何もしない日 ビスビー

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8月31日 金曜日


ポツリ、ポツリと寝袋をうつ雨の音。
もうこれが大嫌いな音として頭に刷り込まれている。
勘弁してくれよ。


この見張り塔は4層で出来ており、俺はその2層目で寝ている。
階層の床はすのこ状になっており、わずかな隙間があいているので雨がそこからしたたってくるのだ。少しくらいの雨なら大丈夫なのだが、どんどん勢いを増す雨。
寒い。


窓跡のくぼみに潜り込んだ。
人1人が体育座りできるだけのスペース。
寝袋にくるまってじっと動かない。

みるみるうちに俺が寝ていた2層目はびしょ濡れになり、滝のような水が流れ落ちてくる。
風がさかまき、この窓のくぼみにも徐々に雨が入ってきた。

濡れる寝袋。
次第に中が冷たくなってきた。防水仕様とはいってもさすがにこれだけびしょ濡れになるとしみてくるようだ。

ウトウトして、寝ちゃダメだ!と目を覚まし、またウトウトして………

目を覚ますたびに寝袋は濡れかたを増し、中の羽毛もへにゃりとなっている。ノーパンのお尻が冷たい。濡れないように奥に奥に逃げるが、もはや無駄のようだ。
できることはただ1つ、止むのを祈ることだけ。



滝のような雨は朝がくるまで降り続いた。




明るくなってくると少し雨足が弱まった。
今しかない。
びしょ濡れの荷物をまとめて朝の町を急ぎ足。

やってきたのはフェリーターミナル。
ここならバッグパッカーも多いはずだから寝袋とか乾かしてても見慣れた光景として扱ってくれるはず。
photo:01



そして予想通り、スポンジマットを広げ、寝袋をイスにかけていても何も言われない。
ありがたい。早く乾いてくれ。
トイレも無料だし、バッテリーの充電もできる。Wi-Fiがないのが残念だが、雨宿りには最高の場所だ。
でも一応フェリーに乗る気はあるんですよ、と月曜日に乗る予定の船のチケットを買っておいた。



今日はなんにもしなかった。
窓の外は土砂降りの雨。
フェリーの時間がくると賑やかになるターミナル。
そしてまた静かになり、切符売り場のカーテンが閉まる。
お昼には港湾の作業員たちが軽食コーナーに集まり、コインロッカーの前では若いカップルが口喧嘩をしている。
賑わう構内、でも時間がくればまたみんな船に乗りこんで俺1人になる。

ふと、このままあの人ごみと一緒に、船に乗ってしまおうかなと思った。
日曜日にフリーライブがあるとは言っても、俺が行かなくたってメインのミュージシャンは来るんだろうし、誘ったあのおばさんも俺を覚えているか怪しいもんだ。


でも、それでも行かなくっちゃな。



雨は降り続いている。
時間はあっという間にすぎていく。





ゆうべの集会の時に、ステージのテーブルの上にあったチョコのお菓子をごっそりくすねてきたので、それを食べる。

うまい。
チョコが信じられないくらい美味い。

しかし今日これしか食べてない。
ゆうべの晩飯がポテトチップスとパン。
ほんとにヤバイな。
よくこんな食事で俺の体は元気に動いてくれるもんだ。





フェリーターミナルが閉まるというので、雨宿りできる場所を探して港を歩き回る。
するとヨットハーバーに何やら管理事務所みたいな建物を見つけ、その玄関に最高のスペースを発見。
屋根つきのスペースにテーブルとベンチ!!

たぶん管理事務所みたいなもののはずだから土曜日は休みだろう。
この雨ならヨットを出す人もいないだろうし。

そこにバッグとギターを隠して、カッパを着こんで町のスーパーへ。
パンと缶詰を買った。
パンを脇に抱え、濡れた石畳の路地を走る。
カッパの影がマントのように不気味になびく。
街灯の下。


管理事務所のベンチで缶詰を開けた。缶詰安いね!!こんないい物の存在を忘れていたよ。

1つはサバ缶。
マジで激ウマ(^-^)/

もう1つは、なんかよくわからんけど安いから買った。
開けると魚肉の練り物の水煮みたいなのが入ってた。
激マズ(´Д` )
吐きそうなので岸壁から海にばらまいた。


サバ缶とパン。
美味い。
あー、もっとなんか腹一杯食べたい。

金はあるんだよ。レストランで飯食ってホステルに泊まるくらいの金は。
でももしものために節約しておきたいんだよなー。いつか必ず大金が必要になる場面が来るはずだから。


早く先に進みたい。


雨の日のホームレスほど悲しいものはない。



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旅に出て2ヶ月 ビスビー

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9月1日 土曜日


旅に出て2ヶ月ーーー!!!

なんとかやってます!!

まだ4ヶ国目かぁ………

もっと進まないとな。
こっちも、あっちも、あそこも行きたいな、ってこのペースでやってたら100年かかる。



2ヶ月目スタートの目覚めはとても清々しいものだった。
ヨットハーバーの管理施設のベンチは、程よく背もたれ側に傾斜がかかっていてとても寝やすい。
屋根がある安心感もあって、久しぶりに熟睡できた。
photo:01



俺は血圧の上が87しかないので朝、起きてすぐに行動するのが最高に嫌い。
寝袋から上半身を起こしボーッとする時間が必要。

そこにおじさんがやってきた。

あ、マズイ。

「あ、あ、すみません、すぐ動きますから。」

「はは、寝てたのかい?いいよいいよ、ゆっくりしな。」


こっちの人はホントにバッグパッカーに寛容だ。



いつ雨が降ってもおかしくないような曇天模様の下、メインストリートに向かう。

昨日見つけたんだけど、ビスビーにはもう1つメインストリートがあるんだな。
城壁の内側、古い町並みの中に小さなお店が並ぶショッピング通りがあった。
今日はそっちでやってみよう。


向かっている途中、ファストフードのお店を見つけた。

こっちではファストフードといえばハンバーガー、ホットドッグ、そしてケバブ。日本では飲み屋街でたまに見かけるくらいのケバブだけど、北欧では完全に市民権を得ており、専門のお店がものすごくたくさんある。

このお店もそんな感じで、ハンバーガーやケバブの文字。

ランチが69クラウンか。
結構安いな。
……よし!!!!たまにはガッチリ食べようと、店員さんにメニューなんでもいいからお腹いっぱいにさせてくれとお願いした。
まかせろ、とアラブ系のお兄さん。


5分後、出てきたのはビーフカツ!!ポテトもどっさり!!野菜もついてる!!
パンを持っていたのでそれと一緒に頬張る。
photo:02





うわーー!!!うますぎるーーー!!!



