スロバキアいいとこですね!!

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10月31日 水曜日


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ポーランド南部は雪に覆われている。


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のどかな山村がぽつりぽつりと寄り添い、煙突から煙が立ち上っている。

すべてが真っ白だ。




列車は国境の村、ズバルドンに止まった。無人の駅舎はボロボロ。数軒の民家があるだけの山奥の集落。
宮崎でいったら西米良みたいな感じ!!群馬だったら土合みたいな感じ!!

シャク、シャク、と雪を踏みしめると色んな冬の光景が思い浮かぶ。



photo:03


ここでスロバキアからやってくる列車に乗り換えるわけだけど、やっぱりパスポートチェックはないようだ。

ネットで調べたらスロバキアはビザの取得が必要で、現地で取れることは取れるけど時間と金がかかるから、あんまりスロバキア自体行く価値ありません、みたいなことが書いてあったんだよな。


たしかに、スロバキア最高だよ!!って言う人は今までいなかったな。
魅力的な話は聞かない。貧しい国だからジープスに気をつけてねってくらいだ。

そんな国にそんな手間と金をかけてもいいのか多少迷っていたんだけど、ビザ要らないんだったら予定通り行くことにしよう。

スロバキアの通貨がユーロに変わったのは2009年。
最近になって入国の規制も緩和されたのかな。
世界は動いている!!!
ロシア以来パスポートは眠ったまま!!!




乗り換えの列車がやってくるまで時間があったのでぶらぶら歩いていると、駅前に相当ボロい建物があって、そこに何やら服が並んでいたので入ってみた。



そこは!!!



古着屋だーー!!!


山村らしく、流行とは程遠いけど暖かそうな服が乱雑にハンガーにかかっている。

うおーーー!!!!

こんなの欲しかったってど真ん中のズボンや上着がナンボでもある!!!
暖かそうで、そしてそれなりにオシャレ。

スキーウェアみたいなやつから家着まで、作業着とかも。

店員さんというかただのおばちゃんが店番をしていた。
英語はもちろん伝わらないので身振り手振りで値段を聞くと、これが激安!!!
どれも20ズウォティとかそんなもん。
すげーー!!!
興奮して日本語で驚いてしまった。
運命を感じずにはいられない!!ここで服を手に入れるためにこの道を選んだんだ!!!
大げさ!!!



嬉しくて試着しまくってると、おばちゃんが、それは似合わないね、それはなかなかいいんじゃない、と表情で反応を示してくれる。
おばちゃんの反応が1番良かったズボンと上着を買った。
ズボンが20ズウォティ。
上着が30ズウォティ。

2つで1250円。

もちろん古着なので内側の生地が破れたりしてるけどそんなん気にならない!!

こういうの待ってたんだ!!

昨日H&Mで買わなくてよかった(^-^)/


うわー、めちゃ暖かいやん。
ちょっと汗かくくらいだよ。
もうこれで無敵だ。

おばちゃんありがとう!!!




スロバキアからやってきた列車は予想に反してとても綺麗でモダンだった。
ポーランドの列車めちゃ古かったもんな。

おー!!各シートにコンセントがついてるじゃないか!!!!

やるなスロバキア!!!


さてここでスロバキアミニ情報。

みんな!!スロバキアっていったら何?!(^-^)/






何ひとつ浮かばない(´Д` )




★人口500万人
★スロバキア語
★ユーロ
★首都はブラチスラバ
★スラブ人の国なのでスロバキア
★世界遺産、文化遺産が4件。自然遺産が2件。
★人種は白人
★北海道と同じかちょっと小さいくらい



こんなとこ。
たしかに目立つものは無し。
中部に世界遺産のお城があって、それが唯一有名なくらいか。
観光客にとってはつまらない国だな。

ハンガリー王国の支配を受け、北部ハンガリーと呼ばれる時代が長く、その後オーストリア・ハンガリー帝国の領地となり、戦時中はドイツの保護国で、大戦後はソビエトに占領される。

冷戦終了とともに1989年になってようやく共産体制が崩壊。1993年にビロード離婚ってやつでチェコとの連邦が解消されて、晴れてスロバキアとして独立って流れか。


チェコスロバキアって国名は俺の年でも慣れ親しんだものがある。
俺が生まれた時代はまだまだ冷戦の真っ只中だったんだよな。

避けては通れない歴史。







列車は17時にスロバキア第4の都市、ジリナに止まった。
すでに外は真っ暗。



駅を出ると、目の前にナイスなショッピングストリートがのびていた。

おー!!!こいつは稼げる匂いプンプンの街だ!!

ショッピングストリートを歩いて行くと、綺麗な広場に出た。一角には白亜の教会が夜空にライトアップされている。
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きらびやかなデパートや大型の街頭モニターが広場を照らしている。

なーんだ、スロバキアって他と変わらない文明国じゃん。

マクドナルドのある広場からの階段を上がっていくと、蜘蛛の巣のように露地の入り組んだ旧市街があり、そこにもたくさんのバーやレストランが並び、古びたバラックの市場通りもある。


なんだよなんだよー。
この町最高じゃねぇか。




広場を歩いていると、教会の入り口に人だかりができているのが見えた。
なんだ?と覗いてみると、ちょうどミサをやっているところで、入りきれない人が入り口に溜まり、教会内の人たちと同じように膝をつき、そして祈りの言葉を捧げていた。

なんだ?平日の夜でもミサってやってるんだな。

スロバキアはカトリックの国。
敬虔な信者たちが多いんだろうな。






ご飯を食べに適当にファストフード屋さんへ。

安っしぃ!!!
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太いソーセージやハンバーガーが1ユーロだと!!!!???
ドイツじゃ3ユーロはするぞ?!


揚げ物とポテトとサラダのプレートがたったの3ユーロ!!!


今までのユーロ圏の半額!!

嬉しすぎる!!!


調子に乗ってビールも注文。

500mlのビールが1ユーロ。

アル中確定(´Д` )(´Д` )(´Д` )
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しかもWi-Fiもある。



テレビでは、ものすごく懐かしいことにシンプソンズが流れていた。


チェコ語のシンプソンズ(^-^)/(^-^)/
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何言ってるかわからないけど、シンプソンズのブラックでわかりやすい内容に1人で大笑いしながらビールを2本も飲んだ。


あー、いきなりめちゃいい町だな。スロバキア。
入国した瞬間こんなに落ち着かせてくれるなんて、これはもう相性だな。ポーランドは色んなことあったけど、相性悪かった。




酔っぱらって店を出た。

寒い。

けどさっき買った服のおかげでまったく辛くない。
あてのない夜にかわりはないけど、今夜は夜が俺の味方に感じる。

前途洋々!!!


スロバキア一気にいくぞーーー!!!!
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諸聖人の日

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11月1日 木曜日


気がつけばあっという間に4ヶ月か………

日本を出てもうそんなに経ったのかと、スロバキアの橋の下、川の流れを見ながらこれまでの旅路を思った。

振り返るにはまだまだ早い。
今日も濃い1日にするぞ。





しかし、街に行ってみると、なぜか人がまったく歩いていなかった。
ガラガラのメインストリート。
photo:01






なんだこれ?

ゴーストタウンみたいだ。

通りのお店もほとんど閉まっており、静寂が街を包んでいる。

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いったいどういうことだ?






