シュタイアーの丘に吹く風

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9月30日 日曜日


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日曜は町の機能が停止する。
すべてのお店が閉まり、車も走っていない。
静寂の町角。
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しかしそんな日曜日に、そこにだけ人がたくさんいる場所がある。


教会!
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パイプオルガンと人々の讃美歌がどこからともなく聴こえてくる日曜日の朝。
旧市街地には3つ大きな教会があるんだけど、どの教会でもホリデイミサをやっていた。




中をのぞくと、とても俺みたいなゲスが入っていけるような空気じゃない。

神聖で厳かで、澄んだ空気。
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すると、教会の前に昨日も見た地元のアコーディオン弾きがやってきて準備を始めた。

ドンピシャのタイミングでミサが終わり人々が教会から出てくる。

決して上手ではないアコーディオンに、信心深くなりたての人々はみなお金を入れて行く。
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人々は帰り道でカフェに行きランチタイムという流れ。

教会の前をはしゃぎ回る子供。

手をつないで歩く老夫婦。


ずっとずっと繰り返されている何気ない日常の風景。




俺もお腹空いたので歩いていると、中華料理屋さんを見つけたので入ってみた。


ブュッフェ!!


ブュッフェってお洒落だな。
バイキングだよな。

食べ放題のやつ!!


いつも思うけど中国人の店員って愛想悪すぎなんだよな。
とくにオバさん店員。キレてるんですか?みたいな顔で接客してくる。これはどんな料理ですか?って聞いても、俺キレさせたら大したもんだよみたいな投げやりな説明。
それに比べて白人店員はみんな笑顔でニッコリ接客してくれるから気持ちいいんだよな。





やっべぇ!!ゲロうますぎる、ここ。

モヤシ炒めとかチャーハン、焼きそば、酢豚、サラダ、スープ、他にも色んな料理がたくさん食べ放題で6.1ユーロ。

ハマりました(´Д` )(´Д` )
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これ他で食べようと思ったら10ユーロ越えるぞ。



うっひょーーーーー!!!!!!




食べ放題ーーーーー!!!!!




揚げ物サイコーーーー!!!!!




そして初めての海外の寿司に挑戦!!!




クッソまじい!!!

なんだこれクソか?

シャリはべちゃっとしていて、ネタのサーモンもねちゃねちゃ。

食えたもんじゃねぇ。


スシロー行け!!




でも他のは全部とっても美味しかったです(^-^)/

料理人の中国人さん、ありがとう。
大好きです。





今日は1日、観光デー。
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町を歩き回り、たくさん写真を撮った。
教会の見所としては、あ、俺今日は観光客ですからね。見所とか言っていいやん。教会は博物館じゃないよ、ってそんな堅苦しいこと言わないの。

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メインストリートの南端、少し坂を登ったところにある町のランドマーク的な大きな教会。
ここは古めかしい外観とステンドグラスの美しさが見事。


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メインストリートの真ん中にあるピンク色の教会は、装飾が凄まじい。
なんかロココとかバロックとかスト2のキャラクターみたいな名前の建築様式らしいよ。
勉強したほうがいいよね。
しないけどね。
ヨーロッパ来た瞬間、前から知ってましたみたいな感じで、これはバロック様式ですね、ロココ調の装飾が見事、とか言い出したらキモいよね。


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そしてメインストリートの北端にある大きな教会は1番格式高そうな荘厳な雰囲気。

3つともそれぞれに個性があり、すべてを回って見学する価値あり。
もちろん博物館じゃないので信者さんが片膝をついて礼拝をしているので、静かにしないといけません。


写真撮りまくってゴメンナサイ(´Д` )(´Д` )(´Д` )
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メインストリートを外れて、住宅地のほうにも行ってみる。
なんてことのない町並みだけど、その生活感が愛らしい。
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このシュタイアーは川の合流地点ということで、はるか昔から洪水の多い町らしい。
それを物語るのがこの歴代洪水メモリ。
1番上のは1500年代。
少しは治水技術が進んで改善されたのかと思えば、2000年代のやつがかなり上位に入っている。
河川敷でテントなんか張ってたら一瞬でサヨウナラだな。
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見晴らしのいい高台に上がってみたくて、階段を上がってみる。

きつい。

荷物なんとかしなきゃな。

テントを買ったことでさすがにバッグの容量が限界になっている。
奥の物を取り出そうと思ったら、一度全部ひっくり返さんといかんし、小物類も同じところに混ぜこぜに入れているのでかなり取り出しにくいし、傷みが激しい。

あー、メインストリートのアウトレット屋さんに8千円で大きなキャリーバッグが売ってたんだよなぁ。
たくさん収納がついてるから小物も分別できるし、何よりキャリーってのが楽だよなぁ。

でも綺麗すぎると泥棒に狙われやすいしなぁ。
悩むなぁ。




考えながらも荷物は体に重くのしかかる。

限界が来て途中のベンチでひと休み。
そのままそこで1時間くらい曲作り。





高台の頂上に着いた。

素晴らしい風景が広がっていた。
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2つの大きな川が合流する地点に形成されたシュタイアーの町。
赤い屋根の家々が密集し、その中に大きな教会の塔が目印のように立っている。
周りを緩やかな山に囲まれ、すぐ町の外は田園地帯が広がる。


人々の生活。
生まれて、学校に行き、仕事して、結婚して……っていう日本と同じ生活がここにある。
変わりばえしない毎日の中にある喜怒哀楽。
俺の知らないところで紡がれている美しい物語。
それに触れたい。

宮崎の日向にある山から夜景を眺めて、いつもそう思っていた。
取り残されているかのような焦燥感。

あれからずいぶん旅をして、あの感情が薄れていたように思えていたけど、このシュタイアーの丘の風景はこんなにも胸をしめつけてくれる。
しめつけられすぎて解き放ちたくなる。
俺にとってとても尊い感情。まだこんなにあったんだ。




なくしたものも、全部ここにある。
穏やかな風に吹かれて、我を忘れるほど立ち尽くしていた。


世界は広い。
まだまだ先は長い。

まだ見ぬ運命の友達たち。

俺はここにいるよー。
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赤毛の女の子はエロいという俗説

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10月1日 月曜日


旅出発3ヶ月!!

もう3ヶ月も経ったのか。

いや、まだ3ヶ月しか経ってないのか。

早いのか遅いのかわからないくらい、毎日濃い日々を送っています!!

ガンガンいくぞーーーー!!!!




目を覚ます

テントをたたむ

ショッピングモールへ

トイレで歯と顔と頭を洗う

隣で手を洗ってる人の視線が怖い

マクドナルドでネット接続

中華料理店で朝昼ご飯

ゲロうまい

路上




シュタイアーは近い範囲にすべてが揃っているので、動きやすいんだよなー。
どの町でもこれくらいスムーズに行動できるといいんだけど。
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ところで、


「赤毛の女の子はエロい」



これはヨーロッパ男子の間でまことしやかに語られる説。


下らねえ(´Д` )

バカすぎる(^-^)/



日本でいう、
「メガネ巨乳はすぐやらせる」


みたいな馬鹿な男の妄想だよね。

ということは赤毛というのはヨーロッパ男子にとって萌える条件なのかな。


そんな男心を知ってるはずの女の子。わざわざ赤毛に染めてる若い女の子ならば、エロいというのは当てはまるかもね。



てか、この話聞いてから赤毛の女の子を見るとどうしても気が散る(´Д` )


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気を散らせながら今日も路上。

石畳の道に歌を響かせる。

通行人からだけではなく、建物の窓からもユーロが飛んでくる。


今日もたくさんの知り合いが出来て、あがりは63ユーロ。



程よい疲れでいつものショッピングモールへ戻り、ビールを買いにスーパーへ。

どのビールがいいか店員の女の子に聞いたら、うちのお父さんはこれが最高って言ってこれしか飲まないの!!と、zepferを手にとった。やっぱりこれがメジャーなんだな。



マクドナルドでネットをつなぐ。
ホームページ上のちょっとした手違いの確認、今日出会った人々とのメールやFacebookのやりとり、日記とブログアップ。
友達に子供が生まれたと優樹からメールが来た。
真、直接おめでとう言えんでごめんな。




ひと気も少なくなって来たマクドナルド。

その時、表の通りから何やらブラスバンドの音か聴こえてきた。
なんだ?

外を見てみると、なんとそこには松明を持った人々のパレードが行われているじゃないか。



うわっ!!!なんだあれ!!!

マクドナルドを飛び出してパレードに近づく!!!


様々な国々の国旗を持った人々が、かなり長い行列をなして車道から路地裏へと進んでいる。
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やっべ!!これなんかヤバイ!!