あー、うますぎるよねー。

揚げ物ーーー!!!

サイコー!!


久しぶりに満足いく食事をしたなぁ。

さぁ元気が出てきたぞ!!





photo:03


古いショッピングストリートはまぁまぁの人出。
しかし道が狭く、どこのお店も入り口のドアを開けているので歌いづらい。
うーん、どこがいいかなぁと歩いていると、店先のイスにどっかで見たおばさんが座っていた。
あれー、どこで見たんだっけなぁ……って思い出した。

おとといの自然保護の集会にいたおばさんだ。

目が合うと親しげに声をかけてきた。
しばらく話していると、外で寝てるなんて危ない!!どうにか寝る場所を探してあげるから、また歌い終わったらここに来なさいと言う。
あんまり気を遣うようなことにはなりたくないが、好意は有難くいただかないとな。



やっぱり今日も城壁の外のメインストリートで歌うことにした。
こんな天気で、風も強くとても寒いがたくさんの人が歩いている。


あー、しっかり寝て、しっかり飯を食うとやっぱり声の出がいい。
そして声の出がいいとあからさまに人々の反応が違う。
みんなちゃんと聴いてるんだよな。

みるみるうちにギターケースにお金がたまり、2時間半しかやらなかったが670クラウンのあがりになった。


ほどよい充実感。
今の俺には歌しかない。
だから歌が認められるととても嬉しい。逆に反応が悪いと最愛にへこむが。


自然保護のおばさんのところに行ってみた。
彼女はこれから島の北部にある工事現場に向かうそう。
今まさに先日のあの女傑たちが森の中で座り込みを敢行しているところらしく、警察官とのバトルの真っ最中なのだそう。

何時になるかわからないけど戻ってくるからマクドナルドで待っててくれとのこと。


マクドナルドでスモールコーヒーでねばること数時間。
夜9時くらいにおばさんは戻ってきた。
工事を止めることが出来た!と興奮して早口で喋ってくるもんだから全部を理解できない。

そして、うちに泊まりに来なさいということに。



やったぜーーーー!!!!



スウェーデン初のお泊まり!!
彼女の家には高校生の、娘さんと猫が2匹。

2週間ぶりのシャワー!!
最近このくらいが普通だなぁ。2週間シャワーを浴びず、1ヶ月以上同じ服を着続けていても別に臭くはならないんだから問題ナシなんだよな。


バッグの中のスペースをとっていたカップラーメンも食べることができた。
カップラーメン激ウマ!!
フォークでラーメン食べづらい(´Д` )
photo:04




服も全部洗濯してくれた!!

あぁ、ついに脱ノーパン!!!


ノルウェーのクリスチャンサンから10日間ノーパンだったなぁ。
残尿がズボンについたりしていただろうから、めちゃ不潔だった。


しっかり食べて、シャワーを浴びて、布団で寝る。
現代人なら当たり前のことが、今の俺にはとてつもない贅沢だ。


布団にもぐりこむと、あまりの気持ちよさに嬉しすぎてガッツポーズしてしまった。

人間は気持ちよさを追求して生活を作り上げている。


最高の旅2ヶ月記念だ。
おやすみ!!









ビスビー最後の夜のライブ

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9月2日 月曜日


胸が重い………

目を覚ますと猫が体の上で丸まって寝ていた。

ここはビスビー、モニカの家。

歯を磨こうと起きると、高校生の娘のサディアがおはようと笑った。
サディアの友達も何人か来ており、ハーイと挨拶しつつ、ゲームに夢中になってる。


突然やってきたこんな不思議なアジア人を、まったく構わないで普通に過ごしているのがすごい。

サデイアの友達のジョンが作ってくれた朝ごはんをみんなで囲む。
目玉焼きとベーコンの炒め。
パンにマーガリンとチーズを乗せてかぶりつく。
フィンランドからそうだけど、こっちのチーズはアニメに出てくるような円筒形の大きなもの。
専用のカッターで削ぎ、パンに載せるのだ。

パンがうまい。
ベーコンの塩辛さが食欲をあおる。
photo:01




紅茶を飲みながら、みんなでパソコンゲームをした。
みんなオンラインのアクションゲームに夢中で、マイクでインターネットの向こうの誰かと話をしながら敵を殺しまくっている。

俺もやり方を教えてもらってマウスをクリックしまくる。
血が飛び散る残酷さはさすが外国のゲームだ。
photo:02





おだやかな時間。
足の上に乗って来る猫をなでながら、ネットをする。
みんなは真面目に宿題をしている。

日本でも夏休みが終わって普通の日常に戻り、秋に向かっているころだろうな。
子供達は体育祭と文化祭の準備かな。
懐かしいな。
居残りで装飾や出し物の製作をして、日が短くなってきてるので帰るころには真っ暗になってる。肌寒い帰り道で好きな女の子に告白なんかしたりして。
幼い恋の淡い思い出は、遠い外国でも同じように作られている。






5時になり、モニカに送ってもらい、メインストリートのレストラン「タベルナ」にやってきた。

まだライブをやるような気配はない。
モニカはまたあとで迎えに来るからと帰って行った。

ギターを持って、1人お店の中に入って行きカウンターでビールを注文。
ビール54クラウン!!
高え!!
スーパーの500mlが13クラウンとかだからせいぜい35クラウンくらいだと思ってあんまりお金持って来なかったんだよな。