かろうじて広場のデパート、ミラージュだけは開いていたので、そこのマクドナルドでネットを繋いで調べてみた。



そうか、今日はカトリックの祝日、諸聖人の日なのか。

聖人たちを敬う日で、ゆうべのミサはその前夜祭だったってわけだな。


そして明日は死者の日。
すべての死者を敬う日で、みなお墓参りに出かけるらしい。


あー、最近スーパーや露店でお花やロウソクがやたらたくさん売られてるなぁって思ってたけど、そういうことだったんだな。
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もともと1300年ほど前から始まったとされるこの慣習。
英名ではオールハロウズという。


ケルト人の文化では11月1日が1年の始まりとされており、その前夜の10月31日には精霊に祈りを捧げる民間信仰が伝わっていた。
これはキリスト教以前からの風習だったそう。


これが移民によってアメリカに伝わり、オールハロウズの前夜ということでハロウズイブ、ハロウィンになったそう。

しかしアメリカはプロテスタントが多いので、諸聖人の日という祝日自体は廃れ、イベントとしてのハロウィンだけが残っている。

日本においては、もうなんのイベントかよくわからないけどとにかく仮装するイベント!!みたいな感じで最近人気だよな。



敬虔なカトリックの国では、あの不吉な仮装をするという行為は、もともとキリスト教の風習でもないし、悪魔崇拝につながるということで禁止されているそうだ。


たしかに昨日、今日と街を歩いてみても、ハロウィンのハの字も見かけない。
仮装をしてる人も、浮ついた商業的なグッズなんかもどこにもない。



街全体がしん、と厳かな空気で包まれているようだ。

クリスマスにしてもイースターにしても、イベントなんかではなくてはるか昔からの大切な行事なんだよな。
彼ら敬虔なカトリック信者からみたら、浮かれた仮装をしてるアメリカ人や、クリスマスを楽しむ仏教徒の姿はどういう風に見えているんだろうな。
俗なものに見えてるんだろうな。






おかげで今日は歌えず。

カトリックの国だもんな。郷にいっては郷に従おう。






オーストリアのイングリッドおばちゃんからメールが来た。


「今日はallerheiligenの日なのよ。この日になると私たちは亡くなった息子を思い出すの。」


聖人と殉教者とすべての死者を敬う日。


カボチャのロウソク立てはどこにもない。



ジリナからプリエヴィドザ

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11月2日 金曜日


ゆうべタバコを吸いにテントから出たら、少し向こうに黒い人影が立っていた。
ここは橋の下。
じっと動かずこちらを見ているように見える。
怖くて俺もタバコを吸い終わってもテントに入らず、ずっとその人影の動きに神経を集中していた。

まるで木の影のように、まるで水のシミのように、黒い影は動かない。


しばらくしたらふいに動き、ビニール袋を手にぶら下げた彼は、ゆっくりと橋脚の隙間にもぐりこんで行った。






そして朝、テントを揺さぶられた。

バサバサバサバサ!!!!

外が見えないとこんなに怖いことはない。

ポリシア!!ポリシア!!

と言っている。ポリスか。
いや、しかし本当の警察がこんな乱雑なことをするか?

なんとなく嫌な予感がしたので、ちゃんと寝袋から体を出し、身構えながらチャックを開けた。

そこにはアラブ系の男が立っていた。普通のジーパンを履いており、警察らしい制服姿ではない。



スロバキア語でまくしたててくる。
酒臭い。このバカ、なにが警察だ。


イングリッシュプリーズなんて言うだけ無駄なので、わからないふりをしながら常に警戒していた。



なにやらパスポートを見せろと言っている。


あんたホントにポリスマンか?と毅然と返した。
ポリスマン?という問いかけに若干うろたえたジープス。

その瞬間、いきなり俺のテントをバサ!!と開けて中を覗きこみやがった!!


ヤバイ!!!


あと少しで体を抑えようとしたところで、ジープスはすぐにテントから頭を出し、OK、OK、と言いながら握手してきた。
まるで一応チェックしないとね、みたいに警察を気取って。


そしてジープスは、ゆうべの橋脚の隙間のホームレスと一緒に橋の下から出ていった。



ボケが、タダのホームレスか。

あー、怖かった。
とにかく襲われなくてよかった。
体の小さい、細っこいアジア人の男1人なんて、いいターゲットだよな。


KARATEやっときゃよかった!!

JUJUTSUも!!





まぁ、おかげさまで8時という時間にバッチリ目が覚めたので、早速行動開始。

今日は歌うぞー!!

祝日は昨日だけだし、今日は金曜日!!かなりの人出が予想される!!

空は今にも雨が降り出しそうな雲だけど、かろうじてまだ降ってはいない!!
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町へ行ってみると、やっぱり!!
駅前のメインストリートはたくさんの人通りで溢れていた!!

稼げる!!間違いなく!!


はやる気持ちを抑えてまずは腹ごしらえ。

適当にピザ屋さんへ。


このピザ、いくらだと思う?
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日本だったら2000円はするよね。



なんと450円。




やっしい!!!
4.5ユーロでこの巨大なピザを1人占めなんて贅沢すぎるーーー!!!!



お腹いっぱい!!



張り切って路上開始!!

これだけ物価の安い国。他のユーロ圏に比べて半額の物価なので、まぁ50ユーロもいけばいいだろう。
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と思っていたんだが…………



わずか1時間で42ユーロが足元にたまる。
なんだスロバキアーー!!!
お前が大好きだーーー!!!

このフィーバー感、久しぶり!!
ポーランドではなかったもんなぁ。


こりぁ楽勝で100ユーロ突破するぞ?

あ、おじさんがギターケースの横に革靴置いていった。

ウッヒョーーー!!!







警察に止められる(´Д` )


今度は朝みたいなのじゃなく本物の警察。

やっぱり英語はしゃべれない彼ら。なんとか話を聞いていると、どうやらこの町で路上で活動するためにはライセンスが必要なんだそう。


終わった(´Д` )(´Д` )

明日までこの町で荒稼ぎしようと思ってたのに。
まだ13時。

目の前にある「レトロクラブ」ってパブで今夜オールディーズのショーがあるって書いてるから遊びに行こうと思ってたのに。

いくら残念がっても、どっちにしてもこの町ではもう歌えない。
せっかくの土曜日を無駄にするわけにはいかないので、すぐに移動開始。
すべてが揃ってる最高の町だったんだけどなぁ。




郊外まで歩いた。雨がパラパラと降り荷物が濡れていく。
手にはおじさんがくれた古びた革靴。
おじさんが履くような紳士服の靴。
重い。
ありがたいんだけど、今の服装にあまりにも似合わないし、暖かくない。
申し訳ないが今の俺には荷物になるだけなので、ホームレスが来そうな地下道の入り口に置いた。

おじさん、ごめん。
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雨に濡れながらヒッチハイク開始。

わずか5分でゲット。




うーん、スロバキアの人ってほんと優しいな。

3台乗ったんだけど、どれも5分も待たずに止まってくれる。


みんなフレンドリーでとても暖かい人ばかりだ。

そんな彼らにスロバキアについて聞いてみた。

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みな、この国のことは好きみたい。
美しい自然と穏やかな時間があるのさと笑う。

でも今の政府は嫌いなんだってさ。


驚いたのは国民の平均収入だ。

なんと平均月給が700ユーロ。
7万円だ。
1000ユーロいくのはとてもいい仕事で、低収入層はわずかに300ユーロほどというのが実情らしい。

しかし、ハウスビルダーの兄さんが言うには、スロバキアで普通に生活しようと思ったら家賃、光熱費、食費、車のローン、携帯電話、インターネットなど必要不可欠なものだけで1000ユーロはかかるという。
税金は20パーセント。

みんな苦しい生活してるのさ、と言う。


マジかー。

てことは俺がさっき1時間で42ユーロを稼いだのは、彼らにとっては2日分の日給になるってわけか?