教会の脇の細い道を進んで行くパレード。
なぜか人々はシェパード犬っていうのかな?警察犬です!って立派で賢そうな犬を引き連れている。


松明のあかりが教会と石畳を鈍く照らす。
なんとも幻想的な光景。




中央広場に出ると、そこにはかなりの混雑が待ち受けていた。
ヨーロッパからアジア、アメリカ、世界各国の国旗とプラカードを持った人々。
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なんかの大会か?

どういった集まりかそこらへんの人に聞いてみたところ、詳しくはわからなかったけど、どうやらこのシェパード犬の競技大会が行われるらしく、そのオープニングセレモニーとのこと。
これだけの国々が参加するなんてかなりの規模の大会なんだな。


ライトアップされた広場に開会の宣言が響き渡る。
各国のファンが、アメリカ~!!エストニア~!!と声援を送っている。

うわー!!負けてられん!!

に、に、に、に、日本チームはどこだ!!!


しかしどこにも日の丸の姿はなし(´Д` )(´Д` )


なんだよー……おそらく数少ないはずの日本声援団になろうと思ったのに………





美しい石の町にファンファーレが鳴り渡る。
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あー、そういえばここは音楽の都、オーストラリアなんだよな。

そう思うと普段はどうも思わないブラスバンドの演奏もどこか味わい深い。

軽快な小太鼓のバチさばき、管楽器の麗しいハーモニー。


ひときわ大きなトランペットの音色が響いたかと思うと、建物の上の部屋にソリストが!!

なんて素敵な演出。

たまらず踊り出すおばちゃん、おじちゃん、

涙を流しているおばあさん。




ビールを買っといてよかった。

美しい音楽とごく自然にたわむれる人々に混じって、俺もオーストリアビールをあおった。





バイバイ、シュタイアー

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10月2日 火曜日


朝方、テントの外から呼ぶ声がする。

確実に中にいる俺に呼びかける声。


ハイハーイ♫と敵意はありませんという精一杯のフレンドリーな声で呼びかけに答え、寝ぼけながら外に出ると、そこにはたくましい女警官が立っていた。


申し訳ないが、市内ではテント泊はできないので、移動して欲しいとのこと。
今日はもういいけど、もし今夜も滞在するなら、市外まで出てね、だって。



そうか、そろそろ出発だな。




パスポートの照会をして、ジャイ子がそのまま大人になったような婦人警官さんは帰っていった。

俺はそのままもうひと眠り。





今日もシュタイアーは美しい。

こんなどこの馬の骨ともしれないような旅人をこんなにも優しく包んでくれる。
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いつもの中華料理店で朝昼ご飯。

お会計の時に、俺が毎度のごとく小銭で支払いをすると、あの愛想の悪いおばさんが何かを言いたがっている。
なんだ?
片言の英語をよく聞くと、どうやらその大量の小銭を紙幣に換金してあげようかと言っている。
びっくり。

毎日通って壁がなくなったんだ。

おばちゃん、ありがとう。

最後の最後でおばちゃんの不器用な笑顔を見ることができた。




最後の路上。


目の前で女の子が通行人に声をかけて回っている。
これまでヨーロッパの各都市で必ずと言っていいほど見かけること光景。
彼女たちはグリーンピースの活動員だ。

様々な自然保護活動のための資金集めとして、こうして人々に協力を呼びかけている。

寄付のシステムとしては、毎月の振り込みというもの。

その場限りの寄付ではなく、毎月払い続けるというリッチカントリーならではのシステム。

しかも最低金額が10ユーロ、千円からという大金。
毎月千円振り込み続けるなんてよほど生活にゆとりのある人か、自然保護が大好きで仕方ない人かだよな。


今日話した女の子は、ここから少し北に行ったところにある都会のリンツから来ているとのこと。
彼らメンバーは、ほとんど毎日、日替わりで色んな町に配置されて勧誘を行っている。

これが彼らの仕事。

これで給料をもらっているということだ。
もちろんスポンサーもいるんだろうけど、寄付金を募る活動で給料がもらえるんだということに少し違和感を感じた。




トイレに行きたくなってしまい、少し早めに切り上げた。
今日のあがりは48ユーロ。




あー、これでシュタイアーともお別れかー。
いい町だったなぁ。

いつもいつも、体がその町に慣れたころに出発するという寂しさ。

旅人の宿命なんだろう。

また来たい、そう思ってしまえば旅は死ぬまで続く。

旅先にはその町の生活があり、自分には自分の積み上げるべき人生がある。

他の人生に触れる喜びは旅人にとって最高に気持ちのいいアトラクションだけど、追い求め続けていては自分の人生がないがしろになってしまう。


俺も俺で、何気ない人生を紡がないといけない。
どこからかやってきた旅人に触れてもらうための。
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電車はあっという間に次の町、メルクに到着した。
15ユーロ。


駅舎を出ると、20時の空は真っ暗に町を包んでいた。
もう10月だもんな。



って、あれなんだ?
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なんだ、あのでかいの???
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でかすぎるぞーーー!!!!!!!




もう勘弁して、オーストリア(´Д` )(´Д` )(´Д` )



先に進めない(´Д` )(´Д` )(´Д` )




はやる気持ちを抑えずに、足早にセントラルへ。
教会を過ぎ、歩いていくと、そこには綺麗なカフェ街があった。
photo:09


灯りは消えているが、昼間には賑やかであろう石畳のショッピングストリート。
photo:10



まるで宝物を発見したかのようなドキドキ感。

落ち着こう。そうそう、落ち着こう、俺。



カフェ街はこの時間にはほとんどのお店が閉まっている。そんな中、1軒のピザ屋さんが開いていた。
陽気でキビキビしたおじさんにマルゲリータを焼いてもらった。

これで5.5ユーロ!!
たった550円!!!

落ち着けない(´Д` )(´Д` )(´Д` )(´Д` )
photo:06



マジで大声で叫びたくなるくらい美味い。

明日も来ます!!と言うと、おじさんはイエッサー!と笑った。




それにしてもこの巨大な建物は一体なんだろうと、見上げた。
夜空にそびえる美しいその姿は、月さえもかすむほど。
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その時、けたたましいほどの鐘が寝静まった町に鳴りわたった。

やっぱり教会なんだ、これ。


それはまるで大きな動物が遠吠えするようだった。
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日本人観光客と仲良くなるのは至難

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10月3日 水曜日


うおーーー!!!!



スーパー綺麗ーーーー!!!!!
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町もスーパーーーーーーー


綺麗!!!!
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ショッピングストリートにはたくさんの観光客の姿。
そりゃ、そうだ。こんだけ美しい町だもんな。
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しかし理由はそれだけではない。

ここメルクの町はあの有名なドナウ川のほとりに広がっており、ここから下流のクレムスという町までの35km区間が、ヴァッハウ渓谷というそれはそれは美しい景観で、世界遺産に登録されているのだ。

古城や教会、廃墟などが川沿いに点在し、それらを楽しむ川下りが有名なんだって。


その起点となるのがこのメルクの町。

世界遺産といえば、そう、アジアンツーリストのターゲット。

首から巨大な一眼レフをぶら下げた中国人の団体が闊歩している。
みんな間違いなく一眼レフをぶら下げている。
アジア人=カメラ、のイメージにものすごく貢献してくれている。



ゆうべのピザ屋さんへ。
今日も陽気なおじさん。

玉ねぎとマッシュルームが乗ったピザを焼いてもらった。
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これで5.9ユーロ(´Д` )(´Д` )
儲かってますか?

てか日本のピザ屋見習え!!



あー、うまいよーうまいよー




うまうまーーーーーー!!!!!!


しかも量が多くて食べきれないほど。
すると陽気なおじさん、残ったやつをパックしてくれた。
さらに紅茶とケーキまでサービスで出してくれる。


日本人のみんな、外国人にこんなおもてなししてあげて!!



パイプをふかしながらゆっくり紅茶を楽しみ、いざ、路上開始。

たくさんの人たちが立ち止まってくれ、拍手が通りに響く。ほんとありがたい。
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それにしてもこんな中欧の田舎町で日本人が歌ってるっていうのに、日本人観光客って声かけてこないんだよな。
あれなんでなんだろ?みんな気になりながらもチラッとこっちを見るだけで通り過ぎていく。
まるでヨーロッパに観光に来てることが悪いことしてるみたいな感じでコソコソしてるように見える。
もっとフレンドリーにいこうぜ!!
って思ってしまうのは、俺が外国のコミュニケーションに慣れてしまったからなのか?日本人ってシャイだよな。

またひと組通り過ぎようとしたから、日本人ですか?と声をかけてみた。
あ、そうです、と警戒したような雰囲気で遠くから近づいてこない。
うーん、やっぱり日本人はシャイだ。

ちなみにまだ今のところ俺みたいな日本人バッグパッカーには会っていない。





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気持ちのいい天気。
雲ひとつない快晴。
カフェでいこう人々に降り注ぐ暖かな陽気。太陽は町に活気を与える。

毎日がこんな天気というわけにはいかない。
雨の日、曇りの日はもちろんある。
ということは、この素晴らしい天気はまるで神様から人々への贈り物だなと思えた。
こんな美しい日を心から楽しまなければ大きな損だ。





歌い終えて、さぁ、教会に突撃!!と荷物を抱えて歩き始めたところで、後ろからハロー!!と声がした。

振り向くと黒人さんが手招きをしている。

なんだ?と呼ばれるままにバーの中に入って行く。


お前はすごい!!
たのむからビールおごらせてくれ!!