ライブがあるって聞いたんだけど、とたずねると、19時からよ、だって。

時間間違えたー(´Д` )


てかこんなことならスーパーで13クラウンのビール買って時間まで待っとけばよかった(´Д` )(´Д` )


もったいないことしたな、とオープンテラスであおったビールはやっぱり最高にうまかった。



19時が近づくと少しずつギターや楽器を持った人たちが集まってきた。
みんなおじさんおばさんたち。
この島の地元ミュージシャンたただろうな。


「Hi!!!」


声のしたほうを見ると、路上で俺を誘ってくれたあのおばさん、リンダがギターを抱えて立っていた。

抱き合って再会を喜んだ。

彼は日本から来た歌い手なのよと、リンダがみんなに紹介してくれ、みんなにこやかに迎えてくれる。
あー、この雰囲気なら大丈夫そうだ。

「緊張しなくていいんだよ。好きに演奏すればいいから。みんながフォローするから大丈夫。」

そう言ってみんな肩を叩いてくれた。
photo:03







どんな感じでライブが始まるのかなと思ったら、ステージでアンプにつないで、とかそんなのではなく、店内のテーブルにみんなで座ってお客さんと混じって自由に演奏するというラフなものだった。

みんなが楽器を構えると、おもむろに大きな体のおじさんがギターを鳴らし始めた。

テンポのいいカントリーソング。
それに合わせてみんなが弾き始める。
バイオリン、フルート、ジャンベ、ベース、それにガットギター。
みんな熟練の上手さ!
photo:04




合唱が店内に響き渡る。
お客さんたちの手拍子、踊ってる人もいる。
なんて素敵なライブだ。
俺も合わせてギターを弾いた。
photo:05






「よし、フミもいってみようか。みなさん!!日本のシンガーが歌います!!」

歓声が上がる。


「イエーイ!!スキヤキ、please!!」


リクエストに応え、上を向いて歩こうを弾き始める。
バイオリンが伸びやかに加わり、ベースが支えてくれる。
クリスチャンのフルートの郷愁を誘う音色。
俺の歌にリンダがコーラスを乗せてくれる。

窓の外、暗く浮かぶ城壁が見える。
ゴットランドの夜に美しい音楽がこだまする。

みんなのフォローがとても気持ちいい。
日本にいると、様々な音楽が入り乱れ、歌い手たちは飽和状態となった中で新たな表現方法を見つけようと模索し、前衛的な方面に向かいがちだ。
俺ももちろんその激しい流れに乗った1人。

しかし、このおだやかでみんなが一体となる和の音楽こそが本来の音楽の姿なのかなと思った。
もちろん個性的で独創的なものも立派な音楽だけどね。

俺らしさとは一体なんなのか、俺は何を表現すればいいのか、そんなことは考えず、ただこの美しいハーモニーに包まれていたかった。




歌い終わると、大喝采に包まれた。



バイバイ、ゴットランド

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9月3日 火曜日



ゆうべ、お店から帰る時、たくさんの人たちとハグをした。
日本人らしくハグには抵抗があったけど、こんなにいいものとはな。
抱きしめるたびに心から優しい気持ちになれる。

「明日船に乗るの?!ダメだよ!もうこの島に住めばいい!」

みんな別れを惜しんでくれた。




今日もモニカの家で目を覚ます。

シャワーを浴び、洗濯された服を着る。

そしてモニカに町まで送ってもらった。


「フミ、この家はあなたの家、私はゴットランドのお母さんでサディアはあなたの妹よ。必ず戻ってきてね。それまで美しくゴットランドの自然を守ってるから。」



photo:01


こんなにおだやかな町。だけど、相変わらず北部の森では女傑たちによる座り込みが行われており、今日の夜か明日の朝には森林伐採用の大きな重機がこの島に船で運びこまれるらしく、反対派の人々にとっては、依然予断を許さない状況が続いている。



きっと数年で、歩み寄った妥協案と強引な工事で、森は海は汚されるんだろうな。
権力の前に民衆の声はいつだって無力だ。



美しい城壁、廃墟の教会、石畳の路地、そしてたくさんの音楽。


ゴットランドが俺を誘った理由がわかった。
毎日毎日が素晴らしかった。
俺はここに来ないといけなかった。
船に乗りこむ通路から島を振り返ると、赤い屋根の家並みが見える。
魔女の宅急便のモデルなんて今ではどうでもいい。
それをかき消すほどの出会いと風景を手に入れたから。
photo:02



photo:04



これからも、この広い世界にそんな場所を見つけたいな。



photo:03


モニカ、ありがとう。







21時、フェリーがオスカシャムの港に入った。
チケットは271クラウン。
ニュネスハムンからゴットランドに渡ったのと同じ金額だ。

夕闇迫る見知らぬ町。
右も左もわからない。
1つわかっていることは、南に下るには海を左側に見ながら歩けばいいということ。


ひたすら歩き続けた。
ほんの小さな一歩。世界一周にとってはこの一歩なんてミジンコほどのもの。
でも間違いなく前に進んでいるんだ。
歩かなければ、辿り着かないんだ。







途中、建物の影で缶詰とパンを頬張る。アスファルトがお尻を冷やす。
photo:05


サバ缶うめっ!!
でもやっぱり地べたで食事ってのはあんまりいいものじゃない。




そしてしばらくしたら、国道の立体交差点が暗闇に浮かび上がった。
よし、明日ここからヒッチハイクしよう。
photo:06




立体交差点の橋の下、草に埋れて寝袋にくるまる。

蚊が多い。

そういえばゴットランドにはほとんどいなかったなぁ。

寝袋の中に入って口を全部閉めると、暑くて死にそうになるので顔だけ出していると、蚊の餌食。



あー、早急にテントが欲しい(´Д` )


上着を脱いで、顔にかぶせて目をつぶった。

カネマル、あ、じゃなくてカルマル

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9月4日 水曜日



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目を覚まして、荷物を片付け、そのまま目の前の道路でヒッチハイク開始。

寝起きからヒッチハイク開始までわずか5分。


ギネス並み(^-^)/



しかしつかまらないこともギネス並み(´Д` )



