グッバイ、トロムソ。いざロフォーテン諸島へ!!

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7月31日 火曜日


日本を出て一ヶ月が経った。
あれ?もう一ヶ月?
内容が濃いせいかなんなのか、とても早く感じる。
一ヶ月でずいぶん遠くまで来たもんだ。
この調子なら世界一周ってあっという間に終わってしまうんじゃないか。
そう思えるようになったということはだいぶ外国の旅にも慣れてきたということかな。
夢にまでみた世界一周。
憧れ続けた未知の冒険。
その真っ只中。
今日からノルウェー南下の始まりだ。



曇り空の下、対岸にのびる大きな橋を渡り振り返ると、そこにはトロムソの町。
6日間、あの小さな島から一歩も外に出なかった。
慣れ親しんだ小学校の小屋、毎朝ご飯を買ったユーロスパー、たくさんの人に出会ったメインストリート。
すべてあの小さな島の中で起こったことなんだな。一ヶ月くらいいたような気がする。
バイバイ、トロムソ。
photo:01





最後にトロムソで1番の観光地、名前わからないけど白い大きな教会へいったが、入場が35クラウンもして、まぁそれくらいいいかなと入ろうとしたら今からオルガンのコンサートがあるから70クラウンですと言われスゴスゴと教会を後にする。
photo:02



結局トロムソ観光、全然してねえ。



よっしゃ!!
ヒッチ開始!!
次の目的地は、
「アルプスが海に沈んだような地」
と評されるノルウェーで最も美しい場所、ロフォーテン諸島。
地図を見ると道が入り組んでいておそらくかなり厳しいヒッチの旅にな、うおー!10分でトラックゲット!
めちゃいいおじさんで途中でワッフルとコーヒーを買ってくれたりの楽しいドライブ。
photo:03



2台目も15分くらいでゲット。
車の通りはもちろん少ないし、看板も出してないのにこんなに楽勝で止まってくれるなんて、ノルウェーの人、優しい!!

これで150kmくらい稼いだ。
どんどん行ってみよう!!


少しすると、1台の車が通り過ぎた瞬間、すごい勢いでバックしてきた。

「Hi!!! fumi!!」

なんと、車に乗ってたのは先日エレナたちと一緒にジープスのパーティに行き、クラブで飲みあかしたソフィアとエレノックだった。

「うおー!!!ミラクルーー!!!」

感動のハグ!!
さらにビックリすることに彼女たちもノールヒョースボットンからヒッチハイクでこの車に乗せてもらってきたようで、しかもしかも、行き先は、


ロフォーテンーーーー!!!!!!


ドライバーの女の人がロフォーテンの入り口の町、ハーシュタッドの人で、みんな彼女と一緒にそこまで行き、明日からまたヒッチでロフォーテンを進むらしい。
おいおい、こっから先、いろんなところで会いそうだな。
先日のポーランド人の女の子にしてもそうだったけど、ヨーロッパのバックパッカーはガンガンヒッチハイクして旅しまくってるみたいだ。
そしてトラックドライバーさんの話では昔はもっとたくさんのヒッチハイカーがいたそうだ。
ヨーロッパはほんと安全な土地柄なんだなぁ。


photo:04


しばらくして彼女たちの車を降りた。
彼女たちはハーシュタッドに行くが、俺はできればこの先にあるロフォーテン諸島の拠点の町、スボルベルまで行きたい。
まぁ時間も遅くなってきたし、無理なら無理でどこでも野宿できるしなと、親指を立てる。

すぐに止まった………

行き先………

スボルベル………


こんなにうまくいっていいんですか?
2日間考えていた道程を半日でクリアーしてしまった。

乗せてくれたトラックのドライバーさんはオランダから来てる陽気なおじさん。

「ロフォーテンは本っ当に素晴らしいぞ。何度も来ているが来るたびに感動するんだ。ほら、見てみろ。」


長いトンネルを抜けるとそこには息を飲む光景が広がっていた。

photo:05


切り立った断崖絶壁、急峻な岩山、それをうつす鏡のような湖。
そんな入り江にポツポツとカラフルな家。

photo:06


なんだここは、この世の果てか?
おとぎの国に迷い込んだような神々しい美しさ。
この世には、地球には、こんなに美しいものがあるんだ。
だから俺は旅に出たんだ。



0時にスボルバルの町についた。
フェリーが入港するロフォーテン諸島で1番大きな町だが、トロムソよりかははるかに小さな町だ。

寝静まった見知らぬ町を1人歩く。
あの窓にも、あの車にも、それぞれの幸せと悲しみがある。人生の過去と未来がある。
ささやかな喜び、頭を悩ませる問題、遠い土地への憧れ。


明日、歌うから。
もしよかったら話をしよう。
遠い遠い国で、同じ時間を過ごし、今ここで巡り合ったんだから。
photo:07




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Fackin good night

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8月1日 水曜日


公園のベンチで目を覚ます。
うぅ、寒い……
ゆうべの気温が10℃だったから朝は5℃くらいか。
でも眠れない気温ではない。
ここはロフォーテン諸島、スボルベル。

さて、朝飯どこにしようかなーと町中を散策。
町の真ん中に大きなスーパーマーケットが2つあるが、他にはないかなーと歩き回っていると、

ありました、ユーロスパー。

安いんだよねここ。
惣菜売り場でどれにしようかなーと品定めし、店員さんにラザニアともう一つなんかわからんけど美味しそうなやつを30クラウン分つめてくださいとお願いする。

大きなスプーンでごっそりパックに入れてくる店員さん。

え、あ、ちょっと、それ多すぎるんじゃないですか……?

ほら、やっぱり45クラウンもする。
俺の英語が下手すぎてたまに伝わらない時があるんだよな。


え?なに?これで30クラウンでいい?

これだからユーロスパー大好き!!

