑の芝が広がるこの場所には5~6軒の家があり、全てインディアンの方たちが住んでいる。



photo:21




家に到着。

車から降りると、ママがお出迎えしてくれた。


「あらまー!!日本人!!ハッピーなサプライズだわ!!さぁ、入って入って!!」


これぞザ・ママといった包容力のあるお母さん。
屈託のない優しい笑顔に、思わず抱きつきたくなるほど。

photo:22





ママはハーフの血を持つチェロキーインディアン。

チェロキーとプリントされたTシャツを着て、身体中にインディアンジュエリーをじゃらじゃらとつけており、インディアンであることを心から誇りに思ってるのがひと目で分かる。

photo:23





家がまた可愛い!!

photo:24



photo:25




蝶やカエルなど、可愛らしい小物がそこらじゅうに配置されており、中でもこれ。

photo:26



ココペリ。

いたずら好きなインディアンの有名な精霊。

photo:27




日本でもカントリーファッションがブームになった時によく見かけていたよな。

このココペリが大好きなママ。

家の中の至る所でココペリが笛を吹いている。

photo:28



ドリームキャッチャーやメディスンホイールなど、インディアンの家でしかない!!

photo:29













「お腹空いてるかい?すぐにご飯作ってあげるね。」


マークが作ってくれた美味しいハンバーガーを食べていると、隣の家からお爺さんがゆっくり歩いてきた。

貫禄がヤベエっていうか、もはや貫禄しかない。


彼の名前はトゥナ。
純血のインディアンだ。

あまり英語が得意でなさそうなのは、彼がオリジナルのインディアン言語を喋る貴重な継承者だから。


インディアンの言語は、当たり前だけど外来言語の英語とはまったく違う。
アルファベットとか、見たこともない形だ。

photo:30





少しママに教えてもらったんだけど、例えば、


熊………ヨーナ
こんにちは………シオゥー。
ありがとう………スキー。



ってな具合。完璧に違う言葉だ。


そんな、口数の少ない物静かなトゥナがいきなり何か差し出してきた。

受け取る。


それは削った石で作られた矢じりのネックレスだった。


「こ、こ、こ、こ、こここ、こ、こ、ここ、ここ、こ、こ、これは、な、な、なんですか?」


プレゼントだとジェスチャーしてくる。

photo:31





床に倒れた。









あああああああああああああああああああああああああああああああああ!!!!!


旅出てよかったよおおおおおおおおおおおおおおおおおおおお!!!


この!!この時のために旅に出たと言ってもいい!!って何回も言い過ぎだけど今回も言う!!


旅に出てよかったよおおおおおおお!!!!!



それからさらにトゥナが家から何か細長い棒を持ってきた。

紙の空箱を芝生の上に置いて、距離をとり、その細長い棒に口をつけてフッ!!と息を吹くと、羽の装飾かつけられた矢が飛び出し、箱に突き刺さった。

吹き矢かよ!!


面白くてしょうがなくて、みんなで夢中になって吹きまくった。

photo:32






すると、そこにまた違うインディアンの隣人さんがやってきた。

photo:34



彼もまた俺たちに何か渡してきた。




photo:33



これ…………



も、もうダメだ………



「ちょ、ちょっと待ってください。どうしてくれるんですか?」


「君たちは遠い遠い国からやってきた。だからプレゼントするんだよ。」


「僕ら、お返しする物が何もないです………」


「いいかい?お返ししようなんて思わないことだ。何も気にしなくていい。」




ビーズのネックレス。ビーズの間に植物の種のようなものが繋がれている。

この玉はインディアンにとってとても大切な物らしく、かつて1500年ころにこのチェロキーの地を追われたインディアンがオクラホマへと逃れたらしいのだが、その時に女と子供が流した涙が固まってできたものだと言われているそうだ。


もう胸がいっぱいすぎてたまらないよ………














夕闇が谷におとずれ、山の稜線が黒く空に線を引く。

遠くで犬が吠え、その声がこだまして谷に響き渡る。

ホタルが家の前の芝生の上をチラチラと飛んでいる。





俺たちに出来るお返しといえばひとつしかない。

楽器を取り出して、ママとマークに聴いてもらった。

虫の鳴き声に包まれたテラスで音を出す。

嬉しそうに俺たちの演奏を聴いてくれる2人。



そして旅の話や日本の話をした。












楽しい時間はあっという間に過ぎ、夜もふけ、そろそろ寝る時間に。


良かった。
ヒッチハイクの旅を選んでよかった。
先を急がずチェロキーに来てよかった。
こんなにも素晴らしいことか起こってしまうなんてな。


明かりの少ないこの山の中、庭で空を見上げると、無限の星が広がっていた。

庭の淡いライトがいくつか光っている。

憧れのど真ん中。
ここはアメリカ、インディアンの里。










最後に思い切って聞いてみた。


「あの、インディアンネームってありますよね。赤い熊、とか、早いウサギ、とか。」


「そうだね。よし、フミに名前をあげよう。インディアンネーム。」




え、う、うそ、






「フミはウォーキングイーグルだ。羽はない。だから飛ぶことはできない。しかしどこにでも行ける自由さと気高い誇りを持っている。フミは、歩く鷹、だ。」




今の自分の状況が夢のようだ。
夢のようにしか思えない。

信じられない出来事ばかりが毎日を埋め尽くしている。

しかしこれは現実だ。

ここはアメリカで、俺は確実に生きている。





俺はどこにだって行けるぞ。

どこにだって行ってみせる。

地面を這おうとも、雨に打たれようとも、誇り高い男でいるんだ。








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インディアンの次はいつもの人

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8月2日 金曜日
【アメリカ】 チェロキー ~ セバービル