どうやらこの黒人さんはここのバーのマスターで、お店の中から歌を聴いてくれていたみたい。
ありがたくオーストリアビアーの「カイザー」でプロースト!!
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アフリカのガーナ出身のこのおじさん。
アフリカのことや、日本のこと、たくさん話をした。

するとおじさん、1枚のチラシを出してきた。ライブのチラシだ。
このメルクから少し離れたペルテンという町でもカフェを経営しているおじさん。
あさっての金曜日にそちらのお店で、コメディのショーをやるらしいのだが、是非そこで歌ってくれ、とのこと。

久しぶりのお誘い。

行かない手はない。


明日、ヒッチハイクでこの世界遺産の川を下り終点のクレムスまで行き、あさってにペルテンに移動って流れだな。
行けないことはないぞ。


金曜日に会いましょうと握手をして店を出た。




うー、調子に乗ってビール2杯もいっちまった。
あ、もちろん2杯目はちゃんとお金払ったよ。
3ユーロ。安っ!



教会はちょいとした丘の上にあるので急坂を登らないといけないんだけど、ビールが効いた身体にこの荷物はきつい。

途中何度も休みながらようやく門までたどり着いた。


おー、こりゃ綺麗だ。
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さぁ、中はどんなすごいことになってるのかなーって、

閉館ーーーー!!!!!!




喋りすぎた(´Д` )(´Д` )(´Д` )




仕方ない。明日、朝イチで出直そう。





晩ご飯もピザ屋さんへ。
すっかり仲良くなり、ここでもたくさん話をした。

ハンバーガーとお昼の残りのピザ。




ほんとはオーストリアは飛ばす予定だったんだよなぁ。
それがこんなにはまり込んでる。
こんないい国、飛ばさなくてよかった。

っていうのは、実際来たからこそ言えること。
来てなければ、へー、綺麗なとこなんだー、ふーん、くらいで済ませられる。



どこに行くか、どこを飛ばすか、その答えは風の中だ。
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ドナウ川と白ワイン

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10月4日 木曜日



iPhoneをアップデートしたら日記の使い方が微妙に変わり、押すところを間違えて日記が消えた。


気が狂いそうなくらいムカつく。

はぁ、頑張って書くか。

もう一度!!!!!!!




メルク大聖堂は9.5ユーロ!!
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ファイナルファンタジーみたいな杖とか僧侶の服とかいろんなキリスト教の宗教美術品が展示されてる博物館!!!
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メルクの町と周辺の丘を一望する展望スペース!!!
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はるか昔からの図書館には黒ずんだ貴重な本が並んでる!!!人類の宝!!!!
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聖堂の中!!!
めちゃすごい!!!
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あと周りの美しく造成された公園!!!
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以上!!!!ムカつく!!!





ピザ屋さんで最後のピザ。
今から町を出るんだと言うと、陽気なおじさんはサービスで色んなトッピングをしてくれた。
photo:07



スペシャル美味い。

帰り際にチョコレートをくれた。


おじさん、いつかまた食べにくるよ。
ホントにありがとう。






さぁ、メルクから始まるドナウ川の至宝、ヴァッハウ渓谷、攻略開始だ。

ここから35kmの区間、川沿いに歴史をとどめた小さな集落が点在し、美しい教会や古城が山の上にたたずんでいるという。

想像しただけでリアル中世。

マジでリアル中世だから世界遺産に登録されてる。

渓谷の終点であるクレムスの町もそれはそれは綺麗なところなんだって。




てなわけでオーストリアでは1発目のヒッチハイク開始。

10分でゲット。

クレムス行き。

オーストリア最高ーー!!!



お医者さんであるおじさんは、スティングみたいな男前でお話が大好き。

ガイド顔負けの説明をしてくれる。


あのお城はイギリスの王子様が幽閉されていたお城
あの山の上のお城はロビンフッドのモデルの王子がいたところ
ほら、あれは有名な青の教会だよ


聞けば聞くほど、おとぎ話の世界がつづくこの道。





でも写真ひとつも撮れない(´Д` )(´Д` )
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さすがに止まってはくれないスティングさん。



あー、ボロボロの廃墟になってる
お城がー…………

あー、美しい古城がー…………



仕方ない(´Д` )(´Д` )

向こうの山の中腹に小さくお城の廃墟が見えるよね!
photo:09








道沿いにはどこまでもブドウ畑が広がっている。
周辺の山の斜面には、瀬戸内でよく見るような石垣の段々畑が築かれており、やっぱりブドウが作られている。

オーストリアっていったらワインだもんな。
ワイン音痴の俺でもそれは知ってるし、味も好きだ。

このドナウの地域では白ブドウが作られており、白ワインの産地としてとても有名とのこと。
点在する小さな集落には、それぞれに世界的に有名なワイナリーがあるらしい。

ブドウを収穫したトラクターがとことこ走っている。


古城と教会とブドウ畑。
ここは夢の中か。
なんて美しい場所だ。
photo:10





「オーストリアは世界で1番美しいところだよ。楽しんでな。」


イカしたスティングさんを見送りクレムスの町を歩く。
photo:11


あーあ、ここもまた半端なく綺麗だよ。石畳とカラフルなアパート、噴水。
そしていたるところにブドウのモチーフを見ることができる。
ドアノブにまで(^-^)/
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さらにどこからかアルコールの匂いがする。
日本酒の蔵巡りをしてるときによくかいでいたあの発酵の匂いが路地に漂っている。
さすがはワインの産地。醸造所がそこらじゅうにあるんだな。

たまらず一軒の造り酒屋に入ってみた。
古めかしい、老舗であろう店構え。Bailoniってブランドで、ビワのお酒の作ってるところみたいだ。
1.5ユーロで小瓶を購入した。

どこか綺麗な場所を見つけたら、ゆっくり楽しむとしよう。



橋の上からクレムスの町を眺める。

ここはドナウ川。あまりにも有名なその名前。

はるかな歴史の中を流れ続けてきた雄大な川。

たくさんの人々の人生を抱いてきたドナウに俺も触れることができたんだという事実が、不思議な落ち着きを与えてくれる。旅情とはまったく違う、安らぎのような。
photo:13








バーンホフのほうへ歩く。




え?バーンホフって何って?

中央駅のことをドイツ語でバーンホフっていうんだよ。


ムカつくよね(^-^)/
ほとんどの人が知らないであろうことを当たり前のことのように話してくるやつ。



で、バーンホフのほうに歩いて行くと、大きな塔が見えてきた。

この塔をくぐると旧市街が………
photo:14





ほらね。
めちゃ綺麗で賑やかなメインストリート。
この雰囲気は100パーセント稼げる。
明日ここで歌うか。それからペルテンに移動してライブに飛び入りだな。
photo:15




通りに並ぶカフェでは、誰もが白ワインを飲んでいる。
このドナウ地方に来て白ワイン飲まなかったら犯罪者だよな。博多に行ってラーメン食べないのと同じだ。


てなわけでメインストリートのはずれにある一軒のカフェにフラリと入ってみた。

小ぢんまりとしたカフェの中では常連さんたちがくつろいでゆっくりワイングラスを傾けている。
俺を見るなり、楽しそうな話し声が止む。
なんだこのイカれた汚いアジア人は?みたいな視線が集中する。


白ワイン下さい!!!


なんと値段、1.2ユーロ。

信じらんねぇ安さ(´Д` )(´Д` )

ドイツといい、ここといい、アルコールが安すぎ(´Д` )(´Д` )

アル中になれということですね(´Д` )(´Д` )



ハイ、ナリマス(´Д` )(´Д` )



テラスで、いざワインを飲む。
photo:16



わずかな発泡の後に甘みと苦味がやってきて、飲み込むとあっさりと消えてなくなる。


うめすぎる、と足をバタバタさせて喜んでいると、常連さんたちが話しかけてくる。




どうだい?美味いだろう?俺たちは毎日これを楽しんでるのさ!!