たしかに物価は安い。
外食の1食がだいたい3ユーロ。

しかしこの収入ならもっと安くてもいいよな。




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車を降りると静かなど田舎。
ささやかな中心地にはカフェやバーが数件ならんでおり、時代遅れなショッピングモールがあるだけ。
ここはプリエヴィドザ。
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うまいことヒッチハイクできたことだし、気分もいいので、寂しげな町角のバーに入りビールを飲んだ。
ジョッキがたった95円。


今夜は金曜日。
たくさんのおっさんたちがビール片手にあーだこーだしゃべっている。

テレビにはアイスホッケーの中継。

北欧でもそうだったけど、ヨーロッパではアイスホッケーがとても人気。野球よりもサッカーよりもテレビで流れてる時間が長いんじゃないかな。

あとCMがとても面白い。
ヒネリがきいていて最後までなんの商品のCMなのかまったくわからない(^-^)/



プールの飛び込みの選手が高い飛び込み台から真剣な面持ちでプールを見下ろしている。
かなり険しい表情。
意を決して飛び降りた。


すると下には車があり、運転席と後部座席のドアの間の仕切りがなく広々とした入り口を通って、彼はプールに着水した。

フォードのCMだった。





軽く酔っ払って店を出てぶらついていていると、町の真ん中に教会があった。
今夜はカトリックでは死者の日だよな。

なんかやってるかも、とドアを開けた。


そこでは、




今までで1番厳かなマスが行われていた。


聖書を読み上げる司祭の声。
それに合わせて人々も唱和する。


すげぇ。
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ひざまずき、十字を切り、うつむき、唱和している。


パイプオルガンが鳴ると美しく悲しい歌が教会内に響きわたった。



みんな、みんな、きっと亡くなった大事な人のことを思っている。
命あれば誰もが死の別れから逃れることはできない。
俺はまだ幸い身近な人の死を見たことがない。
じいちゃんくらいだ。
家族や親しい友人の死なんて想像もしたくない。
神はその悲しみを和らげてくれるのかな。
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長いマスも終わりに近づくと、やっぱり最後には隣人との触れ合いの時間があった。
周りにいる人たちと握手をして回る。
綺麗な女の人、おじさん、お婆ちゃん、みんなの手を握る。

すると、目の前に小さな小さなブロンド髪の男の子がやってきて、俺を見上げながらその可愛らしい手を差し出してきた。

その可憐さに一瞬うろたえながらも、笑顔でその小さな手を握った。

その瑞々しい新芽のような幼さ。手のひらから伝わる温かみが、じかに胸をわしづかみにした。


みんな死ぬ。
このぬくもりは、なんて儚くて脆いんだろう。
強くなければ生きてなんかいけないよな。


死者を偲ぶ行為は、生の喜びを再確認することなんだ。




夜空に月。白い息を吐きながら寝床を探す。

今、ここに生きていることをとても力強く感じた。


問題発生

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大変なことになった



スロバキアへの3年間の入国禁止

ヨーロッパ諸国からの強制退去

ヨーロッパ諸国への3ヶ月間の入国禁止

罰金165ユーロ



こいつはマズイ。

次の更新で詳しく書きます。

photo:01


スロバキア3年間の入国禁止命令

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11月3日 土曜日



大変なことになった。


スロバキアへの3年間の入国禁止

ヨーロッパ諸国からの強制退去

ヨーロッパ諸国への3ヶ月間の入国禁止

罰金165ユーロ




終わった(´Д` )(´Д` )(´Д` )(´Д` )(´Д` )(´Д` )(´Д` )(´Д` )(´Д` )(´Д` )(´Д` )(´Д` )(´Д` )(´Д` )(´Д` )(´Д` )(´Д` )(´Д` )(´Д` )(´Д` )(´Д` )




首を長くしてトラブルを待っていたみなさん!!

ことの次第を書いていきます…………








寒い朝。

今日も早朝に警察が来て起こされた。
ここはプリエドヴィザの教会の裏の空き地。

もう少ししたら人々がお墓参りに来るから8時までにはテントたたんでね、と優しいお巡りさん。
パスポートの照会だけして、笑顔で去っていった。
あー、寒い寒い、とテントに潜り込んで二度寝ってわけだ。
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約束通り8時に起きてテントをたたんだ。
気持ちのいい青空に真っ白な教会が凛と佇んでいる。
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教会のおもてに回ってみると、たくさんの人々がお花やロウソクを持って墓地に訪れていた。
普段は寂しげな墓地が花で溢れかえり、ドレスアップしたように華やかに色づいている。
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昨日はカトリックの死者の日。
しかしお墓参りは土曜日に行こうってことだな。
死者を祭るということでは、この週末は日本でいうところのお盆にあたるわけか。
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てなわけでショッピングストリートに行ってみると、こんなに天気のいい土曜日だというのに、見事なほど人がいなかった。
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こいつは歌えねぇ(´Д` )(´Д` )

んー、まずいな。




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ひとまずビニールテープを買いにショッピングモールの中へ。
テントの骨の竿が数本、縦に割れはじめているので、それを修理するためだ。

0.8ユーロでビニールのガムテープを購入し、外でパンをかじりながら竿に巻きつける。
これでしばらく大丈夫だろう。
しかし、これからまだまだテントには活躍してもらわないといけない。
頼むから最後までもってくれよ。



よっしゃ!!
さー、稼ぐぞ!!



ってさっきより人がいなくなってる(´Д` )(´Д` )
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と、と、とにかくやってみようと、1曲歌ったがあまりにも人がいない。

あ、ショッピングモールが閉まった。


誰もいない町に歌声が虚しく響く。


切なすぎる(´Д` )(´Д` )(´Д` )




こりゃダメだ。
みんな今日はお墓参りと里帰りでもしてるのかな。

もうちょっと都会に行けば人も歩いているだろう。

バイバイ、プリエヴィドザ。
ヒッチハイク開始だ。






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1時間かけてようやく止まってくれたのは、英語の喋れない地元のおじちゃん。

本当はここから南にくだった二トラという町に行きたかったんだけど、おじちゃんは西の町、トレンチーンに行くという。

まぁいいや、とトレンチーン行きの車に乗りこんだ。
少しは栄えてるみたいだし、15時には着くはずだから、トレンチーンで歌って夜に電車で首都のブラチスラバに行くとしよう。




しかし、このおじちゃん。
とっても優しいんだけど、英語がからっきしわからない。

ブラチスラバという言葉はかろうじて理解してくれたんだけど、他の言葉はまったく頭に入っておらず、そのせいでトレンチーンの街からけっこう離れたところにある高速の乗り口まで行ってしまった。


ブラチスラバに行くんだったらこの道が1番いいからよ!!


と言っておじちゃんはインターチェンジに俺を降ろして去っていった。
たしかにこの高速は一発でブラチスラバまで繋がってるけど、こんなインターチェンジじゃヒッチしにくいよ。

警察来るかもしれないし。





仕方ないので高速の上ではなく、乗り口のあたりでヒッチ開始。




しかし………。




来てしまった。




パトカー。




お巡りさん
「モーターウェイ、ヒッチ、ダメ。」


まぁいいか。いつものように近くの駅まで送ってもらって、電車でブラチスラバまで行ってしまおう。

そう甘い期待をしながらパトカーに乗りこんだ。
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このあとの急展開なんて想像もせずに。







連れていかれたのは駅ではなく、トレンチーンの町の中にある古びたビルだった。


わけもわからずお巡りさん2人に囲まれて、ドアのないリフトだけのエレベーターに乗り、5階のひと気のないフロアーに降りる。

端っこの小さな部屋に連れていかれ、中に入るとお巡りさんはドアの鍵を閉めた。
薄暗い密室。





え?なに?ボコられるの??





ここに座りなさいと椅子を出される。


座っていると、お巡りさんはゴムの手袋をはめはじめた。






え?なに??ボテクリまわされるの??




この世の終わりみたいな顔をしていると、お巡りさんは笑顔でDon't worryと言い、俺の体を触りはじめた。






え?なに??ホラれるの???