いつも飲んでるパックのコーヒーも持ってレジへ。
そしてついに、タバコを購入する時がきた。

ロシアで買ってきた名前わからんけど安いタバコがついに底をついたのだ。
1番安いのをお願いしますと言い、出てきたタバコの値段………

72クラウン。

940円。

高ぇにもほどがある。

しかしタバコは俺にとって必需品。
節約しながら吸うとしよう。

腹ごしらえをして、町で1番人が集まるであろう、港の広場へ。
フィヨルドクルージングなどの観光船が発着するこの港の広場には、たくさんの土産物の露店が並んでおり、周りのオープンカフェでは人々がのんびりくつろいでいる。
ウミネコの鳴くのどかな、でもワクワクするような旅の町。
目の前の海には切り立った断崖絶壁が黒々とそびえている。

こんないいステージ他にないぜとギターを鳴らした。
photo:01



しばらく歌っていると、目の前の露店のおばちゃんがこっちにきて話しかけてきた。
どうやら今日は息子の誕生日らしく、ハッピーバースデーを歌ってほしいとのこと。

「ほら、あそこ、あそこにいるのが息子よ。アレックっていう名前よ。」


よしきた、とハッピーバースデーを歌う。
すると、広場にいた人たちがなんだなんだと笑顔で振り向き、一緒に歌ってくれる。
昼下がりの青空の下、港の広場にハッピーバースデーの合唱が響いた。
photo:02




今日も5時間。
足元にはたくさんのクラウン。
それに混じっていろんな国の硬貨。
ユーロ、スウェーデンクラウン、ルーブル、デンマークのお金もある。
ユーロにかわったのっていつなのかな。たまにその国の古い硬貨が混じってたりして、スーパーで使えなかったりする。
それにしてもコインの模様はどこもそれぞれ個性があって面白い。
集めてみようかな。


荷物を片付けて帰ろうとしていると向かいのカフェの店員の女の子が走ってこっちにやってきた。

あなたすごいわ、よかったら食べて!

ブルーベリージャムとクリームの美味しそうなパンをもらった。
明日からコーヒーはあそこのカフェで決まりだ。


こうしていろんな町で歌ってると、よくローカル新聞の記者さんに取材をお願いされる。トロムソでも最後の日に取材を受けたんだが、発行されるときにはもうその町にいないから読めないんだよなー。

次に取材を受けたらその記事が発行されるまで滞在するとしよう。


今日は結構稼げたので、自分へのご褒美にビールを買った。
もちろん1番安いやつ!
500mlで24クラウン!
なんか消費税みたいなのをあわせて25クラウン!

330円なら日本とそんなにかわらない!
でも外で飲むには寒すぎる(´Д` )

昨日の公園の小屋で震えながら乾杯。
photo:04



ゆっくりとご飯を食べながらその日の稼ぎを計算する。
この時間がとても楽しい。
稼ぎが多ければ多いほど楽しい。
今日のあがりは1180クラウン。
photo:03



明日もこの町で歌うかな。
ロフォーテンは見所が満載。
どこがオススメがいろんな人から情報を仕入れて動こう。


今、夜の21時。
青空にウミネコの鳴き声。
さて、曲作りしようかな。




曲作りも終え、寝袋の中に潜り込んでから何時間かしただろうか。
外が騒がしい。
静まり返った町の中になにやら叫び声が聞こえる。
どっかの若者が酔っ払って大騒ぎしてるんだろうと、そのまま眠りにつこうと寝返りをうつ。

するとその叫び声がどんどん近づいてくる。
おいおい、頼むぞ、こっち来るんじゃねえぞ、と寝袋の中で祈り続けるが、願いもむなしく最悪なことにその叫び声の主が俺の眠ってる小屋の中に入ってきた。

寝袋の隙間からのぞいてみると、泥酔した女の子が目の前のベンチに座って大声で叫んでいる。
勘弁してくれよと寝たふりを決めこんでいたのだが、そんな酔っ払いが俺をほっとくわけがない。

ヘイ!ヘイ!
ウェイクアップ!
カモン!ギタープレイ!!


ゆすり起こされ、寝起きでビールを飲まされる。
1~2曲歌えば帰ってくれるかなと思い軽く歌ってあげたら、


オーーーーー!!!
アメイジーーーーーング!!!!



と町中に響き渡るような絶叫をあげて興奮し出し、彼女たちと飲んでた悪そうな男たちもやってきて、すげーめんどくさいことに。
酔っ払って興奮した彼らに、うちに来て眠ればいいから!!と言われ、気をつかってろくに眠れないことが目に見えているが断れずに彼らの家へ。

汚いアパートの一室。
ミルクやパンが散乱した床に寝転がってる男。
オジーオズボーンの女版みたいな女の子にキスをせがんでる男。
そんな中でタバコの浮いてるビールを飲む俺。
photo:05



ヘイ!ファッキンアメイジングジャパニーズマン!!
ファッキンシガレット?オア、ファッキンビアー?

すべての単語にファッキンがついてるのが面白くてしょうがない。


トイレを探してドアを開けたらそこには彼らのうちの誰かのお母さんが寝ていた。

とんでもねーとこに来てしまったと、まだ大騒ぎしている彼らをほうって、さっさとソファーに横になった。


Fackin good night……

ノルウェーで生きてます!!

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お久しぶりです!
凍え死なないでなんとか先に進んでますよ。
では日記のほうをどうぞ。




8月2日 木曜日


牛乳臭い毛布にくるまった夜が明け、気がついたらもう昼の12時になっていた。

のそのそと起き上がり、頭を整理する。

えーと……ゆうべ公園で寝てたら酔っ払った若者たちが来て、それから彼らの家に移動して、飲んで………

部屋の中には誰もいない。

奥のドアを開けると相変わらずお母さんが寝ている。

1人、顔を洗って歯を磨いてアパートを出た。
狐につままれたようだ。



ユーロスパーで腹ごしらえしてから、オープンカフェでWi-Fiの鍵目当てにコーヒーを飲み、久しぶりのネットアクセス。
またFacebookの友達申請が来ている。
ほぼ毎日のように知り合った人から申請が来るからもはや、誰がどこの人だったかわからなくなってきている。
ニュースフィードもわからない文字が増えた。

photo:01


そして最近ようやく野菜を食べるようになった。
あまりにも毎日肉とパンばかりだからこのままではどうにかなってしまう。
だいたい値札が何書いてるかわかんないし、ほとんど計り売りだから計算できないんだよな。
なのでグラム数をよく見るようになった。
安くてたくさん食べられるものはどれだ?
ちなみに写真の野菜は自分でつめて32クラウン。