すぐに仲良くなり、みんなで輪になって会話を楽しむ。
オーストリアの人たちはとてもフレンドリー。紳士的で、そして優しい。
みんな笑顔がとっても素敵。
photo:17





サムライサムライと言ってくるので俺なりにサムライの説明をした。


もちろん今の時代にサムライはいない。
しかし日本の男は、みな心の中にサムライの魂を持っている。

サムライは決して諦めず、弱音を吐かず、人に助けを乞うようなことはしない。


おー、とみんな感心している。

我ながらいい説明だ。




夜がふけると、常連さんたちも1人、また1人と帰っていき、お店には俺と店員のスージーと、スリランカ出身のキャメルの3人になった。

photo:18


うちに泊まればいいよと言ってくれるキャメルおじさん。
陽気な黒人のおじさん。


スージーを手伝って、みんなでテラスのテーブルと椅子を運びこんだ。


店を閉め、オレンジ色の街灯が照らす町をキャメルおじさんと歩く。
調子に乗って結構飲んでしまったな。石畳にうつる影がふらつく。


文武
「あー、気持ちいい。家までどのくらいかかるんですか?」


キャメルおじさん
「2時間くらいかな。郊外のほうにあるんだよ。」




…………………





あーーーーーーーん!!!!?????


2時間だと??!!!


あんた頭イカれてんのか?!??!


キャメルおじさん
「たった2時間半だよ。丘を登ったところにあるアパートなんだよ。」


文武
「ごめんなさい。2時間半は歩けません。僕には無理です。他に寝床探します。」


キャメルおじさん
「なぜ?君は若いんだし、私たちには歩ける足があるんだよ?」


文武
「そうですけど、僕の荷物はとても重いし、2時間半も歩けません。すみません。」


キャメルおじさん
「冗談だよ。」


そう言って目の前のアパートのドアを開けるキャメルおじさん。





サ、サ、サ、サ、サムライは、け、け、け、け、決して(´Д` )(´Д` )(´Д` )(´Д` )


弱音を吐かない(´Д` )(´Д` )(´Д` )(´Д` )



そんな冷たい目で見ないで(´Д` )(´Д` )(´Д` )




あまり裕福ではないキャメルおじさんの部屋は、物置のような小さな部屋。


石壁がむき出しの冷たい部屋。


床に散乱している雑誌や写真を脇に寄せ、そこにマットを敷いて寝転んだ。


電気を消すと、小さな窓から表の街灯の光がさしこんだ。


ベッドでいびきをかいてるキャメルおじさん。

テレビではCBCニュースが韓国と日本の竹島問題のことを報道している。

日本寄りではない、外国から見た報道がとても新鮮で、客観視できる。


観光地で見る中国人はマナーが悪く、日本人は礼儀正しい。

でも見方を変えれば、中国人は外国でも堂々としていて、日本人は引け目の中でコソコソしているとも言える。


Japanese man in europe

サムライとして、誇り高く、媚びず、乞わず、人に優しく出来る、強い男でいたいな。


よく歌った一日 クレムスとペルテン

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10月5日 金曜日



冷たい石壁の部屋。
ほとんど眠れなかった。

ようやくウトウトしてき始めた頃にキャメルおじさんが目を覚まし、俺の上をまたいで動いている。


そういえば6時には起きるからって言ってたよな。

仕方なく俺も体を起こした。


シャワーを浴びたかったけどそんな時間もなく、そしてキャメルおじさんも浴びないみたいなので、歯だけ磨いて一緒に部屋を出た。


寒い。夜明け前の町はもう冬の気配。震えながら石段を降り、メインストリートに出た。
photo:01




早起きはするもんだ。
真っ赤な朝焼けが空を染めている。
photo:02




まだすべてのお店が閉まっている中、一件だけ開いてる店がある。
オーストリアではタバコ屋さんは6時に開店するみたいだ。

「おはよーう。寒いねー。」

キャメルおじさんの1日の始まりはタバコ屋さんで常連さんとおしゃべりをすることから始まる。


早朝のタバコ屋さんでは、数人のおじさんたちが店内でタバコをくゆらしている。
俺もそれに混じってパイプに火をつける。
おはようさーん、とタバコを買いにくる人、雑誌を買いにくる人。

クレムスの風景のポストカードが売っていたので1枚選んで、実家の住所を書いた。
外国の、それも見知らぬ田舎町からの写真ハガキ。
それだけで素敵な記念日だよな。


窓の外は少しずつ慌ただしくなり始めている。
通勤の車、小学生たちの通学。
日本と同じ、なにげない光景。


7時になり、昨日のカフェに店員さんがやってきた。
キャメルおじさんはこのカフェで雇われているのか、毎朝開店と共にカフェに行き、テーブルと椅子を外に並べ、準備を手伝う。
俺も一緒にテーブルを運ぶ。

開店してすぐに地元のじいさんや通勤前のサラリーマンがコーヒーを飲みにくる。


寒い朝。
俺も暖かいコーヒーをすする。
とてもおだやかな時間。
photo:03





さぁ、今日は忙しいぞ。

これからクレムスの町を散策して、昼前から路上。
夕方に30kmほど離れたペルテンの町に移動してライブに飛び入り。

ボーデの悪夢がよみがえってすでに緊張しているが、逃げたらサムライじゃないので必ず行くぞ。




また15時くらいに戻ってきますと言い、カフェを後にした。



photo:05


9時にもなると町は賑わい始め、通りには商品が並べられる。
教会の裏で市が立っているのを見つけた。卵や野菜、果物などの露店に人々が集まっている。もちろん白ブドウもある。
微笑ましい光景。
早起きは三文の得!!
photo:04



photo:06





photo:11


メインストリートにはすでにたくさんの人波。角では楽しい演奏をしているトリオ。いいパフォーマーだな。
photo:14



俺もケバブ屋さんで腹ごしらえして、早速路上開始。

あんまり寝てないからどうかなと思ってたけど、おいおい、喉絶好調。

かなりの人だかりができ、拍手が通りに響く。
いつまでも離れてくれないので休憩ができない。

すみません!!
休憩させてください!!
とギターを置くと、そこからワラワラとみんなが近づいてきてコミュニケーション開始。

日本から!!?遠いわねー!!
あとどれくらいオーストリアにいるの?
Facebookやってる?
どうやって音楽の勉強したんですか?!
今度くる時はいつでもウチに泊まりに来ていいから!!


みんな優しくて上品な人ばかり。
オーストリア好きだなー。







photo:07









ん?……今なんかいたぞ?


なんか変なのがそこを歩いていたように見えたんだけど……。
気のせいか。








photo:09






ちょ、なんだあいつ!!

こっち見てやがる!!

クレムスのゆるキャラ、謎のニョロニョロ。
特徴………
民族衣装を着ている。
羽根つき帽子をかぶっている。
かなり大きな口笛を吹く。
あまり人気はない様子。






15時になり路上終了。
そろそろペルテンの町に移動しようかな。

荷物を片付けていると1人の女の子が話しかけてきた。
日本好きなオーストリア女子。
興味しんしんで色々聞いてくるので、茶しばくかい?と誘う。

連れて行ったのはもちろんスージーのカフェ。
キャメルおじさんは出かけていていなかった。

昼間っから女の子と白ワインを飲む。


文武
「今夜ペルテンでコメディのライブがあってそれに飛び入りするんだ。」


女の子
「エ!!イク!!イキマス!!!」


文武
「まじ?よし、じゃあ一緒に電車で行こう。」


女の子
「ワタシ、クルマアリマスカラ。イッショニイク。」
photo:12





よっしゃ!!!
セフレゲット!!!
ついてるぜ!!



ちょっと用事を済ませてから家に帰ってクルマをとって迎えに来るから、駅で待っててくれとのこと。5時から6時の間には来れるようだ。



やったぜ、海外初のセフレだぜ!とウキウキでカフェのみんなに別れを告げ、俺は1人の駅へ向かう。

一応トイレで髪と足を洗った。
体はもう2週間シャワー浴びてないけどしょうがない。

なるべく男前な感じで駅で待ち構える。オーストリアの風が優しく髪を乾かしてくれる。


オーストリアの風が、優しく髪を、



オーストリアの………




オーストリアの…………




来ない(´・_・`)





嘘だろーーー!!!!
あんなに楽しそうにしてたじゃんかよーーー!!!


俺が駅に着いたのが5時20分くらいだったから、もしかしたら早く来ていて俺がいなくて帰ってしまったのかな。

チクショウ!!

海外初のセフレは未だゲットできず。





しぶとく待ち続けたせいで時間がかなり遅れてしまい、ペルテンの駅に到着したころにはもう19時を回っていた。

ヤバイ!
と急ぎ足でメインストリートの中へ。


えー、メルクでボスが書いてくれた地図では確かこの辺だったはず…………

あった!!