国道だけど田舎の一本道なので高速みたいなもの。乗ってしまえば早いんだけどなぁ。

2時間かけてやっとの思いで1台目ゲット。
止まってくれたのは英語のわからない地元のおじいちゃん。

会話が一切できない。


なんとか単語のみで試みようとしたら、5分くらいで車が止まった。

おじいちゃん、ここで曲がるからまたここから続きやってくれ、とのこと。


車を降りる。




田舎の一本道。



森の中。



制限速度100km。



車を寄せられるスペースもない。




おじいちゃん、死ねということですね(´Д` )




「ちっくしょー!!あのジジイ!!やりやがった!!」



大声で叫んでも車は通らないし、周りには民家もない。



たまにやってくる車に手をあげるが、猛スピードで通り過ぎて行く。

ていうか、車を寄せられるスペースがない。


こんなとこじゃ止まらない。



諦めずに親指を立てる。




あ、ファックされた(´Д` )





……………




2時間がんばったけど、虚しく時間だけが過ぎて行く。

こりゃ時間の無駄だな、とバッグを担いだ。



道路看板の示す方向に適当に歩いた。
ここは一体どこなのか、不思議な感覚。スウェーデンの田舎ということはわかってる。きっともう二度と歩くことのない道。
その不思議な感覚が間違いなく今俺がここにいることの証だ。



小さな集落を見つけ、バス停があったので、そこにやってきたバスに乗りこんだ。




1時間もしないでやってきたのは、カネマル、じゃなくてカルマルの街。

地図を見る限り、南部の東海岸じゃ1番大きな街のようだ。

あー、バスって最高。
こんなに簡単に移動できてしまう。



散策の前に、まずは駅で次の町への移動金額をたずねた。


もうスウェーデンではゴットランドという大きな出会いがあったことだし、一気に進んでしまおう。

次はスウェーデン最後の町、ヘルシングボリ。
バスは出ていない。
電車で270クラウン。

目標が決まった。



駅前のショッピングモールにマクドナルドがある。
最近じゃマクドナルドがあると安心さえおぼえる。
Wi-Fi、充電、何時間でもいていい。
ほんとマクドナルドは偉大だ。


photo:02


街の中心地は、ビスビーほどではないが城壁らしき石壁に囲まれていた。
門の外から中を見ると石畳の綺麗な通りが伸びている。
守られた街。
きっと戦争の名残りなんだろうな。
さすがはかつての北欧の支配者、スウェーデンだ。



賑やかなショッピングストリートが広がり、人々はベンチでくつろいでいる。中心地にはカネマル、あ、じゃなくて、カルマル大聖堂がドーンと座っており、城壁内の歴史を象徴している。
photo:03




いい町だ。


しかし、いい町はこれから先も無数にあるはず。

毎回毎回、滞在していたらキリがない。

明日稼いで、夜の電車に乗ってしまおう。

photo:04




coopで安いビールを調達して、城壁沿いの小さな公園の小屋の前に座った。

まずいビール。
安いからには理由があるよな。

静まり返った公園で曲作り。
なかなか固まってくれないが、きっといい曲になってくれるはず。


そう信じてる。










カネマル、じゃなくてカルマル同盟

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9月5日 月曜日


あー、蚊がいないとこんなにもぐっすり眠れる。

目を覚まして公園を見ると、真ん中で野うさぎがジッとこっちを見ていた。
おはよう!


5クラウン払ってトイレに閉じこもり、髪の毛、顔、歯、ついでに足もきれいに洗った。
めんどくさいけどやらなければいけないこと。

相変わらずスウェーデンのスーパーには温かい食べ物はチキンしか売っていない。
しかし最近食べていなかったので、美味しくいただいた。
ちなみに16クラウン。
photo:01






このカルマルを選んだ当初の理由としては、この町から橋続きで行くことのできる島、エーランド島に行きたかったから。
島の南部にはのどかで美しい農業風景が広がっているらしいのだが、その風景が世界遺産に登録されているらしいのだ。
農業風景が世界遺産って、どんなんだ?
って気になってやって来たわけだ。

しかし、別に行かなくてもいいかなって思えて来た。
早く先に進みたいし。
「せっかくここまで来たんだし」
って悪魔のささやきが頭をつつく。
無視!!





よっしゃ!と気合いを入れて路上開始!!

声の調子がいまいち。
うーん、毎回ベストな歌を歌えればいいんだがなぁ。
あんまり反応もよくないが、それでも電車代くらいにはなったかな。
後で数えたら430クラウンだった。



1人のアジア人の兄ちゃんが話しかけてきた。
シンガポール出身のシャリー。
ニューヨーク育ちで、母親の仕事でカルマルに来ている学生だ。

日本が好きで、何度か行ったこともあるという。


そんな彼とたくさん話をした。
わかりやすい英語で話してくれるので会話が弾む。
ラルクアンシェル最高だよね!!とハニーをめちゃくちゃな日本語で歌うナイスガイだ。



photo:02


一緒にマクドナルドへ。
彼のおごってくれたハンバーガーとポテトを頬張る。


「エーランド島の世界遺産?あー、来週まで居てくれるんだったら俺の車でいくらでも連れてってあげるんだけどなー。お城には行った?まだなら行った方がいいぜ。」


そういえばハーバーから海の方に巨大な建物が見えていたんだけど、あれはお城だったのか。
ここカルマルは城壁が示すように、東海岸の重要な港として栄えた町らしく、かつては王様もいたみたいだ。

歩いていくと、海の上にその居城が雄々しくそびえていた。
完全にファイナルファンタジーの世界!!
シャリーの話では900年ほどの歴史があるらしい。
photo:03



photo:04





1400年ころにデンマーク、ノルウェー、スウェーデンの王様が集まってカルマル同盟ってのを結んだ場所がこのお城みたい。
実質的なデンマーク支配の大国がこの同盟で成立したんだな。