今日も港前広場で歌う。
人だかりができるほど順調に稼いで、1080クラウンになった。
もしこうやって順調に稼ぎ続けることができるなら、いずれ必ずやってくるビッグイベント、大西洋渡航の費用まで作ってしまいたい。
まぁそんなにうまくはいかないだろうが。

あ、あとギターのお尻の部分がちょこっと割れていた。
あれ?!と思い返してみたら、そうだ、ゆうべの酔っ払った兄ちゃんたちがアパートに移動するときにファッキンギター持ってあげるよ!!と言って濡れた岩ですっ転んでガイーンと地面に当たった、あれだな。
まぁそんなことも想定して買った安いギターだからな。音にも支障はないので問題ナシ。



明日から金曜、土曜か。
人出もきっと増えることだろう。稼げるところでしっかり稼いで、日曜からまたヒッチ開始と行こうかな。

よし!
曲作りしよ!
今日は誰も来るんじゃねえぞ!



いざ!ロフォーテン探検へ!

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8月3日 金曜日


ガヤガヤガヤ……



………ガヤガヤ!!


「Hey! fumi!! come on wakeup!!」


来てしまった……


ゆうべの兄ちゃんたちだ。
寝袋を開けるとそこには男が5人もいて、ギターを2本も持ってきてる。

もう勘弁してくれよ……
朝の3時じゃねぇか。
はいはい、わかりましたよ。
弾けばいいんですね。
photo:01



ゆうべより酔いはひどくない彼ら。でもギターを弾いたら声もでかくなる。

近所迷惑、大丈夫かなぁ、と心配しながらもみんなの歌う外国の曲が新鮮でビールを飲みながら楽しんでいた。

するとやっぱり来た。
向こうのほうで何やら叫んでる。


「うっせーんだよコノヤロウ!!
明日も仕事なんだよ!!7時半からよ!!」

「Hey! Fukin uss hole.」


そんな苦情もテキトーにあしらいながら宴は続く。
1人が家からかなり上等なウィスキーを持ってきて、もはやこの公園のあずま屋はちょっとしたライブバーに。



「おい!!このクソども!!何時だと思ってんだ!!」

気持ちよく飲んでるところに、ひときわ大きな金切り声が響き渡った。

公園の入り口のところで寝巻き姿の女の子が仁王立ちしていた。

「へ~イ、You sexy.Do you wanna drink?」

おちょくったようなことを言ってる俺たちに、彼女は地面の石を拾い上げて強い歩調で向かってくる。

そしてあずま屋に入って来るなり、持っていたかなり大きな石を振りかぶって投げつけてきた。
兄ちゃんの1人に直撃。
そして置いてあったまだ半分以上入ってる上等なウィスキーのボトルを鷲掴みにして地面に叩きつけた。
飛び散るガラスと酒。

「このチンカスどもが!!こっちは疲れてんだよ!!不能ヤロウが頭イカれてんのか!!ケーサツ呼んだからよ!!」(推測)

「You are fuckin bich!! Fuckin my wisky!!」

この騒ぎを聞きつけて近所中の人たちがワラワラと集まってきた。


「あー、ケーサツですか。今公園でイカれたやつらが飲んで大騒ぎしてるんですよ。」

「このフニャチン野郎どもがさっさと家に帰ってママのオッパイ飲んでやがれ!!」(推測)

「You go to hell. Go to hell.」

壮絶な言い合いの後、兄ちゃんたちは家に帰って行った。
近所の人たちも家に戻っていき、あずま屋はまた元の静寂を取り戻した。
取り残された俺。


床には割れたガラス片とビールの空き缶とタバコの吸殻が散乱している。

勘弁してくれよと、朝5時のスボルバルの町、1人公園の片付けをして、ウィスキーの臭いが充満する中でまた寝袋にもぐりこんだ。




ガヤガヤ………


ガヤガヤ………


………なんだなんだ
……今度はなんだよ。

またあいつらか?

寝ぼけながら寝袋を開けると、そこには小動物みたいな可愛らしい子供たちがわらわらと俺を取り囲んでいた。
photo:02



ハイ、と声をかけると、ヒャー!と喜んで走り回る。
外国の子供達は人懐こい。笑顔ひとつで寄ってくる。
写真を撮ると照れ臭そうにポーズをとってくれる。可愛い。

今日でこの公園の小屋ともおさらば。きれいに片付けて荷物をかついだ。
photo:03




カフェでコーヒーを飲みながらタバコをふかす。
吸殻はもちろんゴミ箱へ。
人にはきちんと挨拶をして、行儀良くコーヒーを飲み、清潔感を心がける。
日本人はイエローモンキーとして人種差別の対象になるのではないか。周りからそんな風に汚い人種と思われてるのではないか。
そういった意識が、常にある一定のコンプレックスに似た負い目として心の中にあり、それが行動の背筋を伸ばしているように思える。
日本人として、金丸文武という個として、きちんと教育された文明人でありたい。


ゆうべの大騒ぎのせいで寝不足なのか、体が疲れてなかなか声が出ず、今日の路上は早めに切り上げた。
それでも950クラウンにはなった。ありがたい。


広場の露店の人たちに、明日からまた移動します、ありがとうございましたと挨拶して回る。
みんなみんな優しい人たち。

ユーロスパーの店員さんたちも、そうなのかい!とお惣菜の手羽先を多めに入れてくれたり、こっちがお願いする前に、両替はいいのかい?今日もコインがいっぱいあるんじゃないの?と気を遣ってくれる。
さようなら、きっと二度と会わない人たち。



町を背に歩き続け、橋を渡り、集落を抜け、山あいの砂利道を1人歩く。

見渡す限りの荘厳な風景。
静寂の湖。

photo:05


その湖のほとりで足を止め、ボーッと湖面を見つめた。
風で出来た波紋がひたひたと音を立てる。
そんな波紋が心の中にも伝わる。
世界ってどこも同じだなと思う。
こんなに違う文化なのに、なぜかそう思えた。
早く次に進もう。






てかコーラ死ぬほどうまい(´Д` )(´Д` )(´Д` )(´Д` )(´Д` )(´Д` )(´Д` )
photo:04



ムンカン山から見渡す景色

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8月4日 土曜日


夜中に人の話し声で目を覚まして、寝袋の口を少し開けて外を覗いてみたら、すぐ真横で飲酒検問をやっていた。
ここは町外れのバス停。


眠れねぇ(´Д` )

通る車すべてを止めて呼気検査をしてる。
しばらくその様子を見ていたがいつのまにか眠っていた。
寝袋の中から色んなものを覗きこむ毎日。



さぁ今日からロフォーテン諸島、攻略開始!!ってこの日に限ってすっごい晴天ーーーーーー!!!!!
photo:01



スカンジナビア半島の夏は、一ヶ月に3~4日しか晴れないといわれてるほど雨の多い土地なんだが、ほんとに俺はついてる。
なぜなら!今日の目標はここから70~80km先にあるバルスタッドの町でムンカンという山に登ることだからだ。
晴れていれば素晴らしい景色が望めるということだが、今日の快晴ならきっと最高の眺望が待っているはず!!