谷の朝は寒い。

寝袋にキチンと包まって寝るとちょうど温度で快適に眠れた。


朝日とともにテントを出ると、芝生についた朝露がサンダルの足に冷たい。

photo:01




「グッドモーニング。ゆっくり眠れたかい?朝ごはんができてるよ。」


スクランブルエッグとベーコンとトーストの朝食。

photo:02



欧米ではベーコンをカリカリに焼くのがこっちの食べ方だ。

しょっぱい味わいが口に広がる。





デッキでロッキングチェアーに揺られながらタバコをふかす。

山々の緑が清冽に輝いている。

photo:03




まだなんだか信じられないな。

昨日の出来事は夢だったんじゃないかな。

映画の中のことのようで、現実味が湧かない。


でも俺たちの首にかかっているインディアンジュエリーが現実だと物語っている。











「よし、いいとこ連れてってあげるよ。」


マークとママと5人で車に乗ってやってきたのは、綺麗なコンクリートの建物。

ここはチェロキーインディアン博物館。


入場料は10ドルか。
ちょっと高いけど仕方ないか、と思っていたら、受け付けはママの顔パス。


さ、さすがは大御所(´Д` )





photo:04



photo:05



photo:06





博物館の内容は、インディアンの歴史、暮らし、現代での活動のパネル展示、伝統的な衣装や狩りの道具、そしてもちろんインディアンジュエリーなど、なかなか充実している。


しかしどんな展示だろうが、今のこの本物のインディアンにお世話になってる状況以上のものはない。

photo:07



photo:08





ていうかインディアン博物館をインディアンのガイド付きで回るって。

渋い!!










家に帰り、マークのトラックに荷物を積み込む。

俺は田舎育ちだ。
なので山や川の自然が大好き。

こんな雄大な自然に囲まれ、緩やかに暮らしている彼らがとても素敵だと思う。

いいところだなー、ここは住みたいと思える場所だ。


でも、進まなければいけない。
俺にも帰る場所と待ってる人がいる。


「ハグして。みんな元気でいるのよ。いい旅になることを願っているから。またいつか遊びに来てね。」


ママとハグ。
愛らしいぽっちゃりした身体がとても気持ちいい。

photo:09




ココペリのようにユーモラスで、笑顔が絶えないママ。
素晴らしい人に出会えたな。

良い人格ってのは奇跡的な宝物だ。

photo:10
















「ここならすぐに捕まえられるだろう。それじゃあ元気でやるんだぜ。」


photo:11



マークは森の中の一本道に俺たちを降ろして、集落に帰って行った。

マーク、ありがとう。
あなたたちとの出会いは旅の中でも特に忘れ難い尊いものになったよ。
一生輝き続ける思い出だよ。


客人をもてなす、という当たり前のことを、ここまで自然体にやってくれたチェロキー族の人々。

その血が途絶えずに、美しい心と文化を後世に伝えていけることを願います。


ありがとう!!!











photo:12



さて、木漏れ日が降り注ぐこの森はアパラチア山脈のど真ん中。

グレートスモーキーマウンテンというビッグフットあたりが余裕で住んでいそうな雄大な名前の山の麓にポツリと立つ俺たち。

すぐ横に綺麗な川が流れていたので思わず足をつけてみた。

冷たい。
夏の匂いが鼻をくすぐる。
美々津が懐かしいな。

photo:13



photo:14







早速ヒッチハイク開始。

この山を越えれば、そこはついにあの音楽の土地テネシー。

アメリカの心と呼ばれるカウボーイとカントリーミュージックのふるさとだ。


今日中になんとかナッシュビルまで行きたいところ。

止まってくれー!!


うおー!!止まったー!!!







パークレンジャーが。

警備員だ。


「ここは国立公園の中だからヒッチハイクはしたらダメよ。チェロキーからならしていいわ。」


「わ、わかりました。チェロキーまで乗せてくれるんですか?」


「歩いて戻って。2マイルくらいだから。じゃあね。」




そう言って女性のレンジャーさんは去って行った。

ポツリと取り残される俺たち。

1マイルって1.5kmくらいだよな。


3kmか………





photo:15



仕方なくトボトボと歩く。

車たちが俺たちを避けてビュンビュン走って行く。


戻りながら歩きヒッチ。

すると20分くらいで1台の車が止まった。


「山を越えた町まで行くぜー。乗ってきなー。」











photo:16



車はスモーキーマウンテンの峠を越え、坂道を下って行く。

森を抜けて、しばらくすると開けた町に入った。




なんだこりゃ?