ただのボディチェックでした(^-^)/



そして荷物の中身もすべて細かく調べられた。
ナイフとか持ってなくてよかった。


お巡りさん
「ガンは持ってないよね?」


文武
「あ、あ、あ、当たり前です!!!」




ていうか別にいいんだけど、なんでこんな取り調べにあわなきゃいけないんだ?
悪いことは何もしてないぞ?
高速でヒッチしてたのは悪かったけど、それだけでこんな大袈裟なことするのか?
スロバキアのお巡りさんも暇なんだな。





と、お気楽に思っていたのだが…………




もちろん理由は他にあった。





小学生の時に地元の釣り具屋で重りを万引きしたのがばれたのではなく………






俺は不法滞在者になっていたのだ。





ヨーロッパにはシェンゲン協定というものがある。
イギリス、ユーゴスラビア諸国をのぞくほとんどのヨーロッパの国がこの協定に加盟しているんだけど、加盟国間ならばパスポートなしで行き来ができるという素晴らしい協定だ。
アメリカの州制のようにヨーロッパ自体が1つの国というイメージ。

しかしだ、なんと、






このシェンゲンエリアには3ヶ月間しか滞在してはいけないのだ。





ガーン(´Д` )(´Д` )(´Д` )(´Д` )(´Д` )(´Д` )





俺がシェンゲンエリアに入ったのは北欧のフィンランドから。

そこから移動したすべての国がシェンゲン協定加盟国で、この前のポーランドの時点で3ヶ月が経過。
俺はすでに20日間、不法滞在をしていたのだ。


即刻、シェンゲンエリアから出なければいけないらしい。




終わった、終わった、終わったーーーー!!!!!

え?日本帰らないといけないの?

え?世界一周終わり??

ていうか刑務所??



椅子に座って紙のような顔をしている俺にお巡りさんが、こんなん小さな問題だっぺよぉー、と軽い感じで言ってくる。

しかしこれからどう動けばいいのか、どんなペナルティが待ち受けているのか、頭の中で渦巻いて泥のような顔になる。


部屋の中ではお巡りさん3人がパソコンを叩きながら書類を作っている。


部屋の片隅でボーッと放心する俺。




トイレに行きたくなった。

おしっこしたいですと言うと、トイレに連れていってくれた。

しかし俺は立派な犯罪者。お巡りさんも中に入ってきて便器に構える俺の後ろに立って、逃げないように見張っている。




おしっこ出ない(´Д` )




そんな真後ろにいられたら緊張して出ないよ(´Д` )



無音のトイレの中、俺とお巡りさんの2人きり。

なかなかおしっこを出さない俺を疑ってるかも……

変なプレッシャーで余計に出ない。

たのむー出てくれーーー



………ぷー



かわりにオナラが出た。


静寂のトイレ。

無言のお巡りさん。



は、は、は、恥ずかしすぎる(´Д` )(´Д` )(´Д` )!!!!!


この不法滞在者、俺のことバカにしてやがるのか?



いやー!!!
誤解しないで!!!



しかし、ようやく察してくれたのか、お巡りさんトイレから出ていってくれた。



無事一仕事終えて部屋に戻り、また椅子に座って魚のような顔をしていると、そこに誰かが部屋に入ってきた。



「イヤー、ドウモドウモ、タイヘンデシタネー。エティトイイマス。」


やってきたのは、なんと、日本語の喋れるスロバキア人のお兄さんだった。
通訳のためにわざわざ120kmも離れたブラチスラバからやってきてくれたのだ。


エティさん
「ニホンゴツウヤクノシカクモッテルノボクダケダカラネ、コナキャイケナインデスヨ。」


ところどころ間違ってるけど、でも流暢な日本語を喋れるエティさん。
彼のおかげで取り調べが進む。



お巡りさん
「ペラペラスロスロスロバキア。」


エティさん
「エー、ニホンデノシゴトハナンデスカ?」


文武
「歌手です。」


エティ
「スロスロスロバキア。イヤー、ナゴヤノテバサキサイコウデスヨネ!!」


文武
「うわ!そんなの知ってるんですか?!」


エティさん
「モチロンデス。ヤマチャン、イキスギデスカラ。」



あっはっはー!!
と取り調べ室で2人で大笑い。
山ちゃんとかローカルすぎて面白すぎる(^-^)/


エティのおかげでほのぼのと取り調べは進む。
ほのぼのと供述をとり、ほのぼのと指紋をスキャン。


エティさん
「カネマルサン、ウンガワルカッタヨ。タブンフツウノケイサツナラパスポートノチェックダケデ、オワッテタンダケド、カレラハガイコクジンケイサツナンデス。コクナイノガイコクジンヲトリシマルヒトタチナノデ、センモンカナノデス。」


うわー、そうなんだ………よりによってそんな専門家に捕まってしまうなんて。
たしかにこれまで何度か警察にパスポートを見せてきたけど、滞在日数で突っ込まれることはなかった。
なんてこった。



俺の供述をもとに書類を作っていくんだけど、それをエティさんが読み上げて説明してくれる。

この通訳による説明がなければ正式な手続きにならないらしく、俺の署名だけでなくエティさんもサインを書いていく。


「弁護士を呼ぶことができます。」

「ペナルティに不服があれば控訴する権利があります。」

「知らなかったんです。もうしません。ごめんなさい。」


などのたくさんの書類を承諾し、サインを書いていく。
何枚も何枚も。


エティさん
「ニホントイッショデ、スロバキアモショルイブンカナンデスヨネー。メンドクサイデスヨネー。」


供述の内容が若干変わっていて、警察の都合のいいように変換されていたが、そんなのは日本でもよくあること。
変にこじれないようにわかりやすく取り調べ官が修正するんだろう。
組織の体質はどこの国も一緒だな。



エティさんが言うには、俺が中国人やベトナム人じゃなくて日本人でよかったとのこと。
やつらは国内で悪いことをするし、平気で不法滞在をするので、捕まった際の対応やペナルティが比べものにならないくらいキツイらしい。
取り調べ室で5時間以上ほったらかしにされたり、何年もシェンゲンエリアに入れないようにされたりってのが普通だそう。


俺が日本人であること、運良く優しいお巡りさんだったこと、そしてエティさんの真摯な交渉により、俺への寛容なペナルティがくだされた。


スロバキアへの3年間の入国禁止

シェンゲンエリアからの30日以内の強制退去

シェンゲンエリアへの3ヶ月間の入国禁止


お巡りさん
「30日あれば予定通りスロバキアもハンガリーも回れるっぺよー。それからクロアチアに抜ければいいっぺー。クロアチアはシェンゲンじゃねっがらぁー。クロアチアいいとこ、一度はおいで!!」


エティさん
「イヤー、ヨカッタデスネー。」


文武
「うわー!ありがとうございます!!ジャクエム!!」


お巡りさん
「んで、アフリカとか行って3ヶ月経ってからまた戻ってくればいいっぺー。スロバキアにもまたくればいいがらぁー。」


エティさん
「イヤ、3ネンカンハイレナイデスカラ。」


お巡りさん
「お!そうだったっぺなぁー。あっはっはー!!」


エティさん
「アッハッハ~!!」


文武
「あっはっは~!!」


お巡りさん
「じゃ、罰金165ユーロ。」













なんだとぉぉぉぉぉぉぁぁぁぁーーーー!!!!!!!!





お巡りさん
「多すぎ?んー、でも法律で決まっでっがらぁー。」




一瞬で絶望に叩き落とされる。

金ないです、って言いたいけど、最初の荷物チェックでバッグの中の各国のお金を見られてる。
ウソつけない。


泣く泣く金を払う。
紙幣を出し、あと小銭で払おうと1枚、2枚と貧乏アピールをしながら数える。


お巡りさん
「あー、もういいっぺー。これだけでいいがらー。当事者は現金をこれだけしか持ってなかったって書類に書くがらー。」



そう言って120ユーロだけを手にとったお巡りさん。



やった!!

っていうか怪しい………

法律で決まってるのにそんなに簡単にまけてくれるもんか?