早速ヒッチハイク!!
わずか5台目でストップ。
調子よすぎるぞー!!

カナダからバイトでやってきてる兄さんに乗せてもらい、20kmほどゲット。

もう、景色がすごすぎるんですけど、ロフォーテン………
まるで悟空とフリーザが戦った後のナメック星みたいにボコボコのギザギザだ。
真っ青な空にそびえる荒々しい岩山。その下にはエメラルドグリーンの海。まばらに散らばる赤い家々にはノルウェーの国旗がはためいている。
photo:02



photo:05



そして10分も待たずに2台目ゲット。
優しそうなおばさん。
行く先は………私も観光だからバルスタッドまで乗せてってあげる。


なんでこんなに上手くいくんですか?


しかもこのおばちゃん、スィンニカおばちゃんも写真が趣味なので、ロケーションのいい場所があったらすぐに車を止めて撮影タイムを設けてくれる。

「ほら、あそこ、羊がいるわよ。メェェェェ~~~。」

そう言って羊の顔真似をしている。
小太りで陽気なスィンニカおばちゃんがすぐに大好きになった。

「私の今日の目的は絵の描かれた古い家なのよねー。でもどこにあるかわからないから人にたずねないといけないのよ。」

「えっ!!それってもしかして女の子の絵のやつですか!?」

「え?知ってるの?」

「僕も見たかったんです!!一緒に探しませんか?」

「もちろんよ。さぁ、じゃあまずは腹ごしらえね。」

ラッキーにもほどがある!
ロフォーテンに行くなら必ず見るべきと言われていた、
「絵の描かれた古い家」

無理なら別にとばしてもいっかなーって思ってたんだけど、こんな展開が待っているとは!!
ロフォーテンはその美しい自然と穏やかな田舎であることから、たくさんの芸術家が移り住み創作活動をしており、いたるところにギャラリーや美術館があるアートの拠点としても知られており、中でもその絵の描かれた古い家はとても素晴らしいものだという。

スウェーデンのおばちゃんと古い家を探す不思議な旅の始まり。

スパーがあったので、まずそこでご飯買いましょうと駐車場に車を止める。

えーっと、何買おうか………


あ!!!


「スィンニカ!!ルックルック!!」

「オー!アメイジング!!」

なんとスパーの道路向かいに目当ての、絵の描かれた古い家を発見!!

雑草が生い茂り、ガラスの割れた廃墟の家の壁に、見事な絵が描かれている!!

キノコを採ろうとしている少女の絵。

そのキノコはなんとも毒々しい色と形をしており、対して少女はモノクロで、しかもシルエットのみ。

その現代的で深みのある表現と、のどかな田舎の廃屋というミスマッチが不思議な空間を作り出していた。
すごい!

スィンニカおばちゃんと2人、夢中になってシャッターをきった。
photo:11



photo:07




スィンニカおばちゃんは俺の目的地であるバルスタッドの手前で方向転換し、違う道に行くはずだったのだが、急ぎでもないからと、バルスタッドへ向かってくれる。

すると、おいおい、なんかデカイ山が見えてきたんだけど、まさかあれじゃないよな?
あんなヤバそうな山なのか?ムンカンって。
photo:06



バルスタッドの小さな港町に入り、その険しくそそり立った山のふもとにあるカフェへ。

スィンニカおばちゃんがお店のおばちゃんにムンカンの登り方を聞いてくれる。
どうやら、あのヤバそうな山の稜線つたいにある高い山がムンカンみたいだ。

時間は14時。
ちょっと厳しいかなぁ。

店のおばちゃん
「何言ってんの。45分もあれば頂上まで行けるよ。」


えっ!!うっそだー!!

店のおばちゃん
「行ける行ける!あんた若いんだから大丈夫よ!」

スィンニカおばちゃん
「やったじゃないフミ。荷物もここに置かせてもらえばいいじゃない。」

店のおばちゃん
「もちろんよ。問題ないわ。」

スィンニカおばちゃん
「今日会ったロフォーテンの女はいい人で良かったわね!アッハッハッハー!!」


カフェに荷物を置かせてもらい、スィンニカおばちゃんに車で登山口まで送ってもらう。

「いつか日本に写真撮りにいくから。」

ニコッと笑うおばちゃんとハグして別れた。

山を登りはじめてしばらくして振り返ると、素晴らしい景色の中でパンくずみたいに小さくなったスィンニカおばちゃんが手を振っていた。
大好きなスィンニカおばちゃん。
ありがとう。どうかお元気で。


1人、ひたすら登っていく。
毎日重い荷物を担いで歩いてるせいか、これくらいの急登、なんてことなく感じる。
しかしなかなか先に進めないのは10歩のぼるごとにため息の出るような美しい景色が足を止めさせるから。
photo:08



さっきまでいたバルスタッドの町並み、その後ろに広がるロフォーテンのダイナミックな自然、はるかにかすんでいるのは内陸部のフィヨルドだ。

強く、凍りつくような風の吹き荒れる草原をひたすら歩き続け、ほんとに1時間くらいで頂上に来てしまった。
まぁ、たった450mくらいの山だけどね。
それでも広がる眺望は果てしなく美しい。
ひとしきり写真を撮ってから、タバコをふかしのんびり……といいたいところだが、服装がナメすぎてて凍え死ぬからさっさと山を降りた。
photo:09



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カフェに戻り、せっかくお世話になったしということで、ここで思い切ってみることにした。

海外に来て初めてのレストランでの食事!!