たいした町でもないのに、道路脇にものすごい観光客がひしめいていた。

ナイアガラを思い出させるど派手な看板と、アメリカっぽいアトラクションのお店の数々。

ここはガットリンバーグという町。


稼げそうだな、と路上欲が湧いたけど、いちいち止まっていたら一向に先に進まない。

目的地はあくまでナッシュビル。
カントリーの聖地。





と思ったら、後から知ったんだけど、このガットリンバーグにはあのドリー・パートンの生家があったみたい。

彼女の貧しい幼少時代を象徴するあばら家が保存されているんだそう。

ドリー・パートンも好きなシンガー。
ちょっと行きたかったな。

コートオブメニーカラーを何度も聴いたなぁ。

そうだ、ここはもうテネシーなんだ。













「ここからならノックスビルに向かう車が多いから捕まると思うよ。何かあったら電話してな。」


優しいおじさんにセバービルという町で降ろしてもらった。

さー、次々行くぞ!!

ビシッと親指を立てる。






面白いことにこのテネシー、通り過ぎる車の90パーセントの人たちが、手を振ってきたり親指を立ててきたり、何かしらの反応をしてくる。

ハアアイ!!イエーイ!!と窓から体を出してテンション高く叫んでくる若者たちも。

ヒッチハイクしてる側としてはとても楽しい反応。



しかし良い反応ばかりではなく、中指を立ててきたり親指を下に向ける奴らの数も比例して多い。


そんなのも含めて、ヒッチハイクという文化がこのアメリカ南部の大地に浸透してることが伺える。









photo:18




21時の遅い夕焼けがテネシーの空を染める。

立てた親指は憧れを追いかけ続けた遠い過去への返事、
そして走り続けるための未来への約束。


そうさ、何も間違っちゃいない。
これからも、ずっとそうさ。

photo:17





1台のトラックが止まった。


カッピーとユージン君が荷台に乗り込み、俺は助手席へ。

50歳くらいの口数の少ない無愛想なおじさん。
汚れた服を着てて、なかなかとっつきづらいけど、どんな人とでも新しい出会いを楽しめるようになってきたと思える。

俺も少しは成長できたかな。





アスファルトをヘッドライトが照らす。
まだ見ぬ新しい町に向かって。

おじさんがおもむろに口を開いた。




「なぁ。」


「なんですか?ニコリ。」


「お前のチンポくわえさせてくれないか?」


「…………嫌です。」



「頼むよ。くわえさせてくれよ。」



「嫌です。」



「じゃあ、後ろの2人はダメかな?」



荷台のカッピーたちを指差すオッさん。







ガクガクガクガクガクガクガクガクガクガクガクガクガクガクガクガクガクガクガクガク(´Д` )




お、お、お、落ち着け!
そ、素数を数えるんだ!!素数は1か自分の数字でしか割ることのできない孤独な数字。
私に勇気を与えてくれる。





人差し指を口に入れるジェスチャーをしてくるおじさん。





ぎゃあああああああ!!!!

新しい出会い楽しめねえええええええ!!!!!






そこから車を降りるまで無言の車内だったのは言うまでもありません。


あー、怖かった。









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懐かしい夏休み

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8月3日 土曜日
【アメリカ】 コダック ~ クロスビル






おじさんのゲイにチンチンくわえさせてくれとお願いされて、ガクガク震えながらのヒッチハイクでたどり着いたのは、高速道路40号線のインターチェンジ。

チンチンー!!と襲いかかってくることもなく、おじさんは残念そうに去って行った。


それから夜中の高速脇をウロつき、見つけた大きな駐車場の端っこにテントを張って眠った。





さて、ここから目指すのはテネシーの州都、ナッシュビル。

昨日のうちに着きたかったんだけど、さすがに距離がありすぎたか。

夜ヒッチしてもいいんだけど、ここは日本ではなくアメリカだ。

夜に男3人を乗せる人なんてまずいないだろうし、何より俺たちの安全も考えないといけない。

ゆうべみたいな怖い目はゴメンだ。
何もされなかったからよかったけど。



ここからならば4時間も走ればナッシュビルだ。

うまくいけば夕方から路上が出来るかもしれない。


でもナッシュビルでギター弾いて歌うなんて怖すぎるけど!!!







photo:01



テントをたたんで近くのサービスエリアのマクドナルドで腹ごしらえとインターネット。

photo:02






俺がチマチマと日記を書いてる横で、ユージン君は彼女と、カッピーは日本から会いに来てくれるという女子大生と楽しそうにメールをしている。

この薄情者どもめ。




「それで、その女子大生ってどんな子なの?」


「なんかNGO関係の子みたいだよ。」


「へー、中出し、ガンガン、OKって意味だっけ?」


「え?じゃあNPOはどういう意味?」


「中出し、パイズリ、OKじゃなかったっけ?」


「あー、なるほどね。でも中出しはダメだよね。」


「そうだよね、結婚してからじゃないとね。」



朝っぱらからマクドナルドでこんな会話をしてる僕たちは幸せです。

なので、日本で、合コン、お願いします。NGO。


カツオさん、最近下ネタ少ないですよ。








くだらねーこと言ってないで、とっととヒッチハイク始めなきゃ。

高速道路の乗り口に立ち、みんなで親指を立てる。

photo:03



カッピーとユージン君ももう慣れたもんで、堂々と親指を立てている。









しかしまぁ、そう調子良く簡単には捕まらないもの。

ここで1時間以上待ち続ける。


ここ数日ヒッチハイクをしてきて気づいたことがあるんだけど、とあるパターンを発見した。


それは、捕まえるまでの時間が長いと、比例して何か大きなことが起きるってこと。

すでに1時間すぎている。

だいぶエネルギー溜まってきてる。
また何か起きてしまうかもしれない!!