こっそりエティさんに聞いてみた。


文武
「こういうのって懐に入れたりするんですか?」


エティさん
「ンー、シラナイデス。デモアルデショウネ。ソデノシタデケッコウドウニデモナッタリシマスカラ。」


法律の本見せてくれなんて言えない。
外国で警察に捕まったら彼らの言う通りにしないと面倒くさいことにしかならない。だって俺のペナルティなんて彼らのさじ加減ひとつで決まるらしいんだもん。

国外退去も30日間の猶予を設けてくれたけど、明日出ていけとも言えるらしいし、シェンゲン加盟国自体にも数年間入れないような罰を課すこともできるという。

ここはことを荒立てずおとなしく従うべきか。





お巡りさんたちの書類作りは黙々と続く。
photo:11



あ、カネムラじゃなくてカネマルか。
あ、ここ誤字があるよ。

おっさんお巡りさんたちの手際の悪いこと。
何度もプリントアウトして、サインしては、間違ってるから破いてまたプリントアウト………
を数時間繰り返す。

ブラチスラバだったらみんな慣れてるので2時間もあれば終わるんですけどねー、とうんざりしてるエティさん。
この前、沖縄に行ってきたばかりで、暖かいところから寒いところに戻ってきたので風邪をひいているそう。
彼の仕事はスロバキアにある日経企業のコンサルタントと貿易。


エティさん
「ニホンノオンナノコチョーカワイイヨネ!!!」





6時間の拘束ののち、ようやく解放されたのが22時。

こうなってはもうこの町、トレンチーンには用はない。

ブラチスラバに帰るエティさんの車に乗せてもらった。




ドライブしながら色んな話をした。


高校生のころに留学で日本にやってきたエティさん。
宮城県で、ある家族にお世話になり、日本が大好きになり、それから日本語を勉強し、日本と関わりのある仕事につき、以来年回に何度も日本を訪れているという。


すごい話を聞いた。


彼のお世話になっている家族は宮城県にいる。
あの震災の時、彼はいてもたってもいられず、福島原発の爆発で大騒ぎしている日本にスロバキアから単身やってきて、レンタカーを借りて食糧と水を買いこんで宮城県に行ったんだそう。
これが震災からわずか1週間後のことだったそう。
なんて人だ。

あなたはすごい人だと言うと、全然すごくない、皆がやらなければいけないことだ、と言った。


あの時、なにもしないでのほほんとテレビ見ながら、あー、ニュースばっかりでつまんねーなー、って言ってただけの人が何割いただろう。
たまらなく恥ずかしかった。





ブラチスラバに着いた。
街の中心部に降ろしてもらい、エティさんを見送った。
エティさん、ホントにありがとう。
あなたのおかげでどれだけ救われたか。そして大きな勇気をもらいました。
小さなことでイラついてないで、もっと人を愛さなければな。



photo:13


ブラチスラバの旧市街はたくさんのクラブやバーで活気に溢れていた。
石畳と古い建物が並ぶ路地の底で楽しそうに歩く人々。
photo:12



それに混じって歩く不法滞在者1人。

猶予は30日。それまでにシェンゲン加盟国であるスロバキアとハンガリーを終わらせてクロアチアに抜け、ユーゴスラビアからトルコ、イスラエルを通ってアフリカだ。

まだイタリアにもフランスにも行ってない。

面倒くさいことにこれから数週間後に入る予定だったギリシャもシェンゲン加盟国。
ヨーロッパのメインといっても過言ではないギリシャに3ヶ月間入ることができない。

どうするか…………30日間の猶予があるのでハンガリーから飛行機でギリシャに飛んで先に回ってしまうか。

ぶっちゃけ外国人警察に捕まらなければいいだけなんだけど、もし、見つかったらさらに厳しい罰が下されることになる。

今までほぼパスポートチェックされなかったことだし、わずか10日間くらいなら見つからずに回れるんじゃないか?


いやいや、ここは不幸中の幸いということでおとなしく従うべきか。


いずれにせよこのまますごすごスルーしてたまるか。


必ず戻ってきてやるぞ。





真夜中のドナウ川にかかる橋は静かに手をのばしていた。


彷徨い歩き、暗闇に潜り込んだ。
photo:14

不法滞在者の朝

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11月4日 日曜日


ドナウ川の上空で目を覚ました。

ここはドナウ川に架かる高速道路の橋の上、
歩行者通路で爆睡していた。
不法滞在者って雰囲気丸出しだな。
photo:01






50万人の街、ブラチスラバ。

程よい都会で、街の中心を流れるドナウ川沿いには大きな森林公園があり、おだやかな川面に係留された船はどれも船上ホテルや船上バーだ。
photo:02


このモニュメントすごかったな。ステンレスかなんかの鉄で出来てて、見る角度で光が変わってとても綺麗で不思議な存在感だった。






街中に行き、マクドナルドでネットを繋ぐ。

退去命令がくだった以上従わないわけにはいかない。
シェンゲン協定に加盟していない国はクロアチア、セルビア、ボスニア、アルメニア、モンテネグロ、マケドニア、そして将来的には加盟しますという意思を表明しているがまだ正式には加わっていないのがブルガリアとルーマニアだ。

なんとか陸続きにアジアであるトルコに抜けることはできる。
しかしギリシャだけは行けないんだよなー。
ポツンとここだけ穴が空いてしまう。

ギリシャは行かないわけにはいかないんだよなー…………


3ヶ月間、戻ってきてはいけない。
2年とか3年だったらもう諦めるところだけど、3ヶ月ならまだ戻ってこれるからな。

んー、オーロラは無理かー………
見たかったなぁ………





まぁ凹んでいてもしょうがない。

今まで通り歌って稼いで飯を食わなければいけないことには変わりない。



飯を食べにアジアレストランへ。
ブサイクで時代遅れな格好をした中国人の女店員たちが俺を見て無遠慮に笑っている。

丁寧に注文しても、はぁ?と面倒くさそうな顔で返事もしない。

料理を置くときもドンっ、とテーブルに置き、箸をくださいと言ったら、そこにあるだろうが!みたいにテーブルの横の箸を指差し、他の店員たちと中国語で何かを言って笑ってる。

あまりにもムカついてテーブルひっくり返しそうになるのを必死にこらえ、さっさとたいらげて店を出た。
最悪に気分が悪くなった。

腐れ中国人どもが。
だから世界中から嫌われてるんだ。





旧市街に向かう。
プラハのチャールズ橋のミニチュア版みたいな橋を渡ると、細い路地が入り組む蜘蛛の巣のようなブラチスラバの旧市街に入る。
たくさんの古い建物が残っているんだけど、世界遺産には登録されていない。
見上げると丘の上には白亜のお城がそびえている。
たまらなく美しいが、ヨーロッパではどこにでもある風景。
photo:03






そんな旧市街への門のところで路上開始。

ゆうべはクラブやバーが大音量でダンスミュージックをかけていた飲み屋通りだけど、日曜日の昼下がりは静寂に包まれている。

しかし、ブラチスラバはやっぱり首都だな。
なかなか観光客も多く、お決まりの中国人のツアーもガヤガヤと通っていく。

周りの石造りの建物に反響して、狭い路地に気持ちよく歌声が響く。
人が通れなくなるくらいのひとだかりが出来、かなりのお金が足元にたまった。
photo:04




しかし後で数えたが、あがりは36ユーロ。
うーん、やっぱり物価が安い分、みんなの財布も閉まるわけだな。



「Can you play Nakajima miyuki?」



な、なかじまみゆき??!!

そんなイカしたこと言ってきた地元の兄さん。日本を愛する彼の名前はスタニスラバ。

話していると仲良くなり、お茶に誘ってくれたので、ビール飲みたい!!とリクエストして一緒にブリュワリー直営のバーへ。
スロバキアにはたくさんの小さなブリュワリーがあり、それぞれ直営のバーを持っている。



ビール片手に話が盛り上がり、そのまま彼の家に行くことに。
photo:05



photo:06




と、その前に店を出たところで、すごい美人なアジア人が歩いてきたのでジッと見ていると、向こうから日本人ですか?と声をかけてきてくれた。


えー!!こんな美人な日本人とスロバキアで会えるなんて!!と大喜び。

しかも同じ九州人。

仕事でこちらに住んでいるというサキさん。
フレンドリーで笑顔の素敵な女性。

久しぶりにビックリするくらいの美人さんに会えて興奮してしまったー。
一緒に飲み行きたかったなー。

Facebookだけ交換して別れた。





スタニスラバの住んでるマンションはオーストリアとの国境からわずか1kmほどの場所にあった。
すぐ向こうにウィーンがあってちょっと走ればプラハにも行ける。
ブラチスラバって住みやすいいい場所なんだなー。



ところで、みんなはクラケットってスポーツ知ってる?