メニューは……

魚のスープ!
そう、ノルウェーといえば魚料理!
125クラウン!

た、高い………3回分の食費が飛んでしまう。

しかし、一度くらいはちゃんとレストランでその国の料理を食べておきたい。

というわけで出て来たのがこれ。

photo:12


少ない……

けどゲロうまーーー!!!!


魚のエキスが効いた塩味のスープ。白身の魚もコクがあって美味しい。
そしてやっぱりパンが美味い。
ノルウェーはパンが美味い。

高かったけど満足!!


お世話になりましたと挨拶し、お店を後にし、田舎道を1人歩く。
あー、いい一日だったなあー、のんびり北へ向かっていると、先の方に止まっていた車のドライバーが声をかけてきた。

「どこまで行くの、乗せてってあげるよ。」

でた。
秘技、ヒッチしてないんだけどヒッチ成功

おじさんに明日向かう場所への分かれ道のとこにあるバス停まで乗せてもらう。
この場所ならおそらくすぐにつかまるはずだ。



最高の天気
最高のヒッチハイク
プラスアルファも含めての目標達成
こんなに上手く行っていいのか?
いやいや、気をひきしめないと。
いやいや、外国ってこんなもんなのかもよ?
人間ってだれもが深い優しさを持ってるのかもよ?

おそらくそうではないのだろうが、今のところ人間は素晴らしい。
はためく国旗の模様は違うが、ここも同じ地球の上だ。


よし!!明日はロフォーテン諸島の先っちょ、オーの町まで探検だ!

シナモンロールの香りを探して

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8月5日 日曜日

目を覚まして寝袋を開けると、そこには草原と断崖絶壁。
なんて贅沢な野宿だ。

今日は昨日と変わって、いつものノルウェー北部らしく雨模様。
小雨の降る、凍える寒さの中、1台目の車をゲットして、今日の目的地であるオーまでの半分の距離を進む。

そのドライバーさんの友達で、ノルウェーからサウスアフリカまでヒッチで行った人がいるそうだ。
ヒッチは世界共通だな。
親指1つさえあれば行きたい場所に行けるんだ。


次にゲットした車はオーストラリアから来ている見た感じ40歳くらいの女の人、フランシス。
ジョークが好きな楽しい人だ。
彼女もまた昨日のスィンニカのようにレンタカーでロフォーテンを観光しているところで、いいロケーションがあるとすぐに車を止めて写真を撮る時間を作ってくれるから助かる。
photo:01



彼女と一緒にロフォーテン列島の道の終わり、オーの港町まで見て回った。

今日の道のりの中でオススメのところを箇条書き!!

☆Reineの港町
photo:02


これぞロフォーテンって感じの山、海、家、船の共生を楽しめる。



☆Å(オー)の町並み
photo:03


ロフォーテン最後の町。最果て感漂う穏やかな港町。

☆オーのパン屋さん
photo:04



photo:08


町の真ん中にある古いパン屋さん。木を燃やす窯を使っており、香り豊かなパンを食べることができる。シナモンロールが有名。

☆魚を干すやぐら
photo:05


ロフォーテンの風物詩、魚を干す風景は4月に見ることができる。
今は木組みのやぐらがあるだけだが、シーズンにはロフォーテン中のいたるところでおびただしい数の魚が干されているのを見ることができる。

☆コテージ
photo:06


赤いコテージが無数にあります。
値段もそんなに高くなく、大人数で泊まれば1人頭はかなり安くなるはず。俺は野宿だけど!


他にもたくさんの博物館やギャラリー、見所満載。
でもなんといっても自然がメインで、どこを見ても素晴らしい風景。
家族連れやカップルがたくさんキャンプしてるけど、ここだったら最高の休暇が過ごせるだろうな。
オーの港町では、大きな魚をさばいてる人たちがいたけど、彼らはスウェーデンから休暇で来ており、船を借りて魚釣りを楽しんで来たところだと言っていた。
マジで最高だな。
でも物価はもちろん高いので、リッチな人たちのリゾート地ってとこだな。
photo:07





オーからほんの少し戻ったところにあるモルケネスの小さな町から、陸地の町、ボーデ行きのフェリーは出ている。
フランシスに最後の最後まで送ってもらい、フェリーポートまでやってきた。

夏季だけかもしれないけど、フェリーは毎日5本出ている。最終は22:30と、結構遅くまで運行しているようだ。
俺みたいに体1つだと168クラウンと値段も手頃。
航行時間は3時間のやつと、4時間のやつがある。どこかに経由するやつなんだろうな。


船が着岸し、たくさんのキャンピングカーやバイカーたちに混じってフェリーに乗船。
離れて行くロフォーテンの山並み。
あぁ、美しいところだった。
来年も再来年も、俺が世界のどこかにいるとき、ここには世界中からたくさんの観光客が訪れるんだろうな。
きっとまたいつか来よう。
バイバイ、ロフォーテン。
photo:09





4時間の航海で港町、ボーデに到着した。

寝静まった町。立ち並ぶビル。
なるほど、少しは都会みたいだ。
誰かがボーデはノルウェーで7番目の都会だと言っていた。


それにしても、腹が減りすぎて死にそうだ………
今日はお昼にフランシスが買ってくれた小さなパンを2つ食べただけ。
今の時間は0時。スーパーは閉まってるし、日本みたいにコンビニもない。
一軒セブンイレブンがあったが、食料品コーナーはもう閉まっていた。

腹減ったよー!!
とさまよっていたら、一軒のファストフード店を見つけた。
やったー!!
寝静まった町に小さなネオンの光るショップにもぐりこんだ。

そこはケバブのお店。
北欧のファストフードはハンバーガーとケバブとピザ。
日本にも少しはケバブ屋さんあるけど、こっちはもっと浸透している。

値段は……高い。
ハンバーガーのほうが安かったからそっちを頼む。
100クラウン。
明日は頑張って稼がないとな。

photo:10


出てきたのは顔くらいもありそうな巨大なハンバーガー。それにポテトとコーラもついて100クラウンか。
これなら大満足だよ!と真夜中のファストフード店、店員のアラブ系の兄さんと2人きりの店内で、思いっきりハンバーガーにかぶりついた。


失望と希望

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やっとアメーバ、工事が終わったね。
前回からいろいろあったよ!
一気にいってみよう!