その後1523年にスウェーデンは同盟から独立。
数々の戦争がここで繰り広げられたという。
スウェーデンを失ったデンマークはノルウェー支配を強めて長い間その関係は続いたけど、ナポレオン戦争などのゴタゴタでついに1814年にノルウェーも同盟を離脱してカルマル同盟は消滅したみたい。
まぁ、ノルウェーはその後またスウェーデンに支配されるわけだけど。
ノルウェー可哀想(´Д` )
ノルウェーは1905年にやっと独立したみたいだね。


もうすぐ長かった北欧を離れる今になって、こういった関係性が見えてきた。
政略結婚や侵略戦争、陸続きの土地で国境を決めるにはたくさんの犠牲が必要だったんだな。
おとぎ話の世界がほんとにここにあったんだ。


お堀にかかる木の橋を渡り細い城門をくぐる。堅牢な石造りの建物。
中に入ることもできるらしいのだが、すでに閉館の時間をすぎていた。


photo:05


お城の周りを歩いた。
海に向かって古びた大砲がすえられている。
沖にほんの小さな島が見えるんだけど、シャリーの話ではこのお城の王様の部屋には隠し扉があり、秘密の通路が海の下を通ってあの孤島とつながっているらしい。
攻め込まれた時の非常用の逃げ道だ。
ロマンに溢れた話。
その王様の部屋も隠し扉も見学することができるみたい。

photo:06


写真の真ん中のちっちゃい島に秘密のトンネルがつながっている!





おだやかな日差し。気持ちのいい風。水平線にエーランド島の緑が見える。


ベンチに座りシャリーと色んな話をした。

俺は24歳。これから色んなことがあるけど、俺は何をするべきなのか探さなければいけない。
流されるままに生きるなんて嫌なんだ。

そう言うシャリー。
俺たちは探さなければいけない。
この広い世界で、自分にしかできないやるべきことを。

古城のベンチで、海から吹く風を2人で見つめた。
その一分一秒がとても貴重なものだった。
俺たちの命は、とてもとても、尊いものなんだ。


「いつか必ず日本に行くから。その時は一緒にsakeを飲もう。」


さっき会ったばかりなのに古い友人のように感じるシャリー。
この再会の約束は俺たちのカルマル同盟だな。
photo:07







電車とバスを乗り継いで、夜の10時にスウェーデン最後の町、ヘルシングボリに到着した。

大きな駅には、この時間でもたくさんの人が歩いており、さすが国境の町といった雰囲気。
海峡を挟んだわずか4kmの向こう岸はもうデンマークだ。

そういえば、またお金が変わるんだな。デンマークはデンマーククラウンになる。
めんどくせえ!!
スウェーデンクラウンの小銭を使ってしまわないとな。


マクドナルドでしばらくネットの更新をして、それから寝床を探しに町を歩いた。
真夜中の町外れ、大きな墓地公園を見つけた。
周りをキョロキョロ見渡して、こっこり墓地の中へ。


夜露に濡れた芝生の上を歩く。
墓石を踏まないように。
外灯にゆれる木々の影が手招きをする。
伸びる十字架。

墓地のブルース。


おやすみ。

デンマークの始まり!!

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9月6日 木曜日



photo:01


やっぱり墓地にはずれはない。
静かだし、墓地に来るような人で悪い人はいないので安心して眠れる。
さぁ、行こうか。


ぶらぶらと町を歩いていたら大きな教会を見つけた。
教会はトイレが無料なので、朝の歯磨き、顔洗い。
トイレを出ると何やら中が慌ただしい。
たくさんの花を持った人々が次から次にやってきて祭壇に置いて行く。
photo:02


入っていきベンチに座っていると、棺が運びこまれてきた。
そうか、お葬式が行われるのか。
葬儀屋みたいなおじさんに、身内の人しか入れないからと言われ、仕方なく外に出た。
見たかったな。



ケバブ屋さんでケバブを食べ、小銭消費。
デンマークに渡る前に小銭を全部使ってしまわないといけない。
するとイラン人のケバブ屋の店員さんが、まだ何も言ってないのに紙幣に両替しようか?と聞いてきた。
あなたはマジシャンですか?!
と驚くとニヤリと笑った。
旅人の気持ちをわかっていらっしゃる!!
photo:03





ヘルシングボリはIKEAの本社があるってくらいでこれといって見るものもなさそうだ。
城跡みたいなのがあるらしいけど別にそんなにそそられない。
photo:05





よし!さっさと行っちまうか!!

海の向こうはデンマークだ!!




電車の駅の構内はフェリーターミナルともつながっておりたくさんの人ごみ。
切符売り場で片道の切符を買う。
わずか32クラウン。
そりゃそうだ、たったの4kmしか離れていないんだから。
しかも30分に1本くらい出ているので簡単にアクセスできる。


フェリーに乗りこむ。
デッキに上がると、海のすぐ向こうに町並みが見える。あそこはデンマークだ。
ゆっくりと動き出す船。
強い風が海峡を吹き抜ける。

あっという間だったけど、たくさんの出会いがあった。一生大事にしたいと思えるほどの出会いが。
ビスビーのみんな、ストックホルムのヒロ、カルマルのシャリー。
みんな、また必ず会おう!

グッバイ、スウェーデン!!

ありがとう!!
Tack så mycket!!





船が対岸に近づくにつれ、見えてきた町並み。


そして、


そして!!



巨大な建物が海に突き出している!!



そう!!


photo:04


調べる限り、北欧を代表する城といっても過言ではない、クロンボー城だ!!