カフェ「addo」はメインストリートのちょうど真ん中くらいに看板を出していた。


中に入るとどうやらまだライブは始まっていなかった。
たくさんの人でガヤガヤと賑わっている。

忙しそうにお客さんの相手をしていたボスが俺を見つけた。


「よく来てくれた。ライブの後に歌ってくれ。」


ガーナ出身のボス。アフリカンな小物や音楽がとてもいい雰囲気を作っているお店だ。



そしてライブ開始。
photo:13



地元のコメディアンであるおじさんのワンマンショーだ。

コメディといっても、踊ったり漫談したりするのではない。
小洒落たジャズピアノを弾きながら低く渋い声で詩を語っている。
ところどころでお客さんの笑いが起きる。
ドイツ語なので一切わからないけど、おそらく上質な物語の中にセンスフルなジョークを織り込んでいるんだろう。

演奏が終わるたびに、

「………ダンケ」

と言うのがめちゃ渋い。
俺たちもサンキュー!、じゃなくてありがとう、って言わなきゃな。


ジャジーで怪しげな、文学の薫り漂うコメディショー。
アンコールまできっちりやり切っておじさんはステージを降りた。


さぁ俺の番だ。30分くらいやろう。

ボーデの悪夢が頭をよぎる。
誰も聴いてくれず、みんな帰って行ったら…………

そんな嫌なイメージ。
もうどうなっても知らねえぞ。


「日本から来てくれたFumiです。みなさん、どうぞ楽しんでください。」


ボスが紹介してくれ、ステージへ。

うっひょーーーー!!!!
イエェェェェェイ!!!!

アジア人がギター持って出てきた。それだけで異常な盛り上がり。
いっちまえ!!







そこから1時間、信じられないくらいの大盛り上がり。

アンコールが鳴りやまずギターを置けない。
コメディアンのおじさんにピアノで入ってもらい、さらに30分。
休憩をはさんで、また30分。


大量のお札が入ったカゴが客席を回り俺のところにやってきた。



こ、こ、こ、こんなに!!




あなたは素晴らしいわ!!
もうオーストリアに住んで!!
来月結婚式だから歌いに来て!!




そんな言葉をいただいた。

辛いことばかりだけど、こんな夜は本当に歌うたってて良かったって思える。
今までどれほどけなされまくってきたことか。
それに耐えきれず、自分を信じられなくなって音楽やめるやつがほとんど。
俺もそう思う時が何度もあった。でも、こんな夜がたまにあるからこそやめられないんだよな。



カウンターから見ているボスの満足げな表情。
旅のささくれを癒してくれる。

最高の一日。





今日のあがり。
路上155ユーロ
ライブ90ユーロ



ウィーンといえばあれですよね

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10月6日 土曜日


静かな森の中で目を覚ました。
やっぱりテントはいいねー。
落ち着く。
photo:01






ペルテンの町は土曜日ということもあってか、すごい賑わい。
あちこちにアトラクションが特設されており、家族連れやカップルが幸せそうに遊んでいる。
photo:02




そんな光景を見ながら歩いていると、バッグ屋さんを発見。
お、なかなか安いアウトレットのお店だな。



最近ではバッグ屋さんがあると、いつも足を止めている。

テントを購入したことで、40リットルのバッグはもはや完全にパンクして、入りきらないものは外にぶら下げまくるという状態だし、何より重い。
色んなものが取り出しにくい。
そして内側の生地がボロボロになっており、黒いクズが剥がれ出て中のものを汚している。



もう少し大きく、キャリー付きで、さらにバッグのように背負える。
そんなバッグが欲しいんだけど、なかなか全部の条件を満たしてるのってないんだよなー。


しかし!!

このお店にはそれがあった!!

Eastpakってメーカーのキャリーバッグで、かなりいいやつ。

だが、値段が………180ユーロもする………


「25%引きですよ。ニコリ。」


おばさん店員が営業スマイル全開ですすめてくる。
割り引いても140ユーロか………


悩む、



ひたすら悩む、




するとおばさん店員、もう少し安いやつを持ってきてくれた。
どれもかろうじて条件は満たしてる。

しかし、やっぱり耐久性や機能性を考えたら、どう考えてもイーストパックがいいんだよなぁ。
photo:03




でもなぁ、あんまりカッコいいやつ持ってたら金持ってそうに見えて強盗や置き引きに狙われるんじゃないかなぁ。

今のバッグでもやれないことはないんだよなぁ。


でも重いんだよなーーーー!!!




悩む、



悩む



ひたすら悩む、




ずっと横で見ていたおばさん店員、いい加減しびれを切らして奥に消えていった。



すると代わってやって来たのは可愛らしい若い女の子店員。



ほぅ、色仕掛けで俺を落とそうってわけかい?



ソウワいくか(´Д` )(´Д` )(´Д` )!!!






文武
「これ下さい。」


女の子店員
「ダンケシェーン。」


140ユーロ、お支払い完了。
べべべべべべ、べつに、いろ、いろ、色仕掛けに引っかかったわけぢゃないもん!!!!!


でもおばさん店員からしたら、ほらね、って感じだろうな。
あー、簡単な日本人(´Д` )



お店の中で荷物の入れ替えをさせてもらった。
photo:04



このノースフェイスのバッグ。
3ヶ月間、一緒に旅した、いや、日本一周の時に大阪で買ったやつだもんな。
富士山もこいつで登ったし、黒部ダムと立山もこいつと探検したし、日本海側のほとんどの島もこいつを担いで行った。

いっぱい色んなとこ行ったな…………



大事な戦友だけど、ゴメン!!

女房とバッグは新しい方がいいんだ!!
女房いないけど!!



新しいバッグは容量70リットル。
中にすべてが入った。
そして収納ポケットがたくさんついているので、きれいに小分けして入れることができる。





うおーーー!!!!


キャリーって楽チンチンーーーーーーー!!!!!!


感動的な機能性。
これならどこまででも歩いて行けそうな気がするぜ!!

テントにしてもキャリーバッグにしても、このドイツ語圏で一気に旅の装備がグレードアップした。
海外の旅に適した装備になっていってるんだ。
photo:05







さて、ウキウキでペルテンの中央駅へ。
この町でも歌いたいところだけど、今日はこれからある人とデートの約束をしている。

ある人とはゆうべのライブで知り合った上品なマダム。襲われたらどうしよう!!


彼女との待ち合わせ場所に向かうべく、オーストリア最後の街、首都ウィーンへの電車に乗りこんだ。




そうしてやってきたのが、ここだ。




ウィーン国立歌劇場!!!
photo:06




そう!!!世界のオペラの中心!!!


音楽の都、ウィーンの象徴!!!



感動!!!




ここで18時に待ち合わせしていたんだけど、建物自体がでかいのでどこにいるのかわからない。

ていうか昨日の女の子みたいにすっぽかされたらどうしよう。
いや、あんな上品なマダムが約束を破るようなことはしないだろう。



photo:07


歌劇場の周りには今夜の公演を待つ観光客が溢れかえっている。
世界中からここのオペラを観るために人が集まるんだろうな。

そんな人ごみの中でキョロキョロと立ち尽くす。
うーん、口約束だからなぁ。やっぱり来ないかなぁ。



「Fumi!!」



振り返ると手をあげて近づいてくるマダムライラの姿。
たぶん、俺のお母さんくらいの歳なんだろうけど美しく、知的で、これぞゲルマンレディーって品のある女の人だ。


ハグで再会を喜び、まずはチケットをゲットすべく彼女に着いて歩く。

すりと彼女は慣れた様子で、そこら辺にいるあやしげな男に声をかけた。

その怪しい男はポケットの中からチケットを取り出した。

なりほど、ダフ屋だ。

気づけば歌劇場の周りには、たくさんのダフ屋の姿。貴族っぽい服を着ているので一目でわかる。


マダムライラの交渉の結果、手に入ったチケットは3階のシート席。11ユーロ。
しかし彼女はダフ屋に30ユーロを渡した。
なぜ?と聞くと、これは彼らの仕事だから、と言う。
彼らは安くチケットを手に入れるため2ヶ月前にこの日のチケットを購入している。その手数料を上乗せした金額を払うのだ。
俺1人だったら確実にボラれてるな。

お金を払おうとしたらマダムライラはそれを止めた。
これは私からのプレゼントよ、と笑った。



会場時間になり劇場の中に入ると、そこはまるでお城のようなきらびやかな世界。

photo:08


1869年に建てられたこの歌劇場。客席2000席。
こけら落としはやっぱりこの人、オーストリア出身のモーツァルトの作品。
由緒正しいって感じ!!!

第二次世界大戦では空襲によりかなりの部分を焼失したが、エントランスや階段、喫茶室は被害をまぬがれ、美しく優雅な姿をとどめている。
photo:09



あ、そしてウィーンの歴史的建造物とか地区とかそんなくくりで世界遺産に登録されてるよ!!アジア人のみんな!!



「毎日毎日、満席なのよ。今日は特に世界的な有名な歌手だからチケットが手に入れにくいの。」


オペラ好きな生粋のオーストリアレディ、マダムライラ。
ブロンドの髪と上品な立ち居振る舞いが、この歌劇場によく合う。

photo:10


You are beautiful and elegant lady.