くぼんだテニスラケットみたいなラケットでボールをパスし、シュートを放つ、アイスホッケーに似たスポーツ。

日本ではメジャーじゃないけど、アメリカやカナダ、ヨーロッパではスタジアムを満員にするような人気スポーツだ。

なんとそのクラケットのスロバキア代表選手だったスタニスラバ。


かなり激しいスポーツであるクラケットのゴールキーパーである、たくましい男。
しかも弁護士。


パーフェクトマン(^-^)/
photo:07





そんな彼はつい先日、スペインに巡礼に行っていたそうだ。
四国のお遍路みたいに、スペイン北部には900kmの道を歩くクリスチャンの巡礼の道があるようで、美しい自然や古びた田舎町、都会の中を歩く素晴らしい巡礼らしい。

パソコンでその時の写真を見せてもらった。

巡礼といっても宗教的な装いではなく、みなラフなアウトドアの服を着て歩いている。

他の巡礼者と仲良くなり一緒に歩いてる姿やカフェで仲良くお茶をしてる姿に、四国お遍路を思い出す。
その写真の中には日本人男性の姿もあった。


美しい風景。
東欧にはない土壁の家の集落なんかがある。
スペインも行かないとな。




3ヶ月後だけど(´Д` )




夜遅くまで色んな話をした。


不法滞在者ってことを忘てしまいそうだ(^-^)/

田舎でバスに乗るのは至難の技

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11月5日 月曜日


スタニスラバの朝は早い。
6時には起きて、キビキビと身支度をしている。
低血圧の俺は、ベッドで体を起こしてボーッとスタニスラバの動きを眺めていた。



7時に家を出た。
外は大雨が降っていて、うす暗い月曜日の空の下、通勤の人たちが傘をさして歩いている。

そうか、ここは首都なんだよな。




スタニスラバにバスターミナルまで送ってもらった。
決して慌てない、冷静で論理的な男。そしてとても優しかった。
再会を約束して、彼はテールライトを残して雨の街に消えて行った。



どこ行こうかなぁ。
離れたくないなぁ。
昨日のあの綺麗な日本人の女の人をデートに誘いたいなぁ。

って不法滞在者が言えるセリフじゃねぇ。そんなこと言ってないで早く進んでシェンゲンから出ないと。





二トラという町にバスが止まったのが9時。まだ朝の9時。雨は相変わらず降り続いている。この天気じゃ歌うことはできない。

んー、無駄に時間潰したくない。

こういう雨の日は移動にあてるのが1番!!

よし!スロバキア最後の目的地、バンスカースチャヴニツァにまで行ってしまおう!!



言いにくい!!!


スロバキアに行くならここは行くべきだよ、と近隣の国の人たちが言っていたんだよな。
そしてスロバキアの人たちも、みなあそこには行かないともったいないと言う。
先日のお巡りさんも、退去まで猶予あげたんだからこれでバンスカースチャヴニツァに行けるっぺ、と言っていた。


これほどまでに誰もが勧めるこの町。
どうやら世界遺産みたい。
はるか昔からの金の鉱山町として栄華を極めたところらしく、今でもその当時の名残を見ることができるだそう。

地図を見るとかなり田舎のようだが、チェコのチェスキークルムロフみたいに観光客がたくさんくる町なら稼ぐことはできる。


行っちまうかなー!!





が、バスの時刻表の見方が一切わからない(´Д` )

広いバスターミナル。30ヶ所もの乗り場があり、ひっきりなしにバスが到着しては出発している。
しかし、なぜかインフォメーションがない。自分で探し出さないといけない。



とにかく人に聞きまくる。

が、誰も英語を喋れない。

バスの運転手さんに聞いても、

「ニエ。」(Noって意味)

と冷たく言うだけで、あっちだよとも教えてくれない。
雨の中、バスからバスへたずねて回るが、みな首を振ったり、ニエと言うだけで相手にしてくれない。

無駄に時間が過ぎて行く。


時刻表の中に、かろうじてそれっぽいバスを見つけたのだが、5時間後。
イラつくなぁ………

ヒッチハイクするか?


しかしこんな雨の中、山に向かうヒッチはかなり難しい。

おとなしくバスで行こう。

時間を潰すために近くのカフェへ。
平日の昼間からダメそうなおっさんたちがあーだこーだ言いながらビールをあおっている。俺もビールを注文してダメ人間を楽しむ。
暇なので自分の写真を撮る。
photo:01


中国人のチェックがくれたネックウォーマーは最近帽子の代わりになっている。暖かい。




14時になり、ようやく狙っていたバスがやってきた。
たぶんこのバスで行けるはず。


文武
「バンスカースチャヴニツァ。」


運転手のオヤジ
「ニエ。」


邪魔だからとっととあっち行って、と手で払われる。








……………くそがぁぁぁぁぁぁ!!!!!!!




ダメだ、チクショウ、わかんねぇ。

またその辺の人に聞きまくるが、やっぱり誰も英語喋れない。


あっちだよ。


向こうだよ。


そこだよ。


隣だよ。


2番だよ。




みたいなことをすべてスロバキア語で言ってくる。
俺が英語でお願いしますと言ってるのに、無視してスロバキア語で話し続ける。
俺が理解してるかどうかなんてまったく気にしてない。




途方に暮れる。


イラついて立ち尽くす俺をチラチラ見てくるスロバキア人。
ニヤニヤしている若者たち。
何がおかしいんだ?アジア人がそんなに笑えるのか?
イラつきをあおられる。




やってきたバスの運転手にまたたずねた。バンスカースチャヴニツァには行きますか?


「ニエ。」

冷たくそう言って追っ払われる。

ため息をつきながら、隣のバスの運転手にたずねる。

あ?バンスカースチャヴニツァ、そのバスだよ、ほら、隣の。

つい今、追っ払われたバスを指差すおっさん。


俺の発音が悪いのか?バンスカースチャヴニツァ、言いにくいんだよ。

戻ってもう一度、俺はバンスカースチャヴニツァに行きたいんだ、と言う。


「ア?違うっつってんだろ?」


ちょっと怒り気味に返された。
もう頭きた。

「あぁーー?!!そこの隣の運転手がこのバスがスチャヴニツァに行くって言ったんだよ!!何が本当なんだよ!!」


「違うって言ってんだろが?もう出発するから早く降りやがれ?」




バスはドンドン走り去っていく
それぞれの行き先へ
俺は一体どこに行きたいんだろう
町の名前は知っているけど
それが町なのかもわからない
人生は長いよな
わからないことはわからないままでいいさ
夜がきて ベッドライトが
白い息を照らした
次のバスに乗ったらどこまでいけるだろう






その後、親切なおばちゃんが俺のことを見かねて、誰か英語しゃべれる人はいないのねー!!と呼びかけてくれ、若い学生の女の子が名乗り出てくれ、バンスカースチャヴニツァ行きのバスを見つけることができた。
二トラからわずかに2時間弱の道のり。
料金はたったの4.5ユーロ。




夜8時、暗闇の山の中にバスは止まった。
ポツポツと外灯の光。

こ、ここがバンスカースチャヴニツァか…………

かなりのど田舎だな…………

岡山のばあちゃんちを思い出す。
忘れられた谷間。
photo:04




この町は坂の町なんだな。平坦な道がひとつもない。すべての道がなかなかの傾斜の坂道だ。
山の斜面に広がっているのか。

バス停からしばらく歩いて坂を登っていくと、ポツポツとバーの灯りが並んでいる。

ここがメインストリートか。

人の姿は皆無。

先日、警察に捕まったときに日本語通訳をしてくれたエティさんが、バンスカースチャヴニツァに行くなら知ってるバーがあるから是非言ってみてよ、僕のツケで飲んでいいから、と言っていたんだが、そのお店の名前をまったく覚えていない。
町の規模の割にはバーがたくさんあってどれがエティさんの行きつけかなんて全然わからない。

とにかくWi-Fiを手にいれてエティさんに聞こうと、適当にその辺のバーに入ってみた。


「Welcome my friend♫」


落ち着いた雰囲気のこのお店。
とてもフレンドリーなマスターと常連さんで賑わっていた。



photo:02


ピルスナーを飲みながらWi-Fiをつないでエティさんにメールをうつ。


「エティさんの行きつけのお店ってなんて名前でしたっけ?
ちなみに今アルハニエルってバーにいます。」


するとマスターのケータイ電話が鳴った。
電話を取るマスター。
そして俺にケータイを差し出した。

なんだ?と思いながらハローと言う。

「フミタケサン、ドウシテソコニイルノ?」


「へ?エティさん?なんでマスターの番号知ってるんですか?」


「ダッテソコガボクノイキツケデスカラ。」



…………奇跡ーーー!!!!