8月6日 月曜日


こっちの若者も日本の若者も変わらない。
夜中に乗り回す車はウーファーを効かせており、バイクもマフラーを切ったやかましいもの。
特攻服は着てないけどね。

そんな若者たちの騒音に悩まされながらも、少し南下したせいか若干温かい気温で快適に眠ることができた。

教会の公園にある野外聖歌堂みたいなとこで(^-^)/
こんなとこで寝ていいのか?
キリストさん、ちょいとお邪魔しますね。



さて!フェリー代や昨日の食費で結構お金使ったからな。
頑張って稼ぐぞ!と町にやってきたら、早速ジープスたちが紙コップを前に置いて地面に座ってる。

ヒッチハイクで色々聞いたところによると、ノルウェーはオイルマネーでとても豊かな国な上、入国も簡単、滞在も簡単ということで、貧しい人たちにとってはかっこうの稼ぎ場になっているということらしい。
しかしほとんどがルーマニア人というのはどういうことだろう。
ルーマニアって貧しい国なのかな。


ボーデのメインストリートはわかりやすい。
石畳の小綺麗な通りに小さなお店が並んでいて、デパートもある。
広場にはなにやら野外ステージが組んであり、近いうちここでライブがあるのだろう。

そしてそして、なんと広場から先が植物園みたいな屋根のかかった温室になっているのだ!!

200mくらいのこの温室の中にはたくさんのお店、たくさんの人通り、入り口は自動ドアになっていて風も入ってこない、もちろん雨の心配もない。
photo:01



ここでやれたら最高だな。
でもこういう場所ってたいがい警備員さんが注意しにくるんだよな。

でもやってみなけりゃわからない。
腹ごしらえをして、温室の真ん中あたりで恐る恐るギターを鳴らした。




そっから先はもう大フィーバー。
たくさんのひとだかり。
チップもめちゃくちゃ入る。
あ、警備員さん!
警備員さんもチップを入れてくれる。
この町最高だ!

するとそこに1人の渋いおじさんが話しかけてきた。
どうやらこの近くでレストランバーを経営してるみたいで、今夜歌いに来なよ、とのこと。


マジですか。
やばい。
今回の旅で初めての店の中での演奏。
ビール瓶投げつけられないかな。
つまらない雰囲気になって気まずくならないかな。

かなり心配しながらも今日も5時間歌い、今までで最高のあがりをゲット。
数えるのが大変なくらいのコインだ。
後で数えたのだが、なんと2280クラウンもあった。日本円で3万円。


19時にもなると温室の人通りは少なくなる。
でも締め出されることもなくいつまでもいていいようだ。
外はさすがにまだ寒い。ほんといい町だな。

レストランバーに行く時間は22時か23時くらい。
何を歌えばいいのか、今までの路上で外人さんにウケの良かった曲を思い出す。
英語でMCなんてまだできるわけない。

あー、コワイ(´Д` )
怖いけどここで逃げるわけにはいかない。



ビクビクしながら22時、お店の前にやってきた。

photo:02


レストランバー
「ダマンディ」

中に入ると、薄暗い店内にゆったりとしたソファーのボックス席がたくさん並び、中央のカウンターでは10人ほどの人たちが酒を飲んでいた。
一角にはDJブース。ライブもやっているボーデでは有名なこのお店。

俺もビールを買い、オーナーであるベンツさんを探す。
こっちのお店はたとえバーであろうと店内ではタバコを吸えない。
どのカフェにもオープンスペースがあるのは喫煙のためなのだ。
ちなみに1番安いビールが400mlくらいかな、52クラウン。

photo:03


お店の奥に進み、ビリヤードの部屋を抜けて外に出ると、そこにはテラスがあり、たくさんの人がそこでタバコをくゆらせながらビールを飲んでいた。

「おー!よく来たね!」

路上で声をかけてくれたオーナーのベンツさんは、足が悪いようでステッキをついており、ヒゲと眼鏡、ニットキャップ、それがとてもかっこいい。

たくさんの人たちが声をかけてくれ、その中にはノルウェーでもかなり名のしれたミュージシャンだという人も。
これまた有名なシンガーであるマリタは何度も日本を訪れており、気さくに話しかけてくれる。あの奈良よしともと友達なんだと言っていた。

みんなにお酒をおごってもらい、いい気分になってきた頃にはずいぶん人も増えてきた。

「よし、フミ、そろそろ始めようか。」

きてしまった……
いやいや、歌いに来たんだよ。

テラスから店内に入ると、たくさんの人たちでガヤガヤと盛り上がっていた。
そんな中でギターを抱える。
ステージではなくボックス席で。
マイクなしの生だ。
店内の音楽が消える。
みなの注目が集まる。



どうにでもなれ!!!!



最初の1曲はよかった。新鮮さにみんな聴き入ってくれた。

しかし2曲目、3曲目と進むごとに話し声が大きくなりはじめ、最後のほうではタバコを吸いにテラスに向かう人も。
歌いながらものすごく苦しかった。
最後にニールヤングをやってギターを置いた。

音楽が流れはじめると、またもとの盛り上がりを取り戻した店内。
辛すぎる。
今までの海外の路上で手に入れた手応えがむなしく壊れてしまった。失望を作り笑いでごまかした。


「フミ、フミは日本人なんだから日本の曲をやらなけばいけない。ニールヤングなんてやったらダメだ。フミはいいシンガーなんだから自分を、そして日本語を信じないと。言葉はわからないけど、音楽は感じるものなんだから。」

ベンツさんの言葉が優しく厳しく頭を叩く。

そうだよな。媚びたらいけない。媚びたらいけないんだよ。
今まで何度も何度も、嫌ってほど日本でこのことに立ち向かってきたじゃねぇか。
おんなじなんだよ、人間は。
媚びずに自分のやりたい音楽をやらなければ。


ノリのいい音楽にあわせて人々が踊っている夜中の3時。
俺は隅のボックスでそれに混れずに傍観している。
ベンツさんがパソコンを使ってDJをして、お客さんをあおっている。