オペラ好きの人たちはみな、自分のお気に入りの上演作があり、お気に入りの歌手がいるんだそう。


喫茶室では正装した人々が優雅に開演前のひと時をすごしている。

ここではビールやシャンパンなどのアルコールを飲むこともできる。
日本だったら100%ダメだな。
みな紳士なので自分の酒量をわきまえているんだな。

俺もわきまえつつモーツァルトに乾杯。
しかし劇場内ということでめちゃ高いのであんまり飲みまくることはできない。



荷物をクロークに預け、いざ、観覧席へ。

小さなドアが並ぶ中、ひとつの部屋に入る。


う、う、うおー…………
photo:11




こ、こいつはマジで感激だ………



映画で観たことある、貴族が楽しんでいるようなあのオペラハウスそのまま。


きらびやかな世界。
まるで自分も貴族になったかのようなブルジョワな気分。


あ、あの、僕普段、橋の下とか、墓場のベンチとかで寝てるんですけど(´Д` )


まるでタイタニックのディカプリオ!

Make it count!!!!



客席の明かりが落ちた。
ステージ前の楽団が音を出すのをやめる。

館内放送が流れる。
もちろんドイツ語で。

携帯電話の使用はお控え下さい、みたいなこと言ってるんだろうな。

次にその英語バージョンが流れた。

うんうん、親切だね。



「ご来場の皆様にお知らせします。上演中の写真撮影、録音………」


なにーー!!!今度は日本語だ!!

なんかせっかくヨーロッパの気分に浸ってるのにこの日本語の放送は一気に萎える。

そんだけ日本人がいっぱい来るってことだろうな。
そして注意しないと写真撮りまくるんだろうな。



指揮者が入ってくると、拍手が巻き起こる。
一礼をして、振り返り、指揮棒を振った。

会場に響き渡る音楽。


すげえ!!!

クラシックまったくわからない俺でもこのクオリティのすごさはわかる!!

そうだよな、世界トップ3に入る楽団だもんな。

ジェフベックみたいなもんか。


指揮棒がいっそう激しく振られた瞬間、ステージの幕が開かれた!!


ステージの上には古い田舎の町が作り上げられていた!!

そして………会場の隅々にまで届く美しくハリのある歌!!



あわわわわわわわわわわわわ




すげすぎすげすぎすげすぎすげすぎすげすぎ(´Д` )(´Д` )(´Д` )(´Д` )(´Д` )



マジでちょーすげえすげえすげえすげえすげえすげえすげえ



それぞれのクオリティももちろんなんだけど、このシチュエーションだよ。
ウィーンの美しい歌劇場で本物のオペラを観るという、日本人が憧れるステータストップ5に入るであろうシチュエーション。
ど田舎者の俺にはたまらなく感動的。

日向にはない!!

美々津にはもちろんない!!




それから2時間30分。
繰り広げられる歌劇。

内容はイタリア語だと思うのですさっぱりわからないが、席ごとに翻訳モニターがついているので英語でセリフを追うことができる。

そう、歌詞ではないんだよな。
セリフを歌い上げている。


ほぼ想像だけど、田舎の青年が村1番の美女に想いを寄せているが、そこに軍隊がやってきてそこの隊長も美女に惚れ、さらに旅のお医者さんも美女に惚れてしまう。1人の美女をとりあって繰り広げられる涙あり笑ありのドタバタストーリーってな感じ。

内容は吉本新喜劇と一緒だな。


なんてすげー歌うたうんだこの人たち。
人間の声か?


客席からたまらずブラボー!!と声があがる。



大円団で幕が降り、拍手が降り注ぐ。
主演の歌手たちが出てきてその拍手に応える。

鳴り止まない拍手。

歌手はそれに応えないといけない。
何度も何度も、ほんとにしつこいから!!ってくらい何度も出てきてお辞儀をしている。

それでも拍手は鳴り止まない。


ついに作曲者も出てきて賞賛に応える。


人々の拍手は10分は続いた。
photo:12





いやー、もう満足だよ、オーストリア。
もう、いい。
もうヨーロッパかなり満足です。


充実感に包まれてウィーンのメインストリートを歩く。
土曜日の22時はものすごい大混雑。どのカフェでも人々はビールを飲んでおり、観光客その賑やかな街の写真を撮りながら歩いている。

こんな大きな街なんだなウィーンって。
photo:13






軽く圧倒されながら、お腹空いたので適当にケバブ屋さんを覗いてみた。


「OK!! Come on!!」

おっさんが観光客相手の英語でまくしたててくる。


「ピザ!!?ケバブ?!!」


「えーっとねー……どれにしようかなー。」


「ピッツァ!!!!OK!!!」


「うーん、悩むなぁ。」


「ヘイ!!!ピッツァ!!!!ヘイ!!!!」



いきなり怒鳴りながら乱雑にピザを差し出してきた。


は?なんだこいつ?

完全にアジア人なめてるよな?


かなりムカついたからピザを受け取らず、何も言わずにそいつの顔を見続けた。


5秒くらい無言で睨んでいると、おっさん急に腰が低くなった。


おっさん
「ピザです。どうぞ。」


文武
「ピザじゃなくてドゥルムください。」


おっさん
「おーう、OK。どこから来ましたか?」


文武
「日本。」


アジア人なんて雑に扱ってもオドオドして言いなりになると思ってんかな。
なめてんじゃねぇぞ。


少なくともこのおっさんには、日本人は礼儀正しく接しないと怒る、というイメージを与えられたかな。





町外れに歩き、静かな公園を見つけ、そこのベンチに横になった。

世界中の人々の憧れであるウィーンのオペラを観て、その足で公園のベンチで眠る。

なんていい旅だ。

ウィーンと落ち葉の音

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10月7日 日曜日


朝方、といってもまだ暗い時間に雨がパタパタと寝袋を打ちはじめた。

めんどくさくてテントを張るのをさぼったんだけど、そういう時に限ってこれだ。



眠い目をこすって荷物をまとめ、少し歩くとまた別の公園を見つけた。
大きな木の下にベンチがあったので、ここなら少しくらいの雨はしのげるだろうともうひと眠り。




朝、8時。
やっぱり雨が寝袋を打つ。

顔を出すと、かなりの雨が降っていた。
しかしここは大きな木の下。おかげで今まで気づかなかった。

ぼんやりと雨を眺めるが、いつまでもこうしてはいられないので荷物をまとめて近くのマクドナルドを目指した。


photo:01



今日はほんとに何もしなかった。
コーヒー1杯で1日粘ってしまったな。
オーストリアは嬉しいことにたいがいどこもトイレは無料。


たまっていた日記を書き、ブログにアップロード。
色んな人とのメールのやりとり。
次の国やこれからのルートを決めるための下調べ。
そして久しぶりに彼女とスカイプ。


宮崎のこと、友達に三人目の子供ができたこと、友達が結婚したこと。
日本にいたころを思いだす日本の日常。
変化の小さい毎日では、こんな出来事は大事件となる。

しかし今こうして耳にしてみると、なんだか遠い遠い、自分にはあまり関係のないことのように思える。
もちろん関心がないわけではないし、俺にとってとてもとても大きな出来事なのだが、まるでテレビのニュースのように実感がおぼろげだ。

そう思うようになったということは、だいぶ日本が抜けてきたということか。
いや、放浪者として社会人の生活からかけ離れてしまっているからか。
いいことなのか、悪いことなのか。



しかし、今はこのままでいい。
行けるところまで行ってしまいたい。


こり固まった概念や先入観でしか物を見られない人生なんてまっぴらだ。




アスファルトは落ち葉の絨毯
カラカラ 風にさらわれて
誰かの舌打ち聞こえてる
カラカラ 風にさらわれて

もう終わりかと見上げれば
今日も一日が去っていく


photo:02





チェコチェコチェコーー!!!