各国1回は奇跡起きてるな(^-^)/



てなわけで夜中まで常連さんたちと盛り上がって泥酔したってわけですね!!!
photo:03




ここはスロバキアの山の中!!!

ボロボロの山里 バンスカースチャヴニツァ

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11月6日 火曜日


小高い丘の上は風がふきすさびテントがバサバサあおられてあまり眠れなかった。

寝不足で外に出ると、目の前に大きな白い建物がそびえていた。
これはニューキャッスルと呼ばれる建物。文字通り新しいお城。
photo:01



町を見下ろす丘の上、白くボロボロのお城。

これがヨーロッパの田舎の風景なんだな。


photo:02


山に囲まれた森の中に、1ヶ所だけわずかに建物が密集している。ここはバンスカースチャヴニツァ。
かつて金を産出する鉱山町として栄えた町で、ハンガリー王国時代には国内で4番目に大きい町として栄華を誇った。



というわけで町を散策。
photo:03


日本で言うところの、昭和で時の止まった町、だな。
ボロボロの建物の間を坂道が入り組み、廃墟の門には錆びた鎖がかけてある。
photo:04






地元のじいちゃんばあちゃんが歩いてるくらいで、犬の鳴き声が谷間にこだまする。
photo:05







こいつは絶対歌えねぇ(´Д` )




とりあえず、1番有名な広場へ行ってみた。

古びた建物が並ぶ広場の中心に、町の規模に対して不釣合いなほどの立派な塔が立っていた。
かつて、この塔の周りをたくさんの人が歩き回っていたんだろうな。繁栄の残骸。
photo:06







それにしてもこれが世界遺産か?

いやいや、これはあくまで町並みだ。
この町の地下、そして周辺の山の中を凄まじい長さの坑道が張り巡らされている。
それらも含めての世界文化遺産なんだよな。

日本にいるときも寂れた鉱山町に行くのが大好きだった。
当時をとどめた長屋通りも好きだし、山奥に行き、藪の中をかき分けて歩き、道無き道の奥にかつての集落の残骸なんかを見つけたりするとトレジャーハンターのような気分になったもんだ。

時の過ぎ去った様に心動かされるさびの心情。

今もそれは同じだ。



photo:07


とはいっても3時間も歩いていたらすっかり飽きてしまい、この町のメインである坑道探検について聞くためにインフォメーションへ。

観光客に公開されている坑道は、ここから1kmほど山のほうに上がったところに入り口があり、博物館も併設されているようだ。

ただもちろん入坑には係員さんの同行が必要なので、明日の朝9時、オープンと同時に行かないといけないそう。
ただ問題なのが、入坑には最低5人の人が集まらないといけないらしい。
1人のためにわざわざ案内はしませんよということか。


まったく観光客いないけど大丈夫か?
まぁさすがにメインの観光ポイントだから5人くらいは集まるだろう。




ていうわけでやること終了。




なにしよう?





うーん、暇だ。





静まり返った町。




ご飯を食べに行きたいが、この町にはピザ屋しかない。
まぁピザ好きだけどね。
適当に入ったお店で350円のピザを食べ、お店を出ると、まだ16時だというのに山には暗闇がおとずれようとしていた。
photo:08




山の鳴き声が谷間にこだまする。
煙を吐く煙突。煙のにおいがばあちゃんの家を思い出させる。五右衛門風呂を沸かすためにマキをくべてたなぁ。


そんなことを思い出させる山里の夕暮れ。
丘の上の白いお城。

photo:09




アルハニエルでビールを飲んだが、今夜は早めに切り上げて、夜の闇の中、山へ向かって歩いた。
photo:10









少し坂をのぼると、すぐに民家がなくなり、やがて外灯がなくなり、山路は完全な暗闇になった。

さすがにこれだけの暗闇はちょいと怖いな。
眼下に広がるささやかな街あかり。広大な森の中にポツリと寄り添う、人びとの暮らしの灯り。




真っ暗闇の山道の向こうに明かりが見えた。
近づいていくと、どうやらここが博物館のようだ。
このあたりで寝て明日、朝1番に坑道探検としけこもう。


夜空を見上げたら、ビックリするほどの星がまたたいていた。
宝石を散りばめたとはまさにこのことだな。




冷たい風がとても気持ちよかった
ずっと星を見ていた
知らない場所で

また問題が発生

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11月7日 水曜日



寒い寒いと思っていたら雪がちらついてきた。
ここはスロバキア、バンスカースチャヴニツァ。


山の中に小雪が舞うシチュエーション、あー、ホントに岡山のばあちゃんちを思い出す。

ばあちゃん元気かなぁ。
じいちゃん腰悪くなってないかなぁ。




よし!!時間は9時前!!
テントを畳んで即、博物館へ!!

地下坑道探検だ!!!!
ヘルメットとカッパ着て、暗闇の中を懐中電灯の灯りで進んでいくらしい!!

世界で最初に火薬による採掘が行われた鉱山だと!!

九州男児なめんなよ!!!

信介しゃん!!!








そこには…………

涙がちょちょぎれそうな寂れたテーマパークがあった…………
photo:01






(´Д` )ポカーン



人が数年来ていないんじゃないかというような敷地にポツポツと立つ掘っ建て小屋。


宮崎のスキムランド並みの寂れかた。



とにかく中に入ろうとチケット売り場へ。

暇そうにタバコを吸ってたおばさん。英語はわからないので紙にいろいろ書いて説明してくれた。

5人集まらないと坑道には入れないのよ、と言っている。

よし、わかった。
まだ早いからね。集まるまで博物館の展示物を見てるからと、とりあえず博物館だけの入場料0.75ユーロを払う。
坑道探検は5ユーロ。


おばさんがひち面倒くさそうに、掘っ建て小屋の扉を開けて回る。



お、お、お、俺が最初の客なわけね(´Д` )



誰もこなかったら閉めっぱなしなわけか…………


小雪の降る中、小屋をのぞいて回る。

どこにでもあるようなウィンチや削岩機、トロッコが申し訳程度に置いてある。
photo:02



photo:05









10分で終了。





狂暴な犬に吠えられる。






ウォンウォン!!!
(なにしに来やがったコノヤロウ!!)






(´Д` )こ、こ、鉱山を探検に!




他に観光客はいない。





小雪が降る。汚れっちまった悲しみに(´Д` )






あ、もういいや。
行こ。


photo:03


たぶんあと3日は誰も来ないだろう。
あまりにも切なくなってきたので荷物を担いで町にくだった。







さて、これからどこに行こうかなぁ。
このままハンガリーに抜けるか?

でもブラチスラバのスタニスラバさんがハンガリーに行く前にもう一度ブラチスラバに戻ってきなよ、って言ってたんだよな。
もう一回会いたいな。


悩んだ末、やっぱりブラチスラバに戻ることにした。



「ハロー!クラッケトマン!
元気ですか?今からブラチスラバに戻るから会いましょう!
今日は忙しいですか?」



そうメールを打ち、バスに乗りこんだ。
バイバイ、バンスカースチヤヴニツァ。
飲みにきただけだったな。
photo:04



photo:06








陽気な兄ちゃんとバスの中でずっと喋ってると、あっという間にブラチスラバに到着した。

夜8時。
バスターミナルでWi-Fiにつなぐとスタニスラバからのメールがきていた。

お、どっか迎えに来てくれるかなー。

しかし、そのメールはどこかそっけないものだった。



「仕事で忙しい。それより、あなたは先日うちのシャワー室でなにをしたんだ?」



なんだ?意味がわからない。
スタニスラバもそんなに英語が上手ではないので、スペルの誤字が多く、推測しながら読んでいく。

シャワー室でなにをした?