そして盛り上がりが最高潮に達した時、音楽がパッと途切れた。
すると蜘蛛の子を散らすようにあっという間に店内の人たちがいなくなった。
閉店の時間。

それからベンツさんの家へ移動。
日本通のマリタ、鍵盤弾きでパンみたいなヒゲをしたエリック、ベンツさんとベンツさんの彼女の5人で、トレンディドラマにでも出てきそうなオシャレなアパートの部屋で、シャンパンを開ける。
photo:04



みんなでそれぞれの音楽を披露しあった。
マリタの個性的な歌、エリックの本職じゃないけど上手いギター、俺も俺なりの歌を歌った。

「フミ、自分を信じて生きるんだ。もし君がいい人間ならば周りにいい人たちが集まってくる。だから自分を信じることが大事なんだよ。」


大きな大きな言葉をもらった。
打ちひしがれ、辛酸をなめる思いを味わった夜、自分を信じるということの本当の意味が少しだけわかった気がする。


朝6時。
窓の外はあやふやな夜明けの光です。
失望と希望が混じり合った、どっちともつかないあやふやさが、明日を連れてくるのだよ。

ボーデでございます

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8月7日 火曜日


ベンツさんのアパートで目を覚ました。
ゆうべは結構飲んだな。もう13時だ。体が重い。

photo:04


まだ誰も起きてない部屋の中。
広い。
角にテーブルとソファー。レコードプレイヤーとスピーカー、床はフローリングと石板のタイル、壁にはセンスよく飾られたアートな絵。

1人でシャワーを浴びた。
シャワールームも洒落てる。まるで高級ラブホテル。

ていうか13日ぶりのシャワー!!
寒くて汗をかいてないといってもさすがにそろそろ限界だったんだよな。
もちろん顔と頭はデパートのトイレなんかで強引に洗ってはいたよ。
服もロバニエミのオンニの家から着たまんまだったから、洗面所でこれでもかってくらい洗ってやった。

エリックとマリタはライブフェスに出演するためにトロムソに行くと出て行った。

1人で暇なので部屋の中を掃除してみた。
室内でも靴を履きっぱなしのため床は汚い。掃き掃除。
そしてゆうべのワイングラスや食器を洗った。

15時くらいにようやく起きてきたベンツさん。
完全に昼夜の逆転した生活だな。
彼と一緒にアパートを出た。


photo:01


雲ひとつない最高の天気。
これから友達と会って、そのままバーに行くという彼と別れ、俺は1人で町をぶらついた。
観光をしようと思い、ツーリストインフォメーションに行ってみたのだが、どうやらこの町には見どころらしい見どころはないようだ。
かつて大戦中にドイツ軍による空爆で破壊され尽くした歴史を持つこのボーデ。
古い建物がないのはそのためなんだろう。
なのでノルウェーの人はあまりドイツ人のことが好きではないみたいだ。


おだやかな港町。ハーバーにはたくさんの帆船。程よく都会で自然も多い。ウミネコの鳴き声。
観光客には退屈な町かもしれないが、住むにはとてもいいところだなと思った。
photo:02



アパートに戻り、ベンツさんの彼女と2人、オリンピックを見る。
今回のオリンピック見るの初めてだ。
日本では時差があってみんな寝不足だろうな。ノルウェーは日本からマイナス7時間。


夜中に彼女も出かけて行き、アパートの中に俺1人になった。
最近、少しだけ夜が暗くなった気がする。8月になったし、ちょっと南下したせいかな。
それでも完全な暗闇にはならない。
ビールを買いに行きたいが、北欧は20時をすぎるとアルコールの販売が終了するというなんとも健全な土地。

薄暗い部屋の中、テレビを消して曲作り。
適当にコードを流して、周りを見回しながら目に映るものを歌詞にする。

真夜中の夕焼けが山を浮かび上がらせる。


あぁ、失うということの甘美さよ
もう少し影を伸ばしておくれ

photo:03



マヨネーズは偉大

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8月8日 水曜日

今日もベンツさんのアパートで目を覚ます。
ドアを開けると静かな室内。
ベンツさんたちは朝方に帰ってきてるのでまだ寝ている。

町で歌ってます、と書き置きを残しアパートを後にした。

今日も素晴らしい天気。
いつもの温室メインストリートで路上。
たくさんの子連れのお母さんがベビーカーを押している。
双子用のベビーカーは可愛い。
そんな小さな子供がヨチヨチ歩きで近づいてきて、不思議そうに俺をながめたあとで、お母さんに渡されたコインをポイと置いて行く。
ふとむしょうに日本に帰りたくなった。ホームシックなんて簡単な心情ではなく、なにか突き動かすような複雑な感情。


片付けをしてるところにベンツさんがステッキをついてやってきた。
もう1日だけ泊まらせてもらっていいですか?とお願いすると、最初ほど快くではないが、もちろんいいさと言ってくれた。
明日、この町を出発しよう。


世界は広い。
すべてを回ることはできない。
行きたい場所をしぼって、1年ちょいくらいで帰るつもり。
でも、やり尽くしたと思える旅にしないといけない。後悔しないように。

あー、こうして帰ることばかりを考えてちゃいけないよな。
今この瞬間を楽しまないと。


今日のあがり2000クラウン。
写真はお昼ご飯。
最近マヨネーズをかけるという技を覚えた。オリーブがうまい。
photo:01




あ、あとトロムソで受けた新聞の取材の記事を、ヒッチで知り合ってFacebook友達になったYvonneが見つけてくれた。
ありがとう!読めないけど!

http://www.nordlys.no/nyheter/byavisa_tromso/article6180105.ece



一期一会はブラウンチーズの味

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8月9日 木曜日


アパートの一室で目を覚ます。
リビングに行くが、夜人間のベンツさんはまだ自室で眠っている。

今日でベンツさんの家を出て行く。
3日間もお世話になってしまったが何もできないので、せめてキレイにしていこうと床を掃き、食器を洗った。

photo:01



そこにベンツさんが起きてきた。
音楽を愛する渋い男とコーヒーを飲む。

「これ持って行きな。ボーデを忘れないためにもね。」

そういって渡してくれたのは、毎年このボーデで開催されているミュージックフェスティバルのスウェットパーカーで、背中に2010年の文字とその年の出演アーティストの名前がプリントされている。
するとパーカーのポケットから何かが落ちた。