1時間半経ってようやく1台のトラックが止まった。

急いで駆け寄る。


「ニホンジンデスカー!!ノッテクダサイー!!」


うおー!!日本語が喋れる兄さん!!
めちゃくちゃフレンドリーで面白くて、一瞬で仲良くなってしまった。







photo:04




「東京大学ニ留学シテマシタケドー、アノ時コギャルガタクサンイマシター。イマハドウデスカー!?」


「コギャルからマンバってやつに進化しました。髪が爆発して魔女みたいなやつです。それから汚ギャルってやつにさらに進化しました。風呂に入らず不潔にするのがカッコいいというのが流行しました。今は清純派が流行りです。」


「ホントデスカー!!僕ノ彼女モコギャルデシター。」




彼の名前はサム。
これから仕事先に顔出しに行くところなんだそう。


「今カラ行クトコロハ、ナッシュビルマデノ半分クライノトコロデス。スゴクイイトコロデス。泊マッテイケバイイデスヨ。ヨシ、電話シテオネガイシテアゲマス。」



ま、また………

今日も全然進んでねぇ………

でもせっかくのご好意。
断るのは旅の流儀に反するよな。








サムの話によると、南部でのヒッチハイクはこれからもっと厳しくなっていくという。

南部にはメキシコ人の不法入国者がたくさん入り込んでおり、アメリカ人たちはとても警戒している。

しかも俺たちは男3人。
危険だと思って止まらない気持ちもわかる。

そういう映画もたくさんあるしな。

もちろん俺たち自身も気をつけないといけない。

昨日のゲイだってあれで済んだからよかったけど、いきなり銃を出される可能性だってあり得る。

銃の前には男3人っていうことも意味をなさないだろうけど、1人よりは遥かにマシだろう。

普通に過ごしていれば実感する機会もないが、アメリカが銃社会だということを忘れてはいけないな。














車はクロスビルという小さな町のインターチェンジで高速を降り、のどかな草原を走り、ひたすら森しかない一本道へと入っていく。


そしてさらに林道みたいな脇道に入り、ガタガタと奥へ奥へと進んでいく。


す、すごいところにあるんだな…………





しばらくすると、深い森の中にひっそりと一軒家が現れた。

photo:05





「おおーい、よく来たな。まぁくつろいでくれ。」


「というわけだから。ここでゆっくりして明日ナッシュビルに向かうといいよ。ソレジャアオゲンキデ!!」


サムはそう言い残してカッコ良く森の中に消えて行った。

photo:06



photo:07










えーっと………




毎日毎日いろんな事ありすぎてよくわかんねー!!!


「ホラ、こいつを飲みな。晩飯までその辺でゆっくりしてな。」


巨漢にダミ声の渋すぎるおじさん、マークが入れてくれたお水を飲む。

マークの言葉は典型的な南部なまりらしく、マジで何言ってるか全然わからねぇ。

単語ひとつとっても、まるで別の単語みたい。









photo:08




家の横のテラスに座る。

ヒグラシの声が森に染み渡り、清流の上を流れていく。

photo:09





えーっと、それから………






これの、

photo:10





これの、

photo:11






これの、

photo:12






これです。

photo:13






もうどんな旅人よりもアメリカを深く旅してる自信あるわ。

サザンホスピタリティって言葉、なぜこういう言葉があるのか。

ようやくその意味がわかってきた。

ただのおもてなしって一言で片づけるにはあまりにも異常すぎる暖かさだからだ。

名前がなければ説明しづらいほどのオープンさ。


田舎だから、ってだけじゃここまでの優しさは説明できない。

アメリカ南部、もっともっと体全体でその理由を見つけてみたい。

photo:14





虫の大合唱の中、星空を見上げる。

人間はこんなにも素晴らしい。

俺はまだまだ自分のことばかりのダメな男だけど、きっとその一員になるぞ。



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ついにカントリーの聖地へ

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8月4日 日曜日
【アメリカ】 クロスビル ~ ナッシュビル






photo:01



朝、目を覚ますと8時30分だった。

ヤバイ!!急いで起き上がる!!