ハムレットの舞台としてめちゃ有名らしい。
ハムレットってハムのサンドかな。
シェークスピアあんまり知らないんだよね(^-^)/


わずか20分ほどの航海でデンマーク領、ヘルシンオーに到着。
興奮する気持ちを抑えながらフェリーを降りる。

ていうかまずは観光よりも金をゲットすることが先決だ。
なるべく換金はしたくない。換金はユーロ圏に行ってからだ。

港から歩いてすぐ、路地を抜けると歩行者天国のすごくいいショッピングストリートが広がった。
たくさんの人ごみ。軒を連ねるお店。チーズ屋さんやパン屋さんの美味しいそうな匂い、カフェでくつろぐ人々、衣料品店、骨董品屋さん、他にもたくさんのお店が古都らしい古めかしい建物に入っている。
こいつはいい町だ。
魔女の宅急便レベル90だ。
photo:06



photo:07




そんな通りの一角で早速路上開始。
順調に入っていく。
新しいお金なので、どれがいくらなのかわからない。
まじまじとコインを見つめる。

ノルウェークラウン硬貨は、
1クラウン
5クラウン
10クラウン
20クラウン
の4種類あった。重みがあって俺は好きな硬貨。

スウェーデンクラウン硬貨は、
1クラウン
5クラウン
10クラウン
の3種類だけ。10クラウンの鈍い音がいい感じ。

そしてデンマーククラウン硬貨は、
50
1クラウン
2クラウン
5クラウン
10クラウン
20クラウン
の6種類だ。ハートが刻印されてて可愛らしい。

日本は1円、5円、10円、50円、100円、500円があるので、まぁ6種類くらいが扱いやすい。


人が少なくなる17時まで、2時間やって460デンマーククラウン!!
よっしゃ!!換金せずにいけるぞ!!



レートに関してだけど、
北欧の他のお金も参考にしてみよう。
現在のレートでいくと、
1ノルウェークラウンが13.5円
1スウェーデンクラウンが11.7円
1デンマーククラウンが13.4円

て感じ。ほぼノルウェーと同じだな。まぁ俺の場合、外貨から換金するわけではなくその場で稼ぐのでレートなんて関係ないんだけどね。
その土地に住む人々の金銭感覚に合わせることが大切になる。

460クラウンがどれほどの価値があるのかは、スーパーマーケットで確かめることができるってわけで、やってきました、スーパー。
photo:09




安い!!!
安いぞ!!
まずタバコ!
スウェーデンで43クラウンしてたのが37クラウン。
ビールが330mlのが6.8クラウンくらい!!

あー、この2つが安くなっただけでもかなり出費抑えられるな。
そして気になるお惣菜コーナー。スウェーデンには温かい食べ物はチキンしか売ってなかったけど………


あるーー!!!
色んな食べ物あるーーー!!!

ありがたい………これで毎日の食事が楽しみになった。
値段は一品が20~30クラウンってとこか。食材の値段はほとんど変わらないんだな。

ビールを買いこんでスーパーを出た。

このスーパーが入ってるショッピングモール、ありがたいことにトイレが無料。
ノルウェー南部からスウェーデンまでほとんどのトイレが有料だったからな。


それから歌ってた場所に戻り、目の前にあったお肉屋さんに入る。
さっき歌ってた時にここのおじさんがお金を入れに出てきてくれたのだ。賑わってる店内。人気店みたいだ。


お礼ついでに店内を見ると、たくさんのお惣菜が並んでるではないか!!
最高!!
優しいおじさんにオススメ下さいとお願いすると、魚のすり身のお団子とよくわかんないけどパンに乗せて食べると最高だよというやつを包んでくれた。
これで30クラウン!
お金の数え方がよくわからないと言うと、ここに広げてみなと言ってくれ、カウンターに小銭を乗せるとかさばることに気を遣ってわざわざ小さなコインから優先して取ってくれた。
なんていい人だ!!
明日も来ます!
おじさんありがとう!!
タックソアミケ!!

あ、ちなみにノルウェー南部からスウェーデン、そしてこのデンマークも、ありがとうは「タックソアミケ」だ。





どこで寝ようかなー、と港のほうに行くと、海にそびえる巨大なお城がすぐそこに見える。あれはテーマパークではない。本物のお城だ。

お城の近くにカルチャーセンターという近代的な綺麗な建物があり、中は図書館やパソコンコーナー、資料室、アート展、カフェなどが入っており、もちろんWi-Fiも飛んでいた。しかも夜9時まで開いている上にトイレ無料。

いやー、最高すぎるよこの町。

photo:10


鳥に狙われながらご飯を食べ、それからカルチャーセンターの中でインターネット。
Facebookを開いたらお母さんからメールがきていた。どれどれ。



「ブログを見て思うこと。橋の下や墓地のベンチで寝るような人生を送るように育てたおぼえは無い。」



1人でめちゃめちゃ笑いをこらえてたらおかしな人みたいな目で見られてしまった(´Д` )

お母さん、1人で世界を回れる強い男に育ててくれてありがとう。



トイレで足を洗い、さて寝床探しだ。

とりあえずお城のほうに歩いていく。
周りは広い公園になっているはずなのでどっか寝るとこあるだろうと、お堀にかかる木の橋を渡った。


静かな夜。ていうか入っていいのかな?と思いつつも、気分はジャパニーズ忍者。闇夜に乗じてお城に潜入だ。

歴史を感じさせる堅牢な城門をくぐる。
そして目の前にすごいものが飛びこんだ。
暗闇の中にライトアップされたお城が浮かび上がった。

「すげぇ………」

あまりにも荘厳で神秘的なその姿に、感動に打ち震えた。
今ここに居ることがめまいがするほど嬉しい。
こんなすごいものを見ないまま死ねるか。
世界にはすごいものがまだまだたくさんあるんだ。


さぁ、デンマークの旅の始まりだ。
photo:11


トロールがクロンボー城に!

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9月7日 金曜日


「Hey……Hey………Hey.」


揺さぶられて目を覚ました。
寝袋を開けるとおじさんがいた。


「Did you sleep well? You have to move.」


ここはクロンボー城の外堀にある城門の中。目の前には事務所がある。
雨もしのげるし、いい場所だなと思ったんだが、さすがにメイン通路なのでここはマズイよなと思ってゆうべお城の周りを歩き回って寝床を探したんだが、屋根のあるような場所がなかったんだよな。

波打ち際で海の向こうのスウェーデンの夜景を見ながら寝ようかなと思ったんだけど、雨が降ってきて飛び起きるのはもうコリゴリ。

城門に戻り、起こされるの覚悟で柱の影で強引に寝たんだが、朝まで起こさないでいてくれたようだ。

今7時。
お城の公開時間は11時から16時だ。



城門でケータイをいじっていたら、アジア人の団体がやってきた。
あ、日本人だ。
ワイワイガヤガヤ。

「トイレはこちらでよろしくって?」

なぜか貴族風になっている。
北欧を旅行しているというちょっとしたステータスがそうさせてるのかな。
わかるよ!