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10月8日 月曜日


町の中の公園にテントを張ったんだけど、やっぱり人通りが多くて夜中まで話し声が聞こえていた。

テントの囲いは良し悪し。
見られていない安心感はあるけれど、自分から周りが見えない分、余計な妄想が膨らむ。
すぐ外に人がいるんじゃないか……とか。

それでもやっぱり寝袋オンリーよりはマシだ。





シャカ、シャカ、という乾いた音で目を覚ました。
ホウキで枯葉を集めている音だ。

テントから出ると、ゆうべの雨と風で散った落ち葉を、たくさんの清掃員たちが集めていた。

そして昨日の雨が嘘のようないい天気。

出発にふさわしいな。




最近メシが楽しみでしょうがない
ピザにどハマりしてます!!
だって安いんだもん!!
これで5.5ユーロ。ディアボロ。
photo:02








オーストリアを出る前に、ウィーンの町を探検だ!!
photo:01



かつてヨーロッパのかなりの地域を支配したオーストリア・ハンガリー帝国、

ドイツをも支配下に置いたハプスブルク家の神聖ローマ帝国、

その王都として栄華を極めたウィーンは、まさに街全体が宮殿のような美しい威厳に満ちている。
photo:03



もーう、とにかく、建物が全部すっごい!!
photo:04



photo:10



巨大な教会、王宮、国会議事堂、その辺に普通に建ってるビルも、みーんな古めかしく豪壮。
photo:05



photo:13



こりゃー、確かにオーストリアの人が世界一美しい街って自慢げに言うだけのことはある。

俺もそう思う。
photo:06



photo:11





そして観光客もめちゃんこ多い。

この町は中国人よりも日本人が目立ったな。日本人はウィーン好きだ。
photo:12




ウィーンにはなぜか道端に体重計が置いてある。
20セント入れないといけないけどね。
photo:07






街の真ん中を分断するような大きなショッピングストリートは、すごい人で溢れている。
photo:08



さすがはヨーロッパ指折りの都市…………


が、しかし………

今まで旅をしてきた俺の感覚が異様さを感じている。

この町には不思議なことが起きている。



ストリートパフォーマーがたったの1人もいないのだ。

弾き語りはもちろん、観光地お決まりの銅像パフォーマンス、アコーディオン、さらにバイオリンもサックスも、誰1人いない。


それがとても異様に見える。



これは2日前のこと。

歌劇場の前で1人の女の子に話しかけられた。
彼女はギターを担いでいたんだけど、これはどこですか?と1枚の紙を見せてきた。

そこにはいくつかの場所の名前が書かれていて、それぞれに時間帯が示してあった。

何それ?と聞くと、これは路上パフォーマンスのライセンスだと言う。
あなたもギターを持っているから知ってると思った、6ユーロ払ってゲットしたと言っていた。


場所と時間帯を指定され、それ以外の場所ではプレイしてはいけない。
大都市ではよくある規制だ。



しかしそんなもん、あってないようなもの。

どこの町でもみんなたいがい無視してパフォーマンスしているのが実情なのだが……………




この完璧に誰もいないという光景は、よほど厳しい取り締まりがあることを物語っている。

物乞いジープスもいない。



夜中はいたんだよ。ジープス。
変な酔っ払いみたいな弾き語りの兄ちゃんもいた。

昼間は完全に排除されてるんだろうな。



まぁ、別にもうオーストリアは完璧満足してるし、とっとと先に進んでしまおう。





駅でWi-Fiにつなぐ。
オーストリアはWi-Fiが充実してるなぁ。
町歩きしてても、ケータイを開けば色んなところでWi-Fiを拾えるくらい。


次の国はチェコ。

チェコスロバキアじゃないよ。
もう分離してチェコとスロバキアでそれぞれ独立してるからね。

チェコといえばなんと言ってもプラハ。
美しく詩情に溢れた町というイメージ。

ていうかプラハしか知らない(´Д` )

ほかには一体何があるのか?
きっと国中に美しい町や自然があるはず。


しかし全てを回るつもりはない。

プラハともう1つくらい別の町に行けばいいだろう。


その町をどこにするか調べる。

しかし………




iPhoneをアップグレードしたことによってMAPがだいぶ様変わりしたんだよな。

はっきり言ってクソ。

クソすぎてまったく役に立たない。

今までは道の入り組み方や駅の大きさなどで、その町の規模やメインストリートの場所なんかが感覚で把握できていたんだけど、今回のアップグレードで、その感覚がまったく使えなくなってしまった。
駅の場所が表示されない、道はわかりづらい、かなり拡大しないと線路が出てこない。

おかげで町を俯瞰的に把握することが出来ない。

あー、マップルさん、あなたのとこの地図が1番見やすいです。
アプリで世界地図出して下さい。

無料で(´Д` )



もうどこでもいいやと、南部の町、チェスキーブジェヨヴィツェに行き先を決めた。


言いにくすぎ(´Д` )(´Д` )(´Д` )



41ユーロで切符を買い、満員の地下鉄を乗り換えまくって出発駅へ。
photo:09




飯を食べたかったけど時間がなく、やってきた電車にかろうじて飛び乗ることができた。



オーストリア、いい国だったなぁ。
こんなに美しい歴史をとどめた国が他にもあるんだろうか。
古城がたたずむ町、城壁に囲まれた田舎町、ドナウ川沿いのワイナリー、ウィーンの石の街並み、オペラ、白ワイン、

飛ばすはずだった国なのに、今のところのベスト1に躍り出てしまった。

また必ず戻ってきたい国だな。




電車は国境を越えたところで止まった。
寂しげな駅。もうチェコだ!!
そしてここでもいつものようにパスポートチェックはなし。もうこんだけチェックがないと本当にこれって必要なのか?と思えてしまう。
イマジンゼアーズノーカントリーだ。

ここでお世話になったオーストリアの鉄道、QBBともお別れ。
チェコの電車に乗り込む。



………ボロいな。

そして音がすごい。

運転が荒い。

ロシアの地下鉄を思い出す。


オーストリアの人がみんな口を揃えて言っていた言葉。

「チェコは貧しい国だから気をつけないといけないよ。」

気を引き締めないと。




photo:14


列車は22時30分にチェスキーブジェヨヴィツェの駅に到着した。

ここはチェコだぜー。






………重大なことを忘れていた。


チェコってユーロじゃなかったんだ(´Д` )



ガーン(´Д` )



夜風が虚しく吹きぬける。

ちょこっと電車にゆられただけで文無しに変身してしまった。


今夜飯ヌキですよ、お母さん(´Д` )(´Д` )


ドイツからオーストリアは言葉も物価も同じような文化圏だった。
すっかりそれに慣れていたんだということを、このチェコの駅のまったくわからない文字を見て思う。

ガラリと変わった。
何もかも。
文化の違う国に来ると、町の景色が様変わりする。

旅人としての喜びはあるが、この寂しさは冷たくなった夜風のせいだけではない。


これが世界一周だ。
まだまだこんなもんじゃないだろうが、だいぶ本格的になってきたなと、ひと気のない夜中の町を靴音を響かせて歩いた。
photo:15





埃まみれの屋根裏から

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10月9日 火曜日


いやー、最近余裕だなぁ。いつもメシ食ってお酒飲んでるもんな。
こんな感じでずっと行けるんじゃねーかなー。



ふん、まだ豊かな国しか言ってないよね。



と言いたくてしょうがない批判好きなあなた!!

お待ちかね!貧しい国の始まりですよ!!

ドイツやオーストリアの人がみんな言っていたんだよな。
チェコやポーランド、スロバキア、ハンガリー、この辺りは貧しい国で、盗みを働く人が多いって。
ルーマニアは行かないかな。



へー、そういうとこ避けるんだ。安全な旅だね。



って言いたくてしょうがない批判好きなあなた!!


昔は、なにくそ、そんな言うんだったら行ってやろうじゃねぇか!って、見返してやろうとしていたけど、そんな蛮勇を振るうほど俺ももう若くは………


いーや、今でも批判には立ち向かいたい。
ギャフンと言わせたい。



でもやっぱり危ないとこは行かないよ。
そこまでバカじゃない。

そんな奴らは好きじゃない
俺はそんなにバカじゃない、並みにバカじゃないから。




チェコ1発目の町、チェスキーブジェヨヴィツェ。
ゆうべ歩いた感じではなかなか栄えてるようだ。10万人てとこかな。
駅の前から、マクドナルドやスーパーマーケットのあるショッピングストリートが伸びていて、その先に川に囲まれた古い市街地がある。
市街地の中央には噴水のある大きな広場。
一歩細い道に入れば、石畳の路地裏にパブが並ぶとても雰囲気のある町だ。



ゆうべはその川を越えたところに広がっている公園にテントを張ったってわけだ。




さて、何しようかって、



とにかく腹減った………

昨日の昼から何も食べてない。


なんとか金を手にいれてメシ食わないと。




公園の端にある公衆トイレで身だしなみを整え、古い市街地へ向かった。


ボロい建物の路地を抜けると、大きな広場に出た。
石造りの古い建物が並び、中央に噴水がある。
こいつはきれいだ。
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でももうこういう町並みは見慣れている。
今はとにかく飯だ。



ショッピングストリートの方に行ってみると、ゆうべとは打って変わり、清潔で活気のある通りになっていた。



すぐさま路上開始。

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お腹が空いて声が全然出ないけど、出さないことには飯は食えない。


気合で歌っていると、ちょろちょろとお金が入る。
これがチェコのお金か。
なんか古臭い感じだな。

てか価値がまったくわからない(´Д` )
レートもわからない。


チェコって1食がいくらなのかな。それがこの国の金銭感覚の指標になるのだが。

とにかく1時間がんばって歌い、400なんとかくらいになった。

単位がわからない(´Д` )


すでに24時間以上何も食べてない。
金を握りしめて、お決まりのケバブ屋さんへ。
ヨーロッパではケバブが1番安くて腹一杯になるから。


えー、だいたいケバブは3.5ユーロってのが相場なんだけど………


60なんとかか。


どうなんだろ、高いのかな。

わかんないけど相場を調べるためにスーパーマーケットに入ってみた。


こ、こ、こ、こ、これは!!