7時30分に起きてくれとご主人のマークに言われていたのに、1時間も寝坊してしまった。



と思ったら、なんとテネシーに入った時点で時差が発生して、今が7時30分だった。

ロサンゼルスまで行けばもっとズレるだろうな。

同じ国内でこんなに時差があるなんてロシア以来じゃないかな。

改めてアメリカはでかい。

そしてそれをヒッチハイクで横断しようとしてる俺たちも改めてアホだな。









キッチンに行くとマークおじさんが忙しそうに朝ごはんを作っていた。


「10時30分から教会のミサがあるからな。ご飯を食べたら高速道路まで送っていくよ。」

photo:03



美味しいミートボールとスクランブルエッグ、そして南部の郷土料理だというこのドロドロした何かをパンにつけて食べる。









photo:04



食事を終えてマークおじさんの車に乗り込んで森を走る。

そして高速道路の寂しげな乗り口に降ろしてもらった。


「元気でやりな。あ、これはサムからの預かり物だ。それじゃあグッドラック。」


南部なまりのきついダミ声でそう言ってマークおじさんはハンドルを切り、家に帰って行った。

サムからの預かり物。

それはお金だった。

なんと50ドルもあった。




なんてこった………

ヒッチハイクで乗せてくれ、寝床まで紹介してくれ、さらに現金まで………


その渡し方まで粋すぎるぜサム………

サザンホスピタリティ、心苦しくなるほどの優しさだよ。


このお金も、家に泊めてくれることも、全ては無事に旅を終えられることを願ってしてくれてること。

さぁ、先に進むぞ。
今日こそナッシュビルだ。

photo:05












が、まったく止まらない。

止まらなさすぎる。


期待の1時間目。

忍耐の2時間目。

投げやりな3時間目。




最近発見したヒッチハイクマジック、待ってる時間に比例してデカイことが起きる説、のパワーゲージがドンドン溜まっていく。

ロックマンのタメ撃ちみたいに。



「あー、またこれ何か起きちゃうパターンだよー。」


「嬉しいけど、早く先に進みてぇよおおおー!!!」



3時間を過ぎると、くたびれ果ててアスファルトの上に座り込んで、体育座りのまま親指を立てるという体たらく。


やべぇ。

捕まらねぇ。

昨日乗せてくれたサムが言ってた言葉を思い出す。


「南部はメキシコ人の不法入国者を警戒してヒッチハイクに止まらない。」


でも俺たちって日本人顔だし!!

みんなの顔を見る。


伸びた髪の毛、日焼けして真っ黒な顔、ヨレヨレの服、大量の荷物。

メキシコ人に見えなくても止まらんわな………


「だいたいこんな怪しい男3人を乗せるってだけで奇跡的なことだよな。」


「家にまで泊めてくれるとか聖人でしかないよね。」


「ああ、アメリカ横断とかできるのかなー………」





あ、トラックが止まった。





「オウ!!テメーラ!!どこに行きてぇーんだ!!乗り込みやがれ!!ロックンロールで飛ばすぜ!!」



止まったあああああああ!!!!!!

赤いボロのトラックが止まったー!!

運転してるのはルー大柴よりテンションの高いおじさん!!


「ナッシュビルまで行きたいです!!」


「あああーん!?ナッシュビルだと!?カントリーなんて嫌いだ!!ロックンロールだ!!早く荷物を載せろ!!」



うおっしゃああ!!

望みは捨てた時が終わりだ!!

トラックの荷台にバッグを放り込んで飛び乗ると、オッさんは窓から手を出し空に親指を高々と突き上げ、イヤッホオオオイイ!!と勢いよくアクセルを踏んだ。





photo:06



今回は助手席をカッピーに任せて俺はとユージン君が荷台に乗り込んだ。


時速120kmの高速道路は、とても爽やかな風を浴びてー、なんて気のいいものではなく、恐怖のジェットコースター気分。

それでも晴れ渡る空の下、すれ違う車の人たちに手を振られながら走っていると、映画の中のホーボーになった気分だ。









快調に走るトラックは、中間地点を通り過ぎ、ドンドン走っていく。

さっきナッシュビルまでは行かないと言っていた運転手のジョン。
でもこのままではどうやらナッシュビルまで向かいそうだ。

どうやら助手席のカッピーがいい仕事をしたようだ。


ひたすらテンションが高すぎるジョン。
中から窓をドンドン叩いてきて、俺たちにウィンクしてくる。

ラジオから流れる陽気なロックンロール。

カッピー、が、頑張れ……(´Д` )

後からカッピーから聞いた会話の内容はこんな感じ。





「な、な、なんだとおおお!!!!お前はオノというのか!!ジョンとオノが揃っちまった!!お前はヨーコの弟か!!ちょっと待て!!今娘に電話するから俺はヨーコの弟だと言ってくれ!!」


「あああ!!俺はお前らみたいな旅をしてるやつらが大好きだ!!もし俺に金があったらお前らにキャンピングカーを買ってやるのに……チキショウ!!俺には金がねぇ!!」




2時間。
テンションマックスのジョンのトークについていくのは至難の技。

カッピー、お疲れ!!

俺たちは後ろでノンビリ居眠り。










トラックが高速道路を降りた。

お、着いたか。


すると道路の向こうに大きなビル群が見えた。

photo:07



ナッシュビルだ!!

すげー都会じゃねえか!!






街中に入っていくトラック。

photo:08




うおー!!すげえ!!