ゆうべ歩いたお城の周りをもう一度回る。
海に突き出した陸地に築かれている巨大なお城、クロンボー城。
草がはえた高い城壁の上には、いくつもの大砲が海を挟んだスウェーデンに向けられている。
photo:01




冷たい海風が吹きすさぶ。鼻水が出るほど寒い。

1420年代、この海峡の通行税を徴収する拠点として、小さな砦が築かれた。
それがこのクロンボー城の前身。

幾度かの増改築を繰り返し、今の大城郭が出来上がったらしい。

空から見ると、お堀と城壁が三方向に槍のように突き出した形に造成されており、当時の土木技術の高さをうかがわせる。

近代では軍事基地として使われていたようだ。


ハムレットってのはどうやらハムの料理ではないみたいだ。
シェークスピアの演劇の名前だよね。
知ってるよソレクライ!(´Д` )

ハムレットってのはデンマークの王子様の名前で、国王である親父を毒殺し後釜に座った叔父に復讐しようとして色んな人巻きこんでみんなことこどく実りなく死んでいくという救いようのないお話。

その舞台がここなのね。



内堀にかかる橋を渡り、門をくぐると、そこは大きな広場になっていた。このお城は回廊式で、四角形の真ん中が空洞になっている。
高い塔が空を突く。
photo:02






入場料いくらくらいするのかなぁ、と料金表を見てみた。

1コース 50クラウン
バイキング時代の博物館
塔の見学

2コース 30クラウン
城内地下
城内教会

3コース 75クラウン
城内地下
城内教会
王様の部屋
ボールルーム

4コース 95クラウン
全部




北欧のやり口なんだけど、

「2 for 30」

っていうような看板をよく見る。
1つだと20クラウンだけど、2つなら割引でこの値段ですよってやつだ。
こっちではこの売り方が主流みたいで、たしかにそれならお得だし2つ買おうかなって見事作戦にハマってしまう(´Д` )

博物館だけなら50クラウン。
でも3コースに20クラウン足せば博物館が見られる。


うがー!!悩む!!
料金表の前で、白人の観光客たちもどれにするか真剣に悩んでいる。




11時になり、チケット売り場がオープン。
結局3コースのチケットを購入。


優しい土産物売り場のおばちゃんが荷物を預かってくれた。

土産物売り場には子供用のオモチャの甲冑やお姫様の服、騎士のシールなど、歴史をモチーフにしたものが売ってある。
ちょっと欲しい。
外国人が日本にきて刀のオモチャ買っていく気持ちが吐きそうなほどわかる。




そしてガイドのお兄さんに英語で案内してもらいながら、ゆっくり城内を回った。


photo:04


ロウソクで照らされた湿った地下迷路、
デンマークの英雄の像、
王様の寝室、
すごい刺繍のカーテン、
天井絵や歴史画、

そしてやっぱりメインはボールルームってやつだった。
広い部屋にオセロ模様の床。
英語の説明だからよくわかんなかったけど、舞踏会やパーティが行われた場所みたいだ。
photo:03



どれも贅の限りを尽くした装飾品。権力の元には美しいものが集まる。
すっげぇなぁ、とゆっくり見ている横をギャーギャーわめきながらさっさっと歩いていく若者たち。

修学旅行みたいなやつなのかな。
京都と一緒だ(^-^)/



城内教会もまたすごい装飾。

クロンボー城、見応えある。

ここで王族と貴族が暮らしていたのかー。
あのヒラヒラの服着て。白いタイツみたいなのはいて。

日本人はゲームにしてもマンガにしても中世ヨーロッパを舞台にするのが好き。
みんな小さい頃からそれらを見て育っているので、イメージするのがたやすい。

石畳の上を歩く王様の姿が目に浮かぶ。




もうちょっと見たかったけど、腹が減ってお腹と背中がくっつきそうなのでクロンボー城はここまで。
満足!!






楽しみにしていたご飯!!
スウェーデンみたいにチキン国家じゃないのでご飯が楽しみでしょうがない!!

メインストリートに行き、昨日目をつけておいたケバブのファストフード店へ。
ケバブ屋さんってケバブはもちろん、ハンバーガーやホットドッグ、その他色んな揚げ物のプレートがあるんだよね。
似たようなお店がものすごくたくさんあるけど、だいたいランチの値段は50~60クラウン。
このお店は35クラウンで魚のフライとポテトとサラダのプレート。


最高だよ、デンマーク。
同じようなのがノルウェーじゃ100クラウンはしたもんな。



たらふく食べて14時から路上開始。
順調!!


そして今日も新種の路上芸人を発見。
なんかオルガンの大きな音が向こうから近づいてくると思ったら、爺さんが道の真ん中を、木の箱を押しながらゆっくり歩いてくる。
photo:05



かなりでかい音。
爺さんは箱の横についたハンドルをクルクル回している。
なんだあれ!