それは200クラウン札だった。
しかも2枚。

「No! please no!」

「Shut up Fumi. Shut up.」

そう言ってベンツさんはニコッと笑った。
ベンツさん、あなたが教えてくれたたくさんのこと、しっかり胸に刻んで旅を続けます。そして日本に帰ってからも。



1人、郊外に向けて歩く。晴れ渡る青空。道路の向こうに雪を残した山の連なり。
次の目的地はここから710km南に下った、ノルウェー中部にある国内第2の街、トロンヘイム。
かなりの長距離ヒッチになるのでおそらく丸2日はかかるだろう。
バッグがかなり軽くなったのは、山のようにあった硬貨を紙幣に両替してもらったから。
ちなみに銀行ではなく郵便局で。銀行なんにもしてくれねぇ。


さて行こうかい!
腹ごしらえをして12時、ヒッチスタート!!
photo:02



1台目 気さくな兄さん
バックパッカーである彼。旅の話をしながら30km!


2台目 気さくなおじさん
ブロードバンドの仕事をしてるらしく、この海の下にも光ファイバーケーブルが走ってるんだよと教えてくれた。
ファルスケの町まで。
photo:03




3台目 おしゃべりで陽気な女の子、テレサ
彼女もまたバックパッカーとしてヨーロッパ中、そして南米を旅してきたツワモノ。
ヨーロッパ人は旅人が多い。

これからサマーハウスに新しい車を取りに行くところなんだとウキウキしてるテレサ。
車の中で一曲歌うと、すごく喜んでくれ、みんなにも聞かせてあげて!ということに。
北欧の人々はみなサマーハウスというものを持っている。
別荘みたいなものだ。
田舎ののどかな湖畔なんかにそういう別荘地帯があったりして、みなそこで釣りをしたりバーベキューをしたりして短い短い夏を楽しむのだ。

やってきたのはロブナンの町の郊外にあるこれまた静かで美しい湖畔の別荘地。
緑輝く芝生と木立の中にお決まりのトランポリンがあるゆったりとした一軒のサマーハウスへ。
そのテラスにはテレサの友人家族がいて、この謎のアジア人を快く受け入れてくれる。
好奇心旺盛な子供たち、精悍で紳士な父親、優しそうなお婆ちゃん。彼らにとって俺はどういう風に見えたのか。つかの間の闖入。

photo:04


お婆ちゃんの作ってくれた家庭料理がもう、最高!
薄く焼いたパン生地に大好きな溶かしたブラウンチーズをたっぷりとぬったおやつを頬張る。
コーヒーを飲みながら旅や日本の話をして盛り上がっていると、そこにテレサの新しい車がやってきた。
白いボルボに飛び上がって喜ぶテレサ。

みんなとハグをして別れ、テレサにログナンの町外れまで送ってもらった。

「あの山の向こうがモーイラーナだから。会えて嬉しかったわ。」

テレサありがとう。
最高の気分で田舎道を歩く。
一本道の先には雪をかぶった大きな山が立ちふさがっている。
美しい牧草地と山から流れてきた川が太陽にきらめいている。人生は素晴らしい。
photo:06



よーし、あの山を越えたモーイラーナまで行くぞ!
photo:05



4台目 ボロ車の兄さん
見るからにボロい車に乗せてもらい、山に突入!

そしてコントのように車、故障!

ウケる(´Д` )

エンジンをかけようとしてもバッテリーが上がっててセルが回らない。
山の中で2人で車の下に潜り込んでタイミングベルトの交換をこころみる。しかし、素人にできるはずもなく無駄に手をオイルでベトベトにして服を汚して終了。森の中で途方に暮れる2人。
何やってんだ?
そこに兄さんの奥さんが救出にやってきた。
彼女の車とバッテリーをつないでエンジンをかける。
さて、行こうか、とギアを入れたらエンスト。
またバッテリーを繋ぐ。
また発進しようとしてエンスト。
諦めの悪い兄さんはそれを4回繰り返し、ようやく無駄だということに気づいて牽引で帰ることに。
奥さんの車の後ろに伸縮性のあるナイロンの牽引ロープをかける。

いざスタート!!

ドガン!!

ちょ!奥さん!運転荒すぎ!
そんな急発進!
あぁぁぁぁぁーーー!!!

「easy!! easy!!!」

「オーマイガァァァァ!!!(兄さん)」

ロープがぶっちぎれそうな急発進で俺たち車の中で転げ回る。坂道を80kmで下っていく!!

「あ!あぁぁぁー!!」

全神経を集中してサイドブレーキを握りしめている兄さん。
80kmでカーブ!!死ぬーー!!

10分後、山の中のドライブインに到着。

「ハァ、ハァ、Good luck.」

兄さんこそグッドラック。


地獄のジェットコースターから開放されて、ヒッチ再開。

5台目 おじさん
ノルウェーの国旗が立てられた車、ムースの形のカッティングという愛国心むきだしの車。後部座席の真ん中では、ノルウェーのゆるキャラ、ノルウィージャントロールがにやついている。
photo:07



「ほら、ここで写真を撮るといい。」

そう言って車を止めてくれたおじさん。
冷たい風が吹きすさぶ荒涼とした高地を、夕陽が赤く染めている。
目の前には何やらモニュメント。

そうか、ここはアークティックサークル、北極線。
フィンランドのロブァニエミから入った北極圏から、無事帰ってくることができたんだ。
俺はもうどこにだって行けるぞ。
photo:08



夜10時、モーイラーナの町に到着。
ツーリストインフォメーションの建物の軒下にマットを敷いた。
サマーハウスのお婆ちゃんが渡してくれた紙袋を広げると、ブラウンチーズが乗ったパンが入っていた。
お婆ちゃんが焼いたパンと言っていたこのパン。とてもポピュラーなお弁当で、ノルウェーの母親たちは学校に行く子供や仕事に行く旦那さんにこれを持たせるらしい。
photo:09



ずいぶんと夜が夜らしくなってきた暗がりの中で、パンにかじりついた。

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