町中にギターの看板がひしめいてる!!

ウエスタンハットかぶった人多すぎ!!

楽器を持って歩いてるおっさんだらけ!!


すっげえ!!なんだここ!!








興奮しているとトラックは町の中の1番賑やかな通りに止まった。

photo:09



「よーし!!てめーら!!ここは音楽の町だ!!この通りがメインストリートで、店の中も路上でもどこでも音楽やってやがる。お前らもバンドやりまくりやがれ!!お!!なんだこの気持ち悪い人形は!?!こいつがベーシストか!?!」


トロールもご機嫌だ。


「俺はお前らのマネージャーだからよ!!お前らが有名になったら10パーセントはもらたいところだけど、お前ら良い奴らだから5パーセントでいいや!!せいぜい頑張りやがれ!!ロックンロール!!」


最後までテンションマックスのジョンは叫びながらトラックを運転して帰って行った。

photo:10



ありがとうジョン!!
最高に楽しかったよ!!












さーて、ついにカントリーの聖地、ナッシュビルに着いちまった。

photo:11




ギター弾きの本拠地、
シンガーの本丸、

嬉しいんだけど怖すぎる!!

いざメインストリートを歩く!!



photo:12



photo:13



photo:14





もう………すげすぎ………


photo:15




なんなのここ?


ほとんどの建物が、これぞ南部、これぞカウボーイの町といったレンガ作りで、そのまま映画のセットに使えそうな古めかしい町並みを残している。

マジでジョン・ウェインが歩いてても不思議じゃない。

photo:16



photo:17




そんな通りの両側にずらーーーーーーーーーっとど派手なお店が並んでるんだけど、これなんと、



全部ライブハウス。

photo:18



photo:19






開け放たれた入り口をのぞくと、すべてのお店でバンドがガンガンにライブやってる。

カントリーはもちろん、ロック、フォーク、ブルースと、俺が大好きなジャンルばっかり!!


すべてのお店がドアを開けてスピーカーから音楽を流しまくっているので、通りが音で溢れかえっている。

さらにそんな路上でいたるところで路上ミュージシャンが年季の入った楽器でパフォーマンスを繰り広げてるもんだから、もう犬も歩けば楽器に当たるような状態。

photo:20




しかも、やってるやつら全員ゲロうめえええええ(´Д` )!!

マジで余裕でプロ級の人たちしかいねぇ!!


photo:21




怖えええええ!!!!



音楽の町という名に偽りなし!!!

photo:25











そんな凄まじいまでの音楽の町。

きっと厳しい路上の規制があるんだろうな。

と思っていたんだけどそうじゃない。


ナッシュビルの路上パフォーマンスルール。

★アンプを使ってもいいが音量に気をつける

★ドラムを叩いてもいいが音量に気をつける

★ペットを使ってお客を釣ってはいけない

★写真を撮られても断らない




ゆるっ!!(´Д` )

ルールあいまい!!(´Д` )

photo:26




さすがは音楽の町と掲げてるだけある!!

ドンドンウェルカムなんだ!!




かといって、よっしゃやったるかーーー!!!とはならない。


なるわけねぇよー!!

みんなプロ級なんだもん!!

なんかすげー盛り上がってるお店があって、かなり上手いボーカリストが歌ってるのが聞こえたので覗いてみたら、ステージに立ってたの子ども。
8歳。

やる気なくす。

photo:22











それでもここまで来てやらないわけにはいかない!!!!


カッピーたちはメインストリートのど真ん中でプレイ開始。

photo:23




俺は生音ではとても聞こえないので、少し離れた落ち着いたレストラン街に狙いを定める。



ちなみにこのナッシュビルは、その熟成された音楽文化と南部の景観を残す町並みが観光資源となっており、ものすごいたくさんの観光客で溢れている。

もちろんこんなとこに来る人たちだから、たいがい自分たちもなにかしら楽器をやってるか、音楽好きの耳の肥えた人たちばかりだろうな。

アジア人はまったくいない。

photo:24











緊張しまくりながら、意を決してギターを取り出す。

こ、怖えええ(´Д` )

歩いてる人が全員ミュージシャンにしか見えねぇ。

っていうか実際そうだろうし。

さっきの8歳の子供にしたって、地元の人は毎日繰り広げられているこの狂気のライブ三昧を365日嫌でも聴いて育ってきてるわけだ。

耳が肥えてねぇほうがおかしい。





だ、大丈夫!!
俺だってこれでもずっとこれ1本でやってきたんだ!!

捨てたもんじゃねぇって!!


思い切って歌い上げた。


振り向きもしないで歩いていく人々。
しかし、立ち止まってお金を入れてくれる人もいる。

よし、とりあえず生卵を投げつけられることはなさそう!!