箱の横にパイプオルガンみたいな鉄の筒がたくさんついてる。
あれで音が鳴ってるのか?それにしてもスピーカーを通してるようなでかい音。

6和音くらいかな。楽しく可愛らしい音楽に人々は振り返り、子供たちが箱の上に座っている猿の人形が持っている缶にお金を入れている。

オルゴールみたいにすでに音楽がセッティングしてあるんだろうな。
あとはハンドルを回すだけってか。
爺さんはお金を入れてもらう缶を猿の人形に抱かせているんだけど、その猿の手をぴらぴら振って子供たちにアピールするだけ。

路上がパッと賑やかになる。
大道芸はこうでないとね。


photo:06


すると今度はマーチバンドがやってきた。たぶん地元の女の子たちによるものだろうな。やっぱり週末は賑やかだなぁ。
人々はみんな笑顔。子供たちにはこの小さな町は色んな楽しみのあるテーマパークだ。

俺も5時まで頑張って今日の稼ぎ、
550デンマーククラウン
40スウェーデンクラウン
2ユーロ
photo:07


海の向こうがすぐスウェーデンということでスウェーデンクラウンが結構入ってしまう。
下関から門司に買い物に行くような感覚なので、普通にスウェーデン人が買い物しているんだよな。
しかも海をまたげば酒税の安いデンマークということで、スウェーデンのみんなはお酒を仕入れにデンマークに渡るんだそうだ。
こんなに近いのに国境をまたいだ瞬間、社会のシステムが変わるなんて国ってのは不思議なもんだ。





歌い終わって、晩ご飯を手に入れるべく、今日も昨日のお肉屋さんへ向かった。
人気店のBAAGØは大混雑。順番待ちのナンバーカードを取らないといけない。
photo:08


精肉はもちろん、焼くだけの味付け肉、調理してあるお肉、そして色とりどりのサラダなど、ここで全部揃う!!!
photo:09


しかもみんな優しく手際がいい。
選ぶのがとても楽しい!




購入したオカズを持って、いつものカルチャーセンターへ。
埠頭にあるこの近代的な建物。目の前にクロンボー城を見ながら、外のテーブルでディナーだ。


豚肉とジャガイモ玉ねぎの煮物。20クラウン。
インゲンと紫玉ねぎとトマトのお酢サラダ。20クラウン。
photo:10


なにこれ(´Д` )
吐きそうなくらいうまいんですけど(´Д` )

そしてハイネケンのビール。



極上です(´Д` )


デンマーク、っていうかヘルシンオー、最高だよ、あんた。



しょっぱなからいい町に来ると、その国が大好きになるな。


デンマークっていったらなんだろう。
ロイヤルコペンハーゲンとアンデルセンと、チボリ公園もあるな。
倉敷のチボリ公園はむなしく閉園したな。俺が最初の日本一周で倉敷に行ったときはまだやってたのにな。

人口は500万人。経済も教育も世界最高水準の先進国。
移民に厳しく、国籍を取るにはいくつもの条件が必要でスーパー難しいデンマーク語のテストもクリアしないといけないらしい。


とりあえず一般的な情報はこんなもんか。
あとはこれからの旅でわかっていく。
てかクロンボー城が良すぎたなー。
このヘルシンオーの町でもうすでにデンマーク満足しちゃってる(^-^)/



ちっちゃい国だからな、結構早く抜けそうだ。

他の写真!

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クロンボー城
photo:01




地下に潜っていく
photo:06




デンマークの英雄さん
城の地下の奥深いところで寝ている
photo:02




これ刺繍で描いてるんだからすごいよね
photo:03




城内の教会
photo:04




天井絵
photo:05




町は路地裏が素敵すぎる
photo:07




地元の人たちが通う人気店、BAAGØ
ここの惣菜最高
photo:08

ありがとうが卑猥!!

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9月8日 土曜日


墓地の中をぼちぼち歩いていたんだけど、雨をしのげるような寝場所がないので、結局カルチャーセンターの軒先で寝た。


開館の10時になると、土曜日ということもあって家族連れやおじいちゃんおばあちゃんがたくさんやってきた。

このカルチャーセンターすごい。
図書館なんだろうけど、パソコンがいっぱいあってネットし放題。
CDの試聴コーナー。キッズコーナーではたくさんの絵本や遊具。
他にも色んな設備が充実している。
こんな市民のための素晴らしい箱物があるってことがデンマークって国の先進性をうかがわせるな。
ちなみに国民の幸福度ランキングで世界一になってるらしい。



今日もいつものケバブ屋さんで朝昼ご飯を食べてから路上開始。

うん、喉の調子がいい。

そしてイマジンは信じられないくらいウケる。
イマジンが上を向いて歩こうと片足の犬を抜いて稼ぎ頭に躍り出たな。


デンマークのありがとう、を教えてもらった。
ノルウェー南部やスウェーデンと一緒で、

「タックソアミケ」

でも通用することはするんだけど、ネイティブな言い方は、



「マンゲタック」




は、ハズカシイ(´Д` )!!!




ロマンチックが止まらない並みに恥ずかしさが止められない(´Д` )(´Д` )


言うたびに顔が赤くなる(´Д` )(´Д` )(´Д` )



年頃の女の子がお金を入れてくれる。



「マ、マ、マ、マン、マン、マンゲ、マンゲ?タック。」




言ってる自分が変態にしか思えない。

サン、を付けたらもっとひどいことになるぞ?


でもそれが正しいんだから言わないとな。


Mange takk!!



喉の調子もいいし、今日はいけるとこまでいってみようかと思っていたのに、15時を過ぎると急に通りのお店が店じまいを始めた。
そして人通りもぱったりなくなる。
これが土曜日ってわけね。
早く仕事を終えて、飲みに出かけるのかな。



5時に路上を終えて、ケバブ屋へ。
店員のアラブ人の兄さんとすっかり仲良しになった。
お腹いっぱいになれるメニューはこれだぜ!と出してくれたのは、ケバブロールとポテトのセット。これにコーラがついて55クラウン。
安すぎるぜ!!この店!!
photo:01




明日この町を出るんだと言うと、アメをくれた。友愛のアメ。マンゲタック。


カルチャーセンターへ。
カフェではピアノと歌のミニライブ。
岸壁でキスをするカップル。
夕日に照らされたクロンボー城。

毎日歌い、パンを食べ、次の町へ。
ひとときの出会い、交わされる小さな会話、離れれば何気ない日常が待っている。

まだわずか2ヶ月。もう外国の旅に慣れたと言ってもいい。

この日々の中で何を手に入れられるか、探し始めてもいいころだ。

俺は何を手に入れられるかな。

人生は短いんだろうな。

金丸文武として生きられるのは一度きりなんだよな。


みんな、みんな、一度きりの人生を歩んでる。
photo:02


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