ビールが1本、10なんとか。


すでに40本飲める(^-^)/


オーストリアの感覚でいくと1本1ユーロだったので10なんとかが1ユーロくらいの金銭感覚なのかな。

だとしたらケバブの60なんとかは少し高いな。
ビールが安すぎなのか?


安いパンを25なんとかで買った。
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スーパーの外に出ると、屋台のファストフード屋さんがあった。
ポテトや揚げ物系のお店だ。
ここに決めてトンカツとポテトとサラダのプレートを注文。
59なんとか。
だいたい1食60なんとかってのが相場みたいだな。
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腹一杯パンをむさぼって、元気百倍!!

路上再開!!


チェコってなんか閉ざされた国ってイメージだけど、歩いている人や話しかけてくれる人を見てるとそんなこともないように思える。

いや、もちろんドイツやオーストリアみたいなモダンな明るい雰囲気ではない。
どこか陰鬱として人々も気難しげだけど、イメージしてたほどではないな。

みんなオシャレないい服を着ているし、そこまで貧しいって印象は受けない。


たくさんの人が聴いてくれ、そして少しだけど会話もした。


チェコの言葉はオリジナルのチェコ語で、ありがとうを「ジェクゥェ」と言うらしい。
難しいなぁ。


ほとんどの人が英語喋れない。
日本人よりも低いレベルだ。


お金の単位はクラウン。
レートは、1ユーロ、24クラウン。

てことはだ、500mlのビールが10クラウンだったから40円くらいで買えるってことか。


安いにもほどがあるぞ(´Д` )


ケバブが60クラウンだったから2.5ユーロ。なるほどなるほど。

まぁ俺の場合は外貨を持ち込んで旅するわけではないのでレートは無視するとして、この国の国民の金銭感覚は1食60クラウンなので、60クラウンは600円くらいの値打ちだな。



地元の路上ミュージシャンのおっさんに、俺はいつもここでやってるんだこらどっか他のとこ行きやがれとチェコ語で言われ、俺が先にここでやってたんだからテメーが場所探しやがれと心の中で叫びつつ、場所を変えて歌い続け、夕方にはなかなかの稼ぎになった。

数えてみると、900クラウン。
てことは、この国の価値でいくと9千円くらいはゲットしたようだ。
まぁレート換算してみれば、わずか37ユーロなんだけどね。




荷物を片付けていると、宗教的な白装束をまとった兄さんが話しかけてきた。

さっきから路上で通行人に話しかけては何かを渡していた彼。

インド人が着てる、布を体に巻いただけのような衣装、鼻から眉間にかけて金色のインドっぽいペイントをしている。

かなり変わった風貌だけど、世界にはたくさんの宗教があるからな。
托鉢の坊さんだって同じ日本人から見ても異様だし。


そんな感じでおそらく何かの宗教の寄付を募る活動なんだろうなと思いながら見ていたんだけど、そんな彼が持っていたカゴからお菓子を取り出して差し出してきた。

お金はいらない、プレゼントです、と言う。

とても人懐こいフレンドリーな笑顔。
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しばらく話していたら仲良くなり、彼の家に行くことに。



彼、ダニエルが信仰している宗教はヒンドゥー教の一派でクリシュナという神を崇めるもの。
彼のような信者をモンクと言うらしい。

彼はいつもあそこに立ち、通行人にお菓子を渡し、いくらかの寄付金をいただいて活動し、そして寺院に納めているらしい。


やってきた彼のアパート。
部屋の中には可愛らしい奥さんがいた。
驚くことに実はお互いまだ十代という若さだった。

信じランねえ!


ウクライナから来ているこのカップル。彼女はまだ大学生で今時の女の子なんだけど、同じクリシュナの信者だ。
大学の課題でプレゼンテーションの資料を作っているところで、可愛い絵を描いていたので何かたずねると、彼はウクライナを外国の侵攻から守った救国の英雄なのよ、と10代らしい無邪気な笑顔を見せてくれた。


救国の英雄、可愛いすぎ(^-^)/
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みんなでお喋りしながらダニエルが作ってくれたのは、ジャガイモをカレーで炒めたようなやつと、同じく野菜をカレーであえたようなやつ、そしてナッツ類を混ぜたライス。


「ごめん、まだ食べられないんだ。先に神様に食べてもらうから。」


そう言って彼は銀色の小さなカップに料理を入れ、神様の写真が飾ってある棚にお供えした。
そして彼はマントラを唱えた。

神秘的なベルをチリンチリンと鳴らしながら祈りを捧げている。
まるで歌のような、いや、これは歌なのかな。
頭を床にべったりとくっつけてお尻を上げ、すがるような土下座で神に敬意を表している。



祈りが終わり、俺が興奮しながら神棚を見ていると、今ここを見てはいけないと言う。
神様が食事をしているところだから視線を向けてはダメなのだ。

うおー、なんて細かいルールのある宗教だ。

それから待つこと20分くらいかな。
もう一度マントラを唱え、お供えしたご飯を下げる。神様の前についたてを立て、俺たちがご飯を食べるところを見られないようにした。


さて、ご飯にありつける!と思ったらまだまだここから。
いただきますの祈り。
さらに、床に完全にうつぶせで寝そべっての祈り。これが本物の五体投地か!初めて見た!!
その姿はショッキングなまでに異様。完全に心の底から神に服従しているんだ。


俺もそこまではいけないが、というか日本人が当たり前にする、合掌といただきますを2人の前でやってみせた。
彼らの重厚で濃厚な祈りに対して、日本人の作法なんて簡単なもんだ。しかし誇りはもちろん持っている。


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うまい!様々なスパイスをふんだんに使ったご飯!!
ダニエル料理上手!!

彼らはベジタリアンなので肉は入っていない。魚もだ。
チョコレートもコーラも、俗世なものは全部駄目。
ビールもタバコももちろん駄目。

体によいものだけを摂取し、祈り、日々を過ごしている。
なんてキレイな体してるんだ。

さらに頭の中もキレイだと思わせられる話。
彼らは朝イチに長い祈りを捧げる。それは朝が1番頭の中が空っぽの状態だかららしい。夕方にはすでに町の喧騒や俗世のことが頭に入ってしまっているので純粋な祈りにならないのだという。
これぞ信仰だな。


もうひとつ、初めてのものを目にした。
ダニエルはご飯を手で食べるのだ。

すげえ!!右手でこのカレーのねちゃねちゃした料理をつかんで口に入れ、指をなめている。
食べ終わると、器についた汁まで指で拭き取り、しっかり舐める。

衝撃すぎる。

日本人にとっては最悪中の最悪のマナー。見ていてちょっと気分悪くなるくらいの下品さ。
ポテトチップスを箸で食べるほど手が汚れるのが嫌いな俺には、もう宇宙人にしか見えない。

しかし、そう思うのは俺がヒンドゥー教徒じゃないから。この世界では1億人以上の人たちが当たり前に手でご飯を食べるんだ。



「このご飯は自分のために作ってるのではなく、神のために作ってるんだよ。食べ物も水も神からの授かり物なんだ。」




食事が終わってからも彼らの祈りは続く。食器を洗いながら、絵を描きながら、常に呪文のようにマントラを口ずさんでいる。

彼らは毎日2時間、このマントラを唱えなければいけないのだそうだ。




神秘的で霊感的な夜。
彼らの朝はとても早く4時には起きるというので、そろそろ寝ることに。
Fumiにとっていい場所があるからと言うダニエルについてアパートの階段を登っていくと、屋根裏にやってきた。

真っ暗な空間。
ケータイで中を照らすと、剥き出しになった大きな梁が浮かび上がった。そこらじゅう蜘蛛の巣がはっている。

まぁ贅沢は言えない。

朝の7時に祈りをするからよかったら来なよと言い、彼はドアを閉めた。




よし!!!
キレイな人たちは部屋に戻った!!

汚い俺はこいつを飲む!!



チェコビールゥゥゥゥゥゥゥゥリリリィィィィィィィィ!!!!



1人あたりのビール消費量、世界一のチェコ!!
日本人の3倍くらい飲むらしい。

サムライとして飲まないわけにはいかない!!



銘柄は!!!

ブドワイザー!!!!


バドワイザーじゃないよ。

アメリカのバドワイザーは、チェコのブドワイザーを飲んだ人がその美味しさにあやかりたくて真似してつけた名前。
もちろんイザコザあったみたい。

こっちが本家本元!!


うまいー!!!!
photo:09










埃まみれの屋根裏から
旅人の詩がきこえてる
すすけたドアの隙間から
割れた階段の上のほうから

明りとりの窓に痩せた月
10月のボヘミアは黒い渦巻き
旅人の詩がきこえてる
埃まみれの屋根裏から



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