なんだ?


なにか問題がありましたか?とメールを打った。

すぐに返事が帰ってきた。



「シャワー室のバスタブが割れてそこから水が漏れ出ている。修理しなければいけない。何をしたんだ?」




頭が真っ白になった。

バスタブが割れてる?

え?この人、あの優しくて冷静で知的なスタニスラバか?
同じ人か?



ホントですか!?僕が入ってた時はなんともなかったし、そんなバスタブが割れるようなことはしてませんよ!

と動揺しながらもなんとか冷静に文章を作って送信した。
心当たりなんてまったくない。


返事がくる。
開くのが怖い。



「あなたがシャワーに入ってる時、中から何かのノイズが聞こえた。おそらくあなたは割ってしまい、怖くなりなにか細工をしてばれないようにした。」


は?

………これ本当にスタニスラバか?
頭おかしいんじゃないか?

いやいや、旅の男を泊めて風呂を壊されて頭にきているんだよな。
たった一晩じゃ信用なんかないか。

それにしてもこのもの言いはどうしたことだ?

完全に俺が犯人という前提で話している。



ノイズというのは多分俺がヒゲソリを洗った時の音だろう。
コンコンとバスタブに打ちつけて剃刀の間の毛を取りのぞくんだけど、剃刀を打ちつけたくらいであのプラスチックの浴槽が割れるか?


またメールが来た。



「あなたがやった。」




信じられない!!!
なんでこんなことが言えるんだ!!
頭にきてるのだとしても、こんな風に決めつけてくるなんて、ちょっとどうかしてるぞ?


「あなたがそんなことを言うなんて信じられない。とにかくそのバスタブの傷を見せて下さい。この問題が解決するまで僕はこの町に滞在します。」





そうメールを送った。



世界の旅では、誰も俺のことを知らない。好きなことが出来るし、誰も見ていない。
いくらでも卑怯なことができるし、とっとと逃げることもできる。
面倒くさければ逃げてしまえば二度と会うこともない。

自分の中の真実だけが道しるべであり、それだけが誇りだ。

だからこそ、誠意を持って接した人に悪い印象を持たれることがすごく悔しい。
悔しくてたまらない。




割れるほどの衝撃なんて与えていないし、水が漏れていれば俺も気づいたはず。
毎日、クラケットのキーパーである大男の体重を支えているバスタブが50kgくらいしかない俺で割れるなんて信じ難い。


でも、もしかしたら俺がやったのかもしれない。気づかないうちに割ってしまったのかもしれない。
それはわからない。
しかし断じて隠れて逃げたわけではない。

誇りを守るために、解決するまでとことん最後まで行ってやる。




体の力が抜け、暗い気分でマクドナルドを出た。

都会の夜。
今日の寝床はブラチスラバの初日に寝たドナウ川の橋の上だな。


落ち葉が風に舞う道を歩いていると、同い年くらいの兄ちゃんが話しかけてきた。
上手な英語。
俺も力のない笑顔を返す。

俺も旅が好きなのさ!ヨーロッパはすべての国に行ったんだ!
アジアも日本も行きたいんだよなー!!

そう話す兄ちゃん。
いつもなら楽しいコミュニケーションで飲みいくかー?!なんて浮かれてるところだけど、今夜はとてもそんな気分じゃない。





街から離れ、ドナウ川沿いに歩く。

なんで旅をするの?

知らない場所に行きたいからさ。



そうだ。ここは知らない場所だよ。


音もなくたゆたうドナウ川に、橋の灯りがうつり揺れている。静寂の夜。たまに聞こえる車の音。

明日、解決できるといいな。






俺は日本人としての誇りを持っている。あなたはスロバキア人として誇りを持ってる?と兄ちゃんに聞いた。

彼は強い目をして言った。



「俺はスラブ人としての誇りを持ってるのさ。」

岡村靖幸ってカッコ良い

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11月8日 木曜日


光が夢の中に差し込む。

殻を開けて外に出ると眩しい太陽がすべてを鮮明に照らしていた。

輝くドナウ川の上を大きな船がゆっくりと動いている。

道路にかかる看板。

寝袋から体を出し、荷物をまとめて街に向かった。



マクドナルドに行き、すぐにメールをチェックした。

来てる。スタニスラバからのメールが来てる。

怖い、なんて書いてあるのか。



「今日も明日も忙しいから土曜日にしか会えない。」



なんてこった。
あと3日もこの何もない街に滞在しないといけないのか………
マジかよ………

目の前が真っ暗になるが、ここで逃げるなんて九州男児として絶対にできない。

わかりました、土曜日までいるのでいつでもメールして下さいと返事を打った。


はぁ……とんだ目にあってるな……

しかしそう思ってるのはスタニスラバも一緒か。
旅の日本人を泊めたばかりにお風呂壊されたと思ってるわけだもんな………


はぁ、めんどくせぇ………



そこに、友達のユウキからスカイプで電話がかかってきた。
俺の本を読んだ人ならユウキがどんな面白いやつか知ってると思います。


「ほりぃぃ!!!ジャパニーズカリー!!!」


そう言いながら画面ごしにカレーを見せつけてほおっばってる。


バカこいつ(^-^)/


スロバキアで問題を抱えて途方に暮れてる不法滞在者に、その軽すぎるリアクションが面白くてしょうがなかった。

やっぱこいつは和ませてくれるわ。


「あぁー?殺せ殺せ。そんなガイジンは殺してしまえ。ヒャッハッハ!!」


マクドナルドの中で爆笑して周りから変な目で見られてしまった。

少し気も楽になり、旧市街へ向かった。







路上を始める前にちょいと街を散策。

このブラチスラバには面白い銅像やモニュメントがたくさんある。
この前載せた鏡みたいな鉄できた妊婦像にしてもそう。
モニュメントを見て回るだけでも面白い。

そんなブラチスラバの旧市街にはとてもユニークな像がいたるところに存在する。

発見した3体の写真はこちら。


マンホールおじさん。
photo:01




パパラッチ。
photo:02




陽気な紳士。
photo:03




この陽気な紳士は、その昔、実際にこの旧市街にいたホームレスらしい。
ホームレスとはいってもいつも綺麗な身なりで正装し、陽気に人々に声をかけていた人気者だったそうだ。
人気者だったにしてもホームレスの銅像を作ってしまうというブラチスラバの懐の深さに、この街の人情味を感じる。

ちなみにこの情報はスタニスラバから………






気を取りなおして、路上開始。

今日もたくさんの人と話した。
スイスに留学しているっていう日本人の男の子とも仲良くなった。
飲みに行きたいところだったけど今日ハンガリーに行くからということでスイスでの再会を約束した。
スイスって物価高いとは聞いてたけど、やっぱり半端じゃないみたい。
マクドナルドのビッグマックのセットが1500円するらしい。
まぁその分給料も高く、マクドナルドの時給が2000円だってさ。怖い怖い。

スロバキアでは良い場面でも悪い場面でも、たくさんの人と出会ってるなぁ。

何もなければ最高の国になってるんだけどなぁ。


平日は観光客も少なく、あがりは32ユーロ。






マクドナルドに行き、YouTubeで色んな音楽を聞いた。

知り合いに教えてもらった岡村靖幸って人がめちゃくちゃカッコ良くて彼のビデオばっかり見ていた。

すごいなこの人。
惹きつける魅力が半端じゃない。


俺ももっと気合入れないとな。



はぁ、明日も何にもない日か。

photo:04




今夜もドナウは静かに流れている。
photo:05


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