「おい、良い声してんなバディ。マジでいいぜ。」


そこに話しかけてきたのは、長い髪の毛を後ろになびかせ、ブーツカットのジーンズを履き、サングラスをかけた、コンビニに行くにもハーレー乗りますみたいなボーントゥービーワイルドのおじさん。


「俺はそこのBBキングクラブでやってんだ。次の休憩の時にまた来るからセッションしようぜバディ。」


うおぉ、やったぜ。

地元のバリバリやってる人にそう言ってもらえるなんて。



自信を持ってそれからも頑張って歌い続け、お金もちょいちょいと入っていく。

photo:27










そして日が落ちた頃にさっきのボーントゥービーワイルド、ロスがやってきた。

楽器を持っていないので、どうするんだろう?と思ったら、彼は手に持ってた小さなケースから無数のハーモニカを取り出した。

彼はブルースハーピストだ。


「イエー!ナイスだぜフミ。もっと行こうもっと。次はなんのキーだ?」



ゲロうめえ!!

ただのリトルウォルターでしかねぇ。


「俺は5歳の頃からピアノを弾いてるんだ。音楽が俺の人生さ。」


「カントリーソングなんつーものはな、たいがいママのことか、犬のことか、奥さんが逃げたか、酒飲み過ぎちまった、とかそんなもんさ!!」




さすがはライブハウスでやりまくってるプレイヤー。
華麗で濃密なプレイなんだけど、シンガーの息を読んで、歌の邪魔をすることなく絶妙に入ってくれる。

マジでプロ。

ナッシュビルの町角に、アジア人と南部アメリカ人のセッションが響き渡った。

photo:28







30分ほど一緒に演奏し、ロスは次のステージがあるから、と急いでクラブに戻って行った。


ナッシュビルでただ歌うだけじゃなく、地元のミュージシャンとセッションができたことが最高に嬉しかった。

2時間ちょいほどやってあがりは25ドル。

まぁ、この超ハイレベルな町でこれだけ稼げたならよしとするか。

ロス!!ありがとう!!

photo:29











photo:30



もうすっかり夕闇がナッシュビルの町を覆っている。

メインストリートのライブハウス群は一斉に看板に灯りをともし、ギラギラした照明や深い色のネオン管が通りにまたたいている。

夜になり、ライブの勢いや町の活気はさらに熱気を帯びている。

photo:32



通りには音が溢れ、路上ミュージシャンは楽器を鳴らし、物乞いの数も多い。

たくさんの人々が楽しそうに歩いている。
どこまでもアメリカ。








そんなメインストリートの一角にカッピーたちがいた。

ユージン君のクラシックの手法のソロギターに人々が足を止める。


photo:31




カッピーたちのあがりは82ドル。

完敗。







なんか変な日本人の1人旅人がいて、おごるから飲み行こうぜー!!って5回くらい言われたけど、めんどくささと怪しさの塊でしかなかったので丁重にお断りした。

しかし、どっか行ったかと思うと何度も戻ってくるこの兄さん。

しつこい。


「俺20ドルくらいあるからみんなにおごるからよー!!」


20ドルじゃおごれないから。


「金がなくなったらまた路上ライブやりゃいいじゃんか!!だいたい旅なんて野宿すればいいんだよ!!野宿したことある?俺なんかどこだって寝られるんだぜ?あとコーチサーフィンって知ってる?なんかホテルみたいなとこにタダで泊まれるやつなんだぜ。俺もやりてーと思ってるんだ!!」



知りません。

カウチサーフィンなら知ってます。


「ヨーロッパの冬とか知ってる?知らないよね。ヨーロッパの冬はマジで寒いからね。それに比べたらアメリカの野宿とか楽勝だから!!だから飲み行こうぜ!!」


マイナス15℃の東欧で野宿してました。




3人でいる俺たちに1人で旅してることのすごさを知らしめたいのか、一生懸命過酷っぷりを話していた彼は1泊30ドルのユースに泊まっていました。



「なんかアレかな?飲み行こうぜって言って、後から金がないって言って払わせるっていうパターンのやつかな。」



たしかに夜のナッシュビルは魅力的。

あのこうこうと輝くネオン管と、爆音で通りを埋め尽くすライブハウスの熱気は、金がありゃ相当楽しいはず。

でも俺たちにそんな余裕はない。






1.7ドルの市バスにゆられてやってきたのは、ナッシュビルの国際空港。

安定の空港泊。



チケットフロアーの端っこで寝袋に包まる。

地方の小さな空港は0時を回らなくても静まり返っている。

ナッシュビル。
音楽が盛んな町、ってのはたくさんあるけど、ここまで凄まじいのは初めてだったな。

今からさらにメンフィス、ニューオリンズと音楽の聖地と言われる場所が続く。

アメリカがなんでこんなに世界に音楽を発信しているかがわかるわ。

熱がまるで違う。
音楽が人生っていう人間の数がハンパじゃないんだ。

俺ももっとやらないとな。






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収穫のない一日

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8月5日 月曜日
【アメリカ】 ナッシュビル






photo:01



目を覚ます。

カッピーたちはすでに荷物を片付けはじめていた。

田舎の小さな空港のチケットフロアーは、それなりに人が歩いている。

ここはカントリーの聖地、ナッシュビル。




荷物をまとめ、空港の外からダウンタウン行きのバスに乗り込む。
1.7ドル。


乗り換えのバス乗り場に歩いていると、なんと!!なんと!!

奇跡が起きた!!
ギターの神様!!

チェットアトキンスと偶然会いました!!!


すっげえええええ!!!!


なのでチェットさんとセッションしました。

photo:02



チェットアトキンスにCコードを教えるユージン君。

photo:03










はい、お遊びはここまでにして、さらに町中から違うバスに乗り換え、西側の郊外へとやってきた。

photo:04




次の目的地はメンフィス。

もう少しナッシュビルを味わいたいところだけど、音楽の聖地はまだまだこれからも続く。

俺たちのことだからほっといても何か面白いことは起きるだろう。

それにアメリカ地図を見ると、この数日の慌ただしいヒッチハイクの毎日で進んだ距離、わずかに10分の1くらい。

アメリカは改めてデカイ。
そしてこんなんじゃ観光ビザが切れる3ヶ月以内に出られるかどうかも怪しい。

先に進まないと。









高速道路のインター付近でバスを降りた。

ここからメンフィスまでは高速で4時間といったところ。

うまくいけば夜には着けるはず。

さぁ、ヒッチハイク開始しようか!!




と思ったらすぐ目の前に大きなショッピングモールを発見。

移動する前にちょっくら稼いで行こうかと、2手に別れてモールへ乗りこんだ。








俺はいつものようにスーパーマーケットの前で演奏開始。

ナッシュビルらしく、モールの看板もギターをモチーフにしてあって、まるでライブハウスみたいだ。

photo:05




そんな音楽好きの町。
わずか1曲で10ドル入った。

こりゃとんでもないことになるんじゃねぇか!!





と思ったら、やっぱり店員さんからストップがかかった。

店員さんもとても申し訳なさそうに、いい歌だけどすまないがここではダメなんだ、と言ってくれる。



ささっと荷物をまとめて、2人を探す。

2人もこの短時間で20ドル稼いでいた。







よし!!飯代も出たところで、ヒッチハイクいってみよう!!

photo:06




プロの腕見せちゃおうかなー!!

と俺が先陣に立って親指をかざす!!




3分で終わらせる!!

ほう?君もそのつもりか。





が、烈海皇のようにはいかず、いつまでたっても車は止まらず、無情にも通りすぎていくのみ。


バキ終わったなぁ。








その時カッピーが叫んだ。


「あひゃああああああ!!」


なんだ!?どうした!?

iPhoneのメールを見せてくるカッピー。

どうやらこの月末にアメリカに来ると言っていた女子大生からだ。


なになに?



「金丸さんのブログを読み、皆さんがどれほど大変な旅をしているのかを初めて知りました。それなのに私は軽い気持ちで会いに行こうとしていました。私が行くことでみなさんの邪魔になってしまうと思いました。なのでやっぱり行けません。」








イヤッホオオォォォォォォイイイ!!!!

セックス阻止成功おおおおおおおおおおおお!!!!!




「もうー、マジかよー。せっかくずっと前から楽しみにしてたのにー。」


「抜けがけなんてさせない!!一緒にコスメルで恋しよう!!楽しみだね!!恋するコスメル!!」








まぁこんなこと書いてますけど、本当は来てもらっても一向に構わないです。

というか大歓迎です。

カッピーがこのヒッチハイク旅から離脱することも、もちろん彼の自由です。

とても仲のいい友人ですから、彼が楽しいと思うことをやってくれれば僕も嬉しいです。

そしてカッピーは軽々しく女に手を出すような輩ではないことも一応付け加えておきます。

僕もユージン君も、その子が来てる間はなるべくカッピーと別行動をとるようにするつもりだし。



なぜこんなことをわざわざ書くのかと言うと、その女子大生のおばさんにあたる方も僕のブログを読んで下さっているんですが、その方が女子大生さんにこう忠告したらしいです。




「行ったらハイエナの餌食になるよ!!」




は、ハイエナ(´Д` )

ウケる(´Д` )




おばさま、僕もユージン君も彼女のいる身です。

ご心配はごもっともですが、カッピーはいい男です。

きっとテント泊はさせないでしょう。
キチンとエスコートすることと思います。




まぁ、もう来なくなったんだから関係ないけどねええええええ!!!!!

イエエエエエエイイイイイ!!


と思ったら後日思い直したらしく、来ることが決定しました。

くそ。











さぁヒッチハイクヒッチハイク!!

今夜中にメンフィスまで行くぞー!!

photo:07



と親指を立て続けるが、まったく止まらず、3時間経ってついに集中力の糸が切れてしまった。

時間はすでに20時。

今日はもう無理か。









ヒッチハイクは諦めて、近くにもうひとつあったショッピングモールでバスキング。

photo:08




お互いまた10ドルずつ稼いで今日はこれで終了。

モールの裏にあった公園の端っこに寝床を決めてテントを張った。













今日はなんにもできなかった。

移動もできず、稼ぎも悪く、出会いもなかった。

いつだって、貪欲に何かを求めていたい。
だからこそ何も収穫のない日ってのは気分が暗くなるもんだ。



そしてここからが本当にひどい日々の始まりだった。


マクドナルドの1ドルサラダをかじり、スーパーで買ってきたビールを飲んで、テントに潜り込んだ。

photo:09








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